コラム
Column
海外へ直接出向いての新規開拓が難しい為に、Webマーケティングを取り入れようという動きが製造業でも出ています。では、具体的にどのようにWebマーケティングを始めれば良いのでしょうか?
今回の記事は、製造業の経営者や担当者の方々が、Webマーケティングを取り入れる際に指針となるような、「やるべきことリスト」を洗い出し、全体像を把握していただきたいと考えています。
簡易リストを下記のリンクからダウンロードいただけます。
直接の接触の必要がないためコロナ禍の中の海外営業手法として注目が集まっていますが、多くの方は購買を考えたとき、まずネットを調べるという行動を取るようになっています。これはBtoCでもBtoBでも変わりません。
そのために、Webマーケティングや、ネット上での取引はその存在感をますます大きいものにしています。ドイツの調査会社Statistaが公表しているデータでは、世界のBtoBの電子商取引額は、2019年の225.6億ドルから2020年には311.9億ドルに約4割の上昇がありました。
今後、ネット上での情報収集から見込み客のリードを取るまで、ネット上でのマーケティングが重要な役割を占めることは間違いないでしょう。
また、Webマーケティングは、定量的なデータ測定が可能です。雑誌やテレビなどのメディアと違い、Webマーケティングでは実数ベースで成果がわかるため、非常に正確な効果測定が行えます。そのため、データ重視型のマーケティング戦略を行うことができるようになります。その上、マーケティング施策が成功した際には、その効果は非常にコストパフォーマンスに優れた物となります。
製造業で海外Webマーケティングに成功している企業の例を見てみると、おおよそ次のことを地道に、しっかりと行っています。
限られた予算の中で調査を行い、Webサイトの管理、運営をしていくのは人材面、資金面からも大変ですが、Webマーケティングに成功した場合、リード獲得のコストパフォーマンスは非常に期待できます。
では、失敗パターンはどうでしょうか?
上記を見ると失敗するべくして失敗していますが、現場の忙しさと人員不足で、上記のような事例は多いのです。ですので、WEBサイト構築や、いろいろなWebマーケティング施策の前に、やるべき全体像を把握して、できること、できないことを分かった上で施策を行っていかなくてはなりません。
まず、最初にやるべきことは、調査です。そして、その調査で得たファクトをもとに戦略を立案します。海外へ工場や支店を開設する際、必ず入念な調査をしてからプロジェクトが立ち上がります。それは、リスクを最低限に抑え、成功する確率を上げるためですが、海外向けのWebサイトを立ち上げる時にはリサーチをあまり行わず、サイトをいきなり作ってしまったり、既存の国内サイトをそのままの状態で英語化してしまう例がよくあります。
しかし、海外の顧客は必ずしも国内の顧客と同じ傾向を持っているとは限りません。例えば、国内で知名度抜群でも海外では無名の企業が国内向けのサイトをそのまま英語化しても海外で通用しないという例を多く聞きます。それは、現地の顧客がその企業に対して信頼が醸成されておらず、自社を知らない訪問者への信頼構築や不安払拭のコンテンツを丁寧に提示する必要があるためです。また、文化の違いで、日本では通じる構成や表現が、海外では敬遠されることもあります。
そうした失敗する原因を避け、少しでも成功の確率を上げるには事前にリサーチをすることが必要となります。
リサーチが必要と言われても、何から始めたら良いかわからないという方も多いと思います。そこで、海外市場の可能性を見つける際、どのようにリサーチを進めるか、順番に見ていきましょう。
漠然と海外市場を調べるのではなく、目標を持ってKPIを設定して、最終的な戦略立案に向けて調査をしていきます。まず調査を始める前に、展開する国、地域の大まかな選定や、目標・KPIの設定、社内体制の整備等について目標を決めましょう。
中小企業の海外展開でありがちなパターンとして、経営者に繋がりがある地域に調査をあまりしないまま工場や店舗などへの投資を進めてしまう例や、どこでも良いから売れるところを探したいという進め方をされる例がありますが、Webマーケティングでも要注意です。
自社製品やサービスの特性を考えた上で対象国を絞り込んでいかないとWEBサイトのターゲットがブレたり、広告出稿の対象国の選定を見誤ります。そのためには、自社分析と競合分析、市場(顧客)分析をしっかりと行うことが必要となります。ただし、その前に大まかな対象国を選定するには、マクロ指標等を調べ、肌感覚とデータを合致させましょう。
