対談
Interview
今回の対談では、弊社マーケティングコンサルタントの山元と製造業やメーカー様の海外向けBtoBサイト構築に関してポイントと留意点についてお話します。
【徳田祐希】
「日本の魅力を世界へ伝える」というミッションの元、多国籍チームを率いて日本企業の海外Webマーケティングを支援。
アフリカ向け中古輸出企業の売上を30億円から500億円に導く、製造業の海外販路拡大プロジェクトで売上を大幅に伸ばす等、海外向けWebコンサルティングで数多くの実績を残す。
【山元陸矢】
世界へボカン株式会社 マーケティングコンサルタント。
大学在学中にニュージーランド留学、及びフィリピンのBPO企業にてライティングとWebマーケティング領域のインターンを経験。
マーケティング領域で日本企業の価値を世界へ発信するべく新卒入社。現在は、主にBtoB企業のWebサイト制作のディレクションに従事。
徳田
こんにちは世界へボカンの徳田です!
本日は海外向けのBtoBマーケティングを担当している山元と
製造業やメーカー様の海外向けBtoBサイトの構築をする際のポイントについてお話をしたいと思います。
それでは山本さん、自己紹介をお願いします。
山元
はい、大学在学中からShopifyを使ったサイト制作に携わってきました。
世界へボカンでは、主に戦略立案の実行や、WEBサイト制作のディレクションに関わらせて頂いてます。
徳田
今回、海外進出とか販路拡大を目指す企業、製造業やメーカーさんのBtoBサイトを作る際の調査戦略立案についてお話をしようと思いますが、具体的にどのように進めているか説明して貰えますか?
山元
はい。具体的に大きく調査が2つ分かれておりまして、1.インタビューと、調査ツールを使ったWEBの定量的な調査。
それ等のデータや情報を元にした3C分析、自社分析、顧客の分析、競合の分析がありまう。
これらを一通りどういう風にやっているかをお話させていただきます。
徳田
なるほど。実際どういう項目で、3C分析をしているかですね。
徳田
まず3C分析で自社(Company)と競合(Competitor)と市場(Customer)があると思うんですけど、自社分析ってどんなことやるんですか?
山元
自社分析なんですけれども、大きく5つに分かれております。
1つ目が、クライアント様の担当者様と上長へプロジェクトの目的や目標をヒアリングするプロセス。
2つ目が、クライアント様の業界を理解するためにヒアリングさせていただくプロセス。
3つ目が、海外営業担当者様や現地代理店にヒアリングするプロセス。
4つ目が、Googleアナリティックスやサーチコンソールを使い、定期的に既存のWEBサイトを調査するプロセス。
5つ目が、海外営業担当者様に実際どういう風に営業しているか、営業プロセスのヒアリングです。
山元
まず、そもそもなぜクライアント様に目的や目標のヒアリングをしているかというと、お客様の中で、例えば本部あるいは現地の代理店がある時に、お互いの中で、WEBサイトに求める目標や求める項目が全然違ったりすることがあるんですよ。
(ある案件において)担当者さまは、アメリカ向けに特定の製品の価値を強く押し出すようなブランドサイトを作るようなイメージだったんですけど、実際本部に話を聞いてみると、CSRやグループの強みを強く押し出したグループサイトを作るという想定が強かったんです。
そうなると、その後に顧客の調査をする際、あるいはコンテンツを制作する際にも、本部の方と営業担当者さまの意図が違うようなサイトになってしまいます。
そうすると、サイトが出来上がっても、大体本部の人の意見が優先されるので、営業担当者さんがそのサイトから流れるリードをもらっても、営業に実際に活かせないという場面があるんですね。
徳田
(本部と営業担当者で)意思が統一されてないということを、理解する上で念のため確認する。
目的・目標を確認して、成功の定義を明らかにするということが大事プロセスだったりしますもんね。
山元
そうですね。
徳田
業界の理解を深めるためのヒアリングはどんなことやるんですか?
