コラム
Column
海外市場に向けたWeb広告は、国内市場とは異なる特性や文化、競合環境が存在します。そのため、しっかりとした事前準備と戦略立案が重要です。本記事では、これから海外にWeb広告を配信しようとしている企業向けに、広告配信前に考慮すべき要素や、成功につながる戦略を紹介します。適切な媒体選びからKPI設定まで、一歩ずつ実践的な手順を解説します。
この記事は次のような人におすすめ!
広告を海外に配信する際、まず最初に考えるべきは「どの媒体で、どのようなタイプの広告を展開するか」です。また、検索ボリュームをもとに、商材が「実利価値」か「共感価値」を持つかを判断し、マーケティングファネルに基づいた広告戦略を構築します。
これは単に広告を配信するだけでなく、効果的な配信が行われるための基盤を構築する重要なステップです。各国のユーザーがよく利用する媒体や最適な広告タイプを調査し、商材の価値のマトリクスを把握することで、効果的な広告ポートフォリオを作成することが求められます。
Web広告を海外で展開する際、各国や地域ごとに最も利用されている媒体を把握することは欠かせません。日本国内ではGoogle広告やYahoo!広告が一般的ですが、海外では国によって異なる媒体が主流となることがあります。
StatCounter等のツールを活用し、各国の検索エンジン、デバイス、SNSのトレンドを把握することができます。検索エンジンでは、全世界の約90%のユーザーがGoogleの検索エンジンを利用しているため、まずはGoogle広告から始めるのが一般的です。SNSでは、全世界の約75%ユーザーがMeta(Facebook約60%、Instagram約15%)を利用しているため、まずはMeta広告から始めるのが一般的です。
これらの情報もふまえ、まずはターゲットとする国や地域でどの媒体が主流かを調べ、適切な媒体を選定しましょう。
画像引用:https://gs.statcounter.com/
選定した媒体ごとにどのような広告タイプが有効であるかを調査する必要があります。たとえば、Google広告であれば検索広告やショッピング広告、ディスプレイ広告、動画広告など様々な広告タイプがありますが、国ごとのユーザーの好みや行動パターンによって効果的な広告形式は異なります。
弊社では、VPNを利用して異なる国ごとに検索エンジン結果ページ(SERPs)を実際に確認します。これにより、各国のユーザーがどのような検索行動をしているか、また、テキストコンテンツやショッピングコンテンツなど、どの広告タイプが多く表示されているかを特定できます。例えば、国によってはショッピング広告が多く表示される一方で、別の国ではテキスト広告が主流であることもあります。この情報をもとに、ターゲットとする市場での効果的な広告戦略を立てることが可能になります。
検索ボリューム調査は、商材が市場でどれほどの需要を持っているかを把握するための重要なステップです。調査を通じて、顕在化した商材か、あるいは潜在的なニーズが多いのかを見極めることも効果的な広告ポートフォリオを作成する上で重要です。
検索ボリュームが多い場合、それは消費者がその商材に対して高い「実利価値」を見出している可能性が高いと言えます。このような場合、検索広告やShopping広告といった、直接的な購買行動を促すメディアが適しています。一方、検索ボリュームが少ない場合でも、その商材に「共感価値」が含まれている可能性があり、この場合にはディスプレイ広告や動画広告、SNS広告などユーザーに共感を呼び起こすメディアが有効です。
検索ボリュームをもとに、商材が「実利価値」か「共感価値」を持つかを判断し、マーケティングファネルに基づいた広告戦略を構築します。
参照:価値を定義するマトリクス(4象限)編 はじめての海外WEBマーケティング
広告配信戦略を考える際には、KPI(重要業績評価指標)の設定が非常に重要です。KPIは、広告キャンペーンが成功しているかどうかを測るための基準となり、広告のパフォーマンスを客観的に評価するための指標です。特に、海外市場においては市場特性や消費者行動の違いが影響するため、KPIの設定は慎重に行う必要があります。
KPIを設定する際には、基となるシミュレーションを作成します。広告の目的が売上である場合、ROAS(広告費用対効果)を最終的な指標とすることが一般的です。ROASとは、広告に投資した費用に対してどれだけの売上を得られたかを示す指標です。シミュレーションでは、広告配信によってどれだけの収益を得られるか、また広告費に対してどれほどの効果が期待できるかを試算します。具体的には、クリック数や購入数、売上そして最終的にROASがどれくらいになるのかを予測するプロセスです。
弊社では、シミュレーションを行う際には、過去のデータや業界平均値を参考にします。
以下は事例の一部ですので、詳細なシミュレーションをご希望の場合は、お気軽にお問い合わせください。
伝統工芸品(越境EC) | |
購入単価 | 25,000円 |
広告媒体 | Google, Meta |
配信国 | 米国、オーストラリア、シンガポール、イギリス |
CPO | 5,000円 |
ROAS | 500% |
中古ブランド品(越境EC) |
|
購入単価 | 400,000円 |
広告媒体 | Google, Meta |
配信国 | 米国 |
CPO | 20,000円 |
ROAS | 500% |
シミュレーションを行うことで、現実的な広告予算の範囲や成果目標を明確にし、無駄のない広告運用が可能となります。特に、海外市場では予期しないコストが発生することも多いため、事前に計画を練ることでリスクを最小限に抑えることができます。
まとめ
海外Web広告を成功させるためには、綿密な調査と計画が不可欠です。媒体選定から広告タイプの選択、KPI設定、そしてシミュレーションの実施に至るまで、広告配信前にしっかりとした戦略を立てることで、適切な投資を行い、効果的な結果を得ることができます。これらのステップを実行することで、単なる「テスト配信」に留まらない、成果を最大化する広告運用が可能になるでしょう。
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