コラム
Column
越境ECで成功するためには、物流戦略が重要です。越境ECの場合、発送コストは利益に直結し、配送のスムーズさは顧客満足度に影響します。配送スピードや追跡の有無などが、購買するかどうかに関わることも。本章では、越境ECで物流が重要な理由を詳しく解説します。
越境ECにおいて発送コストは利益に直結する重要な要素です。発送コストが高い場合、顧客に低価格で商品を提供しづらくなり、利益率の低下に繋がるでしょう。越境ECでは、発送コストの他にも関税や梱包資材などもかかります。コストの最適化を行い利益率を向上することで、越境ECでの成功や国際市場での成長が望めます。
越境ECで購入後に、商品がスムーズに届くかどうかは顧客満足度に影響します。購入後に商品が届くスピードが速ければ速いほど、ユーザーの満足度は高くなるでしょう。越境ECでは、国内配送に比べ、紛失や破損、遅延のリスクが高くなります。もし配送時に破損や紛失が起きてしまった場合は、返金や返品の補償がないと顧客満足度低下に繋がってしまいます。顧客満足度が低い場合、リピーターに繋がらなかったり、ショップやブランドの印象が悪くなったりすることも。越境ECでは、商品をスムーズに届けられる配送環境を構築することで、顧客満足度の向上に繋がります。
越境ECでは、商品の魅力だけでなく、送料や配送オプションが購買のきっかけになります。商品を検討する際は、商品が届くまでの期間や送料も重要です。例えば、商品が低価格でも高額な送料がかかる場合、顧客は商品と送料の総額が低価格な方を選ぶことも少なくありません。追跡サービスや充実した返品プロセスが充実していれば、顧客も安心して商品の購入を決断できるでしょう。
越境ECで商品を海外発送する際の手段には、国内配送、現地配送、アウトソーシングを活用する方法があります。それぞれのメリットとデメリットも解説します。
越境ECで売れた商品を国内から海外へ発送することも可能です。国内から海外へ発送する場合、配送料が高いため、発送コストも高額になる傾向にあります。複雑な関税手続きも必要になるため、人材の確保も必要です。国内発送のメリットは、国内の倉庫で在庫管理できる点です。
現地に倉庫を設置する場合は、現地発送が可能です。通関手続きが不要なため、国内から海外へ発送するよりも、発送コストが抑えられる点がメリットです。配送にかかる期間も短くなるため、商品購入後から顧客が受け取るまでにかかる時間を短縮できます。デメリットは、現地に倉庫を設置する分、初期費用がかかる点です。越境ECの取引件数や売上から、倉庫の維持や運用方法が可能かどうかを判断しましょう。
アウトソーシングとは、発送業務の一部を外注することです。海外発送に慣れている業者に依頼できるため、効率的でスムーズな物流プロセスを確立できるでしょう。委託業者に知見があるので海外配送のトラブルを予測・回避できたり、他社商品と一緒に発送できるため1回あたりの発送料が安くなったりする点もメリットです。発送業務を任せられるため、社内の人材は主力のビジネスにリソースを割けるようになります。アウトソーシングで依頼する業者を選ぶためには、配送業務を安心して任せられるかの信頼性も重要です。
越境ECにおける物流の課題を4つご紹介します。
商品の配送日数は、発送先が日本からの距離や関税手続きや輸送状況などによって異なります。関税手続きにかかる時間や輸送状況は国によってさまざまです。越境ECでは、購入画面に商品の到着日を記載することで、トラブル回避や満足度の向上につながるでしょう。商品発送日の記載がなかったり、配送にかかる期間を明示しておくことで、ユーザーは安心して買い物できるでしょう。発送先の国によって配送数が異なることを理解した上で、越境ECの運用を行いましょう。
国によって輸出入の制限があり、国内から海外へ発送できない商品もあります。販売不可の商品を発送してしまった場合、返金対応や返品までの保管費用がかかったり、商品を処分したりするケースもあるでしょう。商品が販売先国で許可されているかどうかを確認することで、法的トラブルを回避し、円滑な輸送と販売が行えます。
海外配送の場合、破損のリスクが高いため梱包に工夫が必要です。海外配送中には、荷物に大きな衝撃がかかることも多いです。輸送中にダンボールが破損することもあります。梱包は、丈夫な資材を採用し商品と梱包資材との隙間をなくすなどの対策をしましょう。万が一トラブルが起きた際に早期で気づけるよう、荷物のトラッキングができる状態にしておくと安心です。