山元
クライアント様の業界の理解を深めるために、ヒアリングを行うんですけれども、イメージとしてはいつもの営業風景ですね。
そちらを僕達にやっていただくというイメージです。
徳田
様々なお客様に対して各種リードが来た時に、どの様な営業フローや資料を使うのか、実際にどの様に説明するのかを伺ったり、競合他社にはどの様な企業がいて、自分たちのシェアはこれくらいだから、この様な営業していて、こういう時は受注しています、こういう時は失注しています。。。と言うのを伺うって感じですかね。
山元
そうですね。はい。
ボカンは基本的に、BtoBのマーケティングプロではあるものの、お客様の業界に関してはプロではないという点で、顧客の課題を明確に把握しているというわけではないんですね。
そこを把握することによって、今後のマーケティング施策もそうですし、サイトにどういうコンテンツを盛り込んでいくかというところが非常に重要な要素となっております。
徳田
3つ目の外国人営業担当者、現地の代理店さんへのインタビューはどういうことをやるんですか。
山元
国によっては、営業担当者さんが日本人ではなくて海外…インドであったり、アメリカの代理店に営業を任せている場合も多いかと思います。
そういった営業担当者様と本部が断裂してしまっていることが多いんですね。
実際に営業をされている担当者様は、お客様の課題が明確であったりとか、特定の項目のリードが欲しいというものがあったりするのですが、それが本部にちゃんと毎月、毎週伝えられているかというと、そうではないことが結構あります。
徳田
現地の代理店様や営業担当者様との温度差があったりするとプロジェクトはうまくいかないじゃないですか。
一生懸命、リードを獲得していてもそのリードの質が低ければ、営業担当者様や代理店様は疲弊してしまい、どのリードに対して真摯に取り組むべきなのか、どこを力抜くべきなのかというのが分からなくなってしまいます。
良質なリードを獲得するというところが海外サイトの重要な役割なので、そこをしっかりとコミットしてあげないと、彼らもどんどん疲弊してやる気なくなってしまいますからね。
山元
そうですね。
徳田
あとGoogleアナリティクスやサーチコンソールのアクセスデータ等を元にした分析は、どんなことをするんですか。
山元
既存のサイトの分析なんですけれども、どういったキーワード、どのくらいのボリュームで今のWEBサイトからお問い合わせが来ているかを把握します。
BtoBサイトですと、基本的に氏名検索だったりとか、型番の検索になることが多いと思うんですけど、では実際にWEB上ではどういったニーズがあるか把握することで今後のWEBサイト制作に打ち出していく製品を策定したりします。
徳田
実際にリニューアル(の現場)だと、既存のサイトでどういう企業が上位表示されているかであったり、どういうページが見られているかを把握します。
それがリードや営業成約に繋がっているかを(お客様に)ヒアリングできるので、定量的なデータでGoogle Analyticsのデータを見たり、どの国からアクセス出来ているかとから、選出すべき国を選んだり、色々と考えることがあります。
ですので、Google Analyticsやサーチコンソールのデータを共有いただいて調査戦略立案に役立てるというのが大事ですね。。
徳田
あと営業プロセスに関しても、先ほどお話したところで現地の営業担当者様、海外営業担当者様にヒアリングして、何が受注要因や失注要因か、顧客はどんな人なのか、こういったペルソナの精度を高めていくところが主なポイントですね。
徳田
実際の競合調査はどんなことをやるんですか。
山元
競合調査は、大きく3つに分けられます。
1つ目が、WEB調査ツールによる定量分析です。
2つ目が、WEBサイト の競合のコピー、強み、訴求点を定性的に洗い出していく。
3つ目が、WEBサイト以外の施策の比較になります。
徳田
WEBサイトツールなんですけど、僕らイスラエルの競合調査ツールのSimilarWebというかなり高額のツールを買って実施してますが、あれで競合のチャネル別の流入とか、どういったキーワードを流入しているかを全部丸裸にしますよね。
山元
競合の流入のキーワードとかを調べていくとSEOで上位表示されているページがわかってきます。大体が良いサイトである故に、SEOで上位表示されているんですね。
