対談
Interview
今回のインタビューでは、【前編】【後編】に分けて、生産財・建材業界専門のWebマーケティングを提供する株式会社コスモブレインズ マーケティングコンサルタントの宮本栄治さんに、特に製造業、建材メーカー様のサイトの適切な構築法について伺います。
【株式会社コスモブレインズ 取締役Webマーケティングコンサルタント 宮本 栄治氏 略歴】
1990年より株式会社コスモ・リバティ社で生産財情報誌の広告営業に携わりその後20年以上、生産財マーケティングの仕事に従事し、3,000社以上を訪問する。2000年 ボードコンピュータ専門雑誌「ボードコンピュータガイド」を企画創刊。2001年 光通信と無線応用技術の専門誌「MPP」を企画創刊。2008年より製造業専門のネットコンサルタントへ転身。生産財メーカーのWebサイト診断を300サイト以上で実施し、リスティング広告、アクセス解析からサイト改善に至るコンサルティングに定評がある。2011年 生産財の購入プロセス「TiiiCAモデル」を提唱。現在に至る。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。年商35億→500億に売上を伸ばす等、数多くの実績を残す。Shopifyマーケティングエキスパート。
徳田
こんにちは!世界へボカンの徳田です!
本日は製造業で生産材、建材メーカー様に特化した制作やマーケティングを行っているコスモブレインズの宮本さんにお話を伺いたいと思います。
宜しくお願いします。
宮本
宜しくお願いします。
徳田
この動画を見る事で製造業、建材メーカー様がどの様にサイトを制作していくべきかがわかります。
すみません、簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?
宮本
私は生産財と建材業界に特化してWEBマーケティングを提供しているコスモブレインズの宮本と申します。
なぜ生産財、建材に特化してるかというと、元々、生産財情報誌と建材情報誌を出している出版社出身でございまして、そういった中で、かれこれ出版社時代から含めると約30年、この業界にお世話になってたものですから、業界知識をフルに活かしたコンサルティングをしようという事で、WEB制作・集客・解析という3つの大きな柱をサービスさせて頂いています。
徳田
この業界に30年というと、普通の制作会社さんと比べて非常に知識のレベルが違うなと思いますし、ブログも何年もずっと書かれていて、知識量がすごいなと思います。
宮本
ありがとうございます。
徳田
そんな宮本さんに製造業、メーカー様のサイト制作のコツを伺いたいと思うのですけど、実際に作っていくにあたって、どのようなポイントに気を付けてコミュニケーションをしていくのでしょうか?
宮本
製造業に携わる会社様って、良いものを作ってるけど自分達の良さをあまり自覚されていないとか、アピール苦手な方が多いのですね。
そういった方の持ってる良さを引き出す為に、コミュニケーションを円滑にする所に凄くこだわってまして。
特に中小メーカー様だとWEB担当者が兼務、マーケティングの知識とかネットの技術的な事とか、あまりお得意でない方が多いので極力、マーケティング用語とかネット業界でよく使う言葉を使わずに、マーケティングの肝の部分を、モノづくりの現場でよく使われてる様な言葉に翻訳してコミュニケーションを取るような活動をしています。
徳田
彼らの言葉でコミュニケーションする事で、より円滑に進んだりとか、そもそも、ただ原稿を頂いて作るんじゃなくて、お客様の良さを引き出す為の『ヒアリングする中でのコミュニケーション』が大事なんですね?
