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越境ECのプラットフォーム徹底比較!選定ポイントやエリア別人気を解説

越境ECプラットフォームとは?

越境ECとは、国境を越えて商品やサービスを取引するための電子商取引のことを指します。
異なる国や地域の消費者に対して販売することが可能になるため、販路拡大の手段の1つとして最近特に注目されています。

越境ECプラットフォームとは、越境ECの構築に適したシステムのことを指します。
異なる国やエリアのユーザーがターゲットになるため、多言語や多通貨に対応している点も、越境ECプラットフォームの特徴です。

越境ECプラットフォームは「モール型」「自社EC型」に分けられる

越境ECプラットフォームの種類は「モール型」「自社EC型」の大きく2つに分けられます。それぞれの違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

モール型

越境ECプラットフォームのモール型とは、複数の企業や販売者が集まって商品を販売する形式を指します。多数の店舗が一つのプラットフォーム上で商品を販売するので、モール型は、物理的なショッピングモールのオンライン版と考えるとイメージしやすいでしょう。

モール型はさらに「マーケットプレイス型」「テナント型」に分けられます。
マーケットプレイス型はAmazonのように、プラットフォームに各事業者が「出品」する形です。
テナント型は、プラットフォームに各事業者が「出店」する形になります。各事業者はプラットフォーム側に「出店料」を支払うことで出店が可能です。テナント型の代表例は、楽天市場やYahoo!などがあります。

メリット

モール型のメリットは、サイト構築が不要な点と集客力が高い点です。

既存のプラットフォームを活用できるため、サイトを新規構築する必要がありません。サイトを新規構築する場合は、金銭的コスト・人的コストがかかるため、モール型プラットフォームに出品・出店することでコストの削減ができます。多言語や多通貨の対応も自社で行う必要はなく、誰でも簡単に越境ECの運用が可能です。また、認知度と信頼性が高いプラットフォームに出品・出店することで、集客力のある環境で新規顧客の獲得が期待できます。

デメリット

デメリットには、販売手数料や出店料がかかる点や機能のカスタマイズ性が低い点・価格競争になりやすい点が挙げられます。サイトデザインには制限があるため、自社ブランドや商品の個性を強く打ち出すことは難しいです。モール型のプラットフォームには競合も多く出店しているため、競争が激しい点もデメリットと言えるでしょう。
顧客にとって、購買要因となりやすいものは、品質の良さ・製品への思い・企業の特徴などはではなく、価格となりやすいため、既に認知がある商材が向いているプラットフォームです。

自社EC型

自社EC型は、独自ドメインを取得して、企業独自でサイトを構築・運営するプラットフォームです。自社ECを構築する方法は以下4つとなります。

  • オープンソース:インターネット上に公開されているソースコードを利用してサイト構築する方法
  • ASP:アプリケーションを利用してサイト構築する方法
  • パッケージ:機能がパッケージ化したソフトウェアを利用してサイト構築する方法
  • フルスクラッチ:ゼロから自社でサイト構築を行う方法

メリット

自社EC型のメリットは、デザインや機能を自由にカスタマイズできるため、ブランディングが容易にでき、マーケティング戦略も高い自由度で行える点です。また、直接ユーザーに商品を販売できるため、仲介手数料や出品・出店手数料が不要で、高い利益率でサイトの運用が可能です。

モール型と異なり、価格以外の訴求ができる点も重要な観点です。
モール型は価格訴求になりがちですが、他の訴求軸で商品の良さを伝え、顧客の購入につなげることもできます。

デメリット

自社でサイトを立ち上げるため、構築と運用には人的・金銭的なコストがかかります。越境ECの場合、言語や決済方法などを海外向けに対応させる必要があります。集客もゼロから行う必要があり、モール型に比べると自社サイト型はサイト立ち上げ直後の集客力に欠ける点がデメリットです。

また、不安感払しょく施策がより重要になってきます。
外国の商品を購入するハードルは高く、購入検討者は「本当にその売り手が存在しているのか」「欲しいものが届くのか」など多くの懸念点をお持ちです。
モール型の場合、モール自体への信頼度があるため、お問い合わせにつながりやすいですが、自社ECの場合、不安・懸念点を払しょくすることが難しいため、不安払しょくコンテンツの充実など、施策をしっかりととっていく必要があります。

アメリカで人気のモール型プラットフォーム

アメリカで人気のモール型プラットフォームには、AmazonやeBayがあげられます。

Amazon

Amazonは世界最大のオンラインマーケットプレイスであり、Amazon Globalを通じて越境ECも展開しています。Amazonは、アメリカだけでなく世界で人気のモール型のプラットフォームです。アメリカ市場の中で約5割以上のシェアを占めており、2人に1人が利用していることになります。

