対談
Interview
この動画を見ることで日本とアメリカの違い、アメリカの今が分かります。
【越境マーケター Yasuko氏 略歴】
外資系製薬会社に勤務後サンフランシスコで活躍。
マーケティングスペシャリストとして経験を重ね、アメリカのトレンドやマーケットについて情報を発信中。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 代表 徳田祐希(以下 徳田)
こんにちは!世界ボカンの徳田です。
本日は日米越境マーケターのYasukoさんに日本とアメリカの違いについてお話を伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします。
越境マーケター Yasuko氏(以下 Yasuko氏)
よろしくお願いします。
徳田
簡単に自己紹介お願いできますか?
Yasuko氏
改めまして勝間田 靖子と申します。
私は先ほどご紹介いただいた通り、日米の越境マーケティングをやっています。
アメリカでマーケティングをしてきましたが、その前は普通に日本生まれ日本育ちで、大学も日本で卒業し新卒では製薬会社に勤めておりました。
その後会社を辞めて渡米し、アメリカの大学院でマーケティングの修士号を取りました。
卒業してからはアメリカのカリフォルニア州のサンフランシスコにあるbtraxというUXデザインエージェンシーにマーケターとして就職しました。
そこで主に私が担当してたのは、日本の大手企業さんのアメリカ進出のマーケティングサポートやデザイン思考を使った開発サービスも提供しておりました。
今はその会社を辞めて、個人的にD2CブランドやC向けブランドの北米向けのマーケティング等のサポートコンサルティングをしております。
以上がプロフィールです。
実際に現地にいてミレニアム世代として、現地のサービスや新しいプロダクトを使った一消費者という視点でもその違いを説明できるかなと思うのでぜひよろしくお願いします。
徳田
よろしくお願い致します。
我々の方でもアメリカ進出したいっていうお客様も多いんですが、まず調査とか戦略立案、サンプリングとかユーザーインタビューしましょうと言います。
しかし「いやいや日本でこれだけ売り上げ立ててるんだからアメリカだっていけるでしょ」と広告から開始してくださいとか、LPをとりあえず作ってみたいくださいといったことが多いです。
ただアメリカのことを理解してないと消費者のことも理解できません。
顧客の解像度が低い状態で進出しようとしてることが、どれだけ危険なことなのかっていうのが今回伺えればなと思っています。
Yasuko氏
今回はアメリカ進出を考えていらっしゃるブランド日本のブランドさんが知っておきたい、こんなにも違うアメリカっていうのをテーマにいくつか紹介させていただきたいと思います。
アメリカ進出考えていらっしゃるブランドさんって日本にいながらわかってくる情報もあると思うので、なんとなく掴めてはいるかもしれません。
しかしやっぱり現地の感覚だったり、どういう人が実際にいるのかといったところがちょっとモヤモヤしながらアメリカへ興味持ってる、検討してるっていう方もいらっしゃると思います。
今回はマクロな状態だけじゃなくてミクロの視点でアメリカにいる人たちはこういう風に日本と違うんだというところを紹介したいと思ってます。
特に今回は小売系のサービス・ブランドを意識して、そういう人たちがアメリカに進出する場合こういうところに注意しましょうっていう所、最低限ここは知っておこうっていうところをまとめました。
今出してるのはマクロなアメリカ情報なんですけど、これは皆さん日本にいて普通にググって出る情報ですし、日本語でも出てる情報なので知ってる方も多いと思います。
日本とアメリカで比較した時に人口は倍以上アメリカの方が多いんです。
全体的に規模が大きいんですけど、GDP然り小売市場規模然り。
アメリカが人口は2倍ですけどGDPや市場の規模は4倍以上違うというような違いがあります。
もう少し細かくプレイヤーの規模どのくらい違うのか、特に小売り系D2C系のプレイヤーで絞って見てみます。
