対談
Interview
今回のインタビューでは、英語圏向けリスティングを13年に渡り行い、細かい分析と改善で数多くのプロジェクトで成果を出してきた弊社取締役 加瀬に海外 英語圏向けリスティング広告(Google広告)について詳しく話を聞きます。
この動画では、海外向けGoogle 広告の概要、それを行う際に必要な集客の目的とKPIの設定について、そして、海外向け汁ティング広告の始め方について学ぶことが出来ます。また、コンバージョンが芳しくない場合の対処方法についてもカバーします。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
日本企業の海外WEBマーケティングを支援。
多国籍チームを率いて数多くの実績を残す。
【世界へボカン株式会社 取締役 加藤雅彦】
代表徳田と共に世界へボカン株式会社を設立。
細かい分析と改善で長期的に売り上げを伸ばす。
数多くのプロジェクトで成果をだすベテラン。
徳田
こんにちは!世界へボカンの徳田です。
本日は弊社の取締役で海外向けリスティング広告を13年の(に渡って実務を行ってきた)加瀬にですね、海外向けリスティング広告の Google 広告について話を伺いたいと思います。
よろしくお願いします。
加瀬
よろしくお願いします。
改めまして世界へボカン株式会社の取締役を務めております、加瀬と申します。
本日はよろしくお願いします。
徳田
よろしくお願いします。
加瀬
今、ご紹介の通り海外向けリスティング広告を13年やっておりまして、色々な経験があるので、本日はその経験をベースにお話しさせていただければと思っています。
徳田
調理器具の案件で売り上げが4年で40倍とかリスティング広告、中古車の案件で売上14倍とか結構成果出してるじゃないですか。
加瀬
そうですね、コツコツとやって少しずつ成果を伸ばすことができてるかなと思っています。
徳田
加瀬さんはめちゃめちゃめちゃ成果出してるので、今日のお話がすごく楽しみです。
加瀬さん、今日はどんなお話をして頂けるんですか?
加瀬
全部で三点あります。
まず、1つ目がGoogle広告での海外向け配信。
2点目が集客の目的とKPI。
そして、最後の3つ目が海外向けリスティング広告を始める手順。
この3点を本日お話しできればと思います。
徳田
はい。
加瀬
まずはじめに Google 広告の海外向け配信ですね。
海外向けのリスティング広告っていうところで、どのプラットフォーム・検索エンジンで配信をするかっていうとこなんですけれども、海外向けに関しては Googleのシェアっていうのは非常に高くてですね。
こちらのデータを見ていただくと分かるんですが2020年4月の検索エンジンシェアになりまして、Google がグローバルで90%以上を獲得しているという形になります。2番目が一応Bingの2.79%。3番目が1.87%のYahooですね 。
圧倒的に世界の中でも Google が一番使われてる検索エンジンになるので、基本的にリスティング広告を始めるってなった際に一番初めに使うプラットフォームとしては Google 広告という形になります。
徳田
ほとんど案件としては Google と Facebook とって感じですね。
加瀬
そうですね。
徳田
売れるクエリみたいなのがわかってて、どうしても取りに行きたいってBing使ってる時もあったりすると思うんですけど、ほとんどもうGoogle ですよね。
加瀬
そうですね。
結局、 Googleがこれだけ検索エンジンシェアがあるので、まずは Google 使うっていうのと、やっぱり Google の中でもいろんなアプローチの仕方、いろんな機能があるので、まずはそれをしっかりと使いこなす所がまずは重要かなと思っています。
加瀬
続きまして集客の目的と KPI というところですね。
集客をするという所で、どういう目的があるかという所なんですけれども、我々がお客様からお問い合わせを頂いた際に、『何のために集客するか』を最初に良くお伺いします。
目的をクリアにして、その次に現状がどうなっているかという『現状把握』ですね。
集客をする目的として、問い合わせを増やしたいとか、販売数を増やしたいとかが良く挙げられるものなんですけど、まず、現状がそこに対してどうなっているのか、そこのキャップをお伺いして、まずはクリアにさせて頂きます。
その上でじゃあ、どういう目標を目指しているかっていう所ですね。
