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あなたの地域、インバウンド集客の絶好チャンスを逃してませんか?!(訪日客調査)

訪日客調査メイン画像

日本におけるインバウンド市場は、コロナ禍で大きな打撃を受けたものの、ここ数年で再び回復し、地域ごとの観光業にとって大きなチャンスが再燃しています。特に、2023年には多くの外国人観光客が日本各地を訪れ、地域別の訪日客数や出身国別のデータを見ると、様々な戦略に活かせる示唆が得られます。本記事では、最新の統計データをもとに、インバウンド集客の地域的可能性を明らかにし、インバウンド集客のポテンシャルが高い地域を浮き彫りにします。

訪日客数の年別推移:コロナ後の急回復

下図は日本政府観光局(以下JNTO)が作成した訪日客数の年別推移グラフ(1964 – 2024/07)です。見ての通り、2020年〜2022年は世界的なパンデミックにより訪日客数は大幅に減少し、日本全体でのインバウンド需要が一時停止する状況に追い込まれました。しかし、2022年後半から入国規制が緩和され始めたことで徐々に外国人観光客が戻り始め、2023年にはさらに多くの訪日客が増加しています。2024年はまだ終わっていませんが、2023年を年内には超える勢いです。コロナ前の訪日客の増加率からして、訪日需要は今後も伸びる可能性が高いでしょう。

 

出典:日本政府観光局(JNTO)

 

 

2023年の地域別訪日客数:人気の観光地はどこ?

2023年におけるJNTOの地域別訪日客数の統計を見ると、東京都、大阪府、京都府といった大都市圏が相変わらず高い訪問数を誇っています。3位に多い千葉県は成田空港があるので、世界から訪問客のハブとして機能しています。東京ディズニーランドや東京ディズニシー目当てで訪問する外国人も多いでしょう。東京はショッピングやエンターテイメント、伝統と現代文化が融合した観光スポットが豊富であり、世界中の観光客にとって人気の目的地となっています。一方で、地方都市や自然豊かな地域も注目されており、北海道や福岡県、兵庫県や愛知県もインバウンド観光の増加が見られます。

 

出典:日本政府観光局(JNTO)

 

ここではTOP3の東京都、大阪府、千葉県のそれぞれの中でどういった地域への訪問者が多いか見ていきましょう。

まず、東京です。下図は東京都産業労働局が公表しているグラフですが、TOP5は「渋谷」、「新宿・大久保」、「銀座」、「浅草」、「秋葉原」となっています。これらの地域は外国人の観光スポットとして特に人気のようです。

 

出典:東京都産業労働局

1. 渋谷

渋谷は東京を代表する若者文化とトレンドの発信地として、国内外の観光客に人気のあるエリアです。特に外国人観光客にとっては、「東京の最先端」を体験できるエリアとして注目されています。

渋谷スクランブル交差点:世界的に有名な渋谷スクランブル交差点は、1度に数千人が行き交う象徴的なスポットで、外国人観光客にとって「ここで写真を撮りたい」と思わせる場所です。この交差点はテレビや映画、SNSでも頻繁に取り上げられ、訪日客にとって東京観光のアイコン的存在となっています。

ファッション・ショッピング:渋谷は最先端のファッションとショッピングの街で、訪日客にとって最新の日本のトレンドを体験できる場所です。特に「SHIBUYA109」などのファッションビルが若者や観光客に人気で、トレンドや流行に敏感な外国人観光客が集まります。

新しい文化体験:渋谷にはインターネットカフェやアニメカフェ、VR体験施設など、日本独自のサブカルチャーが楽しめる施設が多くあります。若年層を中心に、日本のユニークな文化に触れる場としても渋谷は人気です。


2. 新宿・大久保

新宿・大久保エリアは、繁華街としての活気と国際色豊かな雰囲気を持ち、訪日客にとって多様な体験ができるエリアです。

24時間眠らない街:新宿は東京で最も大きな繁華街の一つであり、昼夜を問わず活気があります。特に歌舞伎町はナイトライフが楽しめる場所として、外国人観光客からも人気が高いです。居酒屋やカラオケ、クラブなど、多様なエンターテイメントが充実しており、夜遅くまで楽しみたい観光客にとって理想的な場所です。

