コラム
Column
越境ECサイトを運営している方の中には、思ったよりも商品が売れない、集客が上手くいかないとお悩みの方も多いのではないしょうか?
越境ECは市場が広い分、可能性も大いにありますが、誤った集客、接客方法をとってしまうと成約に結びつかず、広告予算ばかり使ってしまう状態になりかねません。
そもそも外国人の方もただ日本の製品だから購入するわけではなく、購入する理由があるからこそ、わざわざ海外から購入してくれるわけです。
貴社サイトや貴社で取り扱う商品はターゲットユーザーが購入する理由はありますか?また、価値を感じてくれるターゲットユーザーを適切に集客できていますか?
上記の問に対し、「YES!」と言い切れる場合は素晴らしい状態です。「うーん、どうだろう」と思ってしまった方の為に今回は越境ECサイトの成約率を上げる5つの切り口をお伝えしたいと思います。
0.1%でも成約率を伸ばしたいと真剣にお考えの方は必見です!
成約率の高くない越境ECサイトで多く見受けられるのが、そもそもターゲット設定が誤っていたり、英語での広告運用が上手く出来ていなくて意図したものとは異なるオーディエンスを集客しているケースです。
例えば、貴社が中古車の輸出サービスをアフリカ向けに行っているとします。この時に、全アフリカをターゲットエリアに設定し、英語でリスティング広告を配信したらどうなるでしょうか?
このやり方だとほぼ100%失敗します。何故なら、アフリカというターゲットでは広すぎる為、不特定多数の方に広告が配信されてしまい、御社がフォーカスすべきユーザーからの流入が薄くなってしまいます。
輸入規制で初回登録年月日より8年未満の車しか輸入できないケニアと、そういった規制が無いザンビアでは、一言でアフリカと言っても欲しい車が異なります。
「いやいやアフリカ全土なんて、そんなざっくりターゲットを設定していないですよ」と思われた方の中にも、ターゲット国アメリカ!とざっくり約2億4千万人をターゲットしている方がいるかもしれません。
国単位で絞り込むだけではまだまだ甘いです!
日本語で日本で広告を運用している時に、ターゲットをざっくり『日本人』ひとまとめにしないのと同じように海外でも更にターゲットの絞り込みを行っていく必要があります。
貴社で取り扱っている商品が『どのターゲットユーザーに最も価値を感じてもらえる商品なのか』をより具体化にしていくことが成約率を上げる秘訣です。
次に海外のターゲットを絞り込む方法をお伝えしましょう。絞り込む切り口は複数あります。
エリアでの絞り込み
一番ベーシックなのは、エリアでの絞り込みです。アメリカにドンと広告を配信するのではなく、州別に広告パフォーマンスを見て、最終的にアメリカのフロリダ州にだけ絞って配信するといったような事もよくやっています。
運用型広告において、キーワードによる絞り込みは欠かせません。大きく分けて、ブランドワードでの検索、一般名詞での検索がありますが、ブランドワード(メーカー名、型番、シリーズ名等)である程度検索ニーズがある商材なのであれば、まずはそこから配信すると良いでしょう。
一般名詞になると、いっきに広告リーチ数が増えますので、一般名詞の中でも見込み度が高いと思われるニーズが顕在化したキーワードから徐々に配信していくとよいでしょう。
我々は、明確層、顕在層、準顕在層、潜在層と4つにターゲット層を分けて、それぞれのターゲット別にキーワードを設定しています。
性別や年代による絞り込みも重要な要素です。
Google AdWordsのDFSA(デモグラフィックターゲティング)を活用することで、年齢、性別といった属性による絞り込みが可能です。
年齢(「18~24 歳」、「25~34 歳」、「35~44 歳」、「45~54 歳」、「55~64 歳」、「65 歳以上」、「不明」)
性別(「女性」、「男性」、「不明」
英語圏向けにAdWords広告を運用する場合、2つの壁にぶつかります。
最初にぶつかるのが語学の壁です。①キーワード、②広告文を英語で用意しなければならなく、英語の語彙力の乏しい日本人の方がキーワード選定をした場合、十分にキーワードを選定しきれず、的外れなキーワードや広義すぎるキーワードで見込み度の低いユーザーを集客してしまう危険性があります。