海外へのアプローチが全くの初めてで、どの国を狙うべきか全く見当がつかないという状況なら、まず、マクロ指標の確認をしてみましょう。国の発展度合いによって、購買能力や必要としている製品の需要が変わるので、自社製品に適している国々は変わってきます。
一般的に、一人当たりGDPが3,000USDを超えてくると家電製品や自動車などの耐久消費財が売れてくると言われています。日本製品は高品質で高単価なものが多いため、)、Cost(コスト)、Delivery(納期)といった要因のなかで、特にQuality(品質)を重視するような顧客が育っている市場が適しているか、下記のリンクなどを利用して確認してみましょう。
インフレ率や人口、失業率などを視覚的に表示するIMFデータマッパーも資料作りの際に役立ちます。
IMFデータマッパー
ここで注意することがあります。国々のなかの購買力は均一ではなく、都市によってかなりばらつきがあります。中国を例にすると分かりやすいのですが、一人当たりGDPが約1万USドルでも、北京や上海の購買力はデフレの日本を超えている状況が続いていました。これは、地域によって所得の偏差が生まれるからです。そのため、更に詳しい調査をすべきです。
また、各国政府が示す経済目標や開発計画なども確認し、それぞれの国で求められている技術や製品を予測することも重要です。
まず、Webマーケティングを利用して、実現したいことが何なのかを改めて確認しましょう。市場を作りに行くのか、市場のシェア率を上げたいのか、現地事業の効率化を狙うのか?それによって最終的な戦略が変わってきますので、戦略目標は明確にしておきます。また、調査を進める間にKPIを定め、具体的なToDoを探っていきます。
社内体制はどうでしょうか?Webマーケティングが成功した場合、現地の営業チームは十分に対応できる人員が配置されているでしょうか? あるいはWEBサイトを多言語化した場合、英語や中国語以外の言語でも対応が出来るような体制が社内に整っているでしょうか?サンプル出荷や資料送付をする場合、社内の体制は整えられるでしょうか?
BtoBのWebマーケティングの場合、最終的なクロージングは営業チームが行うことが多いので、どのような連携をするのかも考えてWEBサイトの構築や、キャンペーンを設計する必要があります。自社の営業リソースを考えて、現実的な目標を立てましょう。
これから参入する海外市場を調査するにあたって、我々の場合ではまず、3C分析を基本に行います。3C分析は、Company(自社)、Competitor(競合)、Customer(顧客)の3要素を整理し、分析する手法です。
これらの要素を分析することによって、自社が顧客に提供する価値や、競合に比べての優位性、弱点が明らかになります。すると、顧客理解が深まり、上で挙げた失敗例のようなことをある程度回避できるようになります。詳しくは、下記リンクをご覧ください。
では、3C分析に必要なデータをどのように揃えていくか、具体的に紹介しましょう。
扱っている商材がマイナーなものであると、市販レポート等も扱いがなく、お金を払っても市場規模の把握をし辛いことがあります。そのような時、キーワードの検索需要を見て、その商材に需要があるのかどうかを判断することができます。
もっとも、キーワードには購買につながるキーワードと、ただ情報を得たい物が混在しているので、キーワードの選定には気を付けなくてはなりません。その他、同音異義語が非常に人気のあるキーワードになっていたりすることもありますので、キーワード選定は慎重に行います。
では、具体的にはどのようにするのでしょうか?そこで、我々がよく使うツールをご紹介します。
Ahrefs
キーワードの需要の他、WEBサイトの被リンクや様々なSEOに関しての指標を見ることができる有料ツールです。キーワードで言えば、月間の国別検索数、関連キーワードの一覧、関連キーワードの提案、検索キーワード別の到達ドメインランキングなど多岐にわたります。しかし、月額の費用がかかりますので、日常的にサイトの調査やキーワードの調査をする会社でないと、コストパフォーマンスが悪いかもしれません。
Googleキーワードプランナー
一昔前までは誰でも使うことができましたが、今では広告を出稿していなければ全てのデータを閲覧することはできません。
Google Trend