アメリカは企業評価額10億ドル超えているいわゆるユニコーン企業と呼ばれるD2Cブランドがここに書き切れない位あります。
一方日本はまだD2Cブランドでユニコーン企業と言われている所は出てないと思うので、これくらい大きさに違いがあるっていうような部分があります。
Yasuko氏
次にミクロの視点でアメリカを見ていきましょう。
まず世代の人口比率で先程人口の数の違いは説明した通りなんですが、どの世代が多いのかという内訳ですね。
日本って人口というと少子高齢化で今だと4分の1の方が高齢者になってる位だと思います。
なので日本の市場を考えたときにお先ドヨーンみたいな印象があるかと思うんですけど、アメリカは結構逆で若い人が増えてきています。
世代的に言うと1番多い層がミレニアル世代と呼ばれる方たちで、大体年齢にすると今26歳から41歳位の人たちです。
定義する方によってちょっとずれるんですけど大体これくらいの世代ですね。
ここの層が今1番多い層になっていいて、プラスZ世代はよく聞くと思うんですがミレニアル世代よりさらに若い10代から大体25歳位までの人たちですね。
このミレニアル世代とZ世代を足した数っていうのがアメリカの総人口の半分以上に2019年の時点でなったと言われています。
この層の人たちのトレンドを作ったりとか文化を作るっていう勢いがビジネスに限らずすごいです。
これは小売ビジネスと離れますけど、ここの写真で見せているのは去年のアメリカの大統領選挙で、主にZ世代の子たちが自分たちの結束して大統領選挙の結果を少し左右するようなムーブメントを起こした例です。
去年の6月位にトランプ元大統領が演説集会を行う計画をしていて、その集会のチケットをオンラインで発売していました。
そのオンラインチケットを事前に参加しないのに買っちゃって、席を空予約してしまおうっていうようなZ世代の戦略があったんですね。
これをZ世代がTicTokを中心に他のZ世代に広めてたっていう動きがありました。
チケットだけ買って当日行かず、トランプさんの集会がガラガラみたいな状態にしてしまおうという動きがあり、実際にその結果が一番右の写真のように空きが目立つ状態になっていました。
トランプさん側はZ世代の動きは関係ないみたいなこと言ってるんですけど、実際にこういうポストがTicTok上にありますし実際に見て分かる通り席がガラガラでした。
かつ選挙もあのような結果だったので、Z世代の方が消費やブランド周りのトレンドだけじゃなくて政治的な動きとか決定についても強い意識を持って働きかけをし、なおかつ結果を最終的に覆すような熱量があるっていう事ですね。
人口と言ってもこういった若者のパワーっていうものがあります。
Yasuko氏
次に人種ですね。
私も日本にいた時にアメリカはもちろん人種のるつぼだけど、白人黒人のほかにアジアの人くらいかなと思ってたんですが、もっと幅広くて複雑になってます。
実際にこのグラフはアメリカの人種比率なんですけど、一番多いのはもちろん白人の方なんですが2番目に多いのがヒスパニック系の方達になってます。
このヒスパニックの方たちって結構スペイン系の文化を重んじる傾向があるので、スペイン語しか喋れない方がいらっしゃったり、スペイン語を主言語としている方っていうのがたくさんいらっしゃいます。
なのでアメリカのプロダクトは商品の裏側に説明書きが英語表記はもちろん2番目にスペイン語が書いているっていうことも結構あります。
アメリカの大手のインターネットキャリアもカスタマーサポートの対応言語が電話かけて一番最初に「英語にしますか?スペイン語にしますか?」っていうような選択肢があったりとかするので、実はかなりヒスパニック系の人たちの比重も大きいんですね。
人種で区切ってはいるんですけど、人種でアジア系の方と言っても1世とか2世とかで影響受けている文化が元々ルーツのあるアジア系の国なのか、アメリカなのかっていうのも変わってきます。
そのため、なかなか人種だけで区切りにくいっていう部分もあります。
さっきのはアメリカ全土での人種の割合比率でしたが、場所が変われば全然その比率も変わってきます。
例として私が住んでたサンフランシスコは特に白人の方に次いでアジアの方が多い割合になってます。
