コラム
Column
[弊社フランス人メンバーが執筆した英語記事を翻訳、校正しています。]
ウェブマーケティング戦略を考える際に、多くの企業がリスティング広告におけるブランドキーワードを無視しがちです。
海外向けに広告を出稿する際にも、日本国内向けの広告と同様に、次のような意見をお持ちのお客様がたくさんいらっしゃいます。
「既にブランド関連のキーワードで検索結果の1番上に表示されているのに、何故、自然検索結果のリンクへと至るはずのクリックに対して、料金を支払う必要があるのでしょうか?」
この意見は、一見とても妥当なように思えます。
ユーザーがブランド名を検索したとき、SEOが適切に実施されていれば、そのブランドは自然検索結果の第1位に表示されます。
それではなぜ、自然検索結果の上に表示されるリスティング広告を使用することが推奨されるのでしょうか?
現実はそこまで単純ではありません。
本記事をお読みいただければ、なぜブランドキーワードでのリスティング広告がウェブマーケティング戦略において必須なのか、ご理解いただけるかと思います。
2.広告+SEOについての調査結果
3.まとめ
検索結果ページ全体が自社ウェブサイトへのリンクで埋まっているのは、間違いなく強力です。
例として、イギリスのファッションブランドのASOSの検索結果を見てみましょう。
素晴らしくはありませんか?いたるところに公式のリンクが表示されています。
現在、Googleは広告をよりいっそう自然検索結果に似せようとしていますが、一方で広告は依然として強力なツールです。とりわけ、利用できるすべての広告拡張機能を活用している場合には、ユーザーは自然検索結果よりも広告へより惹きつけられます。
自社ブランド名への入札は、ブランドを保護するための手段にもなります。
なぜなら、潜在的なクリックを競合他社に奪われる事態を回避できるからです。
競合他社のブランドへの入札は、あまり倫理的とは言えませんが、実はGoogleは禁止しておりません。
しかし、競合他社のブランドキーワードへの入札は、一般的にクリック単価が高くなります。そのため、自社ブランドキーワードへ広告を出しておけば、自社からトラフィックを奪おうとする競合他社の企てを阻止することが可能です。
ブランド名に一般的なキーワードが含まれている場合には、ブランドの保護はよりいっそう重要となります。なぜなら、一般的なキーワードに反応して、競合他社の広告が表示される可能性が高いからです。
反対に、自社ブランド名を絞り込み部分一致で利用すれば、高品質スコアの利点を活用しつつ、広告の表示回数を増やし自社サイトへの誘導を強化する完璧な言い訳を得られます。
競合に他のブランドが含まれるのは当然ですが、小売店の場合には販売代理店や関係会社も含まれます。
以下のヴィラフォンテーヌホテルの例を見てください。
ブランド広告がないために、公式ウェブサイトは予約/旅行サイトの下の第5位に追いやられています。
公式ウェブサイトからのコンバージョンのほうが販売代理店経由より利益が大きいなら、マーケティング戦略においてブランド広告は間違いなく必要となります。
自然検索結果はソースコードを書き換えないと変更できませんが、広告ではメッセージング戦略をより柔軟かつ自由に行えます。
特別プロモーション、限定オファー、あるいは再訪問者へのカスタマイズしたメッセージにせよ、メッセージを自由にビジネスニーズに適応させることができます。
その他に広告が重要な役割を果たすケースとしては、何らかの理由でブランドが検索エンジンから処罰を受けたり、あるいはブランドイメージが毀損されてしまった場合があげられます。
そういった場合には、ブランド名での自然検索結果から公式ウェブサイトのリンクが完全に消されてしまったり、一番上に悪評などのネガティブなリンクが表示されてしまう、といった事態が発生します。
その際に広告は、自然検索結果が回復するまでの間、ブランドへのダメージを多少なりとも緩和するための迅速かつ効率的な方法となります。
GoogleアドワーズとFacebook広告についての著書があるラリー・キム(Larry Kim)によると、「平均クリック率/品質スコアが高いキーワードをもっていると、アカウント内の他のキーワードに有利な影響を及ぼします(英語)」。
Googleが公式に発表したことは1度もありませんが、Googleはアカウント内の他のキーワードの品質スコアに基づいて、新たなキーワードの品質スコアを計算していると理解されています。
基本的には、 既存のキーワードのパフォーマンスが良好な場合に、新たなキーワードは高い品質スコアを獲得する可能性が高くなるのです。
ブランドキーワードに入札する以上に、アカウントの平均品質スコアを高める良い方法は存在しないでしょう。
クリック率が高くクリック単価が低いブランド広告は、確実にアカウントの平均品質スコアを高め、新たなキーワードの品質スコアにも良い影響を及ぼします。
品質スコアがSEOパフォーマンスへ与える潜在的な影響は、専門家の間で長い間論争の的になっていますが、一般的には、間接的だとしても相関があると考えられています。なぜでしょうか。
広告がSEOに影響を及ぼすには、いくつかの要因が考えられています。
広告とSEOの問題を、一方が他方に優越する「0か100か」の観点で捉えるのではなく、広告+SEOをセットで考え、より戦略的なアプローチをとり、検索ユーザーへの広範なブランドメッセージの提供を目指しましょう。
下の例は、ニューヨークタイムズが開発した戦略です。
オーガニックリスティングは無料のオンラインニュースにアクセスするために利用され、広告は購読契約のプロモーションに利用されています。
いずれにせよ、ブランド広告に乗り気でない企業は「自然検索でカバーされるクリックに対して料金を支払う必要はない」と主張しますが、この主張は間違っています。
Bingの2015年の調査(英語)では、広告によってブランド保護およびトラフィック増加が実現するため、広告+SEOは、それぞれの単純な合計以上の結果をもたらすことを示しています。
例として、下記は小売業界についての詳細な調査結果です。
2012年にGoogleが行った同様の調査(英語)でも、広告のクリック数(ブランドと非ブランドの双方) のうち89%が、自然検索結果だけでは獲得できなかった増加分と結論づけられました。ブランドキーワードでの検索で第1位に表示される自然検索結果でさえ、広告が獲得するクリック数の50%はカバー出来ないのです。
ブランド広告は、より多くのトラフィックを自社サイトへ導くことで、あるいはユーザーに向けたメッセージを多様化する戦略的なアプローチを実現することで、ウェブサイトのパフォーマンスを改善することができます。
我々のクライアントでも越境ECサイトを中長期的に運営していると、ブランド認知が広がり、指名検索でコンバージョンが取れるようになってきます。この時には必ず、ブランドネームでの入札を行い、ブランドネームで検索したユーザーを取りこぼすことがないよう心がけています。
広告とSEOはWin-Winの関係です。
ブランドキーワードでの広告を積極的に活用していきましょう!
当社がこれまで培った知識やノウハウ、海外の先進事例などを、無料メールマガジンとして配信しております。ぜひご登録ください。
世界へボカンのプライバシーポリシーについてはこちらをご確認ください。
弊社では、皆様のサービスや商品を最適な形で海外に進出するためのサービスをご用意しています。
具体的なプランは個々のご事情に合わせて策定いたしますので、まずはご相談ください。
弊社では海外WEBマーケティングに関する情報をメルマガやSNSで発信しています!
是非、登録やフォローして最新の情報を入手してください。
はじめて越境EC、海外Webマーケティングに取り組む方向けに書籍を出版しました!
私たちが、
御社の海外進出を
サポートいたします!
私たちが提供するサービスや数々の支援実績、
実際に行ったマーケティング施策から導き出した
海外Webマーケティングのノウハウをまとめました。
ぜひご利用ください。