Googleが提供する誰でも使えるツールです。これは、あるキーワードの需要の推移を見るのに適したツールです。過去データと照らし合わせることで、現在、そのキーワードの需要が上昇しているのか、下降しているのか等を知ることができます。
次にできることは、海外営業や代理店、ユーザーの方々にインタビューを行うことです。
満足度調査アンケートを行うことはよくあるかと思いますが、インデプスインタビューのようにテーマを深堀りしていく手法では、アンケートでは現れにくい回答を得ることができたりして、思わぬ発見ができたりします。本社側と現場の中で方針をめぐる認識の違いなども多々あり、このようなインタビューで現場の理解に役立つことがあります。
インタビュー先を決める方針としては、お客様に直接インタビューを申し込むことが難しい場合は、なるべくお客様に接点のある現地営業の方や、代理店の方を選びます。なぜなら、彼らが一番顧客の悩みや競合の存在を知っているからです。
ここまでの調査で、明確な競合の存在が絞られてきます。次にやるべきことは、その競合のWEBサイトのチェックです。競合がどのようなWEBマーケティング施策を取っているのかをを調べるには、競合のWEBサイトを隅から隅まで調べてみることがおすすめです。
なぜなら、WEBサイトは顧客に伝えるべき情報を精査したものであり、すべてのWEBマーケティング施策の起点となっていることが多いため、競合企業の注力している点と、顧客に伝えるべき情報が掲載されているからです。
調査方法は、目視で1ページ、1ページ見ていきます。その際、どのような意図をもってそれぞれのページが作られているかを考えながら分析していくことが重要です。
また、顧客が持つ知識によって訪問者の欲しい情報が変わり、顧客の知識が増えれば増える程、顧客の購買の判断が明確になってくるため、顧客の知識レベルに合わせたコンテンツを用意することが重要となります。競合調査を通じて、どのレベルの情報まで開示するべきか整理します。
どのような技術が使われているか確認したり、WEBサイトの分析を行うには、BuiltWithがおすすめです。競合がどのような技術やサービスを取り入れているかを知ることができます。
BtoBでもSNSは認知を広める為に活用している企業は多いです。大企業などでは、すべてのプラットフォームで毎日投稿を続けている会社も少なくありません。あなたの業界の競合はSNSでどのような情報を発信しているでしょうか?
BtoBでは米国の場合はLinkedInを利用することが普通です。日本における会社案内と名刺のような感じで、海外営業の現場では英語WebサイトとLinkedInアカウントが使われているような状況があります。
具体的な調べ方としては、まず競合が使っているSNSのフォロワー数や投稿頻度、投稿数、いいね、シェア、コメントなどを比較します。自社と比べ、どのような点が優れていて、どのような部分で劣っているのかを見てます。
また、投稿内容も注目します。その投稿が営業目的の商品宣伝なのか? セミナーや展示会などのイベントの宣伝なのか? あるいは技術情報やユーモア、社会的な問題に対しての提言なのか? 本当にお客様の求めている物は何なのかということを考えて調査します。
競合のWEBマーケティング施策とアクセス数の調査で我々がよく使うのは、SimilarWebというイスラエル発祥のマーケティングツールです。
ドメインの訪問者数や流入元(ダイレクト、メール、参照サイト、SNS、自然検索、有料検索、ディスプレイ広告)が分かったり、どの地域からのアクセスが多いか、自然検索キーワードや有料検索キーワードの内容、参照サイト等を教えてくれたりします。無料アカウントやブラウザの拡張アプリも提供されています。
ここで気をつけなくてはならないのは、SimilarWebの表示するアクセス数は推測値であるという事です。ですから、Similarweb上の他社サイトとの相対的な数値や傾向を見ることに向いていますが、そこで出る数字はGoogleアナリティクスで測定される数値とイコールではありません。
広告の出稿状況を調べるのにもSimilarWebを使用することができますが、残念ながら、無料アカウントでは、有料版よりはかなり機能が限られます。
無料で使えるツールとしては、Facebook広告ライブラリーがあります。これは、Facebookのアカウントがどのような広告を出稿しているかを見ることができるツールです。
Google 広告のオークション分析を使って、Googleのリスティング広告やショッピング広告での競合と自分の立ち位置を調査することもできます。詳しくはこちらの公式サイトをお読みください。
