コラム
Column
(最終更新 2021/12/01)
製造業・BtoB企業にとって、メールマーケティングは実績ある効果的なマーケティング施策です。
1990年代から2000年代にかけて、インターネットの発展に伴いメールマーケティングは数多くの企業で導入されました。
次第にメール配信管理ツールの導入、MA(マーケティングオートメーション)との連携など技術が発展しますが、2010年代に入りスマートフォンとSNSが生活の一部になると不要論がささやかれました。
しかし、現在もメールマーケティングは有効な施策として広く使われています。
世界最大のコンテンツマーケティングイベント「Content Marketing World」では、毎年メールマーケティングの研究結果が発表される。画像はAlphaGammaより
世界的なコロナ禍の中、海外との往来が途絶えた状態で海外部門の担当者は、どの様に海外営業を行うかが課題となっています。多くの中小企業は慢性的に海外部門の人員が足りていない状況があり、すべてのマーケティングを担当者が実施するのはかなり難しい状況です。
その中で、メールマーケティングは通常営業の延長として担当者が仕組みを比較的理解し易く、他の施策より身近で取り組みやすい施策です。
また各種マーケティング施策との相乗効果により、高い費用対効果を得やすいマーケティング施策として改めて注目されています。これを海外営業に使わない手はありません。
メールマーケティングで最重要とも言えるポイントは配信先の確保。つまりどうやって顧客リストを集めるか?という点です。
本記事では、海外販路拡大を目指す製造業・BtoB企業のWeb担当者様に向け、メールマーケティングの成功に欠かせない要素である「顧客リストの集め方」に焦点をあて、海外の視点を交えてご紹介します。
メールマーケティングについて大手メルマガ配信・一斉メール配信サービス「配配メール」事業部長の安藤氏と、弊社代表徳田が徹底解説・対談し、ノウハウをまとめた記事と動画も併せてご覧ください。
【海外でも再注目⁉︎】メールマーケティングで成功する為の法則 配配メール×海外WEBマーケティング #1
【海外でも再注目⁉︎】メールマーケティング5つのKPI #2
【海外でも再注目⁉︎】メールマーケティング「勝ちパターン」を見つける! #3
本記事が貴社の海外販路拡大の一助になれば幸いです!
メールマーケティングは近年、リモートワーク増加などの社会的背景、各種マーケティング施策との相乗効果により、高い費用対効果を得やすいマーケティング施策として改めて注目されています。
なぜメールマーケティングは高い費用対効果を得やすいのでしょうか?
Google広告やWeb展示会などのWebマーケティング施策とは異なり、メールマーケティングはフォーマット、デザイン、頻度、受信者など、多くの面をコントロールすることができます。
配信内容の改善を継続し、顧客が求める情報を、自社が最も輝く形でお伝えすることが可能です。
Google、Facebookなどのプラットフォームでは日々様々なアップデートが行われています。去年まで有効だった施策が今年から使えない、といった状況も珍しくはありません。担当者様がニュースを追いかけ対応することは難しいしょう。
これに対し、「メールマーケティングの○○が使えなくなる」ということは基本的にありません。
プラットフォーム依存のリスクを示す例として、近年、SNSプラットフォーム(FacebookやTwitter)では、企業サイトなどのリンクが入った自然投稿が上位表示されない傾向がみえています。
Facebookは2018年、友達や家族の投稿を表示しやすくするアップデートを実施。企業アカウントの表示数などが伸びづらくなる影響がみられました。
弊社が支援させて頂いている企業様も、アップデート影響を受けフォローと売上が伸び悩むことがあります。
こういったマイナスの変動要因が少ないことも、プラットフォームに依存しないメリットです。
忙しい海外営業担当者が、営業以外の部分に煩わされず継続できることに高い価値があります。
多くのメールマーケティングサービスでは、見込み客の種類やセールス段階に応じて、メールリストを作成することができます。
特定の業界、役職、部門、ダウンロードした資料の種類 といった情報をもとにメールリストを作成し、適切なメールを配信することで、顧客から反応をえられる確率が各段に高まります。
また、不必要な問合せが殺到してしまうと業務が滞ってしまいますが、リストを使い分け適切な相手にメールを送る事により、商談に結び付かないような問合せを極力、少なくすることが可能です。
あらかじめ設定しておけば、複数メールを自由なタイミングで送信できます。
もちろん工数削減に寄与しますが、それだけではありません。
メールリストに対し、複数のメールを組み合わせた「ステップメール」を配信することで、他のマーケティング手段よりも高確率で狙った成果(お問い合わせ、資料ダウンロード、セミナー参加など)を得られます。
多くのメール配信サービスは分析機能を備えています。
