コラム
Column
越境ECをはじめさえすればすぐに売上がたつと思われている方は多いと思いますが、
残念ながらサイトを公開してすぐに売れる事の方が少ないものです。
・どの国で売れるのか
・どの商品が売れるのか
・どういったチャネルの施策が利いてくるのか
・どういった訴求が響くのか
を調査を元に仮説を立てて、検証していく地道な作業が必要です。
今回、自社越境ECサイトBig Tall Japanをはじめる際も数か月は売上がたたないだろうと予測しておりました。
そんな最初の3か月間 サイトを運営していく中で少しだけ売上がたちはじめ、いくつか運用していく中で得られたものがございましたのでまとめました。
これから越境ECをはじめる方、越境ECをはじめたけどなかなか売上がたたずに悩まれている方の参考になりますと幸いです。
2018年4月11日からサイトを公開し、運営をはじめました。
最初はどの商品が、どういった訴求で売れるのかはまだまだ未知数であった為、調査をしながら複数のチャネルで施策を行いました。
図(チャネル別アクセス数の推移図):
4月、5月もあまり売れないという状態が続きましたが、6月に入りようやく購買に繋がり始めました。
売れない時期も諦めず、下記施策を通して売上に繋がる努力をしていた事が徐々に実を結んできたように思えます。
・SEO内部施策
・コンテンツ施策
・サイト改善
・運用型広告
・ソーシャルの運用
売上を上げるために、月に私と外国人メンバーで計30~40時間は施策に時間を使っていました。
主に私は全体戦略と進行管理、外国人メンバーは広告の運用とコンテンツ制作に携わっています。
まず今回、取り扱う商品群の中で、最も色が濃く、検索ニーズのあるNJPW(新日本プロレス)に関するアイテムが売れるだろうと考えました。
そのため、主な施策として下記施策を続けて参りました。
主な施策
・SEO内部対策
・コンテンツマーケティング
図:NJPWに関するキーワードの検索ニーズの例
ネットショップの立上当初からブログコンテンツや商品詳細ページのテキストコンテンツを拡充し、セッション数を少しずつ伸ばしていきました。例えば、英語でプロレスラーの名前も検索されており(”togi makabe”、”bone soldier”)、NJPWの検索ニーズは海外にもあったので、真壁刀義選手やボーンソルジャーに関するコンテンツを追加することで、自然検索を長期的な視点で強めていくコンテンツ施策を行っています。
「まずは理想の遷移図を描こう! 越境ECでユーザーが検索から購入するまでのフロー改善事例」でもご紹介させて頂いた理想とする遷移図(カスタマージャーニーマップ)を用意しました。
図(カスタマージャーニーマップ):
訪れたユーザーに何を伝え、どのように感じて貰い、どういったアクションをして貰いたいのかを整理し、各ページの導線の改善、訴求内容の最適化を実施しています。
サイト改善の1例として、サイズ表記が日本とアメリカでは異なる事、体型によってオススメするサイズが分かる事を訴求するべく下記のような図を挿入することで、ユーザーが購入する判断材料を挿入したりしています。
図(サイズアドバイス表):
サイト改善は一度で終わりではなく、Google analyticsやヒートマップツールで分析をしながら、日々取り組んでおります。
運用型広告では、Google AdsとFacebook広告を活用しています。
主な施策
Google Ads
・ディスプレイ広告
・サーチ広告
・リマーケティング
・動的リマーケティング
・ショッピング広告
Facebook広告
・ファンを増やす為のPage like Ad
・記事の拡散の為のBoost post
5月中旬より、手始めに手動プレースメントを使ったディスプレイ広告の配信を行い、Big Tall Japanの認知向上を行いました。
海外のプロレス関連のプレースメントを15か所ほど選び、配信してみましたが、直帰率は79.33%と離脱率の高さが目立ちました。
図(6月までの配信結果):
今回は想定していたよりもCTRが0.52%と高く、多くのクリックを獲得できました。しかし、まだコンバージョンには繋がっていないので、より多くのクリックが獲得できるよう配信先を増やしていきたいと思います。
すぐにできる改善点として、イメージでNJPWに関するアイテムを取り扱っている事は訴求できていても、広告文で上手く大きいサイズを専門に取り扱う事の訴求が出来ておらず、対象外のユーザーがクリックし、離脱に繋がったのではないかと考えています。
プレースメント先を多く追加する、自動プレースメントも含めて、Imp数を拡張し、それに加えて訴求を的確に行うことで、成約に繋げていけるのではないかと考えています。
サーチ広告もディスプレイ広告と同様、5月中旬に配信を開始しました。
検索キーワードは選手名、ユニット名等に、”apparel”,”shirt”といったキーワードを加えた2語以上の複合ワードで広告を配信しました。
一例ですが、”Bullet club”に関する広告グループの結果です。
図(7月末までの配信結果):
”Bullet club”の検索ニーズは多く、驚くべきCTR(9.13%)でクリックはされていますが、コンバージョンは発生しませんでした。
