コラム
Column
ShopifyとMagentoは、ECサイト市場で最大のeコマースプラットフォームの2つです。
ShopifyとMagentoのどちらを選択するかどうかを決めるにあたり、いくつかのポイントがありますが、何を基準にすべきなのでしょうか。
このコラムでは、ShopifyとMagentoについて以下のポイントをご紹介いたします。
・そもそもShopifyとMagentoとは?
・ShopifyとMagentoにはどんな違いがあるのか?
・何を基準にShopifyとMagentoを選べばいいのか?
Shopifyとは、カナダ発のオンラインストア作成サービスです。世界175か国で展開されており、Shopifyにて作成されたオンラインストアは100万件を超えています。2017年には日本にも進出し、日本国内でもShopifyを導入する企業が増えています。
Shopifyでは、初心者でも簡単にオンラインストアを構築することができ、商品を販売することができます。また、実店舗やfacebook、InstagramなどのSNSとも連携しており、販路を拡大していくことが可能です。また、Shopifyはサイトを構築していく上でのマニュアルや動画のサポートも万全で、初心者でも安心してビジネスに取り組むことができるでしょう。
Magentoは、アメリカのMagento社によって開発されたオープンソースソフトウェアです。ECサイト構築に特化したもので、サイト構築の柔軟性と運用性にとても優れています。
現在では年間1,500億ドルを超える取引が行われており、世界で最も人気のあるECプラットフォームとなっており、コカコーラ、オリンパス、ナイキ、ジャガーなどの有名企業もMagentoを利用しています。
MagentoはECサイト構築に十分な機能を持っていますが、拡張機能を追加することによって、サイトの機能をさらに拡大することができ、独自性の高いECサイトの構築が可能です。
ShopifyとMagentoどちらを選択する必要があるか判断するには、機能を比較してみる必要があります。
これから10個の比較ポイントをご紹介します。
ShopifyとMagentoはどちらも、出品できる商品数に上限はありません。
また、商品数によるサイトの読み込み速度への影響はほとんどありません。
Shopify、Magentoもモバイルフレンドリーなテーマがあるため、モバイルを使用するユーザーにマッチしたサイト設計が可能です。
Shopify、Magentoのどちらを選択するにしても、顧客から自社サイトがどのように見えているかチェックする必要があります。トップページのデザインはトラフィックや売上に直接影響を及ぼすため、忘れずに確認しましょう。
・Shopify
Shopifyでは、70種類以上の公式テンプレートが用意されており、無料・有料のテーマがあります。テーマを設定した後は、カラーやデザインまたSNSのアイコンの配置などを自由に設定することができます。
・Magento
Magentoも無料・有料のテーマが1000種類以上あり、尚且つ自由にコードを設計することができるため、難易度は高いものの自社のサイトを自由にデザインしたい方にとっては、Magentoがおすすめです。
Shopify、Magento共にベースとなるプラットフォームがあり、アプリや拡張機能を追加してサイトをパワーアップしていきます。
・Shopify
Shopifyでは日本語のアプリもリリースされてきましたが、現状はまだまだ英語のアプリの方が多い状況です。カゴ落ち対策、不正利用対策、メルマガ機能など顧客のニーズにあったアプリをインストールしていくことができます。2400以上のアプリがあり、無料のものから月額制のものもあります。
・Magento
Magentoには約3,000種類の拡張機能があります。 拡張機能の一例として、購入者へのポイントシステムの導入、SEOの機能の強化、ブログ機能、eBayやAmazonとのリンク機能などの機能を追加することができます。
・Shopify
Shopifyで複数の言語に対応したサイトを作る場合、標準搭載の翻訳機能を使用するか、別途アプリを購入してインストールする必要があります。また、別のオプションとして、多言語に対応するためにテーマやコードを編集することもできますが、webサイトのデザインに関する知識が必要になります。なお、対応していない言語もあるので注意が必要です。
・Magento
一方、Magentoではあらかじめ多言語に対応した機能が設定されているため、スムーズに多言語サイトを構築することができます。
ブログを定期的に掲載することにより、顧客を引きつけることができ、かつSEO対策にもなります。
・Shopify
Shopifyでは、ブログ機能はデフォルトで設定されているため、サイト開設後すぐにブログを作成することができます。
・Magento
Magentoではブログ機能が設定されていないため、ブログの拡張機能を追加で設定する必要があります。
使いやすさにおいては、MagentoよりもShopifyが優れています。
・Shopify
Shopifyでは、初心者でも簡単にオンラインストアをセットアップして、サイトを構築していくことが可能です。また、日本語のマニュアルやビデオも準備されているため、テンプレートを使いこなし、顧客にとってデザインの良いサイトをその日のうちに作り上げることができます。
・Magento
一方、Magentoでは、オンラインストアの構築の難易度は高めです。htmlやwebデザイン、システム開発やインフラ構築の知識が必要です。サイト構築に多く工数が必要となってくるため、Magentoの開発を得意としている業者に委託することをお勧めします。
・Shopify
Shopifyでは、困った時にはいつでも対応している24時間年中無休のサポートを提供しています。電話、メール、チャットで連絡を取ることができますが、これらのサポート現時点で英語のみとなります。日本語のサポートはメールやtwitterなどで対応しています。
