コラム
Column
毎年11月の後半になると「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」といった言葉を1度でも耳にしたことがある人が多いのではないでしょうか?
ブラックフライデー、サイバーマンデーは、小売業者を中心にオンライン、オフライン問わず大きな割引きで集客をする一大セールイベントとなっており、この時期に売上を伸ばし、劇的に顧客数を増やすきっかけを与えています。
Shopifyが発表した2021年と2022年のBFCM期間の売上比較では、Shopifyを使ったECサイトでの取扱額が大幅に増加しています。
それだけ、この「ブラックフライデー」「サイバーマンデー」はEC事業者にも大きな影響を与えています。
この一大セールイベントはどのように始まったのか、その歴史と名前の由来について少し触れたいと思います。
感謝祭では家族や友人たちと美味しいごちそうを食べたり、スポーツ観戦などで盛り上がりますが、ブラックフライデーはその感謝祭のプレゼントで売れ残ったものを一掃セールするために始まったと言われています。
またホリデーシーズンのスタートでもあり、クリスマスホリデーに向けて人々の気持ちも盛り上がり、小売店にとっても1年で最も売上を上げる年末商戦がスタートします。
ちなみに「ブラックフライデー」のネーミングは、買い物客で道路やお店が込み合って黒山の人だかりになることに由来している説や、この日の売上がどの店も黒字(ブラック)になることでそう呼ばれるようになったなど、所説あるようです。
サイバーマンデーは、2005年に全米小売協会のエレン・デイビス氏とスコット・シルバーマン氏によって「Shop.org」で使われ始めたことにより広まったようです。
サンクスギビングデーから4日間の連休中は家族で買い物を楽しみ、休み明けの平日に入るとネットショッピングに移行するという傾向があったことから、翌月曜をオンラインセールにしたことが起源となっています。
日本だとAmazonがサイバーマンデーセールを積極的にプロモーションをして認知され始めていると思います。
2023年のBFCM(ブラックフライデー・サイバーマンデー)は下記のようになります。
一応、上記の日にちが今年のブラックフライデーとサイバーマンデーになりますが、実際のセール期間はその前後で長く実施される傾向にあります。
ブラックフライデーだとその前のThanksgiving SALE(サンクスギビングデーセール)やPre Black Friday SALE(プリブラックフライデーセール)などのネーミングで、ブラックフライデーの1週間程度前からセールを開始しています。
また、サイバーマンデーも「サイバーウィーク」として1週間セール期間を設けるなど、セール期間を長くすることで、この購買意欲の高い時期により多くの売上アップと顧客獲得を積極的に行う企業が増えています。
さらに、サイバーマンデーが終わっても、クリスマスに向けたホリデーシーズンに突入しているため、人々の購買意欲が衰えることはありません。
今度はクリスマスセールと銘打って引き続きセールを継続していきます。
冒頭で2021年→2022年のBFCM売上比較で大きく増加したことをお伝えしましたが、2023年はさらに大きな収益を各EC事業者にもたらすだろうと言われています。
その理由としては、パンデミックによりオンラインショッピングが加速しており、外出せずにネットで購入することがより身近になっていることが大きく影響しています。
ただし、それは同時により多くの企業がEC販売に参入することを意味し、さらに競争力が高まるとも言えるでしょう。
また、様々なECサイトが乱立するようになってくると、ユーザーは目を引くオファーやディスカウントだけでなく、より優れた顧客体験(CX)を提供するサイトにフォーカスするようになると考えられます。
BFCMを成功させるためには、セールの戦略をしっかり考えつつ、ユーザーが離脱しないためにECサイトの使いやすさや顧客中心のサービスなどにも気を配って、十分な準備を整えていく必要があります。
BFCMでは人々の購買意欲が高まりますが、待っているだけでは十分なトラフィックを得られず、折角の機会を台無しにしてしまいます。
そのため、集客のための広告予算を検討することが必要ですが、予算を決めるためにはまずはどのくらいの売上を作りたいか、そのために必要な購入件数、平均購入単価はどれくらいか、必要なセッション数はいくつかなどを決めていきましょう。
まったく検討もつかないという方もいらっしゃると思いますが、これまでの経験だと通常の1.5倍~2倍は売上を伸ばせる時期であると考えています。
そのため、予算も通常時の1.5倍~2倍程度で検討いただくのが良いと思います。
ただし、注意点としては予算を固定で決めてしまうことで、本来予算があればもっと売上を伸ばすことができたのに機会損失してしまっているということが発生する場合があります。
この期間は担当者にしっかりと売上状況を追わせ、調子が良いようであればさらに増額、といったフレキシブルな予算設定をしていただくと良いと考えています。
割引き方法や割引額は各事業者によって変わってくると思いますが、とある分析データで、2022年のサイバーウィークの平均割引は26%だったそうです。
