コラム
Column
前回の基本編を参考に、無事にAmazonの出品者アカウントを開設した後は、実際に商品を出品し販売をスタートさせてみましょう。Amazonでのビジネスを成功させるためには、ただ販売するだけでなく、事前に起こりうるトラブルを想定しそれに対応していくことが必要です。後述しますが、Amazon USにおいてAmazon上でのルールに違反した場合、販売権が削除される可能性もあります。
このページでは、Amazon USでのビジネスを成功させるために以下の点を知ることができます。
・Amazon USでの攻略のコツを知りたい。
・Amazon USにおけるトラブルが発生した時どうすればよいか
・Amazon USにおける成功例と失敗例が知りたい。
1.Amazon USの攻略のコツ(日本からの直接配送の場合)
2.Amazon USでのサスペンド(販売一時停止・出品者アカウント削除)とは?
3.海外Amazon成功・失敗事例
4.まとめ
Amazon USにて商品を販売するには、有在庫と無在庫という二つの方法があります。有在庫と無在庫にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、それぞれの特徴をよく理解したうえで、出品・販売しましょう。
有在庫とはその名の通り、自社内もしくは自宅に商品を在庫させておき商品が注文されたら、発送するという方法です。これにはある程度の資金力や商品を在庫させておく物理的なスペースが必要です。もし、Amazon US上で特定の商品がよく売れていることが分かれば、その商品を事前に仕入れておくことができます。商品の価格の推移やランキングなどのリサーチを細かく行い、確実に売れそうな商品のみを在庫させておくことが鍵となります。
また、Amazon FBAという仕組みもあります。これは、商品をあらかじめアメリカのAmazonの倉庫に配送し、商品が売れたらAmazonの倉庫から購入者へ発送する仕組みとなっています。(アメリカ輸出の場合は、日本のFBA使用はできません。)Amazon FBAを利用する場合も商品のランキングや価格などをリサーチした上で、売れそうな商品を特定することが必要です。
無在庫とは、商品在庫を抱えずに、Amazon US 上で商品を出品し売れたら、日本のAmazonや楽天、Yahooといったオンラインストアや実店舗から商品を仕入れ、発送するという方法です。日本国内では物流システムが安定しているため、商品を翌日に仕入れてすぐに発送することができ、無在庫でのビジネスが成り立ちます。無在庫の場合は、資金が少ない方でも取り組みやすいというメリットもありますが、商品を確実に仕入れることができるか、また商品の日本での販売価格が安定しているかを考慮する必要があります。
もし、Amazon US 上で商品が売れて日本のAmazonから商品を仕入れようとしても、在庫がなかったり、レア商品のため商品価格が高騰しているケースがあります。商品の在庫がなかったり、商品価格が高騰しているという理由で、Amazon US上での注文をキャンセルした場合、Amazon USでの出品者としての評価が悪くなります。評価が悪くなった場合サスペンド(出品者アカウントの停止や削除)になる可能性があるため、注意しましょう。
このページでは、AMAZON USについての情報を取り扱っていますが、Amazonではカナダ、メキシコ、ヨーロッパ、中国でも商品を販売することができます。
既にAmazon USの出品者アカウントを開設しているのであれば、管理画面上でAmazon USからカナダかメキシコに切り替えるだけでカナダやメキシコのAmazonでの商品や売り上げの管理また顧客対応を行うことが可能です。
カナダやメキシコはアメリカと比べて人口が少なく、市場規模はそれほど大きくありませんが、日本人販売者が少ないのが現状です。また、カナダの場合は地域によってはフランス語、メキシコはスペイン語を使用した集客を行う必要があります。
Amazon EUでは、1アカウントに対してイギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアでの販売が可能です。Amazon USよりも販売価格が高めであるため、大きく売り上げを見込むことができます。また、ヨーロッパでは、日本の文化が大きな人気を集めているため、とりわけアニメグッズやフィギュアなどがよく売れる傾向にあります。
Amazon EUでの販売に関してはメリットもありますが、注意すべき点が2点あります。1点目が、知的財産権が非常に厳しいことです。これは、特定のメーカーがヨーロッパでの販売を行う権利を保護するためのものとなります。つまり特定のメーカーから認められていない企業や個人が商品を出品・販売をすることができないというものです。もし、出品した場合、メーカーからAmazon EUを経由して出品者にクレームが入り、最悪の場合は出品者アカウントが削除となる可能性があります。
注意すべき2つ目の点は、VAT(付加価値税)という法律です。税率は国によって異なりますが、約20%ととなります。Amazon EUでは、販売者へのVAT登録を義務付けており、VATの登録なしで販売した出品者のアカウントは削除される可能性が高くなっています。VATの登録に関しては、弁護士や専門の会社にご相談されることをお勧めします。
Amazon中国での販売ですが、2019年7月に第三者の商品をオンライン販売することが禁止され、現在ではAmazon Global Selling Teamからの招待制となっており、自分からの販売申し込みはできません。また、Amazon 中国で販売できるのは、法人格を有している会社のみとなります。
現状、Amazon 中国での販売方法はあまり知られていないのが現状です。
ひとつひとつ売れそうな商品を日本のAmazonやその他のネットショップから探し、出品し販売することも可能ですが、これでは膨大な時間と手間がかかります。それで、売り上げを大きく上げて業務を効率化させたいのであれば、市販の各種ツールを使用することをお勧めします。ツールを使うことにより、日本のAmazonの価格を自動で取得したり、Amazon USの販売価格や在庫数を自動更新することが可能です。また、海外発送を代行している業者もあります。それで、ある程度業務が増えてきた場合、ツールや外注を利用しながら業務を効率化していくことが必要です。