また、普段英語に触れていない日本人が英語で海外ユーザーにとって魅力的な広告文のライティングをするというのは困難です。
次に運用の壁にぶつかります。というのも、国やエリアごとにキャンペーンを分け、更にデバイスや配信方法毎に予算管理をしていると、かなりの量のキャンペーン(予算を管理する単位)数になり、運用型広告経験者でも海外向けの配信に慣れていなければ管理が煩雑になり、コントロールが難しくなってしまいます。
我々がよくお客様から相談を頂いて見るダメなアカウントは、広義な英語キーワードのみ入稿され、デバイスやエリアでキャンペーンが分けられていないざっくりしたアカウントです。
AdWords広告は運用型広告の為、運用することを前提にキャンペーン設計をするようにしましょう。時には、国やデバイス、配信方法別にキャンペーンを設定する事もあります。
広告を運用していく中で⑵で挙げているようなターゲットの絞り込みをしていけるのが理想的です。
運用を想定しキャンペーンを設計し、最適なキーワード×広告文×配信国の組み合わせを見つけましょう。
参考:【保存版】はじめての英語リスティング 大失敗しない為に知っておくべき5つ事
御社が取り扱う商品が、比較的多くの店舗で取り扱われているニーズ商品(中古車、中古PC、中古医療器等)なのか、オーダーメード、オリジナルのウォンツ商品なのかによって戦略が異なります。
海外で勝っていく為には、下記の表のC・Dに該当するようなオリジナル性が高いニーズ商材で勝負するか、A・Bに該当するような比較的他の店でも入手可能なウォンツ商品をショップが選ばれる理由づくりを徹底して勝負する形になります。
ニーズ商品の場合は、集客したユーザーに十分に価値を伝えるという事が最重要課題なのですが、多くの越境ECサイトがただ商品を並べているだけのサイトになっています。
商品詳細ページには最低限のスペック情報しか掲載されておらず、Topページからランダムに表示されているその商品ページへ訪れたとしても価値を感じず、離脱してしまうのは必至です。
集客は出来ているものの成約率が低い海外向けサイトの多くは、ユーザーが訪れてから購入するまでの導線上の情報量が乏しすぎて、意思決定、価値を感じるのに十分な情報量がなく、離脱されてしまっています。
こういった場合、成約率を上げる為にはユーザーが訪れてから購入するまでの導線上にユーザーが購入の意思決定に繋がる情報を掲載し、気持ちを高める施策を行う必要があります。
多くの方が英語SEOで特定のKWで順位を上げることやリスティング広告で集客することにフォーカスしがちですが、サイトに訪れてからクロージングまでのストーリーを重要なキーワードグループ毎に設計してあげるだけで成約率は大きく変わります。
参考:そのキーワードで集客してどのようにクロージングまで持っていくかストーリーは描けていますか?
商品画像横の商品説明コンテンツは、ユーザーの意思決定に最も重要な鍵です。ここまで辿り着いているユーザーは、ある程度商品が絞り込めている事が予想できるため、判断基準である商品の特性、用途、価格、素材等の情報を正しい英語で記載します。
正しい英語というのが大事なポイントで、どんなに商品が優れていても、英語の表現が乏しければユーザーはテンションがいっきに下がり離脱してしまいます。
もし、英語が少しでも自身がない場合は、一度ネイティブにチェックさせる事をお勧めします。ここの英語が悪ければ、どんなに集客が上手くいってもザルで水をすくうような状態になってしまいます。
ユーザーは日本から商品を購入する際に、その商品にまつわるストーリーを知りたがっています。
どういった歴史のある商品なのか、どういう人が製造しているのか、どういう海外のユーザーが使っているのか等、そのメーカーに関する付加価値が付くものがあれば、商品ページの下部でも良いのでメーカー情報と共に載せるようにしましょう。
例えば、化粧筆を販売しているとして、その化粧筆が世界的スタイリストの○〇にも愛用さている、日本の高級化粧筆のシェアの何割を占めている等、ユーザーに「このメーカーで間違いないな」と正しい決断をしたと思わせる情報があると良いです。
ユーザーが意思決定に必要な送料、配送時間に関する情報も他のページに遷移させることなく、ページ内で掲載させると良いでしょう。
