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複数国へ広告配信する際のキャンペーン構成の考え方

目次
  • 1. Google広告・Meta広告の推奨キャンペーン設定を知る
  • 2. 国ごとにマーケティング予算は決まってますか?
  • 3. 配信の言語が異なる場合は、キャンペーンを分ける
  • 4. ユーザー行動が似ている国を一つのキャンペーンにまとめる
  • 5. 国ごとの単価(CPCやCPAなど)を元にまとめる
  • 6. 季節が関連する商品は、季節が近い国をまとめる

 

複数の国やエリアに広告を配信する場合、広告プラットフォームの最適な設定方法、国ごとの予算配分、ユーザーの行動の類似性など多角的な視点からの戦略が求められます。本記事では、複数国で効率的に広告を配信するための効果的なキャンペーン構成のポイントについて解説します。ぜひ、複数国へ広告配信する際に役立ててください。

この記事は次のような人におすすめ!

  • 海外市場での広告効果を最大化したい経営層やマーケティングマネージャー
  • 複数国に広告配信を検討している企業のマーケティング担当者
  • Google広告やMeta広告の複数国運用で効果を高めたい広告運用担当者

1. Google広告・Meta広告の推奨キャンペーン設定を知る

前提として、Google広告やMeta広告が推奨するキャンペーン設定に沿うことが重要です。これらのメディアでは、十分なコンバージョン数を確保することで自動最適化機能が効果を発揮するため、成果につながりやすい広告運用が可能になります。

Google広告では、1キャンペーンあたり過去30日間に30件~50件のコンバージョンを取得することが推奨されています。この基準を満たすことでGoogleの機械学習が最適に働き、ターゲットオーディエンスへのリーチや広告費の効率化を高めることができます。
Meta広告では1広告セットにつき週に50件のコンバージョンを目標とすることが推奨です。これは、Metaのアルゴリズムが最適化を行うために必要なデータ量を確保するためで、十分なコンバージョン数が得られることで精度が向上し、より良い成果が期待できます。

コンバージョン数が不足する場合、マイクロコンバージョン(例:カート追加やフォーム到達などの一つ手前の目標)を設定する方法もあります。この設定によりデータ量が増え、機械学習が早まったり、キーワードや広告クリエイティブの成果を迅速に判断できるなどメリットがあります。ただし、コンバージョン確度の低いユーザーに最適化される可能性があるため、マイクロコンバージョンはあくまで補完的な設定とし、できる限り主要なコンバージョンに基づく運用が推奨されます。

以下の章で、キャンペーンの分け方の考え方を紹介しますが、キャンペーンを細分化しすぎて最適化がかかりずらい構成になってしまっては本末転倒です。広告配信はデータを集約化することで最適化が働くため、キャンペーンを分ける理由がない場合は集約することを推奨します。

2. 国ごとにマーケティング予算は決まってますか?

複数国へ広告を配信する場合、各国ごとにマーケティング予算が決まっているかどうかを確認することが大切です。もし国ごとに予算が決まっている場合、それぞれの国で別々のキャンペーンを作成するのが基本となります。理由として、キャンペーンを分けることで、各国の予算に応じた配信調整が可能になり、特定の国の広告が過剰に表示されることを防ぐことができます。

逆に、複数の国を1つのキャンペーンにまとめると、予算配分が自動的に行われ、特定の国に対する配信の調整ができません(「クリック数最大化」入札戦略を除く)。たとえば、パフォーマンスが良い国でのみ広告が多く表示され、他の国での配信が制限されることが起こります。

3. 配信の言語が異なる場合は、キャンペーンを分ける

弊社では主に英語で英語圏に向けた広告配信を行っていますが、クライアントの希望により他の言語での広告配信を行うこともあります。

配信する言語が異なる場合、広告プラットフォームの設定上、言語ごとにキャンペーンを分ける必要があります。キャンペーンごとに言語設定が行われるため、ターゲット言語に応じてキャンペーンを分け、最適な配信を実現しましょう。