例えば、販売数を増やしたいとかっていう点であれば、何件伸ばしたいのかという所ですね。
例えば100件伸ばしたいのか、あるいは200件伸ばしたいのか。
このギャップがあればある程、難易度も上がりますし、どういった目標を目指してるのかをお伺いさせて頂いた上で、どういう戦略を練っていくのかという所を整理させて頂きます。
この辺りがクリアになってくると、具体的に目標達成に向けたシミュレーション作成をしていったり、その目標の間を埋めていく為の細かい KPI の設定を行っていきます。
例えばこんな様なイメージですね。
加瀬
販売数を伸ばしたいという所は具体的な売上目標(ゴール)があったりするので、例えば「売上目標、月間で1000万です」というような形ですね。(上図左列)
その売上目標に対してじゃあ KPI としてはどういったものを設定するかっていう所で、購入件数であったり、実際にどれだけの購入率が必要ですとか、購入の単価ですね。
1購入あたり幾らで売ってるのか、これを上げるっていうことも売上増加につながります。
あとは最初の流入のセッション数を増やしていったり、セッションが多くてもカートのへの到達率というのが低ければカートの到達率を上げるですとか。後はクライアントによってはROAS※であったり、 ROI ※って形で費用対効果を見ていったりしていきます。(上図右列)
※
ROAS(Return On Advertising Spend) 広告費対売上高
ROI(Return On Investment) 投資対売上高
徳田
最初は中々、売り上げ自体が0→1とかだと伸びる会社さんって少ないから、まずその KPI の所でカートへの到達してるかどうかって細かく見たりとか。
結構、海外向けだとすぐに売り上げが立つというイメージは無いですもんね。
加瀬
そうですね。やっぱり最初の内はまず「販売1件作る」という所で非常にハードルが高かったりするので、その1件をまず生み出すために、「前段階のカートへの到達率」であったり、「質の良いセッションをどれだけ増やすか」ですとか、「サイト内での離脱状況」というものをしっかり把握する事が重要になります。
徳田
そうですね。
加瀬
3番目としまして、海外向けリスティング広告を始める手順というところで、こちらですが全部で6つのステップに分けてお話をさせていただきます。
加瀬
まずステップ1の情報整理というところなんですけれども、具体的にお客様に色んなお話をお伺いさせていただくベースとして、我々はこの3C分析というフレームワークをベースにお話を進めさせて頂きます。
3C分析っていうのは顧客と、自社と、競合ですね。
この3つっていうのをいろいろ比較しながら情報整理していくというもので、具体的にはターゲットは誰かっていうところと、どのような競合がいるのか、その競合に対して自社の商品やサービスっていうのはどういう強みを持っているかっていうところですね。
こういったところを整理させていただくようなものになります 。
徳田
結構顧客が誰なのかってわかってないお客さんって多いですよね。
加瀬
そうですね。まずは最初に色々と質問させて頂いて、お客さんが分かっていない様な所っていうのも、一つずつ整理をさせて頂く様な所です。
この中でさらに深掘る部分としては、どういった競合がいるのかっていうところですね。
加瀬
ステップ2の所で、この競合を詳しく把握していきましょうという所になるんですが、この競合調査をしていく中で大きく2つポイントがあります。
まず、どうやって競合を見つけるかっていう所と競合の何を見ていくかっていう所ですね。
どうやって競合を見つけるかという部分なんですが、我々の場合まずはクライアントに聞くというのがあります。
ただクライアントにお伺いしても、どういった競合があるか分からないというような答えがあるケースが多いので、そういった場合には、まずは我々の方でどういったキーワードが想定されるかという所をベースに、そのキーワードに対して、どういった競合が広告を出してるかという所をリサーチさせて頂きます。
そこから競合をピックアップさせていただくっていう方法を取ったり、あるいは競合調査ツールっていう物があるので、その競合調査ツールを使うと、こういった競合がありますよっていうところもサジェストしてくれたりするので、リストアップさせて頂いて、クライアントに共有させていただくという流れになります。
徳田
Ahrefsとか、SimilarWebとかですか?
