海外マーケティングブログ

「英語サイトのアクセスを増やせ!」と上司に言われたらどうする?!

執筆者

加瀬雅彦

加瀬雅彦/Kase Masahiko

プロフィール詳細

COO/運用型広告チームマネージャー
海外Webマーケティング事業に10年以上身を置き、2014年8月に代表徳田と共に世界へボカン株式会社を設立、取締役に就任。
英語Google広告運用、ソーシャルメディア広告、アクセスログ解析、英語サイト改善など、数多くのプロジェクトに携わる。

「英語サイトのアクセスを増やせ!」と上司に言われたらどうする?!
こんにちは!
さて、今回は企業のWeb担当者様の視点でコラムを書いてみました。
Web担当者の方が上司から「英語サイトのアクセスを増やせ!」と指令を受けた時に、何をどうするべきかというヒントになると思います。
単に言われたことをやるのではなく、根本の要因から探り、何をやるべきか本質的なところを見抜いて、自分なりの考えを持てると、周りの目も変わってくるのではないでしょうか。

(1) 目的は何だろう?

「アクセスを増やす」ことは「施策」の一つであり、「目的」ではありません。
もし上司の方がアクセスを増やすことを目的としていたら、目的を見失っている可能性があります。
多くの場合、目的は「売上を上げる」「問い合わせを増やす」といったことであり、「アクセスを増やす」ことはそのために行うべき施策になります。
まずは「何のために?」という目的をしっかりと把握しましょう。

アクセスを増やすことは目的ではない

(2) 目標はどのくらい?

ここで重要なのは「アクセスを増やす」ことに対する目標ではなく、「目的」に対する目標をしっかりと設定することです。
「売上を2倍にする」「問い合わせを2倍にする」といった最終的な成果につながる目標を持つことで、やるべきことが明確化されます。

目標設定は?

(3) 現状ってどうなの?

「目的」と「目標」がはっきりすれば、次に「現状」を把握することが大事です。
ここで参考になるのが、以下の図です。
説明をわかりやすくするため、仮の目的、目標と数値を入れてみました。

目的:売上を上げる
目標:成約数を2倍にする
現状
成約数:1(成約率1%)
問い合わせ数:10(問合せ率0.5%)
訪問数:2,000
現状数値
現状数値

現状の数値を当てはめると見えてくるのが、「問い合わせ率」と「成約率」です。
ではこの現状からどのように目標を達成するのでしょうか?

(4) どうやって目標を達成する?

もともとは「アクセス数を増やす」ということでしたので、「アクセスを増やす」施策をベースに先ほどの図を当てはめると以下のようになります。

訪問数:4,000
問い合わせ数:20(問合せ率0.5%)
成約数:2(成約率1%)
アクセス数2倍の場合
アクセス数2倍の場合

たしかにこれで目標は達成できる計算です。
しかし本当にこれしか方法がないのでしょうか?
ここで「問い合わせ率」「成約率」がポイントとなります。
例えば、「成約率」が2%になれば、現状のアクセス数でも目標は達成できます。
もしくは、「問い合わせ率」が1%になれば、同じように目標は達成できます。

<成約率が2%の場合>
訪問数:2,000
問い合わせ数:10(問合せ率0.5%)
成約数:2(成約率2%
成約率2%の場合
成約率2%の場合
<問い合わせ率が1%の場合>
訪問数:2,000
問い合わせ数:20(問合せ率1%
成約数:2(成約率1%)
問合せ率1%の場合
問合せ率1%の場合
何を言いたいかというと、これまでの経験上「アクセスを増やしたい」とご相談いただくお客様の多くが、アクセスを増やせば問い合わせや成約は増えるというように考えています。もちろん誤りではないのですが、どちらかというとこの方法の優先度は高くありません。
それは予算にも影響してきます。

(5) 予算はどのくらい?

例えば、リスティング広告の場合、予算を倍にすればアクセスも倍になりますが、毎月予算がかかるのと、必ずしも同じだけ見込みのあるユーザーを誘導できるとは限りません。
また、SEOも現在はコンテンツを重視した施策になるため、成果がでるまで半年~1年以上と長期的になり、BtoBなどになるとそもそも検索ボリュームが非常に少ないことも多いため、採算が合わない可能性もあります。
しかし、成約率や問い合わせ率というのは、成約フローの見直しやサイトの修正が中心となり、長期的に見た場合、コストは抑えられます。
我々がよく表現として使うのが、「ざるで水をすくっているようなサイトになっていませんか」とういことです。
穴が無数にあってそこから水が漏れているにも関わらず、必死に水をすくおうとしている状態で、つまりユーザーが離脱しやすいサイトにも関わらず、アクセスを増やすことばかりに目がいってしまっているということを意味します。

<まとめ>
完璧なWebサイトというのは存在しません。まずは自社のWebサイトを見つめなおしていただき、何をすべきか優先度を考えていきましょう。
■重要ポイント
・目的を理解すること
・目標を設定すること
・現状の数値を把握し、何をすべきか優先度を考えること

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