コラム
Column
みなさんこんにちは、片川創太(@seomatome)と申します。世界へボカンさんのコラムに寄稿させていただくことになりました。
私はディーエムソリューションズという会社で国内向けSEOのコンサルティングを担当していました。独立を志して退職した後、暇な時間にかまけてくだらないサイトを作って遊んでいたところ、見るに見かねた世界へボカン社の徳田社長にお声がけいただき、同社の海外向けSEOサービスをお手伝することになりました。(徳田さん、ありがとうございます)
私が同社にお世話になる中で、多言語でページを展開する海外向けWebサイトならではの問題を目の当たりにする機会がありましたのでご紹介したいと思います。
世界へボカンさんに相談があったのは工業製品のECサイトでした。
海外からの買い付けも多い商材ということで、プルダウンメニューを使って下層ディレクトリで展開されている英語やフランス語のページに遷移できるようになっています。
すでにお目当ての商品が決まっているお客様が多いと見えて、製品名・型番キーワードでのコンバージョン率が高いサイトです。
早速売れ筋と伺った製品型番で検索していみると、確かに10位前後に位置しているのですが・・・google.com(英語圏向けGoogle)で検索してもgoogle.fr(フランス向けGoogle)で検索しても日本語のページが表示されてしまっています。
先にご紹介した通り各言語のページが用意されているのにも関わらず、です。
当然スニペット(検索結果の説明文)も日本語。これでは現地の方にはクリックすらされない可能性が高いです。非常にもったいないですね。そこで私達が提示した解決策は2つです。
今のGoogleは非常に頭がいいので、特定のタグを実装しないでもある程度サイトの構造を認識しようとしてくれます。しかし今回のケースでは言語切り替え機能自体がプルダウン形式のメニューのみで提供されていたため、多言語ページの存在がGoogleに全く認識されなかったようです。
さすがのGoogleもこれではお手上げですから、多言語ページに向けて静的なサイト内リンクを設置するようにします。
このようなケースで必ず実装したいのが<link re="altrenate" hreflang="x">アノテーションです。
<link re="altrenate" hreflang="x">アノテーションとは、複数の言語用にページを分けて構成されているWebサイトの構造をGoogleに認識させるためのタグのこと。
各ページの<head>セクションに<link>タグとして埋め込むか、XNLサイトマップに追記して設定します。以下に例を提示します。
<head>セクションにに<link>タグとして埋め込む場合は以下のように指定します。基本的にはhrefに各ページのURL、hreflangにそのページが対応している言語をISO 639言語コードで指定すればOK。いずれの言語のページにも共通のものが出力されるようにします。
注意していただきたいことが3つあります。
【注意点その1】canonicalと同じでTOPページと下層ページのhrefに同じ内容を指定してはいけません。必ずページ毎の対応関係に従って、下層ページではhrefに個別の値を記述してください。
【注意点その2】英語やスペイン語のように複数の国で使われている言語のページが、さらに国別に分かれている場合hreflangに「-」(ハイフン)をつけてISO 3166-1形式の国別コードを指定してください。
【注意点その3】もしIPアドレスなどに対応して自動的にリダイレクトする仕組みを採用しているURLを用意している場合はhreflangに「x-default」という値を指定します。
XMLサイトマップを利用する場合の注意点も原則<head>セクションに記載する時と変わりません。2行目の<urlset>の設定が通常のXMLサイトマップとは少し異なりますので注意してください。
世界へボカンさんとはまだ一緒にお仕事をさせていただいたばかりなのですが、今回の事例のように日本企業の海外向けサイトが機械損失を発生させているケースがとても多いように感じています。
特に海外向けサイトを展開されている企業様の場合、日本語用サイトの運用歴が長くGoogleから一定以上の評価を得ていることが多いためテクニカルな部分に少し気を配るだけで全然結果が変わってくることも多いと思います。
最近はコンテンツマーケティングがすっかり流行で、SEOといえば新規コンテンツを追加する施策が真っ先に検討されるような風潮があるように感じています。しかし既存のページもSEOの重要な資産ですので、これからSEOを見直そうという方は両輪でチェックなさることをおすすめします。
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