加瀬
そうですね、その辺りを使っていきます。
徳田
なるほど
加瀬
競合がリストアップできたら、じゃあ競合の何を見ていくかっていうところなんですけれども、結構見るポイントは色々あって。
まずは基本のアクセスデータですね。競合サイトっていうのはどれぐらいのトラフィックを獲得しているのかっていうところを見ていったり、どういったチャンネルからの流入があるのかっていうところですね。
サイトの特徴であったり、サイトの UI/ UX っていう部分も見ていきます。
どういった商品を取り扱ってるかですとか、商品の取り扱い数、商品カテゴリ、商品ブランドっていうものを見ていき、あとはサービスの特徴っていう所で、単純に商品だけの強みではなくて、そのサイトとして何か特徴的なサービスを出しているか等。。。
よくあるのは送料無料であったりとか、30日間無料の返品保証をしますよとか、そういった特徴を出してるものがあったりするので。
徳田
なるほど。
加瀬
そういったものを見ていったり、あとは流入策としてソーシャルメディアアカウントをしっかりと運用している競合もいたりするので、そういったアカウントをチェックしたり。
後は広告のクリエイティブをしっかり見ていくっていうのもやっていきます。
さらに実際にそのサイトを使っているユーザーですね。
どういったユーザーさんがいて、何でそのサイトを使っているのかという所も把握する為に、ユーザーレビューをチェックさせて頂いて、そのサイトがどういう理由で使われているのか、どういう風に顧客満足度を得てるのかっていう所も見させていただきます 。
徳田
ソーシャルメディアのアカウントを見ると、特に高級商材の場合、どれだけソーシャルでその会社やお店がレビューされてるか、メンションされてるかというのが結構、顧客の購買決定要因になったりしますからね。
加瀬
そうですね。
なので、ここら辺は結構見ると面白いですし、ユーザーがどういった理由でサイトを気に入ってるかっていう所も結構、見えてきたりするので。
逆にそういった部分をクライアントのサイトに活かしていくという部分もご提案出来たりします。
徳田
ユーザーレビューも競合のどういった所に顧客は価値を感じてるのかという所も分かりますし、自分たちがそういった事を実現出来るかという点も精査出来るので、結構見てない人多いですけど、大事ですよね。
加瀬
そうですね、このあたりはすごい重要かなって思っていて。
これを逆にしっかりと整理する事で、その競合と比較して、どういったところが足りてないかですとか、逆に競合と違う自社の強みっていう所がクリアになってくると思ってます。
なので、競合調査をする事によってその競合がどういう強みを持ってやってるかっていう所と、競合がどういった基準を持ってやっているかが分かるので、自社として用意すべき機能であったり、サービスの基準という所を分かる事が出来ます。
加瀬
3つ目がキャンペーン構成を練るというところですね。
キャンペーンを考えるっていうのは、なかなか難しいことなんですけれども、基本的な軸として大きく2つ、考えていくといいのかなと思っています。
まず1つ目がこの商品サービスっていうのは、誰に対してどのように売っていくかっていうところですね、売り手側の視点というところと、2つ目が逆の視点で、誰がどのような場面で何を検索するかっていうところの買い手側の視点ですね。
これをベースにキャンペーン構成を練っていくといいのかなと思っていて、どっちか片方だけだと片方だけの視点になってしまうので足りない部分が出てくるのかなと思うんですけども、両方の視点を入れることによって、漏れなく考えることができるかなと思っています。
徳田
複数の国にまたがって広告を配信する時に、どういうキャンペーン構成にするかとか、配信方法も色々あるので、キャンペーンが多すぎると困るじゃないですか 。
そこらへんの構成のバランスとか、実際運用できる割合というのも変わってくると思うので、このへんの構成も難しいですよね。
加瀬
そうですね、構成を考えるのっていうのは時間を使う所かなと思っていて。
色々な方面から考えていくっていう所で、1回洗い出していってマージ出来るキャンペーンとかをどんどん1つのものにしていって、なるべくシンプルな構成にしていくというのが基準であるかなと思ってます。
徳田
なるほど。
アジアとかヨーロッパとかアメリカとか複数の国に配信する時に、1つ1つの国でキャンペーンを分けるのか、エリアで分けるのか、全世界で配信するのかは、どういう風に考えてるんですか?
