対談
Interview
今回のインタビューでは、データを活用したマーケティング分析とデータから落とし込んだロジカルなデザインで課題を解決、販売戦略をデザインするWeb制作会社、株式会社nanocolor 代表取締役 川端康介さんに、顧客視点から考える戦略的LP構築の秘訣についてお話を伺います。
【株式会社nanocolor 代表取締役 川端康介氏】
LPを専門に1000本以上の制作と運用の実績を持つ目標達成するためのクリエイティブを重視する。徳田代表とは仲良しで、共にイベントも行っている。
徳田
こんにちは!世界へボカンの徳田です。
本日は顧客視点から考える戦略的LPの構築についてnanocolorの川端さんにお話を伺いたいと思います。
宜しくお願い致します。
川端
川端です。
徳田
この動画を見ることで顧客視点を持ってLPの構築をどうやってやったらいいかっていうのがわかります。
簡単に自己紹介お願いします。
川端
nanocolorの川端です。LPなどを作ってます。
制作会社の代表取締役です。宜しくお願いします。
徳田
マーケティングの視点を盛り込んだLPの構築ができて、新規だったりとか既存のLPの改善とかをやられてるんですよね?
川端
はい。
主に商品作ってからLP作ってくださいっていうのと、LPがあって代理店さんに広告まわしてるけれども、数字がふるわないな、なんとかしてくださいっていう相談の2パターンが一番多いですね。
徳田
どっちが楽しいですか?
川端
改善です。
徳田
改善!
川端
大手の代理店さんがいっぱいいて、制作会社もいっぱいいて、その中でうちのような制作会社に数字を良くしてくださいという相談を頂くのが1番燃えるじゃないですか。
徳田
すごく自分達を求めてくれる感じがしますよね。
川端
そうなんですよ。
そういった所の作る前と作った後っていうところに、すごい時間をかけてますね。
徳田
どんなことを具体的にやってるんですか?
まず、一番最初に広告データの分析、ヒートマップの分析。
そして、実際にその市場、同成分、同スペックの市場と、同価格帯の市場…上位効果とか下位効果とかいろいろな競合がいるじゃないですか、その辺の市場の中でその商品がどこに当たるのかっていう為のユーザー調査の3つが1番メインですね。
徳田
結構細かくやるんですね。
川端
細かいです。
徳田
そういう結構成果とか出たりするんですか?
川端
結構、仮説がなくて、とにかく数こなすPDCAとか生まれがちじゃないですか。
打ち手が具体的じゃないというか。
そういった場合の数字の低下とか、上がらない場合はバナー一つでCTAがグーンと上がったりとか本当によくありますね。
徳田
めちゃめちゃ凄いじゃないですか。
川端
すごいです。(笑)
徳田
川端さんと言えば、何回かイベントやらせて頂いていて僕は見てるんですけど、心理図で有名ですよね?
川端
心理図で有名ですか?
徳田
有名です。
noteとか。
具体的に顧客の解像度を上げる。
そもそも顧客に紐付いてLPを作るとか、クリエイティブを作るっていう会社さんじゃないですか。
どんなことやったりするんですか?
川端
心理図っていうのはうちが使ってる1番わかりやすいフレームワークみたいな感じですね。
いっぱいレビューとかインタビューとかで声を集めるじゃないですか。
高評価してる人もいれば低評価の人もいて、その後評価した人が「年齢がどうだ」とか「購入前の状況はどうだったのか」、「購入の際に何を期待したのか」で、「購入して体験した結果どういう風に評価したのか」という所のデータをいっぱい集めてきて、その人ってその心理図でいうとどの位置にいたのか、「急遽発生した課題に対して解決を求めたのか」とか、いろんなところに当てはめていくと。
そうすると高評価した人はこの辺の人かな、で、低評価したのはこの人なのかなっていう感じで分かり易くする「図」ですかね。
なんとなく何かに悩んでる人って漠然なものではなくて、おのずとこの商品がどういった人に評価されていて、どう評価されていないのかが見て可視化されます。
その可視化したものから市場の規模であったりとか、代替商品であったりとか、競合であったりとか、上位互換された商品とか、まったく関係ないけども、競合にあたる商品の市場などを調査していき、それらのデータを基にフレームワークに落とし込んでいきます。
この位置の人がこういう風に考えて、何を求めているのかというところをピックアップしていき、クライアントの商品が誰に対して売ると、どういう評価をされてるのかっていうところを仮説設計していきます。
そのための心理図ですね。
徳田
まずは既存製品の場合はレビューが色んな所に溜まっているから、そこを見て実際にどういう人が満足してるのか、してないのかっていうの確認するということですね。
新規の場合は競合製品とか見て、その市場性とか確認したりとかするっていうところで、○○に悩んでる人っていうザックリとした話ではなくて、具体的にどういう悩みがあるのかだったりとか、良くしたいのか、食い止めたいのかっていうのを結構見てるって感じですね。
川端
そうですね。
徳田
”悩み”の話ですけど、ニキビで悩んでいる人ではなくて、もっと深掘りしていくんですよね?