2020年は40%~50%が割引率の平均値でしたが、最近は割引率が下げられている傾向にあるようです。
ディスカウントやオファーの提示方法はいくつかあるので、さまざまな方法をご検討ください
なお、2つ購入すると1つ無料(buy 2 get 1 free)は海外サイトでもよく見る販売方法ですが、より高い商品を注文したり、別の商品も購入する動機づけにつながり、平均購入額が上がったという結果もあります。
ブラックフライデーはどの店舗も黒字になることが名前の由来になっていますが、一方で利益を出すことに執着しすぎない方がよいと考えています。
なぜかというと、これまで購入を迷っていたユーザーが初めて購入したり、全くの新規ユーザーが購入したりと、新規顧客を獲得するタイミングであり、そのユーザーが今後リピート客やロイヤルカスタマーになってくれる可能性もあります。
そのため、利益を重視するあまりに、十分な集客ができなかったり、割引率も他より見劣りしてしまって、結果売上もそこそこという可能性があります。
これまでの経験で、BFCMを中心とした11月、12月に新規顧客数を増やすことで、セールが終了した後でもこれまでの月の平均売上のベースを上げることができたという実績を見ています。
これは恐らく副次的な効果で、購入した人がSNSで広めたり、あるいは友人に紹介したりすることで、新たな顧客を連れてきてくれている可能性があります。
そのため、購入後にSNSで拡散してもらう仕組みや、友人紹介で〇%オフというようなインセンティブの提示など、購入者から拡げる仕組みもあるとそれがより加速しやすくなるでしょう。
セール期間中はどの事業者も予算を厚めにし、積極的に広告配信をするため、広告の競争力が高まります。
そのため、ユーザーの目に留まりやすいクリエイティブを作成する必要があります。 ブラックフライデーだと黒背景に白字や赤のセール色のアクセントなどでデザインされるものが多い傾向にあります。
基本的には大きな割引率が一番の訴求になるので「UP TO 50% OFF」などの割引率を大きく目に留まるようにデザインします。
また、広告とウェブサイトのクリエイティブデザインは統一感があった方がユーザーの離脱を防ぎやすいため、同じデザインで作成することをおすすめします。
自分の為に商品を買うだけでなく、誰かのプレゼントとして購入するケースも非常に多いため、ギフトラッピングのオプションを用意すると喜ばれます。
Shopifyでカートを構築している場合には、アプリでギフトラッピングが追加できるものを探しましょう。
https://apps.shopify.com/search?q=gift+options
プレゼント用商品を購入するにも、その商品がプレゼントとして喜ばれるか不安で自分で選べないという方もいるでしょう。
そういった人の為に、御社のサイトで使えるギフトカードを販売することができます。
https://help.shopify.com/ja/manual/products/gift-card-products
プレゼント用の商品となると、〇日までに届けてほしいという要望が強くなります。
そのため、通常配送に加え、エクスプレスシッピングなど、多少送料が高くなったとしてもすぐに手元に届く配送サービスを加えると、速達ニーズに応えることができ、購入率が上がる可能性があります。
セールの準備が整い次第、事前にセール情報を既存顧客やメルマガ会員に告知するのもプロモーションの一つです。
SNSなど様々なチャネルで段階的にアプローチすることで、セールに対する盛り上がりを演出します。
またセールまであと〇日〇時間〇秒という形でカウントダウンで見せるなども効果です。
事前にユーザーがいつセールがあるのかを知ることで、確実にセール期間に集客することができます。
積極的な集客やプロ―モーションにより、多くのユーザーがサイトに来訪すると、問い合わせも増えると思います。
カスタマーサポートを手厚くすることで、ユーザーの「知りたい」「わからない」というストレスを即座に軽減させ、購入に導くことができるようになります。
また、問い合わせフォームだけでなく、ライブチャットサポートなどを取り入れるとより一層効果的です。
購入が発生したら、レビューも促進することで、次の新規顧客の獲得につながっていきます。
レビューを促進するためには、購入者に対しレビューをお願いするメールを送ったり、レビューを書いたらクーポンをプレゼントする形で促進することができます。
購入者にとっての不安は、購入したものが想像と違ったらどうしよう、もし不良品が届いたら返品できるのかということです。
そのため、返品ポリシーは明確にしてあげることが必要で、どういった状態だったら返品を受け付けられるかを記載するようにしましょう。
海外企業だと「30日間返品保証など」、袋を開けたとしても30日以内であれば返品を受け付けていることを一つの売りにしているところもあります。
越境ECだと送料の問題などでなかなか難しいですが、購入者にとってのリスクを最大限緩和してあげることは、購入率アップにつながります。
また、越境EC、海外向け広告プロモーションのご相談があれば、ぜひお問い合わせください。
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