SWOT分析は、内部要因(資金、ブランド、価格、品質等)と外部要因(競合、市場トレンド、法・規制等)について自社の優位性や弱点を明らかにするフレームワークです。3C分析を行った後に、自社とそれを取り巻く環境が分かりますので、自社の強み(Strong)、弱み(Weak)、機会(Opportunity)、脅威(Thread)について、分析します。
Webマーケティングでは、自社や自社製品の強みを正しくお客様に伝える必要があります。そうした要素の抽出にも役立ちます。詳しくは、下記リンクをご覧ください。
STP分析とは、Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取って名付けられた分析手法です。市場を同一のグループにセグメント化(分けて)して、その中から、どの市場をターゲットとするかを決めます。その上で、購買要因を二軸に取ったマップに自社と競合を描き、自社の立ち位置を確認します。
STP分析をすることにより、自社の立ち位置が明確化して、方向性の決定がしやすくなります。詳しくは、下記のリンクをご覧ください。
海外展開をすると決まったら、それがデジタル分野でも入念なリサーチをしてください。工場を設置するよりはコストがかからないとはいえ、市場と顧客のことを知らないまま、プロジェクトを進めてしまうと営業的に機能しないWEBサイトが出来上がったりしてしまいます。
調査の後、「お問い合わせ窓口」を作成または改善します。お問い合わせ窓口として代表的なものは「Webサイト」と「マーケットプレイス」です。
Webサイトの制作・改善は2〜6ヶ月単位の工数がかかり、タスクが膨大に存在します。しかし、コーディングなどは制作会社などにお任せすることが多いでしょう。そのため本リストでは詳細なタスクは割愛し、「問い合わせ数増加に絶対必要なポイント」をまとめています。
問合せ数の増加をシンプルに考えると
・アクセス数を増やすか
・問合せ率を上げる
このどちらかです。
アクセス数は広告を実施することである程度確保できますが、問合せ率が低ければ広告費用が無駄になります。Googleアナリティクス等のツールで問合せ率を測り、もし1%以下であれば、広告などで集客をする前にWebサイトの改善を行いましょう。
下記リストをしっかりと実施できれば、どの業界でも、広告費が少額でも、月10件以上のお問い合わせを獲得できるはずです。
ターゲットユーザーを策定し「誰のためのサイトか?」を明確化します。調査戦略立案を可能な限り行い、ターゲットユーザーの持つ具体的な課題(ニーズ)をリストアップしましょう。
ターゲットユーザーに対して、自社が提供できる強みを洗い出します。日系企業は「カスタム力・対応力」が強みになるケースが多いのですが、下記の参考情報をもとに、具体的に強みを書き出してください。
差別化するための7つの要素(マイケル・ポーター提唱)
・製品の特徴
・機能間、製品間の連携
・納品、使用タイミング
・地理的ロケーション
・製品の品揃え
・他企業との関係性の強さ
・評判(ブランド)
海外競合調査よく見かける、海外企業の強みの例:
・無料サンプル依頼可能、無料プロダクトツアー実施
・サンプル依頼からのリードタイムが早い
・ベンチマーク/シミュレーションデータ提出可能
・社名を伏せた他社との性能比較
・ホワイトペーパー、ノウハウの無料放出
・R&Dとコンサルティングチームのコラボによる顧客支援
・短納期とその理由が明確
・小ロットから発注可能
・安定供給、ラインの稼働徹底
・他社型番/廃盤品を複製可能
・顧客からセールス面/製品面でフィードバックを受けており、改善したことを開示
・開発キット等、顧客に提供できるキットや”おまけ”がある
・基板や製造加工プラットフォーム上で他社製品と互換性がある
製品の性能と企業規模だけで選定が決まるわけではなく、下記のような情報も必要です。Webサイトに掲載できるものを洗い出しましょう。
後押しコンテンツ・不安払拭コンテンツの例
・権威性のある自社専門家チームの紹介
・環境対策を徹底。カーボンフリー、カーボントレースができている
・規格とコンプライアンスに関する資料がある(IATF、ISO等)
・レアな工作機械を所持
・採用実績(ロゴと事例をWebサイトに乗せている)
製造業において海外ユーザーがWebサイトに求めることは「製品に関する情報を手っ取り早く閲覧できること」です。すべてのページから製品の詳細情報が書かれたページに”誰でもわかるほど簡単”にたどり着けるようにしましょう。