また、商品詳細ページの情報量が長くなった際は、ユーザーが何処にいても購入ボタンを押せるように配慮してあげると成約率は高まります。
貴社が下の表のA・Bにあるようなウォンツ商品(中古車、医療機器)を扱っている場合、またはC・Dの商品を扱っているが他社も類似するオリジナル商品を扱っている場合、戦略はまた異なります。
商品の魅力が十分に伝えることは必要ですが、更に考慮しなければならないのが、貴社サイトから購入する理由があるかです。
インターネット上でユーザーが商品を探している以上、検索結果に出てくる全ての競合サイトと比較検討されていると考えても過言ではありません。
下記のような貴社サイトから購入する理由を1つでも多く作れるとサイトの成約率は大幅に向上します
他にもいくつかあると思いますが、要は上記のような項目を網羅し、海外のユーザーに利便性と安心感、お得感を与えられるサイトが選ばれます。
切り口2でご説明した商品が選ばれる理由、切り口3でご紹介させて頂いた競合と比較したときにショップが選ばれる理由は何か、それぞれのステップを乗り越えるにはどうしたら良いか考えるようにしましょう。
次に考えなければならないのが、ユーザーがサイトに訪問してから購入するまでの導線が誰にでも分かるか?です。
というのも、商品数が多いサイトやカテゴリが複数あるサイトだと、どのように下層に遷移すれば良いかわからなかったり、商品を絞り込みにくく、一度閲覧した商品にたどり着けず、ユーザーが離脱してしまう事があります。
グローバルナビにカーソルを合わせると、サブカテゴリのリンクが表示されるサイトや、プルダウン式のボタンで下層への導線が表示されるサイトは、要注意です。
あなたや関係者の方がどのように下層へ遷移すべきか分かっていたとしても、多くのユーザーが下層に遷移することが出来ずに離脱してしまう事があります。
定期的にTOP、カテゴリ、サブカテゴリ(あれば)詳細ページの遷移率を確認し、ユーザーが適切に回遊しているか、導線上のネックが無いか確認してみてください。
カテゴリページにサブカテゴリーページへのテキストリンクを置いて上げるだけで、よりユーザーが詳細な絞り込みページに遷移することが出来、それだけで成約率が10%上昇した事もあります。
一番、分かりやすい問題発見の方法としては購入ユーザーと非購入ユーザーに分けてGoogle analyticsで遷移を見比べてみることです。
購入ユーザーの遷移のパターンにできるだけ多くのユーザーを寄せることで、購入率を上げることが可能です。
最後は、決済手段は十分に用意されているかです。当然ですが、決済手段が豊富にあるECサイトの方がお客様にとって購入し易いサイトです。
多くの越境ECを始めたばかりの企業様は、銀行振り込み、Paypal決済からスタートしていると思いますが、ある程度売上が立ったら(月商100万円を超えたら)、または資本に余裕があればクレジットカード決済も導入することをお勧めいたします。
最終目標としては、御社がベンチマークする海外競合サイトが持っている決済手段はすべて対応しているくらいにしましょう。
また、よくあるケースでせっかくクレジットカード決済を導入しているのに、サイト上の何処にもその旨が記載されていない場合があります。そういった場合は、対応しているクレジットカードのアイコンをTOPページや全頁共通の分かりやすい場所に掲載するようにしましょう。
越境ECサイトを立ち上げたものの鳴かず飛ばずの状態で、諦めかけている方は少なくないでしょう。もしかしたら御社サイトで売れないのではなく、売れるまでに十分な集客や改善が仕切れていないだけで、もうすぐ売れ始めるかもしれません。
トーマスエジソンが、
ほとんどの人間は、もうこれ以上アイデアを考えるのは不可能だというところまで行きつき、そこでやる気をなくしてしまう。勝負はそこからだというのに。
というような名言を残していますが、越境ECについても、もう無理だ!打ち手なんかないと思ってからが勝負かもしれません。上記で挙げた切り口の中で、まだ1つでも実践出来ていないものがあれば是非、試してみてください。それでも難しければご相談ください。私も一緒に考えます!
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