ショッピングとグルメ:新宿には百貨店やショッピングモールが集まっており、高級ブランドから手頃な価格のアイテムまで幅広く揃っています。また、外国人観光客向けに多言語対応が進んでおり、快適な買い物環境が整っています。大久保にはコリアンタウンがあり、韓国料理やアジア各国のグルメが楽しめるため、異国の料理を楽しみたい観光客に人気です。

都市的な景観と展望:新宿には高層ビルが立ち並び、特に東京都庁の展望室からは無料で東京全体を一望できるため、東京の都市的な景観を楽しむ訪日客に人気のスポットです。展望室からは富士山を望めることもあり、多くの観光客が訪れています。


3. 銀座

銀座は東京のラグジュアリーエリアとして知られており、特に高級志向の外国人観光客に人気のスポットです。

高級ショッピング:銀座には世界的に有名な高級ブランド店が並び、高品質な日本のアイテムやブランド品を求める訪日客が多く訪れます。特にヨーロッパやアメリカ、アジア圏からの観光客が銀座でのショッピングを楽しむために訪れています。

老舗の和文化体験:銀座は古くからの老舗店舗が多く、和菓子や和食の名店も集まっています。茶道や和菓子作りの体験も可能で、日本文化をじっくり体験したい訪日客に人気です。また、「歌舞伎座」も銀座に位置しており、伝統的な日本の演劇である歌舞伎を楽しむ観光客にとって貴重なエリアとなっています。

モダンとクラシックの融合:銀座は高層ビルと歴史ある建物が共存するエリアで、観光客にとって新旧が織り交ぜられた独特の雰囲気を感じられる場所です。特に、銀座の夜景はエレガントで、外国人観光客にとっての写真スポットにもなっています。


4. 浅草

浅草は、日本の伝統文化と歴史が感じられる街として、訪日客に絶大な人気を誇ります。

浅草寺と雷門:浅草寺は東京最古の寺であり、訪日客にとって日本の仏教文化や伝統的な建築様式を体験できる場所です。特に、雷門は外国人観光客が「ここで写真を撮りたい」と思わせるシンボルであり、観光地としての人気を集めています。

仲見世通り:浅草寺へと続く仲見世通りは、土産物店や屋台が並び、日本の伝統工芸品や和風アイテムが豊富に揃っています。外国人観光客にとって、日本ならではのお土産を購入できる場であり、訪日客の観光体験を深めています。

和文化体験:浅草では、着物のレンタルサービスや人力車に乗ることができ、日本の伝統的な街並みの中で和装を楽しめる場所として人気です。特に着物を着て街を歩く体験は、多くの外国人観光客にとって忘れられない思い出となっています。


5. 秋葉原

秋葉原は、アニメやゲーム、電子機器の聖地として、サブカルチャーを求める外国人観光客に人気のエリアです。

アニメ・マンガ・ゲームの聖地:秋葉原は、日本のアニメやマンガ、ゲーム文化が集まるエリアであり、世界中にファンを持つ日本のポップカルチャーを体験できる場所です。特に、アニメグッズやコスプレ用品を求めて、欧米やアジアからの訪日客が集まります。

電気街と電子機器:秋葉原は、もともと電気街として発展し、最新の電子機器やパソコン、ガジェットが手に入る場所としても知られています。電子機器に興味を持つ外国人観光客が、秋葉原で特定の製品を購入するために訪れるケースも多く見られます。

メイドカフェとユニークな体験:秋葉原はメイドカフェの発祥地でもあり、このユニークな体験を楽しむために訪れる観光客も多くいます。特に、コスプレしたメイドが提供する特別なサービスは他国には少ない体験であり、訪日客にとって秋葉原の象徴的な魅力のひとつです。

次に、大阪府の地域別訪日客数を見ていきたいところですが、残念ながら大阪府による正式な統計はありません。技研商事インターナショナルの分析結果によれば、ユニバーサルシティスタジオジャパン(USJ)と道頓堀、大阪城あたりが特に人気のようです。

1. ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、ハリウッド映画や日本の人気コンテンツに基づくアトラクションが集まるテーマパークで、日本国内外から多くの観光客が訪れます。USJが訪日客にとって人気である理由には、以下の要因が挙げられます。

多様なアトラクション:USJは「ハリー・ポッター」や「スパイダーマン」、「ジュラシック・パーク」などの国際的に有名なハリウッド作品をテーマにしたアトラクションを提供しています。特に「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」は海外のファンからも人気で、訪日客が長時間待ってでも体験したいと考える魅力があります。また、「スーパーニンテンドーワールド」のエリアが新設され、マリオなどの日本のキャラクターが好きな訪日客も増加しています。

日本特有のテーマイベント:USJは季節ごとに様々なイベントを開催しており、ハロウィーンやクリスマスには特別なショーや限定アトラクションが登場します。特にハロウィーンイベントは、コスプレが認められ、多くの外国人観光客が仮装して楽しむため、ユニークな体験を求める観光客に支持されています。

エンターテイメントとショッピングの充実:USJ内外にはレストランやグッズショップが数多く並んでおり、日本限定のアイテムを求めて訪れる観光客も多いです。テーマパークでのショッピングが観光の一環となっており、USJは「お土産」や「日本限定グッズ」を購入できる場所としても人気を集めています。


2. 道頓堀

道頓堀は大阪を代表する繁華街で、グルメやショッピング、観光の要素が詰まった観光エリアです。訪日客にとっての人気の理由は、以下の点にあります。

大阪グルメの聖地:道頓堀は「たこ焼き」や「お好み焼き」、さらには「串カツ」など大阪を代表する料理が楽しめる場所として知られています。特に、グルメ体験を求める訪日客にとっては、道頓堀での食事が大阪観光の醍醐味となっています。また、立ち食いや食べ歩きができるため、気軽に大阪の味を楽しめる点も人気の要因です。

ネオンとグリコサイン:道頓堀といえば、川沿いに広がるネオンと「グリコの看板」で有名です。特に夜間には光り輝く景観が観光客にとってインスタ映えするスポットとして人気で、多くの訪日客が写真撮影に訪れます。インターネット上でも頻繁にシェアされる風景であり、訪日客が「大阪らしい景色」として記念に残す場所となっています。

活気と文化の体験:道頓堀は24時間活気に満ちたエリアであり、観光客にとっては大阪の人々のエネルギッシュな雰囲気や、地元文化を間近に感じられる場所です。道頓堀でのショッピングや屋台文化は、他の都市にはない大阪独自の体験として評価されており、訪日客にとって異国情緒を楽しむことができるエリアです。


3. 大阪城

大阪城は、日本の歴史や建築美を感じられる代表的な観光地で、訪日客にも広く人気があります。その人気の理由については、以下が挙げられます。

歴史的・文化的な価値:大阪城は16世紀末、豊臣秀吉によって築かれた歴史的な城であり、日本の戦国時代や江戸時代の重要な歴史背景が詰まった場所です。特に歴史や伝統に興味を持つ外国人観光客には、ここで日本の過去を学ぶ貴重な機会となっており、歴史愛好者には外せないスポットです。

壮大な建築と眺望:大阪城の外観は非常に美しく、特に天守閣からの眺めが絶景として評判です。城内には展望台があり、大阪市街を一望できるため、多くの観光客が訪れてはその景観を楽しんでいます。桜の季節にはお花見スポットとしても人気があり、桜と城のコントラストが観光のハイライトとなります。

多言語対応と観光案内の充実:大阪城は訪日客が快適に観光できるよう、多言語対応の案内板やオーディオガイドが整備されています。また、施設内には豊臣秀吉に関する展示や資料が多くあり、日本文化や歴史について深く知りたい訪日客にも好評です。

最後に、千葉県です。千葉県の公式統計によれば、地域別訪日客数は上から順に、東葛飾地域が約5,641万人(約34%)と最も多く、次いで千葉地域(約2,616万人)、印旛地域(約2,387万人)、君津地域(約2,193万人)の順となっています。この4地域で県全体の78%を占めています。

