コラム
Column
越境ECで中国の次に大きい市場であるアメリカ。進出を検討するにあたって、AmazonやeBayなどの通販プラットフォームは販売手数料と引き換えに低いリスクでスタートできるのは魅力的です。
また自社サイト構築時にかかるような初期投資も必要がないため、自社商品のテスト販売として市場のニーズを見極める事にも活用できます。
さてそんなプラットフォームの中でもアメリカでは二大巨塔でありながら、Amazonと違って日本人にはあまり馴染みがないeBay。
今回は越境ECサイトの運営経験を持ち、Amazon・eBay両方のプラットフォームに出店した筆者の実体験も交えてeBayの特徴とメリット・デメリットをご紹介します!
* AmazonマーケットプレイスとFBAについての記事はコチラをご覧ください。
*販売手数料などのは2018年9月執筆時のデータです。最新のデータはeBay公式サイトをご参照ください。
eBayはインターネットの黎明期、90年代にアメリカに誕生したオンライン・オークションサイトで、2018年現在では世界中に1.6億人の登録ユーザーと2,500万人の販売者(セラー)を抱える、インターネットオークションの最大手です。
日本には1999年に進出しましたが、先行していたYahoo!オークション(現在のヤフオク!)に太刀打ちできず2002年に撤退しており、国内では利用できません*1。
そのため現在は主にイーベイジャパン株式会社として、海外販売のための出店支援に力を入れています。
CtoCのオークションサイトとしてスタートしたeBayですが、今ではユーザー層の拡大に合わせサービスを拡張し、法人向けのビジネス利用やオークションではない固定価格(Fixed Price)販売も可能になっています。
一番比較されやすいAmazonとの大きな違いは、eBayはそもそもCtoCのフリーマーケットサイトであるという点です。(日本でいうとメルカリやヤフオクがこれに当たります。)
そのためお客様から値切りの交渉が来たり、商品を掲載できる期間が決まっていたりとオークションサイトならではの機能が付いていることが大きな違いです。
またそういったシステムであるがゆえ、後述のように掲載者用の利用料金が少し複雑になっています。(尚、eBayにおいては、お客様は「バイヤー」、売り手は一貫して「セラー」と呼ばれます。)
*1 ebayの国内利用は通常不可ですが、「セカイモン」などの外部サービスを利用すれば海外のeBay販売商品の購入は可能です。
eBayの一番の特徴は、その料金体系の複雑さにあります。これは、料金設定が商品のジャンルやアカウントの契約形態ごとに細かく分かれていることが理由です。
(CtoCのマーケットという特性上、扱う商品が数ドルの文房具から数万ドルの中古のヴィンテージカーまで、大きく異なっています。)
利用料は大きく分けると、以下の4つになります。
また追加オプションとして、成果報酬型広告などのサービスを利用する事も可能です。(参考:Subscription & Fees)
登録して数ヶ月の間は販売金額と掲載量に制限があります。ここで気をつけたいのが、とくに数万円の高単価の商品を取扱う場合、たった数回の売上で月の販売制限額に達し販売停止となる可能性があることです。
これは新参者の参入社が偽の高単価商品を売って稼ぐのを阻止する為の買い手(バイヤー)を守るための制度なのですが、販売を継続したい場合は、eBayサポートセンターに制限の解除を依頼します。
月額利用料金を多く払う必要がありますが、アカウントの月額利用量とも関係しているので、今後の売上の目処が立っているのなら、販売制限額のより大きいプランにアップグレードしましょう。
(尚、英語力に自身があるのなら、eBayのカスタマーサービスに直接連絡をすると例外的に追加課金なしで掲載リミットを上げてくれる事もありますが、これは販売する商品やアカウントの契約状況・販売実績にもよるので一概に出来るとは言えません。)