実際にサンフランシスコにはアメリカで1番大きいチャイナタウンがあったり、インド系の方もテック系の会社に入っていらっしゃる方もいるのでベトナム系のコミュニティーも結構あります。
なのでアメリカ全体で把握してても場所が変わったら全然人種の割合も変わります。
場所によっては白人の方が9割占める所もあるので、場所によっている人が変わってくるっていうようなことが日本よりも顕著にあると思います。
徳田
なるほど。アメリカと一言で言っても州とかさらに都市によって全然人種の割合が違うんですね。
Yasuko氏
次に性についても違う点がいろいろあります。
この性はどう自認してるかっていうのと、対象となるのは誰なのかっていう視点があると思うんですが、多様だと思った事例を最近見つけたので左の写真に載せています。
これはあるD2Cブランドが自分たちのコミュニティを作るための参加者を募ってたんですが、参加者のプロフィールを教えてくださいというところで「あなたの性を表すときにどの選択肢が一番当てはまりますか?」という選択肢がこれだけずらっと並んでます。
上から異性愛、LGBTQIA+は日本でも大分名前が浸透してきてると思うんですけど、Asexcualは性別がない、無性別という方ですね。
Bisexcual、またFluidは流動的っていう意味なので性が変わるっていうような状態だと思います。
あとはPrefer not to say.=言いたくない。
パーソナルな性に関する質問を答えてもらう時にオプションとして結構入っていることが多いですね。
やっぱり言わないという選択肢も与えてあげるのが重要です。
そういうことを話すのが言いにくかったり、公にしていないっていう方もいらっしゃると思うので、こういう選択肢を入れておくのもアメリカっぽいなというふうに感じました。
ブランド作りするときにこういった性の違いっていうのを意識しながらやる必要も出てきます。
例えばアメリカの市場に向けて何か調査をする時にも、最初にデモグラフィック情報とかを聞くと思います。
その時にこれだけ選択肢を入れておかないと自分がブランド作りの対象の中に入っていないんじゃないかという印象を与えかねません。
常にどの業種のブランドでも考慮しておくべき点かなぁというふうに思います。
右の写真右上に写真が並んでるのはレアビューティーっていうセレーナゴメスっていう女優さんが立ち上げたコスメブランドです。
ここのInstagramのフィードで彼女のレアビューティーっていうブランドはもちろん多様性を受け入れていることをトップのメッセージとしてあげています。
コスメブランドって女性がたくさん写真に出てくる・広告に出てくるっていうことが多かったんですが、実際にInstagramのフィードではそれに限らずいろんなキャスティングをしているところが見て取れます。
その下のテイキングアップスペースって書いてあるのは、フロックスっていう今年出たばかりのサービスです。
LGBTQIA+の方向けのヘルスケアのオンラインサービスのD2Cブランドスタートアップですね。
やっぱりLGBTQIA+の方ってマイノリティーとして性に関する悩み事をなかなか言いづらかったりという現状があります。
そういう人たちに特化したサービスを提供しているブランドですね。
これだけ多様で実際にそれを取り入れてメッセージとして発信しているブランドだったり、この多様性自体をサービスのコアの提供価値としてやっているようなブランドも出てきているっていうのが現状としてあります。
Yasuko氏
紹介しきれないくらいいろんな項目があるのでここはざっと説明します。
まずは宗教の違いとして、もちろん日本よりもいろんな宗教がありますし規模も大きいですね。
あと支持する政党っていう部分で意外とブランドが「我々はこっち派です」っていうことを明示していたりとかもします。
そこは日本と大きく違う部分かなと思いますが、政党が違えば考え方も変わってくるというような部分につながってくるので把握しておく必要があります。
あとは食の思考がありますね。
宗教と絡んでくる部分もあるかと思います。
あと体型。
体型は意外と小さい人もいたりとか、大きい人の大きいのレベルが日本人の想像以上に大きいなどがあります。
