コラム
Column
こんにちは。
ポータル・ジャパンの久保です。
本日は少しジェネラルな、企業のマーケティング活動全般に関わる内容をお伝えさせていただきます。
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ある日、営業マンのAさんが勤める会社に1本の電話がなり、
偶然Aさんが電話対応をしました。
「はい、○○株式会社です」
「あのー、
御社の商品を利用したくて電話しました。
パッケージプランの商品ではなくて弊社用に
カスタムしていただきたいのですが?」
電話は新規のお客様から問い合わせの電話です。
売上を獲得するチャンス!
・・・ですが、
日々の業務に忙しいAさんは1分1秒も無駄にしている暇はありません。
また、電話の内容はパッケージ商品を販売するだけではなく
お客様に合わせて仕様をカスタムしないといけません。
話を聞いたところ、そのお客様独自の仕様を実現するのはかなり手間がかかりそうです。
そこでAさんはつい、、
「せっかくお問い合わせいただいたのに恐縮なのですが、
現在社内が立て込んでおりまして、、
パッケージプランのみのご提供とさせていただいております。」
と手間がかからないパッケージプランしか対応できないとつい嘘をついてその場を逃れようとしました。
この後カスタム商品を買えないと知ったお客様はAさんの提案を断って、電話を切りました。
Aさんは余計な作業が増えず、ホッとして自分の作業に戻りました。
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さて、
少し物語風にお伝えさせていただきました。
Aさんの嘘をついてお問い合わせを断る態度は少し大袈裟ですが、、
自分の業務が忙しく、新たな仕事が増えることを嫌に思ったり避けようとしてしまった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時にふと考えていただきたいのですが、
あなたの会社に鳴る電話、
その電話は1本いくらかスタッフであるあなたはご存じでしょうか?
通常、口コミで良い噂が広がり、何もしなくても問い合わせの電話が鳴りやまない会社で無い限り
何かしらの広告に対して、広告宣伝費を払っているかと思います。
・ポータルサイト等への純広告の掲載
・SEO対策
・リスティング広告
・ソーシャルメディアプロモーション
・メルマガ広告
・マッチングサイトへの掲載
などなど。
Web以外のオフラインで考えると紙媒体の広告(ポスター、チラシ、新聞)や展示会出展等も含まれます。
仮にAさんの勤めている会社で考えてみましょう。
Aさんの会社の毎月の広告宣伝費、問い合わせ、成約状況をまとめました。 ※お問い合わせ手段は電話のみを想定。 ※売上が発生するのは初回のみのため、LTV(ライフタイムバリュー)は計算ないことを想定。●広告宣伝費 ・自社サイトへのリスティング広告出稿費:100,000円 ・マッチングサイトへの掲載費:30,000円 ・業界紙の広告出稿費:20,000円 ====================== 合計:150,000円 ●問い合わせ、成約状況 ・毎月定期的に10本のお問い合わせの電話が鳴る ・お問い合わせの電話から新規で3件を受注 ・受注1件の平均売上は500,000円、粗利率は30% ・1件受注した場合の粗利は150,000円 つまり、 ・お問い合わせに対する成約率:約33% ・毎月の売上:1,500,000円 ・毎月の粗利:450,000円 1本の問い合わせ電話の金額は15,000円(150,000÷10)ということになります。 |
当たり前の話ですが、お問い合わせの電話が月に3回しか鳴らなかった場合、
150,000÷3で1本のお問い合わせ電話が50,000円の価値に相当し、
もし1本のみの問い合わせだけだったら、その電話の金額は150,000円となります。
冒頭でお伝えしたAさんの行いは、
自分の都合のみを考えて15,000円の電話を無駄にしてしまったことになります。
(少し荒っぽい言い方をすると会社の15,000円をドブに捨てたことになります)
今回のAさんのようなケースはほとんど無いと思いますが、
果たして皆さんの会社のスタッフの方はお客様からかかってくる1本の電話(またはお問い合わせのメール)の金額を把握した上で対応をしているでしょうか?
Webプロモーションは比較的、正確な費用対効果を測ることができます。
今一度自社の広告宣伝に使用している費用を振り返り、どの程度のROI(Return On Investment)となっているかを確認しても良いかと思います。
なお、最後に余談ですが、
一般的に「広告費にかける金額は1回の注文から得られる平均粗利の30%が目安」と言われています。
そのため、Aさんの会社の場合、1件の受注にかける広告宣伝費は150,000円(1回の注文から得られる粗利)x0.3=45,000円に収める必要があります。
平均して毎月3件の受注を獲得しているので3件獲得するために使用できる広告宣伝費は45,000円x3=135,000円となります。
※上記は結果論です。本来であれば、広告を出稿する前に「毎月3件受注するために、135,000円広告宣伝費を使用する」と目標にして広告活動を行う必要があります。
毎月150,000円を捻出しているので、少々割に合っていないという計算になります。
そのため、適正な広告宣伝費とするために、
・お問い合わせ数を伸ばす
⇒広告の質を上げる
・成約率を伸ばす
⇒営業フロー等の社内状況を見直す
・広告宣伝費を削減する
⇒費用対効果の悪い広告への出稿を止める
の対応が必要となります。
普段何気なく対応しているお問い合わせの電話の裏側を見るとそこには会社がマーケティング活動の一環として使用している広告宣伝費の存在があり、そこから1本の問い合わせ電話、1通の問い合わせメールの価値、金額が決まってきます。 また、お問い合わせが来るのが「海外から」になるとまたその価値は高くなると弊社は考えています。国内企業と海外企業へお問い合わせをする場合、海外企業へ問い合わせをする方が心理的な壁が高いと考えれらます。また、よほどニッチなサービスでない限り現地にも同じようなサービスを展開している競合他社がいます。それらの障壁を掻い潜り、日本にある貴社に届いたお問い合わせは電話であれ、メールであれ国内からのお問い合わせよりも更に価値があるのではないでしょうか。 金額の大小によってお客様への対応を変える、ということではありませんが、スタッフ1人1人が1本の問い合わせの価値を認識し、最大限の対応ができるよう意識を変えれば会社や売上も自ずと変わってくるのではと思います。 |
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