”Bullet club”については独自性の高いアイテムを取り扱っているわけではないので、検索ニーズはあるが、コンバージョンに繋がらない商品群はSEOを中心に集客していく方針に切り替えました。
逆にトラックスーツ、ベースボールシャツ等、競合が取り扱っていない独自性の高い商品を中心にサーチ広告の配信を行っていきます。
6月14日より、データフィードを活用した動的リマーケティング広告を開始しました。
はじめてのShopify データフィード広告設定方法でも紹介した、”Data Feed Watch”というアプリを使用して、広告の配信行っています。
動的リマーケティングはこれからという形で2件コンバージョンしたものの、CPAが3,000円台という事で、少し調性が必要です。
図(動的リマーケティング広告7月末までの配信結果):
7月14日より、ショッピング広告を開始しました。
図(ショッピング広告7月末までの配信結果):
ショッピング広告からはCTRは1.07%と低いものの、CPAが525円と低コストで購買獲得することが出来ました。
内藤哲也選手のベースボールシャツのような、競合が扱っていない商品が売れました。
今後はBTJしか取り扱っていないアイテムの配信や訴求の強化をしていきます。
6月14日から20日までの間、いいねを獲得する広告Page Ad like広告を配信し、コアとなるファンのLikeを獲得しました。
8月にも特徴が一目で分かるような動画広告を配信し、現時点では900 Likeを獲得しています。徐々にではありますが、Facebookページのコミュニティ化が出来つつあります。
認知はされてきているものの、Facebookが経路となって、購入にまでは至っていません。
次の施策として、BTJ PageをLikeしてくれたユーザーに対して、カタログ広告などを配信することによって、取り扱う商品に興味を持って貰えるようにしていきます。また、Facebook上で反応の良い動画広告もテスト的に配信しています。
Facebook動画広告例
本サイトでは毎回、モデルが使えるほど予算が充実しているわけではないので、工夫して販売しているアイテムを着用した大きな人のコーディネートイラストを用意しています。
ソーシャルは、はじめてのShopify Instagram「ショッピング機能」設定方法でお伝えしたように、描いたコーディネートイラストをInstagramに投稿し、ユーザに見てもらうきっかけを作ったり、執筆したブログ記事の露出起点として活用しています。
主に下記の
・Instagram
・Facebook
・Twitter
・Youtube
4つのSNSの運用をしています。それぞれハッシュタグや投稿タイミングをテストしながら後々流入を獲得するチャネルとして育てているところです。
図(Instagramイメージ):
運用していく中で、2ヵ月ほど売上が立たなかったのですが、6月に入ってようやく購入が発生しました。
3か月ほど運用していて、商品が売れていくと、次第にNJPWのTruck suitsやShortsが中心に売れていきました。
あるお客様はTruck suitsを探していたんだと、商品レビューを記載して下さりました。
図(Truck suitsの商品レビュー):
他にもメールで、お客様から「凄い良かったよ。ありがとう」と連絡して下さる事もあり、改めてネットの先にはお客様がいて、一つ一つの丁寧な対応が彼らの感動を生むんだなと感じました。
競合ではTシャツは扱っていても、在庫リスクの高いトラックスーツやショーツは取り扱っていなかったり、扱っていても値段が高いという事が競合調査を行っていく中で分かりました。
もしかしたら、BTJのポジションはそこかもしれない・・・と夏なのにも関わらず、トラックスーツを推しのコンテンツやイラストの露出を増やしました。
すると、更にユーザーが購入してくれて7月はアメリカ、フランス、カナダの方が購入してくださり売上も数十万円に一気に伸びました。。
今後は更に売上を伸ばす為に他社には無いアイテムを推しだすキャンペーンを考えており、訴求内容を練っています。
例えば、他では手に入りにくいアイテムを探しているユーザも送料がネックでなかなか手を出せないというユーザーからの意見がありました。この意見を参考にし、送料を負担してもギリギリ利益が出る15,000円以上の購入で送料無料キャンペーンを実施しています。
今後は更に多くのお客様を獲得していく為に他社には無いアイテムを推しだすキャンペーンや15,000円以上購入送料無料キャンペーンが訪問前にも伝わるよう複数のチャネルで訴求していきます。
自社越境ECサイトを運営して改めて、越境ECは1日にしてならずという事を実感しています。クーポンキャンペーンを実施し、お客様がクーポンを活用して購入してくれたものの、その後の購買に繋がらず単純に利益を減らすだけになってしまった経験もしました。
在庫切れの問い合わせ、サイズ違いによるキャンセル連絡などユーザー対応も、仕入れ元である「ミッド ・インターナショナル」様のサポートの元、即時に対応することもありました。
対応が早く素晴らしいとお客様からも返信頂き、顧客満足度の向上に繋がっています。まだまだ売上は微々たるものですが、伸びる兆しが見え始めています。引き続き仮説と検証を繰り返していきたいと思います。
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