アメリカでは、アメリカ国内の祝日や大きなイベントの際に商品の売上が上がります。アメリカにおいて商品が最も売れる時期は、11月〜12月の期間中のいわゆる「ホリデーシーズン」と呼ばれる期間です。とりわけブラックフライデー(11月第4木曜日の翌日)やサイバーマンデー(11月第4木曜日の翌月曜日)にアメリカ国内では一斉にセールが始まります。この時期はアメリカ国内のデパートやショッピングモールは大混雑し、以前は混雑や暴動がきっかけで死者が出ることもありました。実店舗だけではく、オンラインストアでも売り上げが一気にあがります。
多くの場合、このブラックフライデーやサイバーマンデーにクリスマスプレゼントを購入しておくという状況が見られています。それで、この時期に商品を購入した方から、「この商品がクリスマスに間に合うのか」といった問い合わせが増える傾向にあります。
また、クリスマスから年明けの期間や7月4日の独立記念日の前後にも売り上げが上がる傾向があります。
Amazon US での販売において需要な要素は攻めと守りのバランスを保つことです。守りにおいて、最も重要視しなければならないのは、サスペンドです。
サスペンドとはAmazon US での販売においてAmazon US のルールに抵触した場合もしくは、顧客からの評価が悪くなったり商品の未着や遅延が多発すると、一時的な販売停止処分やもしくは販売権の削除される処置のことです。サスペンドになってしまうと、サスペンド解除に向けてAmazon USと交渉することになります。もちろん、交渉次第ではサスペンドが解除されることもありますが、2回目のサスペンドの場合はほぼ販売権を回復することは不可能です。サスペンドの場合は売上金の引き落としが90日間停止してまい、Amazon FBAに商品を納品していた場合、出品者へ返品されます。
それで、サスペンドを防ぐためには以下の点に注意する必要があります。
Order Defect Rateの略称がODRと呼ばれています。ODRの割合が1%を越えるとサスペンドされる可能性が非常に高くなります。このODRは、以下の3つの点で構成されています。
商品を購入した顧客からの評価が5段階中で1か2
顧客からの出品者へのクレーム
購入した商品の補償のクレーム
これはとりわけ無在庫で商品を販売している出品者が気をつけなければならない点となります。無在庫出品した商品の注文が入ったもの、在庫や販売価格の高騰ゆえに商品を仕入れることができなくなった場合、キャンセルする必要があります。もし、販売者都合でキャンセルした場合、Pre-fulfillment cancel rateの割合が上昇し、キャンセルの割合が2.5%を超えるとサスペンドの可能性が高くなります。
注文後指定の発送日までに商品を発送しなかった場合、発送遅延とみなされ、Late shipment rateが悪化します。Late shipment rateが4%を超えた場合、サスペンドの可能性が高まります。
販売している商品が、知的財産権に抵触しておりメーカーからのクレームがあった場合、または取扱商品が偽物の場合はサスペンドの対象となります。
Amazonでの販売には、リサーチ、出品、在庫管理、顧客対応、発送などのパートに分かれています。ある程度売上が上がってくると一人ですべて対応するのは非常に難しくなります。それで、ある程度Amazonでの販売に慣れてきた場合には、業務を外注化することを検討してみましょう。外注スタッフを募集する場合は、クラウドワークスやランサーズなどを使うことをお勧めします。
また、「(3)売り上げをアップさせるには?」でも言及しましたが、ツールを使い業務を効率化することもお勧めです。大きく売上を上げている日本人出品者の中には、10万点以上の商品を出品している方もいらっしゃいます。そのような出品者の多くは、ツールを使っているようです。売上を大きく上げたいのであれば、ツールを使い大量の商品を出品し、自動で価格更新できるような仕組みを作っておくことが必要です。
日本から海外へ商品を発送した後にトラブルが生じることも稀にあります。例えば、商品が税関でストップしている、商品が破損していた、商品の到着が遅れている、商品が顧客の自宅の近くの郵便局でストップしている、商品が届かないといったことがあります。
それで、商品を送りっぱなしでいるのではなく、商品発送後も追跡番号をチェックし、顧客に状況を連絡するのは親切なことです。海外発送におけるトラブルが生じた場合でも、すぐに出品者から顧客に連絡することによって、顧客からのクレームを最低限に減らすことができます。商品の到着が遅延していたり、商品の紛失の可能性がある場合には、代替品を顧客に送ることも一案です。
上述したようにAmazonでの売上を大きくあげるにはツールを使うことができますが、注意も必要です。販売価格の情報が1行でもずれてしまうと、誤った価格で商品されることになってしまいます。もし、本来の販売価格を大きく下回った価格で商品を出品してしまうとその価格で顧客からの注文が入ってしますことになります。それで、出品や価格更新をツールを使って行う場合は、細心の注意を払いましょう。
Amazon USでは、商品を販売するにあたり出品者にAmazon USの規約を遵守するように求めています。規約は定期的に変更になることがあり、その都度Amazon USからの通知が来ることになります。それで、規約をよくチェックしていないが故に規約を破ってしまった場合、たとえそれが故意でなくても、一発で出品者アカウントが削除となる可能性があります。
Amazon USにおける規約は必ずチェックし、Amazonのルールに沿った仕方で商品を販売しましょう。
Amazon USでの販売には、サスペンドというリスクがありながらも、売上を大きく上げている日本人セラーの方が多くいらっしゃいます。日本で作られた素敵な商品を何千キロも離れた場所にお住いの方にお届けすることができます。
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