コラム
Column
1.jpg” alt=”海外の消費者に購入という行動を起こさせるには? - 認知行動心理学の視点から考える海外Webマーケティング” width=”600″ height=”314″ />
海外向けWEBマーケティングを行う上で、海外のターゲットユーザーの心理を知ることはとても重要です。
どんなにコピーライティングに長けた人でもターゲットユーザーが誰で、その人の心理(悩みや願望)を知らなければ、商品とユーザーを結びつける素敵なコピーを考える事は難しくなってしまいます。
しかし残念な事に、この『誰』という部分と『どんな悩みや願望』という部分を着目して、海外向けサイトを運用している方はそこまで多くありません。
あなたはどのくらい海外のターゲットユーザーが誰でどういった心理状況なのかを理解しているでしょうか?
海外のターゲットユーザーの心理が分からない、今まで考えたことがない、商品があまり売れていないという方は気づきが得られると思います。
ユーザーが行動するには必ず原因があり、人間の購買意欲にも必ず論理的な根拠が存在します。
このユーザーのインサイト(消費者の行動や思惑、それらの背景にある意識構造を見ぬいたことによって得られる「購買意欲の核心やツボ」)を発見し、クリエイティブに生かすことで、より効率的に海外のターゲットユーザーにプロダクトの魅力を訴求することができるようになります。
そこで今回は、心理学(認知行動心理学)のアプローチから、海外WEBマーケティングを紐解きたいと思います。
まずは、認知心理行動学とはなんぞやという話からしていきましょう。
認知行動心理学とはアーロン・ベック(1979)による人間の心理と行動を分析するモデルです。このモデルでは、「人間がどのように情報を処理し行動に移すか」を説明しており、人が購入するまでのステップを大きく以下の4つに分けています。
A:五感情報
B:信念
C:感情
D:行動
この4つのステップを理解することが心理学を駆使し、海外WEBマーケティングを成功させる為の第一歩です。
それでは、各ステップがどういった要素なのか解説をしていきましょう。
まず認知の段階では、人間は視覚情報などの五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)から情報を入手します。テレビの鑑賞、他人から話を聞くことや、自らの経験が含まれます。
次に、自らの信念に基づき、五感からの情報がどういったものなのか判断します。ここで言う信念というものは、人間の過去の経験から形成されているもので、態度やルール、要求やイメージ、意味が含まれ、日本語でいう「人格」や「性格」、「価値観」、「固定観念」にも似ているかもしれません。
ここで注目していただきたいのは、信念は自らの過去の経験によって作られるということです。そのため、新たな経験をすれば塗り替えられる可能性があることを示唆しています。
最後に、人間は情報を自らの信念に基づき分析し、感情と行動を起こします。感情には嬉しさ、悲しさ、怒りなどが含まれ、行動は飛び跳ねる、泣く、叫ぶなど多岐にわたります。
例えば、好きなアイドルが結婚すると知った僕は「怒り」を覚えます。そして行動は「げっそり」するかもしれません。何故なら、そのアイドルがある程度好きであった期間があったため、心の奥で「結婚してほしくない」「純粋なイメージでいてほしい」なんていう信念があるからかもしれません。
さて、認知行動心理学の概要を理解して頂いた上で、具体的にWEBマーケティングにどう落とし込むのかをお伝えしていきたいと思います。
越境ECサイトの海外WEBマーケティング行う場合、ターゲットするエリアの特定のユーザーに商品の情報(価値)を伝え、購入に導くことがゴールです。
そのゴールにたどり着く為にお客様の心理を認知行動心理学の視点を応用し、分類したものがカスタマージャーニーマップです。以下のカスタマージャーニーマップの例ではお客様の購入の段階を認知、調査、比較、購入の4つに分類しています。
どのように認知行動心理学とカスタマージャーニーマップが重なるのかを説明していきましょう。
認知の段階では、『そもそもお客様に伝えたい情報を五感を通して伝えることができるか』ということが課題となります。
ネットで検索をして情報を得られる時代で、そもそも目(視覚)に入らなければ考慮される対象にもなりません。
お客様が抱える悩みや願望を想像し、彼らの検索するキーワードでターゲットとする国の検索エンジン(Google、Bing)で上位に出てくることが、この段階のユーザーにリーチする為には重要です。
消費者は自身の抱える悩みや願望と商品の関連性を知るために、認知した情報を用いて、商品の調査と比較をします。
