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2024年に越境ECの構築で利用できる補助金3つ!申請方法や注意点は?

越境ECの構築に利用できる補助金とは

越境ECの構築には補助金を利用できる場合があります。補助金を利用できればコストを抑えられるため、海外市場進出へのハードルも下がるでしょう。越境ECの構築に利用できる補助金の種類はいくつかあり、補助内容もさまざまです。例えば、ツールの導入費用や外部委託費、研修費などが対象になる補助金があります。補助金の利用を検討する際は、適用条件を満たしているかどうかや、申請方法などを事前に調べておくといいでしょう。

 

補助金のメリット

越境ECの構築において、補助金を活用するメリットは、コスト削減できる点です。初期費用を抑えられるため、海外市場参入のハードルが下がります。補助金を活用し越境ECを構築することによって、売上拡大に繋げることができるでしょう。

 

越境ECで利用できる補助金の種類

越境ECで利用できる補助金の種類を3つご紹介します。

ものづくり補助金(一般型)

ものづくり補助金は、製品の開発や生産プロセスの改善などを支援する補助金です。中小企業が設備投資を行う際に利用できます。越境ECの構築では、導入したツールや設備投資に補助金を活用できます。補助期間は交付されてから10ヶ月のため、事前にスケジュールの確認をし計画的に進めましょう。

ものづくり補助金の対象条件は以下の通りです。

  • 申請時点ですでに創業している(法人の場合は設立登記を行っている、個人事業主の場合は税務署に開業届を提出している)
  • 企業規模の条件を満たしている(小売業は資本金5,000万円以下、従業員数50人以下など業種によって基準は異なる)
  • 賃金の引き上げ計画を従業員に表明している

小規模事業者持続化補助金(一般型)

小規模事業者持続化補助金は、小規模企業が販路開拓や生産性向上を実施する際に利用できる補助金です。補助金を受けるためには、小規模事業者が、経営を見直し持続可能な経営計画を作成することが必要になります。補助対象には、ECサイトの構築費用も含まれており、ECサイトの構築や更新・改修にかかった費用の一部を補助金として受け取れます。

小規模事業者持続化補助金の対象条件は、小規模事業者(常時雇用の数が、製造業・娯楽業・宿泊業・その他の場合20人以下、サービス業・商業の場合5人以下)であることです。補助金上限額は、申請する枠ごとに異なり、上限50万円〜200万円となります。インボイス特例該当事業者は一律で50万円上乗せされます。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、ECサイトの構築で活用できる補助金のひとつです。事業再構築補助金は、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金です。例えば、飲食店がECサイトで保存可能な商品を販売する、toB向けに販売していた商品をtoC向けにEC販売するなどがあります。

補助金が採択されるために重要な点は、ECサイトの構築は商品販売の手段となっていることを理解し申請書を作成することです。ECサイトの構築自体が目的となっている場合は、補助金の申請が通らないため注意が必要です。補助金申請時に提出する事業計画書では、どのように商品を販売していくかや、ECサイトの必要性を述べられるようにしましょう。

補助金が採択された場合、補助金対象期間はECサイトのサーバー費用も補助対象になります。しかし補助金対象期間の終了後はすべて自己資金で支払う必要があるため、その点も考慮し事業計画を立てる必要があります。

IT導入補助金は2024年から対象外に

IT導入補助金は、ビジネスプロセスや業務の改善、効率化を図るために、企業のITツール導入費用の一部を政府や地方自治体から提供される補助金です。2023年のIT導入補助金では、越境EC構築にかかった費用の一部を補助金として受け取れました。しかし、2024年のIT導入補助金では越境ECの構築費用は補助対象外となっています。

2024年のIT導入補助金の内容で、インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」機能を有するソフトウェアが対象となる「インボイス枠」(インボイス対応類型)がありますが、ECサイトでは対象外になります。「会計」「受発注」「決済」は業務上で取引先と受発注を行う際に利用する組み込みシステム等と想定されているため、越境ECの構築では利用できません。

 

越境ECで補助金を利用するまでの手順

越境ECの構築で補助金を利用するまでの手順は以下の通りです。以下で詳しく解説します。

  1. 利用申請
  2. 採択
  3. 交付申請
  4. 交付

利用申請

補助金を利用するためには、利用申請を行う必要があります。申請後に審査が通ると補助金が受けられます。補助金の種類によって、募集期間や提出書類が異なるため、事前に調べておくことが重要です。

補助金の申請時は、補助金の対象であるかを判断するために必要な書類などを準備します。例えば、事業計画書や従業員数の確認書類、決算書、労働者名簿などがあります。書類の準備に時間がかかることもあるため、申請期日には余裕を持って準備を進めるといいでしょう。

採択

補助金の種類によって採択率は異なります。利用したい補助金の採択率を事前に把握し、難易度を知っておくことは重要です。補助金の採択率は、募集時期によってバラつきがあるため、採択率の推移も見てみましょう。