加瀬
実は一概にこうだよという答えはないと思っていて…。
基本的にはクライアントの規模とか、扱う商材数とか、予算とかって所によって変わってくるかなと思いますね。
徳田
なるほど
加瀬
ただ最初の段階では、ある程度アジアとか、例えば北米とかヨーロッパって形でまとめてしまった方がいいかなと思っていて、そこで運用していく中で分けるべきかどうかというのを検討していく流れになるかと思います。
徳田
薄く、(広く)世界中に顧客がいる案件なのか、ひとつの国にたくさん顧客がいる案件なのかによって変わってきますよね。
加瀬
そうですね、その国のボリュームとかっていうのもあるので、基本的にキャンペーンを分けるとデータが分散されてしまうのであまり良くはないという所なんですけども、1つの国で十分にデータが取れるようであれば、やっぱり分けるべきですし。
後はクライアントによって国ごとに予算分けたいとか、結構、要望が違ったりするので、その辺りは色々考えながら分けるべきかどうかというのは検討する流れになります。
徳田
なるほど。
予算であったりとか、どれぐらいデータが取得できるかで加瀬さんが考えてキャンペーンを作るってことですね
加瀬
そうですね。
なので、クライアントによって分けたり分けなかったりっていうのは変わってくるので、さっき言った通り一概には言えないってことですね。
徳田
わかりました。
加瀬
話を戻すと、キャンペーン構成を練るっていうところでこの2つの軸から考えればいいのかなと思っておりまして。
まずは誰に何をどのように売るのかっていうところの軸で見ていった時に、基本的には商品とかランディングページっていうところを軸にキャンペーン構成を考えていく形になるかなと思います。
例えば商品の中でもいくつかのカテゴリっていうのに分かれてきたりするので、ブランドっていうカテゴリであったり、モデルっていうカテゴリであったり。そういったものによって分けていったりですとか、もちろんランディングページっていうのは変わってくるので、ランディングページごとにキャンペーンとかグループっていうの考えていくっていうのがまず売り手側の軸になってくるかなと思います。
逆に買い手側の軸で考えていくと、どういった悩みを持っているのかとか欲求を持っているのかっていうところですね。ターゲットが抱える課題であったりとか、要望というものに対してキャンペーンを整理していくというものですとか、あるいはターゲットのシーン・場面・バックグランドに応じてキャンペーンを考えていくことも一方であるのかなと思っています。
徳田
なるほど。
加瀬
キャンペーン構成を作る事が出来たら、次は広告訴求を考えるという所なのですけれども、私の方で考える”広告作成の心得”みたいなものがあって、大きく4つを基本として広告を考えるということをやっています。
加瀬
これって、基本的に『ユーザー目線』という所が非常に重要になっていて、ユーザー目線になって考える事によって、実際にそのユーザーが広告を見た時にクリックしたいかどうかという所ですね。
ユーザーがどういう状況で、なぜその検索をしているかという所を一生懸命、考える事によって、この広告文であればユーザーがクリックしたいと思うかも?という観点で質の高い広告になってくるかなと思いますね。
徳田
なるほど。
さっきの競合調査でレビューを見たりとか、キーワードとか競合の広告文とか見たりして、こういう事に悩んでるんだというインサイトの様な物を理解して、自分たちのクライアントの、勝てる訴求の軸で広告文を作るみたいな感じですよね。
加瀬
そうですね。
僕自身、英語ネイティブではないので広告文を作る訳ではないのですが、外国人スタッフに制作を依頼する時に、『まずはこういう訴求だよね』というのを僕の方で整理して考えます。
その時によく行うのは、実際にユーザーが検索するだろうというキーワードを幾つかピックアップして、実際にそのキーワードで検索をしてみて、どの様な広告が出てくるのかっていうところを見て…。
さっきの競合調査の部分ともかぶるんですけれども…競合が出している広告文を見たりして、「あっこの広告だったらちょっとクリックしたいと思うかも?」という様な想像をちょっと膨らませながら、その時に「どの様な訴求が入っていたらクリックしやすいのかな?」という事を冷静に整理していって…。
それを外国人スタッフに依頼をして、こういう訴求で作ってくれというような形で作ってもらいますね。
徳田
なるほど。プレビュー表示とかで海外の検索結果を見てみるんですね。
加瀬
そうですね。これを繰り返すっていうのが非常に重要かなと思っています。
徳田
時期に応じて訴求も変わってきたりしますもんね。
加瀬
そうですね。
「例えばこんな感じで広告が表示されますよ」という例なのですけれども、これは例えばアメリカで “Japanese skincare products” という風に検索した時の検索結果ですね。