越境ECの商品発送では、関税を通過する手続きが必要です。国境を越えて商品を送る場合、輸入国の税関で関税が課せられることが一般的です。関税は、商品の価値や種類に基づいて計算され、支払う必要があります。関税の手続きに必要な書類は、準備に時間がかかることもあるため、事前に用意しておけるといいでしょう。一部の国では、特定の条件下で関税の免除や軽減が可能な場合があります。該当するかどうかの事前確認と適切な手続きを踏むことも重要です。
越境ECで配送業者を選ぶ時のポイントをご紹介します。
越境ECでは、国境を超えて商品を配送するため、購入から商品受け取りまでに時間がかかります。国内から海外へ発送するのか、現地から発送するのかでも、配送日数は変わります。越境ECの異なるショップで同じ商品を扱っている場合、配送スピードが速い方が選ばれることもあるでしょう。配送スピードは、他社との差別化にもつながるため、配送日数が最短になる配送方法を検討することも重要です。
どのような配送方法を選択するかによって、配送料金も変わります。配送コストは利益に直結するため、安く抑えられるのが理想です。他の条件とのバランスを考慮しつつ、配送コストも抑えられる方法を選択できるといいでしょう。
商品が国境を越えて輸送される際には、さまざまなリスクに対処する必要があります。例えば、海外輸送では、輸送中の破損や紛失や配送の遅延が起きることも少なくありません。補償が含まれた輸送保険に加入したり、輸送会社と契約をする際に補償のレベルを決めたりすることが重要です。
配送方法を選ぶ際、商品のサイズと重さも確認が必要です。商品のサイズや重さは、配送コストや配送方法の選択、関税の手続きなどに影響します。商品を梱包した状態のサイズと重さは、事前に把握しておきましょう。
商品発送の際に追跡サービスを利用することは、顧客側、企業側の双方にメリットがあります。追跡サービスにて商品の配送状況が確認でき、顧客にも安心感を提供できます。配送の遅延があった場合は、顧客に通知をしてくれるため、透明性を担保できます。企業側は、輸送中に紛失や通関手続きでのトラブルがあった際に気づきやすくなるでしょう。
商品の受け取り方法や時間の変更ができると、利便性が高くなるため顧客満足度も向上します。例えば、商品配達日時に受け取れないことが事前にわかっている場合、顧客のスケジュールに合わせて配達できることで、再配達防止にも繋がります。
配送業者は、配送スピードやコストなどのバランスを考慮して選ぶ必要がありますが、1つの業者である必要はありません。複数の配送手段を持つことによって、メリットもあります。配送業者によって対応地域や配送料などが異なるため、越境ECで取り扱う商品によって、最適な配送業者を選ぶことも重要です。複数の配送業者を利用することで、1つの配送業者でトラブルがあった際のリスクヘッジにもなります。コストの最適化ができたり、リスクヘッジに繋がるといったメリットもあります。
越境ECの発送方法は自社越境ECの状況によって選ぶことも重要です。配送方法は国内配送、現地発送の大きく2つに分けられます。国内配送の場合、1回の発送にかかる配送料が高額です。現地発送の場合、1回の発送にかかる配送料は抑えられますが、現地の倉庫を維持するための費用も発生します。越境ECの運用を開始した直後は、国内配送を選択肢、事業規模が大きくなったタイミングで、配送スピードなどを最適化するために現地発送へ切り替えることも有効です。
越境ECで使える国内の配送業者をご紹介します。
日本郵便は万国郵便連合に加盟しており、120カ国に配送可能です。日本郵便では、7つの発送手段から配送方法を選択できます。
日本郵便のEMS(国際スピード郵便)は、迅速・安全に海外配送できる方法の1つです。EMSは、追跡サービスが提供されるため、送り手や受け取り手は荷物の状況をリアルタイムで確認できます。EMSは、配送スピードを重視したい荷物を送る際に利用できます。保険や補償制度もあり、荷物が紛失したり、破損した場合に一定額の補償が受けられることが特徴です。