分析まで海外部門担当者が行うのは大変と思われるかもしれませんが、配信サービスが提供する分析機能は使いやすいものが揃っています。
計測方法、指標、分析のセオリーはこちらの対談記事をご覧ください。
ご存知の通り、あらゆる年齢層の方が電子メールを利用しています。
決裁権者の55歳の重役はSNSを使わないかもしれませんが、電子メールは間違いなく使います。
意思決定者へ直接アプローチできることは、メールマーケティングの大きなメリットでしょう。特にBtoBの分野ではこのことは非常に重要です。
他のデジタルマーケティング施策とオフライン広告にくらべ、メールマーケティングは比較的低コストです。
さらに、ROI(投資利益率)が非常に優れています。Litmus Software社の調査によると、メールは平均1ドルあたり36ドルの利益をもたらしているとのこと。
他のどのデジタルマーケティング施策よりも高い数値です。予算が限られた海外部門で必須の施策と言えるでしょう。
階段設計とは、商談の前段階としてWebサイト上に資料請求やホワイトペーパーのダウンロードといった小さなゴールを設け、段階的にお問い合わせに導くよう、顧客の行動フローを設計する事です。
何か集客施策を実施する際、新規顧客がWebサイトからさっそく問い合わせしてくれると考えてしまいます。しかし実際には問い合わせのハードルは高く、問い合わせをしてくれる顧客は非常に稀な存在です。
顧客に小さなゴール(ホワイトペーパーダウンロードなど)をしていただきメールアドレスを取得した後、ナーチャリング(顧客育成)していく事が中長期的に商談数を増やしていくために必要です。そのため、階段設計が BtoBマーケティングの肝となります。
メールマーケティングは、各種施策で顧客リストを集めた後、顧客育成を実現するために必須の施策です。Webサイトの改修や、ダウンロード資料を作成する際は、メールマーケティングで効果を高められないか検討してみて下さい。
様々なメリットがあるメールマーケティングですが、成果(お問い合わせ、資料ダウンロード、セミナー参加など)をあげるために最も重視すべきは「顧客リスト数」です。
メールマーケティングは「リスト獲得 ⇒ 配信計画 ⇒ 配信 ⇒ 効果検証⇒見直し:リストの質、リスト収集方法、計画、内容」というサイクルをまわすことが大切。
起点となるリスト獲得がおろそかでは、十分な数の顧客リストにメールを配信することができず、当然、成果は小さくなるでしょう。
また効果検証と改善のサイクルが上手く回らず、成果を上げられるメールも作り辛くなります。
労力をかけたメール配信で効果が上がらないのは、メールの品質が悪いのではなく、単に顧客リストが足りない可能性が高いです。
ポイント:顧客リスト数が足りないと?
・顧客リスト=分母。成果=分子。分母が少なければ分子も少なくなる
・正確な効果検証がし辛く、質の高い打ち手が取れなくなる
・メール配信が徒労に終わり社内リソースがムダに
顧客リストはメールマーケティングの成否を決定するため、あらゆる機会を利用して顧客リストを収集する必要があります。
リストを収集する方法を10ご紹介します。ぜひ、可能なものから実施してください。
既存顧客の名前とメールアドレスが入ったデータベースをお持ちではないでしょうか?
現実での営業同様、既存顧客に貴社のことをもっと知って頂くことが、最も効率的に成果(お問い合わせ、資料ダウンロード、セミナー参加など)が上がる方法です。
特に欧米では、顧客の許可なく勝手にメールアドレスを配信リストに追加することは厳禁です。
営業担当者と接点があることは、メール配信を許可することとイコールではありません。
また、大量の営業メールを送ることは止めて下さい。
Gmailを通じて迷惑メール報告をされると、Gmailのシステム全体で貴社メールアドレスが迷惑メールとして登録されてしまいます。
こうなると、他の顧客リストへ配信しても、自動的に貴社メールは迷惑メールボックスに振り分けられる事態に。
メール配信の説明と登録のためのリンクが記載されたメールを1件づつお送りして、丁寧に合意を得ましょう。これまでのビジネスで信頼関係が構築で来ていれば、迷惑に思う顧客はいません。
充実した内容で顧客をファン化するメールマーケティングを行う為には、時間をかけてリサーチを行い、配信メールのプランを作成することをお勧めします。
貴社の分野でトップ10に入る海外企業や競合のメールマガジンに登録し、彼らのメールを研究し、どのようなコンテンツをどのような頻度で配信するか計画を練ります。
TEXTECH社のポップアップ
Webサイトにポップアップを表示し、メールリストへの登録を促します。最も簡単かつ効果が見込める施策です。
ポップアップには、Webサイトの訪問者に購読を促すような”売り文句”が含まれている必要があります。例えば、「すぐにお見積り」「資料ダウンロード」などです。
Sales Forceなど顧客関係管理(CRM)ツール、マーケティングオートメーション(MA)ツール、日本製のメール配信サービスには、必ずと言っていいほどポップアップ作成機能が標準搭載されています。
