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越境ECでのリスティング広告の始め方|競合調査 基本のキ

海外向けにリスティング広告を配信してみてクリック数は増えているのに獲得数は増えない。あるいは、商品の季節トレンドと関係のない、原因不明の変動が発生し、越境ECのリスティング広告から売上が増えていない。
そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
越境ECでは、世界中のECサイトが競合になり、競合の動きによっては自社の広告は多様な影響を受けてしまいます。
一方で、競合の調査をしっかり行えば、それは逆に自社の売上を大きく伸ばすチャンスとなります。
そこで本記事では、越境ECでリスティング広告を配信されている方向けに、Googleアドワーズで成果を伸ばす為の、競合調査方法をご紹介します。

1.越境ECで競合調査が重要な理由

当然ではありますが、越境ECでは世界中のECサイトが競合となります。自社と同じく日本→海外と越境でのECを行っているサイトから、現地の国内向けECサイトまで、全てが競合です。EC化率の低い商材の場合は、現地の実店舗すらも競合となります。
彼らは独自の強みを打ち出して生き残ってきました。
それを理解せずに、日本での勝ちパターンをそのまま越境ECに適用しても、成功することは難しいでしょう。
競合がひしめく中で、どうやって越境ECを成功させるのか?
その方法を見つけるために競合調査が必要となります。既に海外向けに広告を配信されている方は競合の動きを知ることで更にパフォーマンスを伸ばすヒントが見つかるかもしれません。
良い形でスタートを切れるよう、これから越境ECでリスティング広告を始める方も少なくとも参入する市場の競合は把握しておきましょう。
これから越境ECサイトのリスティングを始める方は初期設計の記事も併せてご覧ください。

2.競合調査:代表的な2つの方法

越境ECでリスティング広告を出稿されている方の多くは、Googleアドワーズを実施されているかと思います。そのため、本記事ではGoogleアドワーズを例に競合調査の代表的な2つの方法をご説明いたします。

2-1.広告プレビューツール

Googleアドワーズには広告プレビューツールという機能があります。このツールでは、国・言語・検索キーワードなどを指定することで、検索結果の画面を表示することができます。
例えば、アメリカで「sekai he bokan」と検索するとこんな感じです。

この機能を使用することで、特定の国やキーワードで、どんな広告や自然検索結果が表示されるのか、確認することができます。この機能の活用方法は大きく分けて2つあります。

1.競合の広告文から競合の強みを理解する

どんなECサイトでも、広告文には自社の強みを記載するものです。そのため、広告文を見れば、そのECサイトが何を強みとしてビジネスを行っているのかが理解できます。
広告プレビューツールを使用して競合の強みを理解したら、それにどうやって勝つかを考えましょう。例えば、自社のほうが強い訴求内容に広告文を変更することは有効でしょう。
あるいは、別の訴求軸を採用しユーザーにアピールしていくということも選択肢となります。

2.ユーザーの検索意図を推し量る

自然検索結果の上位には、基本的にユーザーの検索ニーズを満たしているサイトが並んでいるはずです。それらのサイトを見ていくと、このキーワードで検索しているユーザーは何を求めているのか、少しずつ理解が深まるはずです。
ユーザーが何を求めているのかについて情報を得られたら、それらを広告文やサイト内コンテンツに活用していきましょう。自然検索結果の最上位に並ぶ非常に強力な競合に対して、彼らに負けない広告文とサイトで対抗していきましょう。

2-2.オークション分析レポート

Googleアドワーズにはオークション分析レポートという機能があります。これは、どんなドメインのサイトの広告が同時に出稿されていたのか、それらは自社の広告の上部/下部どちらに表示されていたのか、などが確認できる機能です。
広告配信結果に原因不明の指標の変動が発生した場合はオークション分析レポートを確認しましょう。急にクリック単価が上昇したり獲得数が減少したと思ったら、他の広告主の広告出稿が激増していたりします。
あるいは、先々月の施策によって先月の獲得数が増えたと思っていたら、それは単純に競合の広告出稿が激減していただけ、なんてこともあります。
実際のオークション分析レポートはこのように表示されます。

自社の広告と同時に表示されているのはどんなサイトの広告なのか把握することで、越境ECの売上を増加させるきっかけをつかみましょう。オークション分析レポートの活用方法としては、次の2つの方法が挙げられます。

1.競合サイトの訴求軸を調査しそれに勝てる広告文とサイト内コンテンツを用意する

オークション分析レポートでは、競合のドメインが表示されます。そのドメインのサイトに、一度訪れてみましょう。
冷静に競合のサイトを観察すると、たくさんの良い点が見えてくるはずです。競合の強みが見えてきたらそれに対して自社はどのように戦うべきなのか、いくつか選択肢が浮かんでくるはずです。
複数の選択肢を広告文やサイト内のABテストで検証することで、競合に打ち勝つ自社の強みを発見できるはずです。

2.リスティング広告の運用方針や施策決めに活用する

オークション分析レポートを見れば、どんな競合がどんなキーワードに対してどの程度入札しているのか、おおまかに想像することが可能です。
例えば、競合が常に上位に掲載され自社は上位に掲載されずクリック単価も下がらないという状況だったとします。
競合の入札が強く自社より大きな広告予算を持っている可能性が非常に高いでしょう。
こういった場合は上位掲載を諦めて入札を弱めて、3位前後やそれ以下を狙うというのも一つの選択肢です。クリック数は必ず減少しますので、獲得率を上げる施策で獲得数増加を狙っていきましょう。
あるいは、獲得の発生するキーワードが偏っており、どうしても上位掲載が必要な場合などもあるでしょう。
この場合は、引き続き上位掲載を狙って考えうる全ての施策を実行していく、という運用方針になるかと思います。
もちろん、同時に獲得率を高める施策を実施しその他のキーワードからも獲得を得る方法を模索することも重要です。

3.注意点

越境ECにおける競合調査は、あくまで売上を増やすための多様な施策のなかの一つの手段となります。
急に売上が増えた/減ったという際に、必ずしも競合の動向に結びつくわけではありません。リスティング広告には多様な要因が影響します。
そのため、競合調査だけに頼っても、あるいは競合調査を完全に無視しても、成果を改善することは不可能です。
他の施策と同様に、定期的に調査と分析を行い、仮説を立てて改善施策を実行し、また調査と分析を行う、という姿勢で取り組む必要があります。
 

まとめ

越境ECでは、世界中のECサイトが競合になります。
競合がひしめく中で、どうやって越境ECを成功させるのか、その方法を見つけるために競合調査が必要となります。
Googleアドワーズでの代表的な競合調査方法としては、広告プレビューツールとオークション分析レポート、以上の2つが挙げられます。
これらを活用することで、広告文やサイト内コンテンツ、あるいは広告の運用方針などを改善することができます。
もちろん、競合調査は越境ECの売上を増やすための1つの手段に過ぎないので、その他の施策と同時に進めていく必要があります。
自社のことだけでなく競合のことも理解することで越境ECの売上を増やしましょう。

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加瀬雅彦
投稿者: 加瀬雅彦/Kase Masahiko
COO/運用型広告チームマネージャー
海外Webマーケティング事業に10年以上身を置き、2014年8月に代表徳田と共に世界へボカン株式会社を設立、取締役に就任。
英語Google広告運用、ソーシャルメディア広告、アクセスログ解析、英語サイト改善など、数多くのプロジェクトに携わる。
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