加瀬
コスメ系に関しては、『ショッピングキャンペーン』ですね。
キーワードに応じて、それに関連する商品が画像付きで表示される物なんですが、「ショッピングキャンペーンを使ってる広告が多いなあ」ですとか。
後はその下に、テキスト広告というのが表示されるんですけれども、「このキーワードを検索した時には、この様な広告が出るんだな」という事をまず見ていきながら、広告の訴求を考えていくという事ですね。
徳田
購入キーワードで、ここの競合に勝たなきゃいけないんですもんね。
加瀬
そうですね。
徳田
メーカーだったら、他社よりもこのショッピング広告の方が安かったりとか、何かしらここから買うメリットみたいな物を訴求しなければならないですし、個々の検索結果を見て考えないと厳しいですよね。
加瀬
そうですね。
実際に、「どういう風に表示されるんだろう?」という所をきちんと把握して作らないと、『この中で勝っていく広告』が何なのかという所は見え辛くなってくるかなと思います。
加瀬
ステップ5が Google 広告アカウントの設定なんですけれども、基本的に Google 広告のアカウント設定って、日本国内でも海外向けであっても特に大きく変わるところはありません。
重要なのはちゃんと設定をするという所ですね。
なので、ここに挙げさせて頂いたタグの設置ですとか、リマーケティング広告を出すためのオーディエンスの設定であったり、あとは GAとしっかりと連携することによって、GA※側でもデータを見れるように設定をしっかりと行うことが重要になってきます。
※GA Google Analytics
徳田
どこまで訪れたのかという所ですよね。
加瀬
そうですね。
リマーケティング のオーディエンスっていう所も、単純にサイトを訪れたユーザーだけを追跡するのではなくて。
例えば、『アドトゥカートページ』まで行った人とか、場合によっては『プロダクトページ』を見た人とかという形で細かく分けることによって、リーチ出来るユーザーという物を変えてパフォーマンスを見ていく事も出来ます。
徳田
なるほど。
加瀬
続いて最後ステップ6が運用後のデータを見るという所なんですが、運用を開始してから結構頻繁にデイリーで数値を見ながらパフォーマンスがどうかというのをチェックしていくんですけれども 、運用開始後に起こる要注意な事象という物が幾つかあるなと思っています。
徳田
なるほど?
加瀬
例えばこういう形なんですが、想定の CPC と大きくずれがあるというところですね。(上図1)
先ほどシミュレーションを最初に出させて頂いたのですけれども、もちろん Google のキーワードツールとかを使って CPC を出したりするのですが、実際に出してみて、結構、想定より違うという事があったりします。
これはもちろん、ターゲットであったりとか、入札の仕方であったりとか、色々な状況に応じて変わってきたりするので、逆にシミュレーションとほぼ同じ結果で、全く問題なく出るという事の方が少ないと思っています。
想定の CPC と違うという事がケースとしてよくあるので、それは必ず運用開始後にデータを見ながら、想定よりも CPC が高いのであれば入札を低めに設定するという形で調整していく形になります。
2つ目が露出が非常に少なくコストを全く消化していないということで、これは逆に例えば入札単価が非常に低すぎたとかですね。
ターゲットオーディエンスが思ったより少ないとか、キーワードのボリュームが思ったより少なかったという事があります。
これもデータを見ればすぐに分かるので、ちょっとキーワードを追加しようとか CPC を上げようという形で対応出来ると思います。
※CPC(Cost Per Click)
ユーザーが1クリック毎にかかる費用。
徳田
結構これ、 B2B のマーケティング等をやった時って、海外だとクエリが少ない事とかありますよね、型番だけだったりとか。
加瀬
そうですね。
徳田
「マイクロコンバージョン設定しないと、そもそもコンバージョン取れないよね」とか、「サーチだけだと中々コンバージョン取れなくてディスプレイも配信しなきゃいけないよね」という、そのバランスが結構難しいですね。
※マイクロコンバージョン
コンバージョン(成約)に到達する前にある過程を中間のコンバージョンと定義したもの。例えば、カートボタンを押される前に、任意のページに到達した、入力欄をタップした等。
加瀬
そうですね。
結構、ここは最初「あれ思ったより出ないな」という事があるので、その後すぐに対応すれば良いのかなと思います。
徳田
はい。
加瀬
3つ目がディスプレイ広告の露出が非常に多くて検索が非常に少ないという事です。
これも結構、ありがちなケースですね。