もしサイトが古い作りで、製品ページにスムーズにアクセスできないことが明らかならば、大幅なリニューアルの必要があるかもしれません。
また、SKUや品番が多い場合には、下記を実施し、”誰でもわかるほど簡単”な構成を作りましょう。
・製品カテゴリを競合サイトを参考に整理する
・製品の絞り込み機能をWebサイトに実装する
ニッチ産業ながらわかりやすいWebサイトの例:TYMETAL社
お問い合わせ増加を目標にデザインを変更する場合、「特定製品にスムーズにたどり着けるか」、「一ページの情報量が多くとも、競合サイトよりも読みやすいか?」といった「見やすさ」に着目してデザイナーに依頼をかけるべきです。
凝った装飾や動きは、サイトスピードへの影響や運用時にトラブルを起こす可能性があるため、制作会社からリスクを教えてもらう必要があるでしょう。
簡潔で見やすいデザインを作成することは簡単ではありません。デザイナーの実績を良く伺ってください。
海外顧客が読みやすいと感じる適切なローカライゼーションには、ネイティブによる翻訳監修と、技術担当者による用語の監修が必要です。
ローカライゼーションに関して、詳しくはこちらをご覧ください。
顧客が特に注視する「製品詳細ページ」には、下記の情報を可能な限り掲載するようにしてください。その際、「問い合わせページへのボタン」や「海外代理店の電話番号」など、「問い合わせに至る導線」を必ず増設・追加してください。
製品詳細ページに掲載する情報リスト
・製品機能の説明を顧客メリットに言い換える
・CAD/図面/3Dモデル/資料/製品情報を競合と同水準に充実させる
・規格とコンプライアンスに関する資料を掲載する
・事例の掲載(簡易なもの・匿名でもよい)
・後押しコンテンツ・不安払拭コンテンツの掲載
・類似製品へのリンク、類似アプリケーションへのリンクを設置する
・海外問い合わせ先の明記
・問合せフォームの埋め込み、もしくは問い合わせページへボタンを強調する
問い合わせ先は、米国の電話番号とメールアドレス、EU向けの電話番号とメールアドレス・・・・のように、支社や代理店がある場合には問い合わせ先を明記しましょう。
営業電話が来てしまうため社内判断が難しいかもしれませんが、電話一次受付などの社内体制ができている場合には、可能な限り明記してください。
コネクタメーカーSamtec社はヘッダーメニューや製品詳細ページに問い合わせ先を明記
「製品の使い方」や「CGによる動作説明」を制作・掲載することにより、製品イメージを具体的に持っていただきやすくなり、問い合わせ率の増加に寄与します。
海外のコンテンツマーケティング支援企業の調査では、エンジニアの半数以上が週に1時間以上「仕事のための動画」を視聴しているという調査もあります。
動画はWeb集客、商談、メールマーケティングなどでのフォローアップでも非常に使い勝手の良い営業ツールになりますので、主力製品は英語での動画化を検討しましょう。
しかし、費用対効果の算出が難しい側面もあります。今後数年以内に必須の施策になりますが、CGの作成費用などがネックになりその他のWEBマーケティング施策が後手に回るようであれば、後回しにしてもよいでしょう。
上記のToDoを実施することで、お問い合わせの「受け皿」はかなり改善され、お問い合わせ率は0.5%以上になってくるはずです。可能な限り実施したうえで、集客を実施してください。
また、Webサイトの改善に関してはこちらの資料もご参照ください。
「マーケットプレイス」とは、製造業向けではモノタロウ、ミスミ、デジキー、マウザー等、BtoC向ではAmazonのようなサービスです。
*各社ビジネスモデルが異なるため一括りにはでませんが、ここでは「サプライヤー/メーカーが自社製品を掲載できるWebサービス」とお考え下さい
マーケットプレイスで購買を完結する海外顧客は年々多くなっています。製造業だけではなくBtoB全体のデータですが、米国の15%、英国の20%の担当者がAmazon Businessを通じて購入を行った、というデータがあります。
Amazon Businessは多くのマーケットプレイスのうちの1つであり、他マーケットプレイスを含めると、かなりのユーザーがマーケットプレイス上で購買プロセスを完結させていることがわかるでしょう。
実際、弊社クライアント様の海外エンドユーザーにヒアリングした際、「マウザー」や「デジキー」で購買プロセスを完結させてしまうと回答がありました。
WEB集客にも大きな影響があります。試しにこちらをクリックしGoogleの設定を米国に設定して、貴社製品の英語名をGoogle検索してみてください。おそらく、マーケットプレイスか業界最大手のサイトが上位に来ているはずです。
