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データフィードとは?越境EC初心者でもわかる広告活用の第一歩

データフィードとは?越境EC初心者でもわかる広告活用の第一歩

執筆者

Jenna Kuhn

プロフィール詳細

運用型広告チーム SEMマネージャー
出身:アメリカ
ユタ州ソルトレイク出身。大学で財政学を学び、経営学の修士課程を修了。財務管理の資金調達オペレーション職を経て、米国の大手電子商取引会社に勤務。Facebook、Google(検索、ディスプレイ、ショッピング)を始めとするWEBプラットフォームにて、数億円単位の広告運用の実績を持つ。大手企業での資金運用経験を活かし、世界へボカンではPPCアカウント管理、サイト最適化、レポート、分析に取り組み成果を上げている。

越境ECサイトを運営されている方の中で、「データフィード広告」を活用している方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?また、その中で広告を成果に結びつけている方は、実はそれほど多くないのかもしれません。越境ECにおけるデータフィード広告の基本的な仕組みと、その重要性についてお伝えします。特に、これから越境ECを始める方や、すでに運用しているけれど成果が出にくいと感じている方に向けて、データフィードの本質と扱い方をわかりやすく解説していきます。

データフィード広告とは?

Google検索結果で、商品の画像や価格が並んで表示される広告を見たことがある方も多いと思います。あるいは、以前に見た商品の広告が何度も別のサイトで表示されることもありますよね。これらの広告は、いずれもデータフィードを活用して配信されています。

前者は「ショッピング広告」、後者は「動的リマーケティング広告」と呼ばれています。いずれもユーザーの検索行動や閲覧履歴に応じて、最適な商品情報を広告として届ける手法です。

この仕組みの中核を担っているのが「データフィード」。商品のタイトル、価格、画像、在庫などの情報を一定の形式に整えたデータであり、広告の自動生成や最適化に欠かせない要素です。

越境ECでのデータフィード広告の現状

私たちが越境EC支援を行う中でも、データフィード広告を活用した案件のコンバージョン比率は年々高まっており、3割以上を占めることも珍しくありません。

一方で、活用していない、もしくは活用しているものの、運用が十分でないという企業も少なくありません。特に越境ECでは、言語・通貨・配送・法規制といった国ごとの事情に応じて、個別にフィードを設計する必要があります。

そのため「何となく始めたけど途中で挫折した」というケースもよく見かけます。しかし、だからこそ正しく理解し、丁寧に取り組めば大きな差別化要因になるのです。

データフィードを活用した広告

Googleの検索結果で、このような広告をご覧になったことはありますか?

あるいはウェブサイトを閲覧している際に、一度見たこのある商品の広告が何回も表示された、という経験をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。 これらの広告はデータフィードを活用しています。前者はショッピング広告、後者は動的リマーケティング広告といいます。 ショッピング広告は、ユーザーの検索したキーワードに基づいて、関連する製品情報を広告として検索結果ページに表示する広告手法です。動的リマーケティング広告は、ユーザーが閲覧したことのある商品情報を、広告としてウェブサイトに配信する広告手法です。 これらの広告は、ユーザーの検索あるいは閲覧行動に合わせて、最適な商品の商品名、説明、価格などを表示してくれます。そのため、適切に管理され、十分な予算とともに上手く活用されれば、大きな売上をもたらしてくれます。 実際に、我々が越境ECに取り組む際もフィードを活用した広告経由のコンバージョンの割合は年々高まっており、案件によっては3割以上がフィードを活用した広告経由というものもあります。

データフィード広告の扱い方

データフィードで必要なデータの種類や、GoogleAdWordsへデータを取り込む方法などについて説明いたします。 データフィードに含まれるデータは次のようなものです。 – ID – タイトル – 説明 – リンク – 画像リンク – 在庫 – 価格 – ブランド – GTIN:製品の国際流通商品番号(GTIN)、日本では8桁もしくは13桁のJANコード – MPN:製造者がGTINを割り当てなかった製品に必要 – 状態:製品が新品か、中古か、修復されたものなのかの情報 – アダルト:その製品が性的なことを想起させるかどうか – 対象年代:衣料品のみ必要 – 色:適宜必要 – 対象性別:衣料品のみ必要 – 素材:適宜必要 – 模様:適宜必要 – サイズ:衣料品のみ必要 各商品に対して、これらのデータが保持されます。 下の画像は、商品とフィードの例となります。