Amazonへのアカウント登録で出品でき、個人アカウントとプロフェッショナルアカウントがあります。出品者は「Amazon Fulfillment Network」を利用すると、商品の在庫管理や物流処理をAmazonに委託することも可能です。Amazonの商品販売には、販売手数料やFulfillment手数料(Amazon Fulfillment Networkを利用する場合)、月額費用(プロフェッショナルアカウントの場合)などがかかります。

eBay

eBayは世界中で広く利用されているオークション型のオンラインマーケットプレイスです。特にカナダやフランス、ドイツ、オーストラリア、イギリスなどで人気があります。世界中の売り手が出品しているため、幅広い商品を取り扱っている点が特徴です。

eBayのアカウントを作成することで、出店が可能です。商品販売にかかる手数料は、販売手数料、出品手数料のほかPayPal手数料などがあります。eBayでの取引にはPayPalが多く利用されるため、PayPal手数料は必須でかかる費用と言えるでしょう。

 

中国で人気のモール型プラットフォーム

中国で人気のモール型プラットフォームはTmall Global(天猫国际)とJD Worldwide(京东国际)、Kaola(考拉海购)があげられます。

Tmall Global(天猫国际)

Tmall Global(天猫国际)は、アリババグループが運営する越境ECプラットフォームで、中国国内外のブランドが直接出店できます。
Tmall Global(天猫国际)では、多くの国際的なブランドが公式に出店しているため、商品の品質や正規品の保証がされているのが特徴です。また、中国国内の消費者に向けた広範なマーケティング支援もあります。
決済はAlipayを通じて行われるため、中国の消費者にとって便利なプラットフォームです。

JD Worldwide(京东国际)

JD Worldwide(京东国际)は、JD.comが運営する越境ECプラットフォームで、国内外のブランドやショップが参加しています。
高い物流能力と迅速な配送が強みです。JDの厳格な品質管理と保証政策が適用されるため、消費者からの信頼が高い点も特徴です。
支払いはWeChat PayやJD Payなど、多様な決済方法に対応しています。

JKaola(考拉海购)

Kaola(考拉海购)は、NetEase(网易)によって運営される越境ECプラットフォームで、特に海外の製品を直接取り扱うことに注力しています。直接買い付けと独自の仕入れルートによる豊富な商品ラインナップが特徴です。
海外のブランド品や高品質の商品が多く、支払いは中国消費者の主流な決済方法であるAlipayやWeChat Payに対応しています。

より詳しく知りたい方は、こちらの記事やYouTube動画も合わせてご覧ください!

東アジアで人気のモール型プラットフォーム

東アジアで人気のモール型プラットフォームをご紹介します。

【シンガポール・台湾】Shopee

Shopeeは、東南アジアおよび台湾を中心に展開しているECプラットフォームで、シンガポールを拠点としています。
幅広い商品カテゴリーとユーザーフレンドリーなインターフェースが特徴で、プロモーションやディスカウントキャンペーンが頻繁に実施されます。日本からは、シンガポール、台湾、タイ、マレーシア、フィリピンの5つのマーケットに出品できます
日本語対応可能なスタッフが在籍しており、日本語のサポートページもあるため、初心者でも安心です。

【シンガポール・韓国】Qoo10

シンガポールに拠点を置くECプラットフォームで、韓国、日本、香港、インドネシアなど、アジアの主要市場で運営されています。
越境ECとして活用するためには、日本版Qoo10にアカウント登録が必要です。
販売手数料のみで利用できるため、低リスクで運用を開始できるでしょう。

【韓国】Coupang

Coupang(クーパン)は韓国で非常に人気のあるオンラインマーケットプレイスで、特に迅速な配送サービス「Rocket Delivery」で知られています
Coupangで越境ECを運用するには、アカウント登録し、出店申請が必要です。申請手順や必要な書類などがわかるガイドブックが日本語対応しているため、言語の壁に困ることはないでしょう。
決済手段は、韓国で一般的なクレジットカード、銀行振込、モバイルペイメントなどに対応しています。
商品のジャンルによって販売手数料が異なります。

【タイ】Lazada

東南アジアを中心に展開している越境ECプラットフォームで、アリババグループの一部で、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナムで運営されています。
Lazadaは強力な物流ネットワーク「Lazada Global Shipping(LGS)」を提供しており、迅速かつ効率的な配送を実現しています。
プラットフォーム内の広告ツールやプロモーションキャンペーンを通じて、商品の露出を高めることも可能です。
商品販売にかかる手数料は、販売手数料、出品手数料、物流手数料(Lazada Global Shippingを利用する際)などがかかります。
サポートも日本語対応しているため安心です。