宮本
そうですね。
宮本
サイト制作していると『情報設計が大事だよ』等とよく言うと思うんですけども。
そういう事を言いたい場合は、例えば工場の中で『5S活動』って非常にメジャーな活動があるのですけども…『整理・整頓・清掃・清潔・躾』っていう5つの活動ですが、これを例えに話すと相手がすごく分かってくれる、理解が早いというか。
工場の中で置いてる工具とか備品をすごく綺麗に片付けて、1つ1つに色分けをして、ドライバー関係は例えばオレンジ系の色だよとか、こういったのは赤系統の色だよとか、誰が使ってもすぐ綺麗に元の場所に戻す。
だから次の人が物を探す時間がかからない。
材料を取りに行く距離が最短になるように、無駄な物の移動というのは無駄なコストが発生するんで導線をめちゃくちゃ良くするんですね、あの方達は。
そういうお話はウェブサイトの情報設計と同じじゃないですか。
コンテンツを整理整頓して、誰が見ても簡単に必要な情報が取り出せる、それも最短距離で、みたいな事を言うのに『5S活動』という言葉で例えると、相手の理解がもの凄く早くなったりします。
宮本
この業界(WEB制作)だと「ファーストビュー大事ですよ」と良く言うと思うのですけど、『ファーストビュー』と言っても中々通じないんで、その場合は3mぐらい離れてもパッと見えないといけない、工場の中の『管理版』に例えます。
「今日の生産計画が何台で、今、その内の80%を作ってる」とか、「これはどこのラインで作っていて、どこのトラックで、どこのクライアントに送るものだよ」みたいな物が、現場の作業員の方が誰でも分かるような状態でないといけない。
「ホームページも一緒ですよ、パッと最初に見たTOPページで何が書いてるか、はっきり分からないと使えないですよね?」みたいな事を言うと、より理解力が上がる。
IT業界の人ってとっつきにくいみたいな先入観を持ちの方もいるので、IT系の言葉を使わない事で心を開いてもらって、早く彼らの持つ良さが引き出せるんですね。
徳田
ああ、なるほど、確かに。
宮本
結構、これは大きいんじゃないかなと思っています。
徳田
そうですよね、彼らは自分達の良さという所が・・・素晴らしい事をやってるのに、中々それを他社と比較して素晴らしいとか強いっていう所を、あまり知らなかったりという事もありますし。
WEBサイトを見てどこを改善すべきかっていう所は、WEBのプロでないと分からないので、そうやって引き出してあげて、宮本さんが設計しているんですね。
宮本
製造業で10年以上キャリアを積まれてる企業様って、ものすごく光るものをお持ちなんですね。
購入される方は、エンジニアであったり、資材購買の担当者だったり、プロ中のプロが比較検討した中で選ばれてる訳ですから、素晴らしいものを持ってるのですが、自分達の素晴らしさを普通の事だと思っているから、表現出来ない。
それを第三者として、例えば工場見学させて頂く中で、普通の工場より綺麗だなとか、守秘義務に配慮したレイアウトをされてるなとか、検品の仕方が丁寧だなとか、資材の保管でも湿度まで管理されて、もの凄くきめ細やかに品質管理されてるなというのが、やってる方は「それ普通でしょっ」て言われるケースが結構多くて。
それはユーザーの立場からするともの凄く安心感がありますよとか、全く製造業を知らないと中々そういうフィードバックは難しいと思うんですけど。
もともと出版社で3000社以上、取材であったりお邪魔させて頂いてきたので、その知識や現場感がフィードバックできるのが強みじゃないかなと思いますね。
徳田
確かに3,000社以上見ている人が、「御社の会社、ここが良いと思いますよ」と言ってくれたら、確かに「そうなのかな?」って思いますよね。
我々も海外向けとして製造業やメーカー様を支援させて頂く中で、本当におっしゃる通りで「自分たちの良さ」だったりとか「自分達がやってる事が凄い」という事が分かっていないというか、気付いてない方が多いので。
「あんまり凄い所に納品してないですよ」と言いながら実際、NASAとか、宇宙船や飛行機に使われているみたいな事があって、飛行機って、めちゃめちゃ検査が厳しいじゃないですか。
「それ、めちゃめちゃ凄いですよ、世界でも有数の技術力じゃないですか!」と言って、推し出していくとか。
やっぱり、日本企業の製造業様とか、コストコンシャスな海外のお客様を相手にするよりは、高付加価値な所で戦わなければいけないので、どういうシーンで選ばれてるかっていうのを、それをもっとサイト上で伝えましょうよという事例が沢山あったりしますよね。
本当におっしゃる通り、安心出来る部分であったりとか、良さを引き出すっていう所が、製造業のメーカー様のサイトを構築する上で凄く重要なポイントでありますね。
徳田
ちなみに注意点というか、製造業様のサイト特有の問題点や課題はありますか?
