コラム
Column
近年、日本では越境ECサイトでの販売のニーズが高まってきました。日本の商品の多くが海外でも人気を集め、かつ国内では人口減少や少子化問題などもあり、販路を海外に拡大していく企業やメーカーなども増えてきました。しかし、実際に海外に商品を販売するといってもその始め方や攻略方法、また言語の問題などもあり、越境ECに対して難しさを感じている方も多くいらっしゃるようです。また、既に越境ECに取り組んでいるものの上手くいっていないという方もいらっしゃるでしょう。
インターネット上で海外向けに商品を販売するのには大きく分けて二つの方法があります。自分でECサイトを構築するか、プラットフォーム上で販売を選ぶかになります。越境ECサイトの場合は、ShopifyやBig-commerce、wordpress、woo-commerce、Magento、WiXなどのオープンソース型のシステムを用いることができます。プラットフォーム上での販売の場合は、AmazonやeBayにて商品を販売するシステムです。サイトの構築また、プラットフォーム上での販売にはそれぞれメリットやデメリットは存在しますので、システムの仕組みをよく理解し、商品を販売することが必要です。
一般的に日本では、海外のAmazonにて商品を販売することを「Amazon輸出」ということばが用いられています。Amazon輸出に関連した書籍が出版され、多くのノウハウも多く出回っています。2015年ごろからAmazon輸出を使って売り上げを大きく上げる方が増えてきました。今では、ピークも少し収まりましたが、それでも実際に海外Amazonで売り上げを多くあげている日本人セラーがいます。
それで、このページでは、以下の点を知ることができます。
・海外Amazonをどのように始めれば良いのか。
・海外Amazonでは何が売れるのか。
・海外Amazonで商品をどのように販売できるのか。
1.海外Amazonのはじめ方
2.海外Amazonで売れる物、売れない物
3.Amazon USとAmazon FBAの違い
まとめ
Amazonに関しては、もはや詳しい説明は不要ですが、世界的なオンライン通販サイトとなっています。日本だけではなく、海外のAmazonにおいても出品者としての登録を行い、日本から商品を発送することが可能です。出品者としての登録や商品の販売に必要なものは全て日本で対応することができるため、日本にいながらビジネスを完結することが可能です。これからAmazon輸出を行う方は、まずはアメリカのAmazonに登録することをおすすめします。(ここでは欧州やオーストラリアのAmazonには触れません。)
海外Amazonを始めるのに必要なことは以下の2点、アカウント設定と口座開設になります。
海外Amazonへの出品者登録はとても簡単です。Amazon.comのSeller Centralページにて氏名、会社名(法人であれば)、住所、電話番号、E-mail、クレジットカード情報、税金情報、本人IDなどを登録します。サイトは英語なので、不安な方はGoogle翻訳などを用いて登録することをオススメします。なお、税務情報に関する項目のページのみ日本語で表示可能です。
日本の銀行口座の登録はできません。なので、海外口座なしで外貨が受取れるサービスを利用する必要があります。PayoneerかWorldfirstにて口座を開設し、Amazonとリンクさせます。Amazonでの売上金はPayoneerかWorldFirstに振り込まれ、その後日本の銀行口座への送金が可能です。なお、Amazonでの売上金は2週間に一度振込があります。
日本にいながらAmazonのアカウント開設における作業がすべて完了しますが、アカウント開設の際に本人確認書類並びに銀行口座の証明書のアップロードが求められます。書類と入力項目に相違がある場合、Amazonの審査が通りませんので、よく注意して登録しましょう。
また、Amazonのアカウント開設時に2段階認証が必要となります。数年前にAmazonのアカウント乗っ取りが多発したことがあります。可能であれば、パスワードは第三者からわかりにくいものを設定し厳重に管理しましょう。
Made in Japanの商品はどの商品でも売れやすいです。ジャンルとしては文房具、カメラ、美容品、おもちゃ・ホビー、楽器、アニメ・キャラクターグッズ、伝統工芸品などです。
実際にAmazon USでどんな日本の商品が販売されているのかを見てみましょう。
まず、Amazon.comの検索バーで”Japan Import”と検索します。
検索すると、Japan Importに該当する商品の結果が表示されています。
任天堂のクラシックミニファミコンを見てみましょう。
この商品は$74.80で販売されており、販売者が37人います。