【インド】IndiaMART

IndiaMARTはインド最大のオンラインB2B(企業間取引)マーケットプレイスであり、世界中の売り手と買い手を結びつけるプラットフォームです。
IndiaMARTのビジネスモデルは他のECプラットフォームとは少し異なり、主にサブスクリプションベースで運営されています。売り手は月額または年額のサブスクリプション料金を支払うことで、プレミアムサービスや優先リードを受け取ることができます。
料金はプランによって異なり、基本的なリードジェネレーションから高度なマーケティングサポートまでさまざまです。無料プランを利用する際は、リードに対して個別にかかるリードジェネレーション手数料が発生する場合があります。

自社EC型プラットフォームのおすすめ

人気の自社EC型プラットフォームをご紹介します。

Shopify

Shopifyは、170ヶ国以上での利用実績がある越境ECプラットフォームで、「誰にでも使えて、小さく始めて、大きくスケールできる」サービスです。50の言語と130ヶ国以上の通貨に対応しており、決済方法や配送方法も地域ごとに設定できます。

使いやすさ・アプリと連携サービス・進化スピードから「頭一つ抜けている」と評されてます。コーディングやデザインの専門知識がなくても、直感的な操作でサイトの構築ができ、初心者でも安心です。多様なテンプレートが提供されており、カスタマイズも容易にできます。
売上UPのために欲しい機能を、簡単に実装をしてくれるアプリ機能が人気で、アプリの数は8000に上ります。 また、リソースを少なく始めることができ、データに強いため、マーケティング活動などの、本来使うべきところに時間をかけることができます
Shopifyは、初心者から経験豊富なEC運営者まで、幅広い層に対応したプラットフォームといえるでしょう。

より詳しく知りたい方は、こちらの記事やYouTube動画も合わせてご覧ください!
関連記事:【越境ECにはShopify?】メリット・デメリットや料金を解説

Shopifyサイトを戦略的に構築する弊社サービス詳細はこちら

Magento(Adobe Commerce)

Magentoは、オープンソースのEコマースプラットフォームです。
2008年に設立され、2018年にはAdobeによって買収されたため、現在は「Adobe Commerce」という名称でも知られています。
60以上の言語と、50種類以上の通貨へ対応可能です。サイトデザインは、既存のテーマで簡単に構築できます。また、自社ブランドに合わせて独自にカスタマイズしたデザインにすることも可能です。Magentoは、高度なカスタマイズ性、柔軟性で多くの企業に利用されており、企業向けの大規模なオンラインストアを構築するのに適しています

越境ECプラットフォームの選び方

越境ECのプラットフォームの選び方を解説します。

販売商品との相性がいいか

越境ECを行う際は、自社商品のニーズがある国を選びましょう。ターゲットとなる国が決まれば、主要なECプラットフォームも調べられます。アパレルや家電など特定のジャンルに特化したプラットフォームもあるため、販売商品との相性も重要です。

決済手段や配送方法がターゲット国に対応できるか

越境ECでは、ターゲット国のユーザーがよく利用する決済手段や配送方法を採用することが重要です。国によって主流の決済手段や配送方法を導入することで、ユーザーに安心してサイトを利用してもらえます。例えば、アメリカではクレジットカード決済が主流ですが、中国では第三者決済のAlipayなどが主流です。越境ECのプラットフォームを選ぶ際は、基本機能としてどのような決済方法や配送方法を選べるのかを事前に調べておくといいでしょう。

サポート体制が充実しているか

利用する越境ECのプラットフォームによっては、初心者でもサイトの構築が簡単に行えます。実際に越境ECのサイト構築・運用する中で、機能をカスタマイズしたい場合や設定方法などで悩むこともあるでしょう。プラットフォーム側に問い合わせをして解決したい場合、日本語で対応してもらえるかもポイントです。日本語対応が可能なスタッフが在籍している場合は、やりとりがスムーズに行えるため、プラットフォーム選びではサポート体制が充実しているかも事前に調べることをおすすめします。

合わせてこちらの記事もご活用ください。
越境ECにはモールか自社サイトか? eBayスペシャリスト集団 eSCJ × Shopifyマーケティングエキスパート 世界へボカン 徳田

まとめ

プラットフォーム選びは、越境ECの成功に直結する重要なステップです。プラットフォームを選ぶ際には、ターゲット市場、提供される決済手段、配送方法、手数料など、多くの要素を考慮する必要があります。
プラットフォームにもモール型と自社EC型の2種類あるため、商材や自社の運用に適した場所を選びましょう。場合によっては、各プラットフォームの組み合わせも必要です。モール・ECサイトにどんな役割を持たせるのかを明確にして、運用していきましょう

以下に当てはまる方は是非、こちらのお問い合わせフォームからお気軽に世界へボカンへご相談ください。
・商材に適したプラットフォームの選定に不安がある方
・越境ECを検討している方
・専門知識がなく越境ECを始めるのに不安がある方

 

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投稿者: 横田稔里
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