私の元同僚でアメリカ人で身長が180センチ位の方が日本に行った時に、全然自分の足のサイズに合った靴が見つからないと諦めてた方もいました。
それが結構女性男性かかわらず起こります。
大きいの種類にも体格が良い、脂肪が大きい、筋肉はあって大きい。
大きいの種類もいろいろあったりとかしますね。
あと居住地によって気候も変わってきたりとか、お土地柄で結構政党が変わってきたりとかします。
他の項目と関連してるところもありますけど、居住地という多様性もあったり職種、収入、家族構成とかいろんな違う項目があります。
基本的にはすべての項目において日本よりも違う、幅が広いと思っておいたほうがいいと思ってます。
写真はマテル社のバービー人形のプロダクトです。
バービーも多様性を受け入れるという部分をすごく前面に出しているブランドなので実際にこれだけ多様性のある人形を売っている状況です。
もちろん人種も様々な方がいらっしゃったり、体型もいろいろ。
あと義足の方や車いすの方、一番右の方は尋常性白斑っていう肌の色素が損失している症状を持っていらっしゃる方がいます。
特にアメリカのファッションブランドとかコスメブランドもこういった症状を持っている方をモデルに起用する動きも出てきていたりします。
徳田
そうすると「ペルソナを作る」って言っても項目がかなり細かくあるっていう事ですね。
Yasuko氏
そうですね。
逆に典型的なペルソナのための尺度みたいなのだけでやると、かなりざっくりになってしまうと思います。
例えば性別です。
男性・女性だけとか、収入だけ、住んでる場所とかだけでシンプルにくぎっちゃうと落とし穴が出てくる可能性が日本より全然高いです。
徳田
粒度が粗すぎるっていうことですね。
Yasuko氏
それよりも、どういう考え方を持っているのかという視点で掘り下げていくといいと思います。
例えばこういう政党を支持してるからこういう考え方をしてるとか、結局どういう価値観を持っているかまで深掘りしたほうがいいです。
それが見えるくらいの細かい理解が必要になってくると思います。
徳田
なるほど。
D2Cブランドで立ち上げた経緯、背景、想いがあると思いますが、想いだったり経緯と合致するような人が本当にアメリカにいるのかを見ていく必要がありそうですね。
Yasuko氏
そうですね。
どういう人がっていうところは今日紹介した視点で細かく見ていくとユーザーの解像度が上がっていくと思います。
あとはどことどこが近いのか、Z世代だとリベラルな考え方の人が多いのでこういう考え方が多いなど、つながっていく部分もたくさんあると思います。
Yasuko氏
ここまで違いをばーって紹介すると、なんか「アメリカ進出複雑すぎないか?」っていう印象を持つかと思うんですけど、本当にそうだと思います。
これだけ違いがあるので、さらに日本からアメリカにとなると違いのギャップが大きい部分もたしかにあると私個人的にも思っているので、大変な市場であることには間違いないと思います。
アウトサイダーとしてチャレンジしなきゃいけなかったり、これだけ違うものに挑むことになるのでユーザーの理解・リサーチからがっつり始める必要があります。
無意識のうちに自分の持ってるバイアスでオーディエンスを築けちゃうかもしれない、ブランドを築けちゃうかもしれないみたいなリスクもあります。
あとは時差です。
物理的に離れている大変さだったり、もちろん言語が違うのでなかなかコミニケーションが日本でやるよりもスムーズにいかなかったりします。
結局これらのハードルを超えたとしても成功の保証は無いという、ちょっとネガティブなリスクが続いていますが、とは言えチャンスも充分あると思ってます。
実際に日本ブランドとしてアメリカに挑戦する時ってマイノリティーになると思います。
アメリカでマイノリティーのエンパワメントの流れと書いたんですが、そういった流れがあり、カウンターカルチャーとも繋がる部分があるかなと思います。
今まで牛耳ってた人たちやり方に対して、本当にそうなのか?こうじゃないか?っていう新しいやり方を最初は小さいグループだけどエネルギーの高い人たちでどんどん盛り上げていく。
それを徐々に大衆に広げていくっていうような形が出てきてます。
実際にD2Cブランドの最初もこういった要素があったと思います。