川端
そうですそうです。
直近の課題なのか、ずっと抱いている課題なのか、時々発生する課題なのか、その課題はないがそういった状況が起こらない予防のために使用する人なのかとか、いっぱい、色々あると思います。
どんな商品でもサービスが適用されると思うんですよね。
そういったところから一番マッチングしやすい人を見つけて、そのマッチングした人から横に広げて言った場合、どこまで広げられるのかっていうところですね。
後はそのLPって本当に直近で欲しいと思っている人、欲しいから探してる人とちょうど欲しかったんだっていう人と、今見たときに欲しくなったっていう人と、その辺が購入してくれるじゃないですか。
川端
購入されない人がもちろんいますよね。
その購入されない人たちのいわゆる離脱原因っていうところをヒートマップであったりとかから分析して、ここを改善すればもう少し理解が高まり購入してくれるかもしれないっていう人が少なからずいますので、そこを改善するとボトルネック改善として数値は上がりやすくなります。
で、それ以外のところはこのLPではなかなか取り辛いですので、LP以外の施策が必要っていうことになり、それがそのLP以外で検索した時、接触頻度が色んな所がありますので、それはLP外でしましょうねっていう提案ですね。
徳田
なるほど。
LPを作りましょう、改善しましょうと、何をやるかっていうより、まずはその市場にどういった人がいて、今どういった心理状況なのかって顧客を細分化していくっていう所と、今取れるお客さんと、今このLPで取れないお客さんを取っていた中で、取れるお客さんに関してはその既存サイトを改善して、取れないお客さんに関しては打ち手を考えていきましょうっていうところで、何をやるかっていうよりはどういう状況かっていうところから打ち手を考えていくんですね。
川端
そうですそうです。
徳田
ユーザーインタビューとかもされたりするんですか?
川端
ユーザインタビューもしますし、一番わかりやすいところで、生々しい話なんですけれども…。
こないだ化粧品のLPO(ランディングページ最適化)の相談を受けたんですよ。
どんな商品か僕たち勝手に買ってスタッフで試したんですね。
試したときにこれ化粧水なんですけれどもすごい保湿力が高いっていう噂なんですよ。
結構、売れてる商品なんですけれども使った瞬間にサラサラになるんですよ、比較的短い時間で。
これを浸透したって思う人とすぐ消えちゃったって思う人、この2パターンいると思うんですよ。
元々ずっと濡れてる感じの化粧水を使っている人からすると…
徳田
物足りなくなっちゃう?