マーケットプレイス出店では、数多くの段取りと手数料に悩まされますが、Webサイトにまつわる施策をやりきっている場合は検討するべきです。
マーケットプレイスは代表的な下記のリストに加え、業界毎に専門のマーケットプレイスが多数存在します。複数展開も視野に入れて、出店準備を進めましょう。
せっかく出店したものの、成果が出ない事例もよくあります。その場合、下記が原因の可能性があります。解決可能か検討しましょう。
マーケットプレイス出店で成果が出ない場合の検討事項
・マーケットプレイスの仕組み上、広告を出さないと検索上位に製品が上がってこないのか
・マーケットプレイスの仕組み上、自社ページの更新が無いと検索上位に製品が上がってこないのか
・マーケットプレイス上にターゲットユーザーが居ないか。他のマーケットプレイスへの出店を考慮する
・製品紹介および会社紹介の情報量で他社に負けていないか
・英文コピーライティングや製品動画の質で他社に負けていないか
・コモディティ商品であり他社に価格負けしていないか
貴社が業者の切り替えをする際、ミスミやモノタロウ上で比較検討を終わらせることはありませんか?海外でもマーケットプレイス上だけで製品を検索・比較検討するユーザーは存在します。
出店には工数がかかり、商流の整理も必要ですが検討するべきチャネルです。
Webサイトの問い合わせ率が自然検索で1%を超えるようであれば、Webサイトへの集客に力を入れるべきです。
集客施策は多数ありますが「問い合わせ一件当たりのコストパフォーマンスが高い・問い合わせの質*が高くなる傾向がある施策」から順番にご紹介します。
また「製品・企業への問い合わせを今すぐ増やす施策」と同時に「特定チャネルにおいて長期的に知名度を高める施策」「リード(名刺)を集める施策」も同時に進める必要があります。
なぜならば、顧客は今すぐ問い合わせする方だけではなく、1年〜数年後にニーズが発生する可能性があるためです。リード獲得とその後のコミュニケーションが必須でしょう。
適切な運用をすれば問い合わせ率が高くなり効果測定も容易なGoogle広告は、先ず検討するべき集約施策です。
広告の出稿には主に5つのタスクがあります
・仕組みの理解
・キーワードの抽出
・予算とKPIの算出
・広告文と広告用画像の作成
・入稿作業
・効果測定と改善
それぞれのタスクにノウハウが必要ですので、不安な方は代理店に依頼することも検討ください。
基礎的なノウハウをまとめた記事を掲載していますので、こちらもご参照ください。
ホワイトペーパー(海外ではebookとも呼ばれます)は、以下の点から優先度の高い施策です。
・ダウンロード時に顧客情報を入力してもらうことにより、リード獲得につながる
・顧客へノウハウを供給することにより、企業イメージ向上と想起、再生知名率アップを期待できる
・ホワイトペーパー紹介ページの製作でSEO効果が期待できる
どのようなホワイトペーパーを作成するべきか、こちらの資料をご参照ください。
ホワイトペーパー資料制作は営業部門や技術部門を巻き込む事が多く、難易度が高いイメージですが、継続的なリード獲得を生むため、優先順位は高いです。
メールマーケティング(ここではメールマガジンと同じものとしてお話しします)は、顧客に自社を思い出していただくための非常に重要な施策です。
一部の方には「時代遅れ」とも言われますが、全くそのようなことはありません。
考慮するべきこととして、メールマーケティング実施に向けて先ずリード(連絡先)の獲得が必要です。
リード収集施策とメールマーケティングに関して詳しくはこちらの記事をご覧ください。
担当者様のお悩みとして「メールの内容に困っている」「配信したい内容が無く継続配信できない」というお声がありますが、一か月に一回、「新製品のお知らせ」や「何かお困りごとは無いですか?」といった簡単なものを配信する形で問題ありません。
まずは、継続配信を目標に貴社の存在を顧客に伝えてください。
より成果を高めるメールマーケティングを検討されている場合には、主に下記の施策が挙げられます。
・ステップメールの実施
・他マーケティング施策との連動
・効果測定とメール内容の改善
・競合メールの調査
貴社に合った施策にお悩みの場合は弊社にお問い合わせください。
検索画面での上位表示を狙うSEO施策は、「自然検索(オーガニック)」でのアクセス数増加を主な目的としており、Webサイトのアクセス数は多くの場合「Google等からの自然検索(オーガニック)」が担います。
