コラム
Column
これから海外に向けてビジネスを行っていこうとお考えの方の中には、Shopifyを使えば越境ECをはじめらられると思われている方も少なくないと思います。今回は実際にゼロからビジネスをはじめようと決心し、フィリピンでShopifyとPrintfulを活用しECサイトでTシャツを販売するまでの軌跡をやまもとさんに綴って頂きました!
Shopifyで越境ECサイトを構築しようとした時に
といった壁にぶつかってしまっている人は少なくありません。
そこで今回、海外に暮らしながら、無在庫、資金1万円以下でShopifyでアパレルECサイトを立ち上げるまでに、筆者が実行したことをご紹介いたします!
これから越境ECをはじめようとする方の参考になりましたら幸いです。
こんなあなたにおすすめ
・越境ECの始め方がわからない
・Shopifyアプリが多すぎて選べない
・無在庫・少額からECを始めたい
・海外でアパレルビジネスを始めたい!
Shopifyはプログラミングなどのサイト構築に関する知識が無くても、直観的な操作で自分のECサイトを誰でも作ることができるサービス。サイトづくりから決済受付、アクセス解析機能も備えています。
さらに、サイトの外観を「テーマ」から選ぶことができたり、マーケティングに必要なほとんどの機能を「アプリ」として追加できるなど、高い拡張性も備えます。
「在庫なしでECを運用するにあたって必要な作業がShopify内部でほとんど完結する」ことが大きな魅力といえるでしょう!
しかし、簡単に数多くの機能を追加できるからこそ、運用に迷ってしまうこともあります・・・
在庫なしアパレルECショップを作るにあたって最も重要なアプリが「Printful」です。
アパレル越境・低予算・無在庫販売を行うためには3つの大きな問題があります。
アパレル越境ECを行うにあたって、どれも乗り越えることがむずかしそうです・・・
これらを解決する事ができるのが、このPrintfulです!
以下が大きな特徴です。
優秀なサービスですよね!しかも初期投資は0円!
Printfulさえあれば、今日からアパレル越境ECサイトが開けます!
限定的ながら、日本語サービスも提供していることもうれしいポイントですね。
管理画面も直感的に操作しやすく、簡単に出品することができます。
ShopifyとPrintfulを知ったなら、すぐにストアをデザインしたいところです。しかし、その前に以下の2つは行うべきだといえます。
「大事そうだけど、後でもよいのでは・・・」と思われるかもしれません。しかしこれらを事前に行うことで、スムーズなストア開設に繋がり、マーケティング力とブランド力向上にも繋がります!
あなたは、どのようなストアを創り上げたいのでしょうか?もしくは、どのような機能をサイトに組み込みたいのでしょうか?「イケてるストア」といったイメージで始めると、時間をいくら使ってもサイトは完成しません。
私は最初、必要な気がするShopifyアプリを導入しまくり、ストアの見た目をそれっぽく整えていましたが、何時間費やしても理想のストアになりませんでした・・・
そもそも、「理想のストア」というものがわかっていなかったのです。そのため、自己分析に立ち戻ることにしました。
オススメの分析方法は、「3C分析」と言われる方法です。
の順で「強み」と「弱み」を2、3個づつ書き出していくと、以下のことが見えてきます。
筆者のアパレルサイトではこのように分析しました。
1.顧客・市場(Customer)
・追い風・・・Google Trendでは”Japanese shirts”など日本語Tシャツの検索数は大きく変動しておらず、需要が安定している。海外でも日本語Tシャツを着た人をよく見かける。
Google trend
・向かい風・・・居住地フィリピンは物価が安く売上を出しづらい。さらに物流が悪くビジネスの拡大が難しいと考えられる。
2.競合(Competitor)
例として日本語&アニメシャツを販売するImouriというブランドを挙げます。
アニメと日本文化から着想を得たオリジナルアイテムを販売するブランド「Imouri」
Googleで”Japanese tshirts”と打ち込むと1ページ目に表示されます。インスタグラムを3年間続けておりフォロワーは5万を超え、ファンとの交流も活発です。