川端
はい。
1つの性質に対して様々な見方がある。すぐサラサラになるのが実はこれが浸透なんですよって説明必要な人と必要じゃない人がいる。
ここってどっちに売るほうがいいのって、そもそも事前の仮説がないと分からない。
で、実際に使ってこう思う人もいるし、こう思わない人もいるっていう事実を知って、じゃあ、今のLPはどうなっている、どうすればどっちに売れやすくなるのかっていう順番ですね。
徳田
なるほど。まずユーザーにインタビューもそうですし、その商品を使ってみる。
それに対してその商品の特性からこれってこういう風に思うんじゃないかなっていうのを、LPでたくさん化粧品とか作ってるから肌感としてわかっていて、そこから今のサイトがどうなのかなって、見直すっていう事ですね。
川端
そうですね。
普段から使っている人にちゃんと使用してもらって、感想を色々ピックアップしてしますね。
徳田
なるほど。
僕たちもユーザーインタビューとかして、イタリアに実店舗持ってるお客さんとかだったらイタリアのお客さん集めて、そこでユーザーのレビュー会とかして、「なんで買ってくれたの」とか「どういう風に服に合わせるの」とか聞いたりとか、実際にお客さんの声を聞いてみると、自分たちが想像してたこととは違ったことがあったりとか、懸念点とか…。
この前、「ブレスレットが取れやすいからちょっと心配だわ」とかみたいな話をしてて、「実はここを絞めれば取れにくくなるのよ」みたいな会話があって、それってサイトに載せなきゃいけないんだなって思って。
ユーザの声を聞いてそれをサイトに反映させるって凄く大事ですよね。
川端
そうですよね。
なんかインタビューでもわかりますし、例えばサイトのヒートマップとかを見ていても極地的にここだけよく読まれている。
スクールロールを止めて読まれている部分とそれがコンバージョンにした人としなかった人で分けていくとしなかった人にこの傾向があるってなったときにここがまだ足りていないかもしれない。
じゃあ、何が足りていなかったのかっていう風に連想じゃないですけれども、相手の気持ちを想像する力がまずないと…。
そのデータを見たからといって打ち手が出来るかと言ったらそうじゃないので、ユーザーの生々しい熱量のある声を聞きつつデータを解析して、それをどうやって反映するのかっていうサイクルを生まないと。
データ解析してるだけでは良くないと思います。
徳田
GAとかヒートマップツールを見るだけじゃなくてユーザーの声も聞いてそれを総合してそこからどういった示唆を得られるかとかアクション得られるかっていうところがnanocolorの価値っていうところですね。
川端
そうです。すごいでしょ。(笑)
徳田
(笑)
徳田
調査から戦略立案、LPの制作・運用までワンストップでやられてるっていうことなんですけど、初回購入であったりとかを伸ばすためにはどういうPDCAを回していくんですか?
川端
今うちが提案している多くのものってほとんどその単品通販でもそうなんですけど、いかに初回をガサっと取れるか、そのガサっと取ったうちどれだけの数を継続させるか、の2パターンに分かれているんですよ。
結果それでうまくいった会社さんもいらっしゃるでしょうけどうまくいってない会社さんの方が肌感では多いと思ってます、取れるけども続かないっていう。
川端
どうするのかっていう時に新規をもっと増やすとかもしくはほんとに使ってくれる人を優先的に集めに行くのかどちらかが打ち手としてあります。
僕たちは、長く使ってくれる可能性の高い人たちをいかに獲得していくのかの方が投資しやすいんじゃないのか。(と思っている。)
なので、いわゆるLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の高いユーザーって誰? で、その人が勝手にLTVが高くなるだけわけではないと思いますが例えばその商品が届いて使ってみて「あーこれいいかも」っていう商品力がまずある。
そして使ってみてよかった。そのブランドが気に入った。機能面じゃなくてそうじゃないところでの情緒的な有効度。そしてもちろん効果・効能っていう所の信じられる何かがあってその上で継続って続いていくと思いますのでそれらをセットに全体的なものを見つつ獲得っていう風に落とし込んでいく。
ってなるとLPにしても広告にしても幅広い中のたった1つの領域の話ですので、ここも重要ですしここじゃないところも重要、複合的に考えた上でのっていう風になりますのでいかに新規を効率的に取れるかっていうところはまだまだ改善の余地もあると思うんですよ。
コンバージョンレートが例えば5%であれば95%の伸びしろってまだまだあるっていうことで考えられますけれどもそれはLPだけでいかにグレーなゾーンを狙って獲得できるかっていう話ではないと思います。
徳田
LPを専門としている会社だからこそLPの限界もあるし、4Pでプロダクトの重要性だったりとか、物流だったりとか、顧客体験の中でどういう風に最適化することでLTVを最適化できるかっていう風な視点でアドバイスがされたりするのですか?