4. ユーザー行動が似ている国を一つのキャンペーンにまとめる

広告効果を高めるためには、行動傾向や商材に対する理解度が近い国を一つのキャンペーンにまとめることが有効です。たとえば、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどの英語圏では、文化や実施するセールなどの消費行動が類似しており、近しいメッセージが効果的に響きます。

また、ユーザーの商材に対する理解度の違いに応じて、キャンペーンの国を分けることも有効です。例えば抹茶を例に取ると、抹茶の産地やブランドに関心を持ち、具体的なキーワードで検索するユーザーが多い国もあれば、「抹茶」という一般的なキーワードでしか調べないユーザーが多い国もあります。こうした違いに応じて、キーワードや広告文、ランディングページを調整することで、広告効果がさらに向上します。

ユーザー行動の類似性を活かしたキャンペーン構成例
具体的な例として、以下のようなグループ分けが可能です:

  • 英語圏キャンペーン:アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなど
  • 欧州キャンペーン:フランス、ドイツ、スペイン、イタリアなど
  • アジアキャンペーン:香港、シンガポール、中国など
  • 東南アジアキャンペーン:台湾、タイ、マレーシアなど

これにより、広告メッセージの一貫性が保たれ、ターゲットとなるユーザーにより魅力的に響く内容となります。また、行動データの分析や成果の振り返りも適切に管理でき、広告効果の改善がしやすくなります。

5. 国ごとの単価(CPCやCPAなど)を元にまとめる

広告運用において、国ごとにCPC(クリック単価)やCPM(インプレッション単価)が異なる点を考慮することが重要です。

例えばGoogle検索広告では、国ごとにキーワードの検索ボリュームや競合数が異なるため、CPCが変動します。競合の激しいアメリカやイギリスなどの市場ではCPCが高く設定されることが多く、同じ予算でもリーチできるユーザー数や獲得単価に差が出ます。

一方、Meta広告(FacebookやInstagram)では、オーディエンスのボリュームや競合状況によってCPM(インプレッション単価)が変わり、結果としてCPAや広告費用対効果(ROAS)も異なります。例えば、コンバージョン目的のキャンペーンでは、CPAが低い国に配信が集中することがあり、最適化の傾向がその国に偏る可能性もあります。これを防ぐために、CPCやCPMが大きく異なる国ごとにキャンペーンを分け、個別に最適化することが推奨されます。

弊社のクライアント事例でも、欧米とアジア圏ではCPCが数倍の差になる商材があり、キャンペーンを分けることで、より効果的な予算配分と広告効果の改善を行っています。

6. 季節が関連する商品は、季節が近い国をまとめる

季節性が関連する商品の広告を配信する場合は、季節性を考慮することは非常に重要です。国ごとに季節が異なるため、季節や気温が近い地域ごとにキャンペーンを分けることで、より効果的な広告運用が可能となります。例えば、北半球では夏に薄手の服や扇風機が売れる一方、南半球では同じ時期に暖房器具や冬服が必要とされます。さらに、常夏の国では季節に関係なく日焼け止めや軽装が求められることが多いです。以下の商材例を参考に、需要に応じた最適化を検討しましょう。

  • アパレル:夏服や半袖が売れる国や季節、冬服や上着が売れる国や季節
  • 家電:扇風機や除湿機が売れる国や季節、暖房や加湿器が売れる国や季節
  • 美容、日用品:日焼け止めや虫よけが売れる国や季節、保湿用品やホッカイロが売れる国や季節

まとめ

複数国への広告配信では、国ごとのユーザー行動や単価、言語の違いを考慮したキャンペーン設定が重要です。GoogleやMeta広告の推奨キャンペーン設定を把握した上で、各国の予算や言語に応じた適切な配信設定を行うことで、広告効果を最大限に引き出すことが期待できます。

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投稿者: Shimokawa
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