コラム
Column
この記事を読むことで、顧客理解のために大切な点がわかります。
マーケティングリサーチャーとして顧客理解活動を推進しています。
前職オリエンタルランド、現職HR・キャリア領域。リサーチ企画のコンサルや顧客理解関連の講師なども個別に承っている。Youtubeではゆっくり仕様で分かりやすくマーケティングリサーチやマーケティングのことについて解説し活動ている。
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、
多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
ありがとうございます。
今日は御二方にリサーチのことをお話しして欲しくてお呼びしました。
御社はリサーチに力を入れてますし、たぶん、私が言うことはもう実践していると思いますが、それでも何か気づくことがあれば…というわけで、これから私がリサーチで大切にしていることを話すことにするぜ。
口調が砕けたものになるのは勘弁して欲しいのぜ。
では打ち合わせ場所にご案内します。
さて、始めさせてもらうが、今日は顧客理解についてお話しするぜ。
マーケティングリサーチの大切な役割に「顧客理解」があるわけだが、どうにもこの「顧客理解」が正確に捉えられていないと思うことが多くてな。
「顧客」はいいとして「理解」の方だ。「理解」が理解されていないというか……
簡単に言うと、データを取って終わりにしてしまうことが多いんだ。
データさえ取れば顧客を理解できるという錯覚がある気がする。
あ、魔理沙は前に「顧客は正解を教えてくれない」、「マーケターやリサーチャーが、自分で答えを見出していくしかない」と言っていたわね。
覚えていてくれて嬉しいぜ。データを集めるだけで終わらせては意味がないんだ。
だって、データは別に正解を教えてくれるものではないからな。
我々ももちろんデータは集めますがインタビューなどの定性調査もしますし、競合のサイトをくまなく見てどこが強みで売りなのかなども分析しますね。
ああ。データを集めるのは構わないんだが、そこで止まってしまうケースがある。それだけでは「理解」に達することはできないと思うのぜ。
前にも言った例かもしれないが、霊夢、たとえばお前の1日の行動が全部捕捉されていたとしたらどう思う?
朝に何を食べて、何時に会社に行って、帰ってきたのが何時で入浴が何時で、みたいな事実情報だ。
それが正しいと思うのぜ。これが「データを集めるだけなのは理解ではない」ということだ。
お前の一挙手一投足を把握していたとしても……
「マーケティング」をやろうとすると、なぜか突然見失われることがあるんだ。
そもそもマーケティングは、相手を喜ばせようと思ってやるものだから、データを集めた後は「どうしたら相手は喜ぶだろうか?」と、一生懸命に考えないといけない。
私はこのことを洞察と呼んでいる。
この洞察を経ないと理解にはならないんだぜ。
その通りだ。よく「顧客インサイトの把握」と言われるが、それは自分たちで顧客のことを「洞察」しなければならない。
ただ事実を集めただけでは、永久にインサイトには辿り着けないんだぜ。
「ただ事実を集めただけ」を私の仕事にあてはめると、Similarwebやキーワードプランナーのデータ収集だけで終わり、ということですね。
もちろん、そんなことをしたら越境ECがうまくいくわけありませんよ。
これらはあくまでも顧客を「洞察」するための材料ですからね。
そういった「洞察」の結果、この顧客はこうしたら喜ぶし、ああしたら怒るんじゃないかとか、リアリティある顧客像の仮説がつくられていくわけだな。
顧客像とは「人物像」に近いものを想像すれば良いと思うのぜ。
「人物像」と言われて、日々の行動を補足しただけの情報は想像しないだろう?
我々もターゲットとする市場の顧客像、人物像はしっかりとつくり込みますね。
それがわからないと商品をどうやって売り込めば良いのか、どのポイントに引っ掛かって「欲しい」と思ってもらえるのかなど手がかりがない状態になりますからね。
さて「人物像」をつくる過程で、意識して欲しいのが「共感」だ。
これはマストではないんだが、あったほうがよいと思っているぜ。
顧客に共感したほうが、売り手は自分ごとにしやすいんだよ。
自分ごとになるから、それがあると「嬉しい」とか「役立つ」とかを、よりリアルに考えやすくなるんだ。
だから「人物像」のつくり込みが必要になるんだぜ。
ちなみに、マーケティングの手法のひとつに「ペルソナ」と呼ばれるものがある。
これはひとことで言うと、顧客に関して架空の人物像をつくるものだ。
名前や生い立ち、趣味嗜好なども含めたものとしてつくり上げるんだぜ。
当然、心の部分もそれなりにつくり上げることになるな。
まあ「ペルソナ」のような精緻なものは、必ずしも必要とはしないがな。
しかし「人物像」の把握は必要だ。その「人物像」に、ターゲットのニーズや感情が練り込まれていれば、たとえ会ったことがなくとも、共感を抱くことはできるぜ。
ただ、さっきも行ったが「共感」はマストではない。
人間には主義主張や好みの違いはあるから、どうしても共感できない人物像というのはあり得ると思うのぜ。
たとえば霊夢、ターゲットがきめぇ丸だったとして共感できるか?
違う国の人だからこそ頑張って洞察し、共感出来るポイントを探します。
さて、顧客理解の「理解」について話をしてきたが、「事実」「洞察」「共感」、これらがセットであること、少なくとも「事実」と「洞察」があること、それで初めて「理解」と呼べることは覚えておいて欲しいのぜ。
いえ、非常に興味深かったです。基本をあらためて整理できたように思えます。
今日は楽しいお話をありがとうございました。
お役に立てていれば嬉しいぜ。
お招きいただき……
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