宮本
そうですね、一番大きなポイントはアクセスが少ない事によって、BtoCの業界で使われてる改善の手法とか、分析の手法が通用しない場面が多いという事が一番難しいと思っております。
例えばなんですけれども、アクセス解析のセオリーでいうと、データを細分化する事によって分析するのが一般的には王道だと思うんですけども。
新規ユーザーとリピーターで分けるとか、流入元のメディア毎に分けるとか、そういった分析をしてくのが基本的な考えですが、製造業のサイトでそれを教科書通りやってしまうと、データが無くなってしまうんですね。
むしろデータを統合するっていう視点であるとか、データを使う前に『印象』ですね、見た目、人が感じる印象から仮説を導き出していくような、そういったノウハウが要ると言うんでしょうか。
そこが少し違うかなっていう気がしますね。
徳田
toCだと1万とか5万とかアクセスがあるものが、toBだと1000とか3000とかそういうレベル感ですよね?
宮本
そうですね。
なのでスパンを長く取るとか、アクセスも1年ベースとか、場合によっては3年とか5年ベースとか、そういった視点でまとめあげていくとか、そういう視点も必要ですし。
あとは私どもがすごく重視してるのは、弊社にしか出来ないと思っているんですけど、私どもがお付き合いしてる生産材のメーカー様のデータを全部蓄積させて頂いてるので、そのデータとの比較が出来ます。
それによって精度の高い仮説が出せる。
場合によっては、同じ様なABテストを複数のクライアントに同時に走らせて、こういうやり方の方がどうも20%ぐらい精度が高いねとか、そういう知見を持ってますので、そこのデータをまとめる力というんでしょうか、統合する所は結構重要じゃないかなと思います。
徳田
宮本さんの頭の中もそうですし、コスモブレインズさんの中でこういった事業だと、このぐらいのアクセスでこのぐらいの問合せ率、このぐらいの成約率という基準値があるんですね?
宮本
そうですね、はい。
徳田
その基準値を元に、今、クライアントのサイトがその基準を満たしてるのか改善の余地があるのかを見ていったりとか、そもそも成功失敗事例がたくさんある中で、ここの動きを多分こういう風にしたいんだろうなというものが保管されて、イメージが湧く、仮説が立てられるという事ですね。
宮本
例えば、売上規模別とか、メーカーなのか、輸入商社なのかだとか、そういったもので経験値もあるし、バックデータも持ってますので。
そういったものと比較をして、御社だと同じぐらいの規模のメーカー様と比べてアクセス数が何%ぐらい少ないんで、十二分に伸ばせる可能性がありますと。
更にメイン商材に関連性の深いキーワードで検索のボリュームがどれくらいあるんで、それぐらいある場合には、私どもの経験値だと、これぐらいのアクセスは取れると思いますと言えるので。
疑心暗鬼になったり、不安の中で新しいことに挑戦するというのは非常に難しくなるので、そこの安心感が大きいのだと思います。
徳田
いや、大きいですよね。
僕が工場を経営していたら絶対お願いしたいと思います。
我々が海外を調査する時は、海外の競合と戦っていかなければいけないので、イスラエルの競合調査ツールでSimilarWebというツールを使用します。
そこで各競合がどのくらいアクセスを獲得しているかとか・・・どういうチャネルか、ですね、自然検索なのか、広告なのか、ソーシャルなのか、ダイレクトなのかみたいな感じで、どこから流入を獲得しているのかを見て、その業界の基準みたいなものを見るんですね。
その後に各サイトの中身を見ていって、「どういう単位で発注が可能なのか」だったり、「どういったスペックの製品を提供してるのか」について、全部比較表を作ったりします。
それでようやく、「このポジションだったら勝てますね」とか「価格は高いけど小ロットでいけるから、こういうシーンのお客様だったら選んでいただけそうですね」っていう事を仮説を立ててやって、海外営業担当者様に受注要因と失注要因ひたすらヒアリングして、彼らが上手くいった時のケースのセールストークとか資料を見させて頂いて、それをサイトに盛り込むという事をやらせて頂いていて。
一回一回、しっかり調査して戦略立案して実行するっていう所で、海外進出のフレームワークとか知見とかはあるんですけど、宮本さんみたいに業界毎にこんな基準値だろうなとか、そこまで細かくないので、そこはめちゃめちゃ強いなと思いました。
宮本
ありがとうございます。
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