コラム
Column
越境ECの市場規模は世界的に成長傾向にあります。
2021年は7,850億USドルだったのに対し、2023年は7兆9,380億USドル(1USドル=150円で換算すると日本円で1,190兆円)にまで成長すると予測されています。(平均成長率は1年あたり約26.2%)
経済産業省が報告した「2022年国別EC市場シェア」の世界EC市場規模ランキングを見ると、1位中国、2位アメリカ、3位イギリス、4位日本となります。
中国シェアは50.4%と、1カ国で世界の越境EC市場を半分占めています。
順位 | 国名 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 中国 | 50.4% |
2位 | アメリカ | 18.4% |
3位 | イギリス | 4.5% |
4位 | 日本 | 3.1% |
5位 | 韓国 | 2.5% |
6位 | ドイツ | 2.1% |
7位 | インド | 1.7% |
7位 | フランス | 1.7% |
9位 | カナダ | 1.5% |
10位 | インドネシア | 1.4% |
越境EC市場における中国・アメリカ・日本のECの特徴をご紹介します。
中国の越境EC市場規模は5兆68億円となり、日本・アメリカ・中国の3カ国の中でトップです。
日本からの購入額が2兆2,569億円、アメリカからの購入額が2兆7,499億円となります。
中国では、検索エンジンでの検索よりも、ショッピングモールで商品を検索するのが一般的とされており、よく利用されるショッピングモールは、「Alibaba(アリババ)」、「JD.com(京東)」、「pinduoduo.com(拼多多)」です。
その中でもAlibaba(アリババ)のシェアが最も多く、61.5%を占める結果となっています。
近年pinduoduo.com(拼多多)がシェアを伸ばしている理由には、Alibaba(アリババ)、JD.com(京東)がターゲットにしてこなかった「低所得層を狙った」「共同購入で安価に購入できるようにした」などがあげられます。
中国人が越境ECを利用する理由でにおいて、最も多いのが「商品の品質が保証されている(正規品)(60.7%)」となり、偽物品が出回る中国ならではの結果となっています。続いて「低価格(58.6%)」、「国内で入手できない(52.0%)」となります。
回答 | 回答率 |
---|---|
商品の品質が保証されている(正規品) | 60.7% |
低価格 | 58.6% |
国内で入手できない | 52.0% |
好きなブランドである | 45.6% |
選択肢が多い。豊富な品ぞろえ | 42.8% |
海外で購入し、リピート購入したい | 35.0% |
中国人が利用する決済方法トップ3は、「ALIPAY(アリペイ)」、「クレジットカード」、「中国銀聯(UnionPay)」です。
中国ではクレジットカードの不正利用が多いことが理由で、クレジットカードよりキャッシュレス決済のALIPAY(アリペイ)が普及しました。
決済方法 | 割合 |
---|---|
ALIPAY(アリペイ) | 47% |
クレジットカード | 43% |
中国銀聯(UnionPay) | 29% |
中国ECサイトについてより詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
アメリカの越境EC市場規模は2兆2,111億円です。日本からの購入額は1兆3,056億円で、中国からの購入額は9,055億円となっています。
アメリカのEC事業者のシェア率1位は、「サードパーティー事業者(Amazonなどのオンラインマーケットプレイスに出品して販売するEC事業者)」の23.3%です。次いで、Amazon(アマゾン)が15.6%で高いシェア率となり、Walmart(ウォールマート)6.5%、Apple(アップル)3.9%と続きます。
アメリカ人が越境ECを利用する理由で最も多いのが「比較的安い価格で商品を買えるため(49%)」に回答が集まっています。その後に「好きなブランドや商品が国内で購入出来ないため(43%)」がと続きます。
回答 | 回答率 |
---|---|
比較的安い価格で商品を買えるため | 49% |
好きなブランドや商品が国内で購入出来ないため | 43% |
国内にはないユニークな商品が欲しいため | 35% |
商品の質が高いため | 20% |
インポート商品が好きなため | 11% |
旅行等の滞在時に見つけた商品が欲しいため | 10% |
アメリカの決済方法で最も主流なのは「クレジットカード」となり、利用率は55%となります。次に多いのが「デビットカード(25%)」、「ペイパル(10%)」です。
経済産業省|平成 29 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)
アメリカ向けの越境ECについてより詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
日本の越境EC市場規模は3,954億円となります。日本は3カ国の中では購入額が少ないのが特徴です。中国からは2兆円以上の購入額があり、市場規模が大きいのがわかります。
越境ECの市場規模が成長傾向にある理由を解説します。
近年はスマートフォンの普及によってインターネットの利用率が増加しています。スマートフォンを1人1台持っていることが当たり前となり、スマートフォンがあればいつでもどこでもインターネットを使える時代になりました。それに伴い、オンラインショッピングもより身近になったと考えられます。
総務省の「通信利用動向調査」によると、日本の個人のインターネット利用率は84.9%(そのうちスマートフォンの利用率が71.2%、パソコンの利用率が48.5%)となっており、インターネットを使える人が多いことが分かります。国際統計・国別統計専門サイトのグローバルノートの統計による世界のインターネット普及率を見てみると、アメリカが91.75%、中国は75.61%です。
GLOBAL NOTE|世界のインターネット普及率 国別ランキング・推移
ECサイトを運用している企業は、元々は実店舗を運営していたというケースも少なくありません。実店舗では人件費や店舗維持費(家賃など)がかかりますが、ECサイトでは前述したコストを削減できます。越境ECでも、現地に店舗を構えず商品を販売できるため、実店舗での販売と比べるとコストを下げられるのです。
訪日外国人が日本で購入した商品を気に入り、帰国後に再度購入したいといったケースがあります。越境ECであれば、帰国した後でも日本の商品を購入できるため、このようなニーズを持つ訪日外国人のリピート購入需要は注目すべきです。日本に来たことがない外国人でも、家族や友人に勧められたり、SNSを見たりして興味を持った商品を買いたい場合もあるでしょう。
今後インバウンドがさらに増加していくと越境ECの利用も活発になり、市場が成長する傾向にあるでしょう。
スマートフォン経由の物販の市場規模を見てみると、右肩上がりで拡大傾向にあります。2020年〜2022年のスマートフォン経由の市場規模は以下の通りです。スマートフォン経由市場が拡大傾向にある理由には、近年のスマートフォン利用増の他に、スマホアプリの利用なども関係しています。スマホアプリでは、商品の購入はもちろん、ショップからのお知らせをプッシュ通知で受け取れるなど利便性が高いのが魅力です。
年 | 市場 |
---|---|
2020年 | 6兆2,269億円 |
2021年 | 6兆9,421億円円 |
2022年 | 7兆8,375億円 |
越境ECの世界の市場規模は急速に拡大しています。2021年には7,850億USドルだった市場規模は、2023年に7兆9,380億USドル(1USドル=150円で換算すると日本円で1,190兆円)まで成長すると予測されています。中国・アメリカ・日本の3カ国でみると、中国が5兆68億円、アメリカが2兆2,111億円、日本が3,954億円となります。
今後の越境ECの市場規模は、インターネットやスマートフォンの普及、インバウンドの増加により、より一層の成長が期待されます。
各国のECの特徴を見てみると、主流なECサイトや決済手段など異なる点が多く見られ、注意が必要です。
これから越境ECを始める方も、すでに運用している方も、改めて最新の各国の越境EC情報を確認し、事業拡大に活かしていきましょう。
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