商品にIDが無い場合は、IDを付与することが可能です。あるいはGTINやMPNが無い場合などは、ブランドのデータだけでも十分です。ただし、データは多いほうが、より正確な製品データとなりますので、データフィードとしての質は高まります。 配送手数料を計算するのに使われる配送価格情報も必要ですが、フィードではなくMerchant Centerに追加することも可能です。税金は、米国内では税率の割合を算出するために必要ですが、これもまたMerchant Centerに追加することが可能です。 データフィードが必要な属性を欠いていたり、価格やその他の属性に相違があったりする場合、Googleはその商品を承認せず広告に使用できません。

Google Merchant Center

データフィードをGoogleアドワーズに取り込むためには、Google Merchant Centerアカウントを作る必要があります。またアップロード方法として、Googleスプレッドシートを使うか、定期的なデータ取得なのか、手動アップロードなのかを選択することができます。

アップロードのフォーマット

Googleショッピング広告をこれから始める企業にとっては、商品データのCSVファイルを作成するのは良い選択かもしれません。 しかしながら、価格や在庫はどんどん変化するため、データフィードは定期的に更新する必要があります。定期的なアップロードを考慮すると、手動によるアップロードはあまり好ましくないかもしれません。 また、GoogleのクローラーはWebサイトを巡回し、Webサイトのデータとデータフィードを比較します。もしもWebサイトとデータフィードの内容に相違があれば、Googleはその商品の承認を取り消し、広告での使用を禁止します。 この問題が連続で発生し改善が見られない場合、その商品が承認されないだけでなくアカウント自体が停止され、Googleショッピング広告を配信できなくなります。そのため、多くの企業はデータフィードの定期的なアップロード、例えば少なくとも1日に1回のアップロードを行います。 Googleと連携しているBigCommerceやShopify等のEコマースのプラットフォームを利用している場合は、Webサイトから直接取得した最新のフィードのデータを取り込むことが可能です。Googleスプレッドシートや手動アップロードよりも簡単な方法となります。 これから越境ECの構築を検討されている方はスクラッチで構築するのも良いですが、Googleと連携しているプラットフォームを活用するとフィードの構築の負担が軽減できるのでおすすめです。 データフィードのデータが全て取り込まれるまでには、24~48時間かかります。データが無事に取り込まれ承認されると、ようやく広告に活用できるようになります。

データフィード広告で注意すべきポイント

特に越境ECの場合は、次のような点に注意が必要です:

  • 国別に通貨、税、送料、在庫、商品名などを調整したフィードを用意すること
  • 翻訳ミスや価格表記の誤りがあると、広告不承認になる可能性がある
  • 各国の広告ポリシーやコンプライアンスにも配慮が必要

例えば、日本円と米ドルで価格が異なるのに同じフィードを使ってしまうと、Googleに「フィードとページの価格が一致していない」と判断されてしまいます。

これは一度やってしまうと修正に時間がかかる上、繰り返すとアカウント停止につながる場合もあります。細部の設定に注意しましょう。

データフィード広告配信後の運用とモニタリング

広告配信を開始したら、Google Merchant Centerを通してデータフィードを定期的に監視しましょう。こうすることで、Googleがデータフィードに関するルールを変更したときに、アカウント全体が不承認となる前に問題に対処することができます。 特に越境ECでは、国別にフィードをアップロードする必要があります。通貨や配送料などのデータを取り違えてアップロードし、アカウントが停止されないよう注意しましょう。  

  • 商品フィードのエラーが出ていないか
  • 不承認になった商品がないか
  • クリック率やコンバージョン率がどの程度か
  • 特定国で成果が出ているかどうか

特に国ごとの成果の違いを確認しながら、フィードの改善や広告文のローカライズ、入札単価の調整を行っていくことで、成果を最大化できます。

データフィード広告まとめ

データフィードについての理解は深まりましたでしょうか。
今回は、越境ECにおける「データフィード広告」の基本についてご紹介しました。

データフィードは、商品の魅力を正しくユーザーに届けるための設計図です。
そして、越境ECのように複雑な要素が絡むビジネスでは、正確でタイムリーなフィード管理が成否を分けるカギになります。

「なんとなく使っていた」から「活用して成果を出す」へと進むために、まずはフィードの品質を見直してみませんか?

次回は、応用編として、フィード広告の成果を左右するトラブル例や具体的な改善テクニックをご紹介していきます。

データフィードとそれを活用した広告を理解して、越境ECの売上を増やしていきましょう。お楽しみに!

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