メール配信、顧客管理、ポップアップ作成を1つのツールで管理することがおススメです。
Webサイトの下部(フッター)に登録フォームを設置しましょう。短期的に顧客リストが集まる施策ではありませんが、Webサイトが魅力的な記事や詳細な商品情報で溢れていれば、継続的に顧客リストが集まります。
salesforce.com英語サイトより
ブログ記事が価値あるものであれば、見込み顧客が今後の記事や最新情報に興味を持つ可能性が高く、積極的に登録を行ってくれるでしょう。
フォームの設置場所にはいくつか候補があります。最も登録率の高いフォームはWebサイトの特性や顧客の趣向によって異なります。
自社が簡単に実施できる方法からはじめ、顧客リストがたまってきたら効果検証を行い最も効果的なフォームの設置場所を探しましょう。
・ポップアップ
・サイドバーに設置
・登録ボタンが追従
・記事の中段や最後
Hubspot英語サイトより
資料のダウンロード時にメールアドレスの入力を求めます。
海外の大手IT企業が積極的に実施している手法です。IBM、Oracle、SAP、Salesforceなどの企業はホワイトペーパーを定期的に作成して顧客リストを獲得し、メールマーケティングで関係を継続。商談まで顧客と関係が途切れない仕組みをつくっています。
別業界の事例かもしれませんが、彼らの英語資料をダウンロードし配信メールを分析することで、成果に直結するメールマーケティングを実施できるようになるでしょう。
オンラインセミナー(ウェビナー)を開催することは、英語でセミナーを運営した経験のある人がいないと難しいかもしれません。しかし、実施する価値はあります。
貴社の企業価値や技術がホンモノであれば、セミナー参加者は貴社の配信メールにも強い興味をもつでしょう。
自社での開催が現実的でない場合、海外のオンライン展示会に登壇者登録をすることも一手です。
多くのオンラインセミナーの参加者は、参加後にアンケートに答えてくれます。アンケートフォームに「最新情報を受け取る」といったチェックボックスを設け、メールリスト収集に合意していただきましょう。
vFairsより
オンライン展示会は顧客リスト獲得のためにも活用するべきです。多くのオンライン展示会では、参加者が資料ダウンロードをする際にメールアドレスが貴社に共有されます。
製品画像を外国人デザイナーに作ってもらったり、なるべく多くの資料をアップロードし、自社ブースが目立つようにしてください。
海外展示会への参加を控えている場合、顧客リストの獲得施策も検討してください。
メールマーケティング用顧客リストの獲得施策
・メールフォームのURLをQRコードにしてお土産や各資料に張り付ける
・参加者限定の動画や資料を配信する旨をQRコードやフォームに記載する
・”さくら”がメール登録をしている姿をみせる(企業倫理に反しない範囲で)
・獲得したメールアドレスに対し、メルマガの説明と登録のためのリンクが記載されたメールを1件づつ送り丁寧に合意を得る
企業メールの署名欄に、メール配信の登録リンクを追加しましょう。無料の広告機会を活用してください。
Webサイトのお問い合わせフォームに「最新情報をメールで受け取る」といったチェックボックスを設けて、リストに登録を促します。
貴社に強い興味をもっている見込み顧客だと言えるので、チェックを入れた顧客に営業をかければ商談につながる可能性が高いです。
海外企業を子会社化する日系企業にとって、買収先の顧客リストは貴重な財産。
買収先の取引先が魅力的だから買収、というのはM&Aの基本戦略の一つです。
メールマーケティングにおいては、経営方針の変化にともなってメール配信方法やWeb担当者の入れ替えが発生する結果、買収先がこれまで築き上げたメールマーケティング戦略が途切れてしまうケースがあります。
反対に、買収先の顧客リストを活用しメールマーケティングをスタートできれば、売上や商談の波を生み出すことが可能です。
メールマーケティングの効果を最大化するために必須の、顧客リスト獲得方法についてご紹介しました。
今回ご紹介した施策に特殊なものは少ないですが、全て行っているという企業様は少ないのではないでしょうか。何という事はない施策ですが、地道に続けることで成果に繋がります。
顧客リストが揃った後は、メールマーケティングの継続・改善をすすめ、ボトルネックをつぶしていきます。その際、リストの「質」が重要となってきます。
リストの質とは、貴方のサービスやプロダクトとリストの顧客との親和性の事を意味します。
質の高いリストを求めるなら、リスト獲得前の顧客との接点を考える必要があります。
顧客との接点とはWebサイトやデジタル広告が主でしょう。成果を求めるのであれば、デジタルマーケティング全体を見つめ直す必要があるのです。
デジタルマーケティング全体を見直す際、重要なことは顧客の解像度です。私たちは、顧客解像度を上げるために徹底的なリサーチを行います。
我々がどの様な事をしているのか、もしよければこちらをご覧になってみて下さい。
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