商品の情報だけを掲載しているサイトには、この信念、つまり購入する動機に関する情報が圧倒的に少なく、広告を使って海外のユーザーにリーチで来たとしても、彼らは、自身の抱える悩みや願望と商品の関連性を認識することが出来ません。
その為、海外WEBマーケティングを行う上で、
①ユーザーが誰なのか
②彼らはどういった悩みや願望を持っているのか
③どういった言葉で検索するのか、どのような意図をもって検索をしているのか
を明確にし、的確にユーザーの悩みを解決する信念を刺激するコンテンツを設ける必要があります。
これは、広告クリエイティブを考える際にも応用でき、ユーザー心理を理解した広告文、イメージ訴求が出来れば反応は大きく変わります。
また、購入にはどのような要素が大切なのかという信念や印象も存在します。デザイン、機能性、タイミング、値段、ブランドイメージなど信念や印象の種類と製品の要素は多岐にわたります。
お客様が大切にしているプロダクトの選定基準は何なのかをクリアにし、アプローチをすることで、反応(CVR)は上がります。
Webマーケティングに限定するのであれば、検索ワードからユーザーの検索する意図を読み取ることが大切なのは、ユーザーの商品に対する信念の種類と要素を細分化する為です。
認知行動心理学のモデルに基づくと、購入を検討しているお客様は商品に対して信念や印象を持っています。とすれば、お客様の購入意思の強さは異なり、お客様の商品に対する信念や印象は、無関心なのか、なんとなく買ってもよいと思っているのか、購入したくて仕方がないのかなどの様々なレベルがあります。
異なる購入意思のレベルの潜在的なお客様に効果的な情報は変わってくることは必然です。どのレベルのユーザーにどの情報を伝えるかが分かっていれば、自ずとビジネスが成功する確率も格段に上がります。
信念や印象は過去の経験に基づいて形成されます。そのため、新しい情報や体験は信念や印象を徐々に変えていくことができます。
時間軸に注目するのであれば、お客様が情報を解釈しやすいタイミングで、再度お客様の信念や印象を変える情報を提供することで、お客様の購入意思を変えることができます。(リマーケティングという手法が大切なのはこの為ですね。)
マーケティングでは、これらの信念や印象を、“購入したくて仕方がない“の段階に持っていくため、潜在的な消費者を刺激して、彼らの信念や印象を変えていくことが必要です。
カスタマージャーニーマップでの調査、比較とは、購入意欲を育成させるため、お客様が行う行動です。意欲があまりに強ければ比較ステップを飛ばして、購入することもあります。
購入の段階でも異なる行動が存在します。店舗での受け取り、会話、電話や配送(送料)、そのタイミングや場所など、可能な限り購入の手段でストレスを感じない方法を提供することが最後の段階となります。お客様の購入の行動が楽であれば楽であるほど、商品とお客様がよりつながります。
ある日本茶をヨーロッパに販売する越境ECサイトを運営してクライアントでは、Paypalしか決済方法がなかった状態から、新たに複数の決済方法を導入し、売上が3倍に伸びました。
ターゲットユーザーが重なると思われる競合サイトの決済方法や配送情報等を参考にターゲットユーザーの心理的ハードルを下げる施策がないか考えてみると良いアイディアが浮かぶかもしれません。
購入経験自体が新たな五感からの情報となり、信念の更新につながります。
定期購入などがビジネスモデルに含まれている場合は、お客様の商品を使用する体験も重要となります。世に言われるインフルエンサーが体験をシェアすることで、インフルエンサーの体験を基に購入意欲を上げる事が可能です。
以前、化粧品を扱うクライアントがサイト上ではとても魅力的なコピーでユーザーを獲得していたのにも関わらず、商品の梱包が煩雑でお客様のリピート率が著しく低かった事がありました。
売るまでが顧客接点と考えるのではなく、売って、リピートしてもらうまでを考えてマーケティングを行うことが重要です。
いかがでしたでしょうか?
今回は、認知行動心理学の視点からカスタマージャーニーマップ(CJM)でどういった心理の変化があるのか、アプローチが必要なのかを解説させていただきました。
ターゲットユーザーの購入という行動を起こさせるための信念を作成には
を与えることが重要となります。
マーケティングは人間の心理を科学することで、一つ一つの課題を解決し、プロダクトとお客様を繋げることを可能にします。
特に海外WEBマーケティングの場合、心理的なハードルは国内のものと比べ高く、情報を通して信頼を構築していくことが重要です。心理学的なアプローチに基づきマーケティング施策を行う事でビジネスを成功率を上げることが可能です。
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