念頭に置いていただきたいのは、製造業におけるSEOは長期施策であり、一か月単位の成果に一喜一憂するべきではありません。実施当初は手ごたえを感じないかもしれませんが、1年以上の継続を目指してください。
検索画面でのWebサイト順位は記事の良し悪しだけでGoogleが判断するものではありません。「Webサイト自体がGoogleのAI(ボット)に対して読みやすい形になっているか?」が基礎的なポイントです。
本当に肝心なところはGoogle公式のガイドラインに記載されており必読です。しかし、貴社に合った形のサイト改善・SEO施策を抽出することはプロに任せてもよいでしょう。
弊社もSEOコンサルティングを行っておりますので、いつでもご連絡ください。
ユーザーが検索するキーワードに対して、貴社のノウハウを交えた情報提供・解説・提案をする内容を製品詳細ページに追加しましょう。
まとまった文章がある場合には、ブログ記事として掲載することにより、キーワードと記事の内容によっては数年にわたってアクセスを生み出します。
「お問い合わせの導線」や「製品ページへのリンク」をブログページに備えることで、問い合わせ数の増加にも寄与するうえ、前述の「Googleに評価されるサイト構造」にWebサイトが成長します。
事例は顧客の企業選定に役立ったり、印象をよくするだけではなく、SEO面でも貢献が大きいです。事例の掲載企業を検索したユーザーが、偶然貴社を発見するといったこともあります。
Googleの検索画面で動画が出てきたことはありませんか?YouTubeに投稿した動画にSEO対策を施し、検索結果で上位表示に表示させることで、まず貴社のYouTubeアカウントを見てもらい、問い合わせやWebサイトに案内することができます。
またGoogleやSNSプラットフォーマーは今後、動画での検索をより便利なものにしていくでしょう。動画の制作と公表は、数年後に「やっておいてよかった」と感じるはずです。
フェイスブック(Meta)、インスタグラム、リンクドイン、TikTokなど様々なSNSが存在しますが、製造業ではフェイスブックとリンクドインが主に集客をかけるSNSになります。両SNSは海外でビジネスシーンで使用する場合が多く、非常に親和性が高いためです。
「フェイスブックとリンクドインに注力するべき」と相反するようですが、一つのSNSに投稿した内容を他SNSにそのまま転用して、主要なSNS全てにアカウントを持ちましょう。少ない労力で貴社を知ってもらえる可能性があるためです。
もちろん、各SNSはそれぞれユーザー特性があり、本来であればユーザーの傾向に合致した投稿をするべきで、例えばシーメンスなどはそれを実現しています。しかし工数がかかる割にお問い合わせにつながらないので、まずは集客チャネルを増やすことを検討してください。
認知拡大・集客・問い合わせまで非常に高い効果を期待できますが、投稿内容やスケジュールを考える事自体が難しいと思います。しかし、メールマーケティング同様、「新製品のお知らせ」や「何かお困りごとは無いですか?」といった簡単なものを投稿する形で、まずは投稿の継続を意識してください。
また、ホワイトペーパーやブログ作成、CSR活動、展示会の出展などを実施されているようでしたら、その様子や宣伝も必ず行ってください。
集客宣伝効果を高めるためにはSNSのアルゴリズムを理解し、ローカライゼーションを行うことが必要ですが、その際は弊社にに相談いただければ幸いです。
ユーザーからコメントをいただく場合があります。投稿上で返信することはもちろんのこと、見込み顧客になりそうであれば、ダイレクトメッセージをすることで展示会のように会話をスタートすることができます。
また、SNSに時間を割けるのであれば、見込み顧客のSNSアカウント(個人・企業公式に限らず)に「いいね」「リツイート」「コメント」を行って貴社の存在をアピールしてください。
ユーザーとの交流は日本企業ではあまり見られない施策ですが、海外企業のSNS(特にLinkedIn)ではごく当たり前に実施されている有効な施策です。
SNSの有料広告は、認知拡大・自社サイトへの集客・SNSフォロワーの獲得・資料ダウンロード・問い合わせ誘導など目標を設定することができます。
特にリンクドインでは、ユーザーの業種・役職・年齢などで配信ターゲットを設定でき、高い費用対効果を期待できます。
ぜひ、解説記事をご覧ください。
業界専門紙や雑誌への広告出稿・プレスリリースは、貴社の上層部の方もイメージされやすいと思います。Webにも業界専門メディアがあるため、広告を出稿できます。
