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ブランド名への入札戦略:効果的なアプローチとは?
- 2025.02.03
- 海外リスティング広告
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有料検索広告はデジタルマーケティングの重要な要素の一つであり、その中でも「自社のブランドキーワードに入札すべきか?」という問いはしばしば議論を呼びます。この記事では、ブランド名への入札のメリット・デメリットを簡潔に解説し、海外展開を目指す企業がどのように戦略を立てるべきかについて、実践的に考えます。
ブランドキーワードとは?
ブランドキーワードとは、自社ブランドに関連する検索語句を指します。最も一般的なのは、企業名や商品名ですが、これに加えて以下のようなバリエーションも考えられます:
- ブランド名 + 商品名(例:「Nike ランニングシューズ」)
- ブランド名 + サービス名(例:「Apple カスタマーサポート」)
- ブランド名 + その他の関連用語(例:「Nike 返品」「Apple 顧客サービス」)
場合によっては、企業名が含まれない場合でも、特定の製品やサービス名がブランドキーワードとなることもあります。たとえば、Appleの「iPhone」やConverseの「Chuck Taylor」などです。
ブランドキーワードに入札するかどうかは、企業の状況や戦略に応じた重要な決定です。このテーマは、広告業界において長年議論され続けている問題でもあります。
ブランドキーワードへの入札が議論を呼ぶ理由
ブランドキーワードに入札することが議論を呼ぶ一因は、以下の疑問にあります:
- 「自社ブランドに関連する検索結果は、オーガニック検索(無料)でも表示されるのになぜ広告費をかける必要があるのか?」
この疑問は非常に合理的です。オーガニック検索で自社サイトが表示されるのであれば、広告費をかけずに済むはずです。しかし、Googleの検索結果ページ(SERP)の構成が変化したことで、この問題は簡単には解決できなくなっています。
ブランドキーワードへの入札の必要性は、以下の要因によって異なります:
- 競争の激しさ
- 市場シェアの大きさ
- ブランドに対する検索需要
- 予算の制約
- オーガニック検索での成果
- リセラー(再販業者)の存在
次に、ブランドキーワードへの入札のメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
ブランドキーワードへの入札のメリット
1. 視認性の向上
オーガニック検索結果で自社ブランド名が1位に表示されている場合でも、その上に広告を表示することで、検索者に対してさらに多くのクリック機会を提供できます。広告を活用することで、SERPのスペースを最大化し、ブランド認知度を高めることができます。
2. ブランド保護
競合他社が自社のブランド名に入札することは非常に一般的です。競合他社の広告が自社のブランドに関連する検索結果に表示されることで、トラフィックを奪われる可能性があります。自社ブランド名に入札することで、このリスクを軽減し、ブランドの権限を確保することができます。
3. メッセージのコントロール
オーガニック検索結果は、Googleが表示するタイトルタグやメタディスクリプションに基づいていますが、必ずしも自社の意図した通りに表示されるわけではありません。ブランド広告を使用することで、メッセージを完全にコントロールし、プロモーションや更新情報を的確に伝えることができます。
4. 低いCPC(通常)
ブランドキーワードのCPCは、一般的に競合が激しい非ブランドキーワードよりも低くなる傾向があります。ブランド名に関連する広告は競争が少なく、品質スコアが高いため、コスト効率が良いことが多いです。
ブランドキーワードへの入札のデメリット
1. 広告費用の効率性
オーガニック検索でも十分にブランド名が表示される場合、そのブランドキーワードに広告費をかけることは効率的ではないと考えられることがあります。大手ブランドでは、広告費用を削減して新規顧客獲得に投資することが検討されることがあります。
2. オーガニックパフォーマンスへの影響
ブランド広告がオーガニック検索結果より上に表示される場合、検索者が広告をクリックしてオーガニック結果へのクリックが減少することがあります。これにより、オーガニックでのトラフィックやコンバージョンが影響を受けることがあるため、効果の確認を行ってその影響を測定することが重要です。
3. 既存顧客と新規顧客のターゲティング
ブランド検索に関しては、既存顧客と新規顧客が混在しています。既存顧客が「Nike」のようなブランド名を検索している場合、その目的は購入でなく、返品やカスタマーサービスなどの目的である可能性もあります。広告ターゲティングを正しく設定しないと、効果的な予算の配分ができず、KPIsに合致しないクリックが増えてしまう可能性があります。
4. パフォーマンスレポートの曖昧さ
ブランドキーワードと非ブランドキーワードを一緒に扱うと、パフォーマンスデータが混同されることがあります。ブランド名で得られた売上やリードが非常に高い場合、全体のパフォーマンスが過大評価されることがあります。これを避けるためには、ブランドキーワードと非ブランドキーワードを別々にレポートすることが有効です。
5. リセラーとの競争
リセラーやマーケットプレイスを通じて販売しているブランドは、競合入札の影響を受けやすいです。リセラーが自社ブランド名に入札することで、競争が激化し、CPCが高くなることがあります。リセラーと協力してブランド名に関する入札ルールを決めることが効果的ですが、その管理が難しい場合もあります。
ブランドキーワードに関するその他の考慮事項
PMaxキャンペーン
GoogleのPMaxは、複数のネットワークにわたって広告を配信する自動化されたキャンペーンです。PMaxはブランド関連の広告も表示するため、ブランドキーワードがキャンペーンの成果に大きく影響する可能性があります。この場合、PMaxからブランドキーワードを除外するか、専用のブランド検索キャンペーンを作成することをお勧めします。
インテントマッチ(Broad Match)キーワード
インテントマッチは、Google広告のキーワード一致タイプの1つで、関連性のある検索にも広告が表示される場合があります。これにより、競合他社がブランド関連のキーワードで広告を表示する可能性があります。この場合、除外キーワードを使用してブランドキーワードを管理することが重要です。
まとめ
ブランド名に対して入札すべきかどうかは、企業の状況により異なります。オーガニック検索のパフォーマンスや競争の激しさ、広告予算などを総合的に考慮する必要があります。最も重要なのは、テストを行い、その効果を実際に確認することです。
ブランド名への入札は、ブランドの認知を高め、競合と差別化するための強力なツールとなりますが、戦略的に計画し、状況に応じて柔軟に運用することが求められます。
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