バージョンアップやセキュリティパッチなどのメンテナンスはShopifyが自動で行うため、メンテナンスフリーである点はShopifyの大きな利点です。
・Magento
Magentoの無償版では公式サポートは提供されていないため、自分たちで問題を解決していく必要があります。困ったことがある場合は、Magentoを使用している他の開発者のコミュニティにて質問してみることもできます。
有償版はMagentoのサポートがあります。システム監視やトラブルの際の復旧作業も行われます。
独自ドメインでオンラインストアを運営するには、必ずホスティングとセキュリティが必要です。 ShopifyとMagentoの場合仕組みがそれぞれ異なっていますので、事前にチェックしておきましょう。
・Shopify
Shopifyの場合、月額プランにホスティングとセキュリティが付帯しているため、追加の費用の支払いや設定、またサーバーは不要です。また、Shopify経由で独自ドメインを取得することも可能です。SSL証明書発行、自動バックアップも無料でShopifyが行います。
・Magento
Magento Commerce Cloudはクラウド型でホスティング、セキュリティが付帯されています。
Shopify、Magento共に顧客へのマーケティングやSEOに関する優れた機能を提供しています。両方とも、Google Analyticsと統合されているため、トラフィック、販売、コンバージョンを追跡することができます。マーケティングにおけるShopifyとMagentoの特徴を上げます。
・Shopify
Shopifyには、robot.txtファイルやsitemap.xmlファイル、コンテンツの重複を避けるためのURLタグ、編集可能なメタ記述、タイトルタグ、URLなど、必要な基本機能がすべて備わっています。FacebookやPinterest、Instagram、Googleにてマーケティングを行うためのオプションも提供しています。メルマガにてマーケティングを行う場合は、別途アプリをインストールする必要があります。
また、Shopifyではダッシュボードで自社サイトの分析を行うことができます。総売上、どこからの訪問客か、インプレッション、セッション数、コンバージョン率、ランディグページ、リファラー、アクセス元のデバイスの情報などに関する数値が表示されます。
・Magento
Magentoは、SEO対策に役立つURL、メタ情報、Googleサイトマップ、Google Content APIなどの機能を提供しています。
有償版ではGoogleタグマネージャを簡単に導入できます。またrobot.txtファイルやsitemap.xmlファイル、コンテンツの重複を避けるためのURLタグ、編集可能なメタ記述、タイトルタグ、URLなど、必要な基本機能がすべてMagentoにはあります。
デフォルトでは、SNSの機能が付帯していないため、SNSの拡張機能を導入する必要があります。
Magentoでは、メルマガ機能を導入しており、クーポンコード発行機能とリンクさせてプロモーションを行うことができます。
さらに、Magentoでは、アップセル、プロモーション価格設定、クーポン、関連製品の表示、送料無料、製品バンドルなどのビルドイン機能を提供することができます。それで、SEOやマーケティングに関しては、ShopifyよりもMagentoの方が機能面で優れています。
次に、ShopifyとMagentoそれぞれのコストを調べてみましょう。
・Shopify
まず、Shopifyには14日間の無料トライアルがあります。それぞれのプランの金額や商品購入決済手数料は以下の通りです。
(1)Basic
・月額29ドル
・国内発行カード決済手数料:3.4%
・海外発行カード決済手数料:3.9%
・Shopify Payment以外の決済手数料:2.0%
(2)Standard
・月額79ドル
・国内発行カード決済手数料:3.3%
・海外発行カード決済手数料:3.85%
・Shopify Payment以外の決済手数料:1.0%
(3)Premium
・月額299ドル
・国内発行カード決済手数料:3.25%
・海外発行カード決済手数料:3.8%
・Shopify Payment以外の決済手数料:0.5%
さらに、Shopify Plusというプランがありますが、こちらはサイトの規模に応じて月額金額が変わります。大規模なサイトを展開する方向けのプランとなります。
・Magento
Magento Open Sourceは無料で、セットアップ費用はかかりません。ただし、独自のホスティングとドメイン、サーバーの料金を支払う必要があります。なお、Magento Commerceの場合、売上額に応じて費用追加で支払う必要があります。
Magentoにて構築されたサイトから決済される場合、使用する支払い方法によって取引手数料が異なります。
ShopifyとMagentoの違いを比較することにより、それぞれのプラットフォームのメリット・デメリットが浮かび上がってきます。
Shopify、Magentoの導入するにあたりそれぞれのポイントを以下の通りまとめてみました。
本コラムでは、ShopifyとMagentoの比較を行ってみました。ShopifyとMagnetoにはそれぞれの特徴をよく理解した上で、選択してみましょう。
Magentoについては更に特徴を深堀した記事もあるのでこちらをご覧ください。
越境ECに強いプラットフォームMagentoの特徴、機能をご紹介Shopifyについて、世界へボカンでは「はじめてのShopifyシリーズ」として
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