このように商品を一つ一つチェックすることもできますが、市販のツールを使って、Amazon USとAmazon 日本の価格差やAmazon のランキングなどを自動的に抽出することも可能です。Amazon USでの売り上げを大きくあげたいという方はツールを使うことをお勧めいたします。以下の3つが代表的なツールとなります。
Amazonでの商品ページでは、ひとつの商品に複数の出品者が出品登録しているかたちとなります。最安値で価格を設定している出品者や評価が高い出品者が上位に表示されます。つまり、自分が設定した商品価格が他のセラーより高い場合や、まだバイヤー(お客さま)からのレビュー・評価がそれほどない場合は、順位が下になるため、売れにくくなります。とりわけ、商材の単価が安いものや人気商品は薄利多売の状態となっているため、利益を確保しつつ売るのが難しくなります。
また、Canonや任天堂などの大手メーカーの場合、日本だけでなく海外でも直接商品を販売しているケースがあります。その場合、Amazon上での商品価格が日本とアメリカにおいて殆ど差がないということもあります。また、同じ商品でも日本とアメリカで型番やブランド名が異なるということもあります。
Amazonでは、商品を仕入れてから出品・販売する(有在庫)と商品が販売されてから商品を仕入れて発送する(無在庫)という方法があります。有在庫と無在庫、それぞれのメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット:商品が確実に手元にあるため、注文が入り次第、すぐに発送することが可能です。Amazon USでのランキングが高い人気の商品を日本国内で安く仕入れることができるのであれば、有在庫はおすすめです。
デメリット:確実に商品を販売できるかがポイントとなります。注文が入らなければ、いつまでも在庫を抱えたままの状態となってしまいます。仮にサスペンド(アカウント停止措置)を受けてしまうと、在庫商品を販売することができないため、赤字になってしまいます。
メリット:商品を在庫で抱える必要がないため、少ない資金でビジネスを始められます。また、自宅や倉庫にスペースの余裕がない方でも対応できます。さらに、日本で海外への転送サービスを行っている業者もあるため、日本のネットショップから直接商品を業者へ配送し、そこから海外のバイヤーに発送することが可能です。つまり、商品の在庫を全く抱えることなく取り組むことができ、場所の制約がありません。国内外どこにいてもAmazonに取り組むことができます。
デメリット:人気商品になるとその分無在庫出品で商品を販売している日本人セラーも多く、価格競争に巻き込まれる可能性があります。この場合、商品が販売することができても、商品の仕入価格が上がってしまい赤字になってしまう可能性があります。なので、取り組む前に2点確認する必要があります。①販売する商品の価格が安定しているか②確実に商品を仕入れることができるかどうか
とりわけ、限定品などは価格変動がおきやすく、しかも安定して仕入れることが難しくなります。確実に売れると分かっている限定品ならば、有在庫を検討しても良いでしょう。
Amazon FBAとは、事前に仕入れた商品をAmazonの倉庫に送り、商品が購入されたら倉庫から直接購入者へ配送するシステムとなります。商品の日本からの発送は一回で済みますが、出品・発送の際に注意しなければならない点もあります。Amazon FBAを利用する際のコツは以下のとおりです。
確実に短い期間で売れる商品を見つけることが鍵となります。この場合は、ツールなどを使いランキングや販売実績などをチェックし、確実に売れるものを見極める必要があります。
Amazon FBAに商品を納品するにあたり、商品のラベル貼り付けや海外発送などを行う必要があり、手間もかかります。個人で行うことも可能ですが、Amazon FBAへの納品のサポートを行う業者もあります。
事前に利益や手数料を十分に把握した上で、FBAに取り組む必要があります。大量の商品を個別に発送する場合、配送料が高くつきます。また、Amazon FBAに商品を納品した後、売れない場合はAmazon FBAの倉庫内の保管手数料が発生します。
海外Amazonを始める際の準備や登録は比較的簡単ですが、商品を販売し続けて結果を残すためには、やはりある程度の時間と精神力は当然ながら必要となってきます。海外Amazonにおけるメリットとデメリットをよく理解したうえで、取り組みましょう。
また、越境ECに取り組むにあたり、収入の柱を複数立てておくこともお勧めです。仮にひとつの販売方法が利用できなくなった場合でも他の方法で販売を続けることができます。さらに複数の方法に取り組むことによって海外のユーザーが、どんなものに興味があるのか、またどんなニーズがあるのかを読み取ることができます。AmazonだけでなくeBayや自社サイトを構築してみるのはいかがでしょうか。
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