川端
そうですね。
それを、じゃあCRMという風に称するのか、もしくはあのバナー、クリエイティブ、あのコピー、あのLPで買ってくれた人たちっていうのは、あそこに期待してこういう体感をしているはずだからこそ、「こういうコミニケーション取りませんか?」っていう企業とユーザーとのコミュニケーションっていう風にに僕たちは考えてるので。
そういう設計まで持っていきたいなと考えていますね。
徳田
なるほど。
事例とかあったりするんですか?
川端
これは、全体的な話では無いかもしれませんが、ユーザーの解像度の深堀りっていう話でいうと、子供用のサプリメントのLPがクライアントからするとすげえだせえ!みたいな。なのできれいにしたいと。(そのような依頼があった。)
大昔のnanocolorでは制作だけやってた時代があるので、「可愛くしましょう!ママってこうですよね!」と、ママが好きそうなビジュアル、色味、フォント、で、文字量を減らしイメージ化したりとか。(を行った。)
そうすると、コンバージョンレート鬼下がりですね。
徳田
過去のnanocolorで?
川端
□はい、めちゃめちゃ下がりました。
そういうのは、自分の商品じゃなくて、我が子の商品であり、我が子に口にするものって事は自分の納得度以外のところの情報摂取も当然しますし、その中で不安を解消するための情報をすごく求めている可能性がありますよね。
そうした場合、テキストをばさっと抜いて、ビジュアル的に見せられてってなったら、そこに対しての不安を解消する信頼性が失われたんじゃないのか、であったりとか。(と推測できます。)
例えば除毛クリームがあったんですけれども、そのLPが長い!短くできないか。(という依頼があった。))
で、結果短くした。すると短くするとコンバージョンレート上がったんですよ。
上がったんですが…、継続月数が下がりました。
いわゆる購入前に必要な情報摂取をせず使用したのでもしかしたら次に購入するっていう決定要因が事前に摂取できていなかった可能性もあると。
これ仮説ですけれどもそういったものを経てちゃんと調べなきゃなぁと。
なんとなくのイメージで作ったら絶対だめだなっていうところを感じて今のように至ったっていう経緯がありますね。
徳田
ママだからこうだろうじゃなくて、ママっていってもいろんなママがいて、いろんな心理状況の方がいて、長く使ってくれるママはどんな方なのかっていうところからLPを作っていったりとかストーリーを作っていくっていうところが大事で必要な情報を摂取してないと、そもそもLTV自体が下がっちゃう。
そういうところの経験を経て、今みたいなすごい感じになったっていう事ですね。
川端
そうですね。(笑)
川端
国によっても文化が違うじゃないですか。
それと一緒で、ママでも同じママっていないじゃないですか、一見、そういう風に同じカテゴライズされている様なママですが、同じ人はいないので。
でも、傾向としてはあると思いますよ。
そこをひとくくりでおしゃれなママとか、簡単な漠然としたものではなくてこういうインサイトがありここに引っかかる、で、ここが不安定、だからこういう情報求めてこれを見た結果こういうコンバージョンしたママという感じで、その人の母数ってどれだけいるのかどこまで広げられるのか。
で、それが目標獲得件数に到達しなかったから別のママにターゲットを増やすしかないというふうに横展開していくと全体でのコンバージョンレート1%じゃなくてこれだけの1%をいっぱい積み重ねていった結果こっちのほうが効率的じゃないかっていうふうに考えている、というのがうちのやり方ですね。
徳田
なるほど、思考停止でPDCAを回さないようにLPのバナーがどうだとかボタンがどうだっていう形で、顧客がどんな方なのか、顧客がどんな心理状況なのかっていうのをちゃんと把握した上でそれにマッチしたクリエイティブだったりとかバナーだったりを作るっていうところのプロセスですね。
川端
はい。
徳田
何をやるかっていうよりはどういう人に対してどういった訴求をしていくのかっていうところが大事なんだっていうのがすごい伝わってきました。
川端
ありがとうございます。
あとは、それをどう評価するのかですね。
徳田
なるほど。
そんなすごいnanocolorの川端さんに、是非、LPのご相談がある際は、ご相談いただければと思います。(笑)
川端
なんで笑ってるんですか?(笑)
徳田
本日は貴重なお時間ありがとうございました。(笑)
川端
(笑)
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