ディスプレイでものすごい予算を使っていて、検索が非常に少ない、でも全体の数値で見るとクリックとかセッションとか取れてたりする(場合がある)ので、ちゃんと Google 広告のデータ見てみないと気づかなかったりするケースですね。
4つ目が配信国に大きな偏りがあるという事例で、これは1つのキャンペーンで複数の国に出している場合に、どうしてもボリュームの多い国に寄りがちだったりとか、そういうケースがあるので、これも複数の国に1つのキャンペーンを出す場合は要注意な点ですね。
徳田
インドとか結構要注意ですね、人口も多いし。
加瀬
そうですね、どの国で出すかって言うので、一番危険なのは、「とりあえず国はもう、分からないので世界中に出しましょう」みたいなケースとか。
あんまり無いですけど、昔のクライアントとかでは、たまにあったりしたかなっていう感じですね。
とにかく分からないので一回出しますかみたいな感じで出したら、さっき言われた通りインドとか、バングラデシュとか、変な国にすごい出ちゃうとか。
特にディスプレイのケースがそういうのが多いんですけど、検索だとそんなに変な国に出ちゃうっていうことは、やっぱり検索ベースだとないんですけど、ディスプレイの場合だと結構そういうことはありますね。
想定してない国にものすごい露出が出ちゃってるとか、この辺りは結構要注意ですね。
徳田
なるほど。
加瀬
最後が、「部分一致キーワードで余計なクエリを拾っている」ですね。
これも良くあるケースで、部分一致で設定するという事は全然問題ないのですが、特に色々な国に対して部分一致キーワードを設置した場合に、結構変なキーワード拾っちゃう事があるので、これも配信し始めたらすぐに、まずはクエリをチェックして、部分一致キーワードで変なキーワードを拾っていないかを必ず確認するという作業を行ってください。
徳田
これはひたすらネイティブの視点で、これがコンバージョンにつながるクエリなのか、そうじゃないのかっていうの精査して除外していかなきゃいけないって事ですね。
加瀬
そうですね
徳田
ここが大変ですよね。
加瀬
そうですね、
最初の内は結構、細かくチェックしなければいけないんのですが、重要な作業ですし、クエリを見ると結構いろんな事が分かったりするので。
逆に新しいキーワードが見えてきたりする事もあるので、クエリは頻繁にチェックして頂いた方が良いですね。
加瀬
さらにコンバージョンが芳しくない場合の対処方法というところなんですけれども、こういったところが挙げられます。
加瀬
まずはクエリを見てキーワードを除外する・追加するという所で、こちらに関しては、先ほどもちょっとご説明させて頂いたのですが、クエリを見て変なキーワードを出ていないかとかですね。
逆に良さそうなキーワードは、どんどん追加していく事で、質の高いユーザーを集客していく事が出来る1つ目の対処方法です。
2つ目がコンバージョンが少ないケースで、『購入』というのが最初、ハードルが高かったりするので、その場合はマイクロコンバージョンを設置して、コンバージョンデータを Google 広告の方になるべくデータとして入れて、最適化しやすくするという方法ですね。
マイクロコンバージョンに関しては『 アドトゥカート』であったり、場合によっては商品詳細ページに設置するとか、要(かなめ)となるページにコンバージョンタグを置いて、マイクロコンバージョンする事で数を増やすことが出来ると思います。
最近だと、GAの方で『スマートゴール』という物が設置出来る様になっているので。
『スマートゴール』というのは、GAの方で見込みの高いユーザーのセッションをコンバージョンとしてカウントするという方法ですね。
見込みの高いユーザーが来たという事をひとつ、コンバージョンとしてデータとして取り込むことが出来るので、それがどんどん蓄積されていく事によって質の高いユーザーっていうのを集客しやすくなると。
それが最終的に購入という所に繋がっていくという形になります。
※スマートゴール
アクセス解析データを分析し、Google広告のコンバージョンを予測してくれる機能。
徳田
はい。
加瀬
3点目がオークション分析機能を使って、どの様な競合がいるか分析するという所なんですけれども。
Google 広告の機能の1つで『オークション分析』という物があって、実際に出稿しているキーワードに対して、どういった競合が広告を出しているのか見ることができます。
これによって、実際に出稿しているキーワードに対して同じ様に広告を出している競合を知ることが出来て、その競合と、どれぐらいキーワードの被りがあるかとか、自社よりもインプレッションの割合が多いかという事を見ることも出来ます。
更に競合がどういった競合かという事をもう一度、改めてチェックする事によって、競合との違いが何なのかという所が整理できます。
例えば、広告文を変えるであったりとか、もしかしたら価格で負けてしまっているという事があるかも知れないので、価格を見直すとかですね、商品を見直すとかそういう事が出来るかなと思います。