もうひとつ気をつけたい点としては、アメリカだけにとどまらず世界中へ販売できるeBayではさまざまな販売禁止品が設定されている点です。利用の検討にあたっては、自社の製品が抵触していないか、しっかりと事前に確認しましょう。(参考:eBayの販売禁止商品リスト)
国内では販売プラットフォームが存在しないためどうしても認知度が低いeBayですが、海外販売を支援する取組みには力を入れています。
「日本企業の越境EC進出をサポートする」という目的の為に設立されたイーベイジャパン株式会社は中小企業を中心とした支援に力を入れており、親身になって相談に乗ってくれるため安心です。
管理画面は英語のみですが、日本語出品マニュアルがイーベイジャパン社から提供されているなど、限定的ではありますがある程度日本語対応もされています。
でも英語の専門用語など、どうしてもわかりづらい部分は運営にあたって出て来るものですよね。そう言った際に、すぐに電話やメールで聞けたりと、疑問点を解消して、安心して取り組める環境が用意されています。
どの販売プラットフォームでも共通した課題として、ショップがお客様から信頼を構築するのに時間がかかるという点があります。しかし、お客様からのレビュー、星を集めてより売れるアカウントにするのに時間はかかりますが、日本の販売者はそもそもの信頼性が高い為、比較的短期間で信頼構築がし易いという特徴があります。
もちろん、これは日々の丁寧なカスタマーサービスや配送サービスの対応をきちんと行ってこそですが、総じてチャレンジし易い環境と言えるでしょう。
(出典:インプレス「イーベイ・ジャパンって何をやってるの? 佐藤新社長に聞いてみた」)
eBayに出店するにあたり、大きなデメリットになりうるのが、売れ筋商品が特徴的ということです。
たとえば国内ではメルカリがいい例ですが、新品よりも中古や変わったアイテムの人気が高く、事前に自社の取り扱い商品・ジャンルがどの程度人気があるのかはしっかり確認する必要があります。
例として、アメリカのお客様(バイヤー)が購入している、日本から出品されている売れ筋の商品をご紹介します。
自動車やバイクのパーツや、フィギア・玩具(アニメ系)など海外では手に入りにくい物、海外よりも総じて保管品質がいい中古のブランド品や高級時計などが人気です。*1
共通したポイントは、日本でしか手に入らない物、コレクター好みのものという点です。
また歴史が長いサイトということもあり、サイトは多機能かつ管理画面が複雑になっているので、若干ハードルは高いかもしれません。
eBayの管理画面はすべて英語です。かつアカウント登録から商品の登録、お客様対応まで、すべて英語で行われる為、言語がネックになる場面も出てくるでしょう。
自社にてバイリンガルや外国人スタッフがチーム内にいる場合はいいですが、とくに日本人のみのチームの場合は、翻訳やカスタマー対応に注意が必要です。
イーベイジャパンの公式サイトを見ると、必要な英語レベルは中学生程度*2 とありますが、高単価の商品の場合はしっかりとした信頼が置ける対応を求められますので、対策を事前に考えておく必要があります。
(出典:*1 経済産業省商務情報政策局情報経済課「平成27年度我が国情報経済社会における基盤整備(電子商取引に関する市場調査)報告書」、出典:*2 eBay「ネットオークション(海外販売)に必要な英語レベルとは?」)
CtoCのフリーマーケットとしてスタートしたeBayはその後も20年以上、現在に至るまで着実に勢いを伸ばし続けて来ています。
Amazonとは違い、オークションサイトという側面が強いeBayでサイト設立当時、はじめて売れたアイテムは「壊れたレーザーポインター」だったそうです。
そんなeBayを活用する為には以下の特徴をしっかり意識するとよいでしょう。
・レアな商材など、コレクター好みの商品が用意できるか?
・高単価(越境のコストを含んでも利益がでる)な商品か?
・英語対応は必須
自社の商品に合っていれば、大きな伸び代も期待できるeBay。越境ECに挑戦するにあたって、Amazonショップや自社サイトなどと並んでぜひ検討してみることをお勧めします。
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