ユーザが知りたい情報をどんどん洗い出していって、どの項目が自社サイトに活かせるのかどうか、反映できるかどうかを調べていきます。
徳田
競合他社とこういう項目でこういう風な訴求をしてるけど、御社ではどういうことされてますか?という議論が生まれますね。
山元
はい。そうですね。
徳田
WEBサイト上でのコピーや訴求点、強みの比較って、あれですよね? 細かくa社、b社、c社、d社で比較表をわーって作ってやるやつですよね。あれ、めちゃくちゃ時間かかりますよね。(笑)
山元
そうですね。大変ですね。(笑)
徳田
あれをやることで、僕らが市場や競合を理解することもそうなんですけど、お客様と比較表をベースに「競合ってこんな風な訴求してます、こんなスペックです、こういうところがうちの強みですよ」という事がが見えてくる中で、お客様は我々よりも、もっと感度高く(市場における自社と競合の)理解が深まって、こういう状態だったら自分達はこういうこと言えるよねってアイデアが出てきたりするじゃないですか。
そのような「気付き」は結構、面白いなと思うし、この前あったのは、「自分たちは大したもの納品してないんですよ」と言ってて、「どこに納品してるんですか」て聞いたら「NASAです」ってことがあったので、そうゆうノリですよね。
山元
そうですね。はい。
あとは、ウェブサイトを作る際にコンテンツの量ってすごく気になるじゃないですか。
コンテンツの量が多くないと結果的に集客できないんじゃないか、お問い合わせが来ないんじゃないか、という話なんですけど、実際、その問題はあって、僕たちのクライアントさんの競合って、さっき言った通り、フリーザレベルの強い企業が多いのですけど、そこにコンテンツの量ではさすがに勝てないんですね。
資金にも違いがありますし、WEB部門の大きさも違いますし。そこでWEB上で勝っていける要素となるのがコンテンツの質です。
どこまで顧客の課題であったりとか、悩みに訴求できるような質の高いコンテンツを出せるかが重要なのでここまで競合とか、自社分析をしっかりとしています。
徳田
その市場を理解した上で、自分たちの顧客が誰なのかと定義して、彼らの知りたい情報は何なのかっていうのを整理します。
その上で、競合がどんなことを伝えているのかを見て、僕らだったら何を伝えられるか、その精度を上げていくことで、(ボカンだったら)僕達の課題を解決してくれるんじゃないかなって思ってもらうってことですね。
山元
市場調査では、こちらも主に3つに分かれています。
1つ目が、ユーザへのヒアリング、
2つ目が、検査行動の調査です。
3つ目に、業界メディア・掲示板の調査です。
山元
1つ目のユーザへのヒアリングは、例えばネジだったらこういった特殊なシーンでの、この工場でネジを使っていますみたいなことがヒアリングできると、その場面を言語化してウェブサイトに載せていればその類似するお客様に対してかなり強い訴求ができると思うんですね。
(製造業、メーカー様の商材は特殊なシーンで価値を提供する特注品と安定供給、低価格といった理由で選ばれる汎用品がございます。)
徳田
確かにBtoBだと、日本企業の海外進出の場合、価格が購買決定要因というよりは、どちらかというと高付加価値が、購買決定要因っていうケースが多いので、どういうシーンで使われるか、安定性なのか、頑丈なネジが求められているかによって、同じネジでも使われているシーンが違うじゃないですか。
頑丈さとか、安定性、熱伝導が良い、特殊な環境でも大丈夫、といったようにどのシーンで使われるものなのかというのが具体的に見えてくると、そのシーンを訴求したりだとか、そういう風に繋がるので顧客インタビューで(深堀り)できると良いですよね。
山元
そうですね。
徳田
もし海外向けのサイト構築とか展示会とかセミナーがオフラインでできなくなってしまったり、出張もできなくなってしまって、これから海外販路拡大したりとかオンラインで受注を増やしていきたいとなったときに、どうすればいいかわからないときには、山元さんに相談すれば良いですかね。
山元
是非、宜しくお願いします。
徳田
本日はご視聴いただきありがとうございました。
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