徳田
複数の国に…例えば、アメリカとヨーロッパで競合って違うじゃないですか。
そこで見えたりするのかなって思って。
加瀬
そうですね…。
キャンペーン単位なので、キャンペーンで国を分けては見れるんですけども、分けてないと見れないですね、一緒になっちゃいますね。
徳田
そうすると分析の仕方を想定したキャンペーンの構成を考える必要があるって事ですね。
加瀬
そうですね。
徳田
わかりました。
加瀬
4つ目がランディングページを見直すという所です。
サイトへ流入していても、コンバージョンしないというケースだと、どこかで離脱してしまってる事があるのですが、そもそもランディングページの問題だったりするケースもあります。
なので、そのランディングページを見直すという所で、例えばGAのデータを見てどの様な理由で離脱しているのかを見たり…弊社の場合だとよく行うのはヒートマップツールを入れて、そのページ内でどこで離脱しているかとか、どこがクリックされてる・されてないという所を見て、その離脱の理由を考える事をしたりします。
ランディングページが適切でなければ、改善すべきポイントを整理して、改善を実施するという事ですね。
加瀬
全体のお話した事をまとめますと、まず目指す具体的なゴールと KPI を設定します。
その後に具体的に3C分析を軸に情報整理を行って、その中でも特に競合をしっかりと調査する事によって、自社の USPを洗い出して、どういった所を強みとして打ち出していくべきか、しっかりと整理していきます。
その次にキャンペーン構成を考えるにあたって、売り手、買い手の両面から考えることによって漏れのないような形で構成を考えていきます。
次に広告のクリエイティブを考えていくんですけれども、やはりターゲット・ユーザーがどういった形で検索をするのかという所をターゲット目線でしっかりと広告クリエイティブを考えていくと。
運用開始後はしっかりとしたデータのチェックであったりとかクリックのアクションを考えて対応していくという流れになります。
徳田
Google 広告なので管理画面自体は国内と一緒だけど、国だったり、お客様の予算感だったり、色々な要素でキャンペーンの構成を考えたりとか、そもそもターゲットする国が海外だから海外の検索結果だったり競合を見て、どういう訴求だったりとかキーワードを出していくのかっていう事を考えなければいけないという所が結構、違いますね。
加瀬
そうですね。
やっぱり、海外の競合はどういった所が存在するのかという事と、その競合がどの様な広告を出しているのかをしっかりとチェックするという部分ですね。
後は国ごとにそれは変わってくるという事もありますし、それに応じて、どの様なキャンペーン構成を考えていくかという所も重要になってきます。
徳田
なるほど。
もう、13年も海外向けのリスティングをやってるから、細かく毎日毎日やっていて、加瀬さんって長い期間かけて売り上げをぐーって、伸ばしていくじゃないですか。
加瀬
そうですね、結構細かくやっていって少しずつ変えて結果を見ていきながら、じゃあ何が悪かったかというのを分析して、新しい施策をやって…という形ですね。
(いきなり)爆発的に効果が出るという事はあまり無くて、結構、地道な作業が多いかなと思います。
徳田
調理器具のお客さんとかも4年で40倍とか、中古車のお客さんも何年もやって売上14倍とかになってるじゃないですか。
それだけ何年もかけて細くチューニングし続ける事ってあるんだなという事を端から見てて思います。
加瀬
結構やること多いですし、 Google自体も新しい機能であったり、広告タイプというのが出てくるので、広告の配信自体もどんどん変わっていますし。
そういう意味ではユーザーの行動自体もどんどん変わっているので、やるべき施策であったり、スタイルも変わってきたりするので、それを如何にキャッチアップするのかという所があるのかなって思います。
徳田
なるほど、わかりました。
加瀬
最後、コラムを更新してるので、「海外向けリスティング広告 ボカンコラム」と検索すると、海外向けリスティング広告のコラムが出てきますので、最新の記事は今話したような「 Google での海外向けリスティング広告の始め方」というものですとか、後は「海外向けリスティング広告で役立つおすすめツール6選」等という形でコラムを書いてますので、是非、見てもらえればと思います。
徳田
概要欄にリンクを送っておきます。
加瀬
ありがとうございます。
徳田
本日は弊社の取締役の加瀬による海外向けリスティング広告に関するお話でした。
お時間いただきありがとうございました。
加瀬
ありがとうございました。
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