顧客はどのくらい、そしてどうやってストアにたどり着くのでしょうか?Similar Webという分析サービスを使用して分析してみます。月間訪問者数は4万人近くで、1%の訪問者が購入すると仮定すると、400回購入されることになります(かなりザックリですが)。
流入チャンネルは、URLなどを直接打ち込む「ダイレクト」および、Googleなどの検索エンジンからの流入「オーガニック検索」からがほとんどでした。
・今は勝てなさそうなところ・・・インスタグラムのフォロワー数をすぐに上回ることは難しく、顧客との信頼関係を築くために長期的に取り組む必要がある。ストアには商品が充実しているうえ、顧客の着用写真が何枚も載っており安心感がある。
・頑張れば勝てそうなところ・・・Shopifyを使用しており、マネをすればほぼ同じクオリティのサイトを作ることができそう。サイトのブログ記事は3つのみで、SEO対策次第では、筆者のストアも多くのアクセスを集めることができるかもしれない。
Similar Webは分析したサイトの競合も教えてくれます。Imouriのほかにもアニメ・ストリート系アパレルブランドは数多くあり、”anime”キーワードで市場を攻略するのは難しそうだと感じました。
3.自社(Company)
・強み・・・日本語ネイティブならではのコンテンツを作ることができる。フィリピン人(英語ほぼネイティブ)の助けが得られる。Printfulを使用し、思いついた限りのアイテムを作ることができる。
・弱み・・・デザインを勉強したことがない。資金1万円以下。毎日1時間しかストアに使えない。
服のデザインはCanvaを使用します
以上の3Cを行って、以下の対策(やるべきこと)が見えてきました!
筆者のストアづくりでは、以上のことを確実に進めれば、ある程度の売上が立つのでは・・・!?と思えました。ブランドの方向性を決めることができ、競合ストアの見た目をマネするという方針を固め、心理的にも迷いがなくなりました。
逆に、リスト以外のことを行っても、無目的で中途半端な施策となる可能性が高く、やらないことを決めるために分析を行ったともいえます。
サイト作りの前に簡単にビジネス全体を分析すれば、自然とあなたのストアに必要なものをリストアップできるはずです!
こちらで3C分析の詳しい説明を行っています。本記事で書かれているよりも本当は奥深い3C分析。簡単にでもぜひやってみてください!
いざストアを作り始めても迷ってしまう・・・
ShopifyもPrintfulも数多くの優秀な機能が備わっています。「あのアプリいいな」「このプリント地いいな」と目移りすること間違いなし。結果、時間は過ぎていき、Shopifyの無料トライアル期間が終わり、でも売上は立たず・・・と浪費の不の連鎖に。
という筆者も、アプリをいじるだけで何時間も無駄な時間を過ごしました。「ShopifyおすすめアプリOO選」を全て試すには時間が足りません。
どれを選べばよいやら・・・
こういった事態を避けるためには、最短最速でサイト完成まで導いてくれる地図をもつことをおすすめします。
その地図は、弊社記事やShopify公式ブログから見ることができます。
筆者は自分で手当たり次第にストアをいじることを止めて、こういった地図にしたがってサイトを作っていったところ、サイト完成まで悩まずにたどり着くことができました。
こちらは、サイトを作り始める前にぜひ読んでいただきたい記事です。
Shopify公式ブログ「ゼロからオンライン販売をはじめて3日で10万円を売り上げる方法を徹底解説」
タイトルは少し怪しいですが、やるべきことが全てわかる超良記事です。
世界へボカン「Shopifyで英語圏向け自社越境ECサイトの運営をはじめました」
「何をすればよいのかわからなくなった・・・」という状態のときに読んでいただきたい記事です。基本に立ち返りストア作成を続けることができるでしょう。
実際にShopifyを動かすにあたって、以上の2つを行っていれば、
が判明しているはずです。
あとは、各種情報を入力してPrintfulをダウンロードすれば、ストアは完成します!
筆者はテーマも画像配置も競合を真似しました。しかし、ブランドの方向性が違うので、テイストは違った感じに。自分のストアができると嬉しいですね!