2023年千葉県地域別訪日客数

出典:千葉県「令和5年観光客の入込動向について(速報値)」より筆者作成

1. 東葛飾地域(約5,641万人、全体の34%)

東葛飾地域は、千葉県内で最も多くの訪日客を迎え入れているエリアです。この地域が人気を集める理由には、以下の要因が考えられます。

交通の便:東京に近接しており、都心からのアクセスが非常に良い地域です。新幹線や主要な電車路線が通っているため、東京や他の主要都市からの訪日客が立ち寄りやすくなっています。

観光スポット:舞浜にある東京ディズニーリゾートは世界的に有名であり、訪日客にとっての一大観光地です。このテーマパークだけで膨大な数の観光客を引きつけており、宿泊施設や飲食店も充実しているため、長期滞在にも適しています。

ショッピングエリア:東葛飾地域には、外国人観光客に人気のあるショッピングモールやアウトレットパークが点在しています。特に「イクスピアリ」などの施設が観光とショッピングの両方を楽しめる点も魅力です。


2. 千葉地域(約2,616万人)

千葉地域は県庁所在地の千葉市を含むエリアで、多くの訪日客が訪れる理由が存在します。

都市的な魅力と観光施設:千葉市には千葉ポートタワーや幕張メッセがあり、特に幕張メッセは大規模な国際イベントやコンサートが頻繁に開催されており、イベント目的で訪れる訪日客が多いです。

成田空港からのアクセス:千葉市は成田空港からも比較的近く、訪日客が移動の際に立ち寄りやすい立地です。特に観光バスや電車を利用したアクセスが便利で、周辺施設も整っているため、多くの観光客が訪れます。

自然と都市の調和:千葉市周辺は、都市的な景観と自然の豊かな公園やビーチが共存しており、観光客にとって幅広いアクティビティを楽しめる環境です。


3. 印旛地域(約2,387万人)

印旛地域には成田空港があり、訪日客にとって日本で最初に訪れる地でもあります。多くの観光客がこの地域に集中する理由は以下の通りです。

成田国際空港:成田空港は日本最大級の国際空港で、観光客の多くが日本での初訪問地としています。空港周辺には成田山新勝寺などの観光名所があり、長時間の乗り継ぎの間に観光する訪日客も少なくありません。

空港周辺の観光施設:成田空港周辺にはホテルやショッピングモールが充実しており、旅行の合間にショッピングやグルメを楽しむ訪日客が増えています。成田山表参道も歴史的な観光スポットとして人気です。

文化的な体験:成田山新勝寺やその周辺で提供される和文化体験は、訪日客にとって大きな魅力です。日本の伝統文化を体感できる施設が集まっており、観光の動機となっています。


4. 君津地域(約2,193万人)

君津地域は千葉県の南部に位置し、自然の豊かさや特有の観光スポットが訪日客を引きつけています。

自然観光:君津地域には「濃溝の滝」や「亀山湖」などの自然観光スポットがあり、特にインスタ映えする風景としてSNSで人気を集めています。日本の美しい自然を満喫できる点が訪日客に好評です。

温泉地:この地域には温泉地も点在しており、温泉旅行を目的とした訪日客が多く訪れます。東京からのアクセスも良いため、短期旅行や日帰り旅行に最適なエリアとなっています。

アウトドア活動:君津地域はキャンプ場やトレッキングコースも豊富で、アウトドア活動を楽しむ観光客に人気があります。特にアジア圏からの観光客には、自然を体験できるレジャー施設が支持を集めています。

まとめ

本記事では最新の訪日客統計を用いて、人気な都道府県とTOP3(東京、大阪、京都)の都道府県の人気エリアについて俯瞰しました。インバウンド集客の大前提として、そもそも訪日客数が多い地域かどうかはかなり重要です。ただ、本記事では取り上げられていなくても、穴場スポットとして外国人に人気な地域は多く存在するので、ぜひ他の情報も用いながらあなたの地域のインバウンド集客のポテンシャルを調査してみましょう!

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