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越境ECに必要不可欠なレビューとレピュテーションマネージメントの重要性

越境ECに必要不可欠なレビューとレピュテーションマネージメントの重要性

 

現代のビジネスでは、企業の評判がその成功を左右する重要な要素になっています。特にインターネットが普及した今、一度評判が損なわれると、その影響は大きく、回復するのが非常に難しくなります。
こうした状況を防ぎ、企業の価値を守り、さらには向上させるために、「レピュテーションマネジメント」が必要不可欠です。

レピュテーションマネジメントとは、企業や製品の評判を体系的に管理し、悪い評価によるリスクを最小限に抑えるための戦略的な手法です。
これを適切に実施すれば、企業のブランド力が高まり、信頼を獲得し、さらには新しい顧客の獲得にもつながるという良い効果が期待できます。

1. レビューの重要性

消費者が商品やサービスを選ぶ際、インターネット上のレビューが大きな影響を持っています。
2022年Capteraが行ったオンラインカスタマーレビューによる調査によれば、77%の消費者が購入時にオンラインレビューを参考にしているとされています。
これは、レビューが単なる参考情報以上に、消費者の購買意思決定において重要な役割を果たしていることを示しています。

購入時にオンラインレビューを参考にする度合

(引用:顧客の意見を恐れるな!消費者調査で分かったカスタマーレビューに対する意識

消費者がレビューを重要視する理由の一つに、他のユーザーのリアルな意見を信頼するという傾向があります。
特に、実際に商品を使った人の感想や、身近な人、あるいは専門家の意見は強く信頼されますが、インフルエンサーや有名人のレビューは、プロモーション目的であることが多いため、信頼度がやや低いと感じる消費者も多いようです。
さらに、自社サイトに掲載されているレビューに対する消費者の信頼度は、サードパーティープラットフォームのレビューに比べて低い傾向があります。

これは、企業が自社サイトではポジティブなレビューだけを取り上げ、ネガティブなレビューを排除しているのではないか、という疑念を持たれるからです。
そのため、信頼性を損なわずにレビューを管理する方法が求められています。

2. レピュテーションマネジメントのプラン

攻めと守りのレピュテーションマネジメント

レピュテーションマネジメントには、大きく分けて「攻めのレピュテーションマネジメント」と「守りのレピュテーションマネジメント」という二つのプランがあります。

まず、攻めのレピュテーションマネジメントとは、企業が評判のリスクに直面していない時期に、積極的に評価を高めるために行う戦略です。
例えば、ブランドイメージを向上させるためのマーケティング活動や、顧客のフィードバックを積極的に受け入れ、それを製品やサービスに反映させる取り組みが含まれます。
これにより、企業は消費者からの信頼を高め、良い評判を築くことができます。

一方で、守りのレピュテーションマネジメントは、評判が落ちた際やリスクが顕在化した際に、そのダメージを最小限に抑え、評判を回復させるための戦略です。
例えば、ネガティブなレビューに迅速かつ誠実に対応し、消費者の不満を解消することが必要です。
リスクに備え、従業員を巻き込んで模擬訓練を行い、迅速な対応ができる体制を整えておくことも重要です。

3. レビュー管理の具体的な対応策

レビュー管理はレピュテーションマネジメントの中でも特に重要な要素です。
ここでは、レビュー管理における具体的な対応策について詳しく見ていきます。

まず、自社サイトでのレビュー管理においては、新しいレビューを継続的に獲得することが重要です。
消費者は投稿日が新しいレビューをより信頼する傾向があるため、常に最新のレビューが掲載されている状態を維持することが求められます。
また、ネガティブなレビューに対しても適切に対応することが必要です。
ネガティブなレビューを無視するのではなく、丁寧に対応することで、顧客の信頼を取り戻すことができます。

次に、サードパーティープラットフォームでのレビュー管理も欠かせません。
これらサードパーティプラットフォームでのレビューは、消費者にとって信頼性が高いと見なされることが多いため、しっかりと管理することが求められます。
特に、ネガティブなレビューに対しては、個別に丁寧な対応を行うことで、企業の誠実さをアピールすることができます。

例えば、Holafly社はネガティブなレビューに対して、テンプレート化した回答ではなく、個別にオリジナルの返答を行うことで、顧客の不満を和らげると同時に、これを見た第三者に対しても、問題に真摯に向き合っている印象を与えています。

TrustpilotのHolaflyのレビュー

(引用:TrustpilotのHolaflyのレビュー

4. 代表的なレビューのサードパーティプラットフォーム

レビューのサードパーティプラットフォームには、以下のような代表的なものがあります。

Google My Business

Googleの検索結果やGoogle Maps上で表示されるビジネスレビューを管理できるプラットフォームです。
特に、地元のビジネスや店舗を検索する際に多く利用されます。

Trustpilot

さまざまな業界のビジネスレビューを扱うプラットフォームで、特にオンラインショッピングやサービス業のレビューが多く投稿されています。
企業が顧客レビューを管理しやすい機能も充実しています。