メディアによっては「Media Kit」という、読者層と費用対効果をまとめた資料を配信していますので、そちらを参考にすると良いでしょう。
貴社イチオシの製品を開発した場合や、販促計画の目標が高い場合は検討するべき手段です。
マーケットプレイスから、マーケットプレイス内の広告に関して営業がくる場合があります。
費用対効果は各マーケットプレイスと貴社商材の相性に大きく左右されますので、一概にお勧めはできないものの、考慮するべき施策です。
Web集客に関してはその他ウェビナーの実施、Jetoroなどの支援に集客先を聞く、オンライン展示会への参加など様々な施策がありますが、弊社のクライアント様の事例では、前述の集客施策が問い合わせ数を増やすうえでコストパフォーマンスが高い結果になっています。
サイト改善・集客を行っている場合は、効果測定により施策の評価をする必要があります。効果測定の方法も多岐にわたるものの、本稿では手軽に取り組め、かつ改善に即役立つ方法ご紹介します。
効果測定を適切に実施することにより、費用対効果が明らかになり、社内での投資判断に役立つでしょう。そして何より、施策の方針が明らかになります。
例えば、問い合わせ率は1%を超えているものの、目標とする商談数に至っていないのであれば、アクセス数を増やす(集客を強化)、もしくはリードの質が低いので問い合わせフォームを改善する・・・といった形です。
効果測定には仮説と知識が必要で、ただ数値を取得しても意味が無いのですが、本稿では今すぐに計測を開始してほしい数値と、導入してほしいツールに絞ってお伝えいたします。
Webサイトを軸として見る場合、下記の指標を計測することでWebマーケティングの方針を打ち出せます。
・アクセス数
・リード数(ホワイトペーパーダウンロードなど問い合わせ以外の名刺獲得)
・問い合わせ件数
・商談数
・受注数
・顧客単価
アクセス数・リード数・問い合わせ件数は後述の「Google アナリティクス」を導入することで計測できます。
商談数・受注数・顧客単価の計測は、貴社内の営業進捗とGoogleアナリティクスの情報を突合するか、既に使用されているSFA・MA・CMSツールのデータを見直すこととなります。
筆者の印象ですが、商談数・受注数・顧客単価の計測がほぼ不可能な状況におかれている担当者様が多いです。これまでにWeb施策に注力されていないようでしたら、今後実施するWeb施策で得られたリードのみデータを追いかけても良いでしょう。
その他、広告、メールマーケティング、SNSなど施策ごとに効果測定が必要ですが、本稿では割愛します。ぜひ、リンクのコラムをご覧下さい。
Googleアナリティクスとタグマネージャーの詳しい導入方法は割愛させていただきますが、貴社のサイトを制作した制作会社様に依頼する事も検討ください。
画面の見方(測定方法)はぜひ下記のコラムをご覧ください。
アクセス数・リード数・問い合わせ件数を計測することが目的ですが、細かいWebサイトの改善・運用には必須です。まだ導入されていない場合や、数年ぶりに見られる場合には、タグのチェックなど必ず行ってください。
サーチコンソールはSEO対策に必須のツールです。検索キーワード(正しくは”クエリ”)毎にサイトの検索順位の変動を見ることができ、かつ「サイトの掲載順位を下げる要因」もある程度分かります。
導入方法はこちらからご覧ください。
サーチコンソール画面の見方はこちらの対談動画をご参考ください。
検索キーワードのデータが集まれば、簡易ですが顧客ニーズの傾向も見えてきますので、早めの導入をお勧めしています。
効果測定の方法は多岐にわたるものの、まずはアクセス数・リード数・問い合わせ件数・商談数・受注数・顧客単価を計測してください。
ここまで「やるべきことリスト」を駆け足でご説明してきました。
理想はすべて行うことですが、それは貴社のリソースとの兼ね合いで、出来ること、出来ないことを取捨選択、優先度を付けて行っていくことが重要です。
ただ、一番最初に行う『調査』を省かないようにご注意下さい。上記で触れた調査手法をすべて行う事が出来なくても、いろいろな手段で市場や顧客、競合、そして自社についてもう一度深く向き合って下さい。そうすると、色々と打ち手が見えてきます。
もし、調査に関してお悩みがあれば、お気軽にご相談下さい。下記から簡単にお問い合わせ頂けます。
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