日本郵便の航空便は、航空機を利用して荷物を海外へ送るサービスです。航空便は、速達性があるため、比較的迅速に荷物を届けることができます。追跡サービスや保険オプションも利用できる場合があり、荷物の安全性や確実性を確保することも可能です。迅速に配送できる方法の1つですが、各国の税関手続きや制度、また航空便の到着日数は送り先の国や地域によって異なる点は事前に理解しておく必要があります。送る商品の重さやサイズ、目的地などで配送コストも変わるため、事前の調査をしてから選択しましょう。
船便は航空便よりも遅いですが、コストが低く抑えられる傾向にあります。特に大量の商品を送る場合や、配送に時間の余裕がある場合に向いているでしょう。越境ECの荷物を船便で海外へ送ることは可能ですが、航空便と比べて配送までの時間は長くなります。到着までの日数は船のスケジュールや海上の状況によっても変わるため、配送期間においてより長い時間を見込む必要があります。
エコノミー航空便(SAL)便は、通常の航空便よりもコストが安く、通常は船便よりも早く到着するのが特徴です。追跡サービスが限定されており、到着までの時間が航空便よりも長くかかることがあるため、送り先や商品の性質によっては適していない場合もあります。
国際eパケットは、小型の商品や書類を比較的手軽に、安価で国際的に送ることができるサービスです。商品の発送において、一定の重量やサイズの制限があります。発送時に追跡番号が付与されるため、配達状況を追跡することができる場合もあるため利便性も高いです。
国際eパケットライトは、軽量で小型の商品を海外へ発送する際に向いています。配送スピードは航空便より遅くなる点、サイズや重量、配送国に関する条件がある点を理解した上で、決められるといいでしょう。
UGX(ゆうグローバルエクスプレス)は、速達性と安全性を重視した配送サービスです。追跡番号が付与されるため配送状況をリアルタイムで確認できる点や商品のサイズや重さによっては配送期間を短く配送できます。対象地域が限定されていることから、商品を海外へ発送する際にUGXを利用する場合は、送り先の国や地域の制約、配送料金、到着までの日数などを考慮する必要があります。
佐川急便では220以上の国や地域へ荷物を発送できます。取扱サイズは、1梱包3辺合計260cm以内・重量50kg以内です。複数個口の場合は総重量500kg以内までとなります。公式ホームページにて、エリアによる配送日数も確認できます。
ヤマト運輸では、200国以上の国や地域に荷物を発送できます。配送料は、配達先の国と荷物のサイズによって決まります。配送可能な荷物のサイズは宅急便と同様で縦・横・高さの合計が160cm以内で、重さが25kgまでです。
越境ECで使える海外の配送業者をご紹介します。
DHL(DHL Express)は、国際的な宅配便および物流サービスを提供するドイツの企業です。日本にも店舗を構えており、24時間対応の店舗もあります。DHLは、エクスプレス配送に特化しており、急ぎの荷物を効率的かつ迅速に届けることができます。配送先の地域によりますが、最短で翌日、長くても5日ほどで配達できる点が魅力です。
FedEx(フェデックス)はアメリカに本社を構える世界最大手の物流サービスです。220以上の国へ配達でき、エリアによるものの1〜2営業日で配達可能となります。関税処理や税関手続きなどの国際輸送に関連するサービスも提供しており、荷物がスムーズに通関できるのです。追跡サービスも利用でき、リアルタイムで発送から配達までの状況を確認できます。
UPSは、アメリカ合衆国に本拠を置く国際的な宅配便および物流サービス企業です。荷物のサイズは、縦・横・高さの合計が400cm以内、重量70kg以内で配送可能です。70kg以上の荷物を発送できるプランも選択可能です。スピード配送が特徴で、発送から最短1日で荷物を届けられる地域もあります。
越境ECにおいて、配送コストは利益に直結します。物流を最適化することが越境ECを成功させるカギとなるでしょう。配送方法は国内発送と現地発送があり、それぞれメリット・デメリットがあります。例えば、現地発送を選択する場合は「配送料が安くなる」「最短の配送日数で届けられる」などのメリットがあります。しかし、現地に倉庫を構えるための初期費用や維持費が必要です。アウトソーシングを活用して、配送業務を外部に委託する方法もあります。事業規模によって最適な発送方法を選択することが重要です。
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