ものづくり補助金の採択率の推移

公募回 申請数 採択数 採択率
第1回 2,287件 1,429件 62.5%
第2回 5,721件 3,267件 57.1%
第3回 6,923件 2,637件 38.1%
第4回 10,312件 3,132件 30.8%
第5回 5,299件 2,327件 44.1%
第6回 4,980件 2,362件 47.4%
第7回 5,507件 2,768件 50.2%
第8回 4,653件 2,780件 59.7%
第9回 3,613件 2,247件 62.1%
第10回 4,294件 2,612件 60.8%
第11回 4,742件 2,817件 59.4%
第12回 3,254件 1,907件 58.6%
第13回 3,319件 1,927件 58.6%
第14回 4,864件 2,470件 50.7%
第15回 5,694件 2,861件 50.2%

公募第15回の採択率は50.2%となり、第14回の採択率とはわずか0.5ポイントの差となっています。第14回は第13回と比べると7.3%落ち込みました。採択率が落ち込んだ原因には、第14次の申請数が、第13次より1,500件以上増加したことも影響していると推測できるでしょう。

ものづくり補助金総合サイト|ものづくり補助事業公式ホームページ

事業再構築補助金の採択率の推移

公募回 申請数 採択数 採択率
第1回 22,231件 8,016件 36.0%
第2回 20,800件 9,336件 44.8%
第3回 20,307件 9,021件 44.4%
第4回 19,673件 8,810件 44.7%
第5回 21,035件 9,707件 46.1%
第6回 15,340件 7,669件 49.9%
第7回 15,132件 7,745件 51.1%
第8回 12,591件 6,456件 59.7%
第9回 9,369件 4,259件 45.4%
第10回 10,821件 5,205件 48.1%

公募第10回の採択率は、第9回と比べると約3ポイント増加しています。50%を下回っていることから、全体の半分は不採択になっていることが分かります。

事業再構築補助金 採択結果|中小企業庁

小規模事業者持続化補助金(一般型)の採択率の推移

公募回 申請数 採択数 採択率
第1回 8,044件 7,308件 90.8%
第2回 19,154件 12,478件 65.1%
第3回 13,642件 7,040件 51.6%
第4回 16,126件 7,128件 44.2%
第5回 12,738件 6,869件 53.9%
第6回 9,914件 6,846件 69.0%
第7回 9,339件 6,517件 69.8%
第8回 11,279件 7,098件 62.9%
第9回 11,467件 7,344件 64.0%
第10回 9,844件 6,248件 63.4%
第11回 11,030件 6,498件 58.9%
第12回 13,373件 7,438件 55.6%
第13回 15,308件 8,729件 57.0%

公募第13回の採択率は第12回より約2ポイント増加しました。第13回の採択率は57%となるため、約4割は不採択となっています。

経営サポート「小規模企業支援」|中小企業庁

交付申請

補助金の申請が採択されれば、補助金を利用できます。採択後は、越境ECの構築にかかった費用などをまとめ、交付申請を行います。

交付

事業報告書を作成して交付申請すると、1ヶ月~2ヶ月ほどで交付を受けられる場合が多いです。交付申請後に申請内容に不備があると差し戻される場合があります。再申請が2回~3回で済む場合もあれば、7回~8回くらいかかる場合もあり、交付までの期間に1ヶ月~2ヶ月かかると言われています。

 

越境ECで補助金を利用する際の注意点

越境ECの構築に補助金を利用する際の注意点を3つご紹介します。

新規ドメインの取得は申請後に行う

越境ECを構築する際に、補助金の申請・採択前に新規ドメインを取得してしまうと、補助金の対象外となります。越境ECの構築で補助金を利用したい場合、新規ドメインの取得は補助金の申請・採択後に行うようにしましょう。

年度ごとに制度内容が変更する

補助金の内容や実施有無は年度ごとに変わります。例えば、IT導入補助金は2023年度まで越境EC構築の費用が対象でしたが、2024年度では対象外となっています。補助金の利用を検討する際は、公式サイトで補助金の内容や対象条件を必ず確認するようにしてください。

補助金終了後の運用も事業計画に含める

事業計画を作成する際は、補助金終了後の運用も考慮する必要があります。例えば、越境ECの運用にはサーバー利用料が発生し続けます。補助金の対象期間は、補助金によってコスト削減ができても、補助金の対象期間が終了するとサーバー費用の全額を自社で負担する必要があります。補助金の対象期間が終了した後も、現実的な運用が可能になるような事業計画を立てましょう。

まとめ

越境ECの構築に補助金を利用することで、コスト削減に繋がります。補助金の利用により、海外市場へ進出するハードルが下がる企業もあるでしょう。補助金の申請には、必要書類の準備など手間がかかるものの、大きなメリットもあります。資金に課題がある場合などは補助金を上手く利用することで、さらなる売上拡大のチャンスを広げられるでしょう。補助金の種類によって、対象条件や募集期間が異なるため、事前に十分なリサーチを行い計画的に進めることが大切です。

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