品質と配送を確認するため、販売開始前にサンプルオーダーをおこなう必要があります。
Printfulでは、1ヶ月あたり3着まで20%引きでサンプルをオーダーすることができます!資金不足には助かりますね。
サンプルオーダー画面
サンプルオーダーをしてみたところ、いくつか想定と違ったことが起きました。
フィリピン郵便局
Printfulでシャツが印刷される工場は、送料が最安になるように設定されるようです。また、各国のインフラ・流通によって大幅にお届け日数が変わることがわかりました。
配送が遅れた時のカスタマサポートに即座に対応できる時間はありません。そのためサイトにQ&Aを設置し、トラッキングコードを読み取れるようにアプリを導入しました。
Q&A(FAQ)作りに便利なアプリ:Amaz FAQ & Accordion app
無料で、無限に質問と回答をつくることができます。
トラッキングコード:Parcel Panel
アイテムごとに配送状況がわかるうえ、サイトに設置した時の見栄えもシンプルです。
月に20個以上のアイテムをトラッキングすると有料になりますが、それまでは無料です。
これらの問題は実際にオーダーしないとわかりません。「顧客は不安なんだ」と責任を感じました。
サンプルを見てみましょう!ここでも思っていたことと違ったことがありました。
2ヶ月かけて東ヨーロッパからフィリピンに届いた小包!
あくまで自分の期待値との差でしかありませんが、「梱包とシャツはチープ」「印刷は高品質」だと感じました。
残念ながら「チープさ」は自分ではコントロールできません・・・
そのため、Q&Aと商品説明を詳しく書くようにし、顧客の期待値をコントロールすることに気を付けました。
また、サンプルはシャツの生地を変更して、理想的な生地を見つけるようにしています。PrintfulはTシャツだけでも20種類以上の生地を用意しているので、サンプルオーダーの割引をうまく利用して、生地を試すのがおすすめです!
以上、配送も製品も多くの気づきが得られました。このサンプルオーダーにかかる費用は、必要経費として入れておくとよいでしょう!
競合の多くはSNSを通じて顧客と関係を築き、口コミを得ていました。筆者のブランドも利用しない手はありません。SNSは何種類もありますが、筆者はインスタグラムをメインの広告塔に選びました。理由はこちらです。
筆者はデザインやファッションの素人で見せ方がわからないので、服の投稿だけではファンは増えないと考えました。そのため、日本語ネイティブであることを活かし、日本語教育の投稿を行い、フォロワーを増やしていく作戦を取りました。
インスタグラムに関する本を読むと、「継続」と「細かな改善」が最も大切なことであると書かれています。フォロワーが多いアカウントは継続して投稿していることが多く、納得感がありますね。ですので、自分でも継続できそうな発信内容を選びました。
筆者のECサイトのインスタグラムアカウントは、日本語能力試験(JLPT)から言葉を拝借し、画像加工サービスCanvaを使用し投稿を作成しています。
毎日コツコツ続けることで、2ヶ月で500名にフォローして頂けました。広告を打たずとも500名に商品を宣伝できるなんて素晴らしい・・・!
そう思った筆者は、「もっとフォロワーが欲しい!毎日3回4回投稿しよう!」と考えました。
しかしながら、前述の3C分析で勉強したことは「SNSの目的は顧客と長期的につながりをもつこと」でした。フォロワー数よりも、コミュニケーションをとって頂けるように、無理をせず、価値のある投稿を続けていくことが大事だと仮定しています。
フォロワーが集まれば、インスタグラムでの集客が加速していきます。インスタグラムの「ショッピング機能」を使い、投稿から商品ページへの導線を引くことも可能です。詳しい設定方法はこちらの記事からどうぞ!
また、「Snapppt」というアプリを通じて、投稿をウェブ上で商品カタログのように使用することが可能になります。カタログからは商品ページへアクセスできます。詳しい使い方と効果はこちらから。
インスタグラムは、見せ方次第でどこまでも効率的にマーケティングすることができるようになるツールです!投稿を続ける労力と天秤にかけつつ、ぜひ活用しましょう!
いかがでしたでしょうか、資金・時間が限られていても、アパレル越境ECが可能になりました!また、事前準備をしっかりとしていればアプリや機能で迷うこともありません。
今や越境ECを始めること自体は難しいことではないかもしれません。しかし、始めてからが大変です。地道な改善を続けて、アクセスが徐々に増えていき、やがて購入して頂けるようになる・・・
長い道のりになるかもしれませんが、ストア立ち上げ時の基本を繰り返していけば、成果はきっとついてきます!
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