Yelp

主に飲食店や小売店などのローカルビジネスに関するレビューが多く投稿されるプラットフォームです。
レビュー数が多く、ユーザーからの信頼度が高いです。

TripAdvisor

旅行関連のレビューを専門に扱うプラットフォームで、ホテルやレストラン、観光地のレビューが豊富に掲載されています。
旅行者にとっては重要な情報源です。

サードパーティプラットフォームでのレビューは企業の意思に関係なく、ユーザーによって立ち上げられることが可能なため、いつの間にか自社のサイトのレビューが掲載されているということが発生します。

まずは自社のサイトや商品、店舗などのレビューがサードパーティプラットフォームに掲載されているかを確認して下さい。

5. 社会的証明の法則とその活用

ベストセラー

社会的証明(Social Proof)」の法則は、レピュテーションマネジメントにおいて重要な心理学的概念です。
この法則は、個人が何かを選択する際に、他者の行動を参考にする傾向があることを示しています。
具体的には、多くの人が何かを選んでいる場合、自分もそれに従うべきだと感じるという心理です。

この法則をビジネスに応用することで、成約率を向上させることができます。
例えば、商品のベストセラー情報や「何十万部突破」といった表現を用いることで、消費者に対してその商品の人気をアピールできます。
また、「〇万人の方が利用しています」や「〇人の人がこの商品を購入しました」といった数字を提示することで、消費者はその商品が信頼できるものであると感じやすくなります。

さらに、満足度調査の結果をサイトに表示することや、過去の累計利用者数をグラフ化して見せることで、消費者に対して自信を持って推奨することができます。
利用者の傾向を分析し、どのようなユーザーが商品を購入しているのかを明示することで、消費者は自分と同じような状況にある他者の意見を参考にしやすくなります。

好意的なレビューを増やしていくことで、自社の製品や企業そのものの価値が高まり、より多くのユーザーに購入してもらいやすい環境が整います。

6. レピュテーションマネジメントの実践

レピュテーションマネジメントを効果的に行うためには、優先度の高い取り組みを明確にし、それを着実に実行していくことが重要です。

まず、最優先すべきはサードパーティのネガティブレビュー対応です。
特に、サードパーティプラットフォームでのネガティブなレビューは、消費者に対して企業の評判を大きく左右する要素となります。
そのため、迅速かつ誠実な対応が求められます。

多くの場合、自社サイトに掲載するレビューのみを管理して、サードパーティに記載されているレビューを放置してしまうことがありますが、非常に危険です。
なぜなら、ユーザーは「(商品名)+ reviews」などと検索した時に、こういったサードパーティプラットフォームのレビューが上位表示されるため、ユーザーがネガティブなレビューを目にする可能性が非常に高くなります。

自社サイトに掲載しているレビューばかりに気を取られてしまうと、サードパーティプラットフォームのネガティブなレビューによってユーザーの信頼を損ねてしまい、売上が伸びなくなってしまいます。
そのため、サードパーティプラットフォームに自社の製品のレビューが掲載されているのを見つけたら、即座に対応を進めてください。

次に、レビュー獲得を増やすための施策を実施することが重要です。
例えば、レビューを書いてくれた顧客に対して、次回購入時に使用できる割引券を提供したり、ポイントを付与するなどのインセンティブを提供することで、レビューを書いてくれる確率をアップします。

また、レビュー依頼のタイミングも重要です。
商品購入直後のフォローアップメール時に使用感や満足度をレビューに書いてもらうことを依頼したり、あるいはカスタマーサポート終了時にレビューを依頼するなども考えられます。
これにより、消費者がレビューを投稿する動機を高めることができます。

さらに、頻繁に発生する質問やクレームをFAQにコンテンツ化することも有効です。
レビューの中には商品に対する不満ではなく、単なる勘違いなどによりクレームを言っているケースもあるため、このような誤解を防ぐためにも、FAQなどでコンテンツ化し、そのレビューに対して該当のページへのリンクも返信コメントの中に入れておくと、このレビューを見たユーザーが内容を正しく理解することができます。
こういった取り組みにより、消費者は自分の疑問を簡単に解消できるようになり、企業への信頼度が向上します。

まとめ

レピュテーションマネジメントを意識して取り組めている企業は、特に海外向けになると非常に少ないと思います。
SNSでの丁寧なコミュニケーションやサードパーティプラットフォームのレビューへの対応、また自社サイトのレビューに対しても一つ一つ丁寧に対応している様子を見せることで、企業の信頼度が上がります。

まずは自社の商品やサービスのレビューがどこにあるかをリサーチし、そこに対してどういった取り組みができるかを考えていきましょう。

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加瀬雅彦
投稿者: 加瀬雅彦/Kase Masahiko
COO/運用型広告チーム チーフマネージャーコンサルタント
海外Webマーケティング事業に10年以上身を置き、2014年8月に代表徳田と共に世界へボカン株式会社を設立、取締役に就任。
英語Google広告運用、ソーシャルメディア広告、アクセスログ解析、英語サイト改善など、数多くのプロジェクトに携わる。
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