仲介業者を入れたりブランドのバックアップがあり、消費者に対して不当とまで行かないものの高い金額で売ってたという現状がありました。
しかし中間業者はカットできるんじゃないか、デジタルを使ったらもっと安くできるんじゃないかというようなやり方でD2C広まってきた部分っていうのもあると思います。
こういう流れをブランドが実際にやってますし、消費者も支持し始めてるっていう流れがあるので、ここは日本ブランドにとってかなりメリット、生かせる部分だというふうに思っています。
あとはこれだけ多様な人がいるので、どこかにフィットする人はいるんじゃないかと感じます。
もちろん見つけるのは大変ですけど、最初にロイヤルな人たちが見つかればそれが結局強いブランドを作る一番軸となる人たちにもなると思います。
これだけたくさんの人がいるのであればそれはチャンスと考えることができると思ってます。
Yasuko氏
あとは今まで見えてなかった新たな活路を見出せるかもしれない部分です。
日本だとやっぱり日本のマーケットで日本に売るっていうやり方になると思うんですけど、意外と違う人種、違う性の人、違うマインドセットを持った人にアプローチすることで、ブランドの意外な部分がうけたりします。
このように自分たちでは気づけなかった部分を気づくきっかけになったりとかすると思います。
こういう発見も副産物的にあると思ってます。
徳田
アメリカで得たフィードバックが日本での商品開発や新しい商品開発に役立つみたいな事はあるかもしれないですね。
Yasuko氏
そうですね。自分たちのアイデンティティーを強めてくれるものにつながっていく部分もあると思います。
あとはアメリカで出しているという事は英語が主言語になってくることもあります。
そうなると他の英語圏に広めやすかったり、アメリカの多様な文化の中でここの人たちに当てはまったならその人たちがいる他の国に広げやすいっていうような、ある種汎用性が高いという見方もできるかなと思います。
例えばアメリカ進出ってなったときに割とカナダもまとめて北米で出したりもします。
日本だと日本特化にして日本以外だとなかなか響かないものができたりしますけど、アメリカだと他の国にも当てはめやすいっていうようなルートもできるかというふうに思います。
Yasuko氏
リスク・チャンスもありますし、マクロ的な視点でマーケットがこういう風に推移するから売り上げ目標これぐらいで、アメリカ展開をこういう方針でやっていこうとロジックを固めて進めていくことは大事だと思います。
ただ、結局アメリカ進出においてもっと重要になってくる部分ってエモーショナルな部分、個人的な想い入れであったり、本当にやりたいというパッションにつながってきます。
そういう部分がある人がやり続けたりとか、アメリカで突破してるっていうようなケースを見るように思います。
徳田
おっしゃる通りですね。
最終的には代表の方や経営者の方の想いや覚悟っていうところが大事です。
そこが突破につながるっていうのはめちゃめちゃ共感します。
Yasuko氏
会社なので表向きにはアメリカ進出の戦略としてすごく理にかなった説明が出てくると思います。
しかしよくよく個人レベルで創業者の方とか担当者の方に聞いてみると、例えばアメリカが好きだから、アメリカから日本に進出したブランドとかだと日本文化が好きだから、昔住んでたことがあるというところが結構ドライブしてるような気がします。
Yasuko氏
最後のまとめとして、兎にも角にもユーザー理解からというようにまとめました。
いくつかポイントあげたんですけど、もちろんマクロな情報を理解するっていうのは大枠を掴んだり、どのくらいの市場規模なのかっていうところを掴むのに大事だと思います。
特にミクロな理解っていうところは絶対に欠かせないと思ってますし、中にはセンシティブなカテゴリもあるので注意を払ってなお重点的にやる必要があるなっていう風に思ってます。
あと2つ目はクールジャパンお世辞説と書きました。
日本ブランドだと日本の良さとか日本のクラフトマンシップ推しとか出すことがあると思います。
もちろんそれを評価してくれるとか、日本製のものだからある一定の信頼度は満たした理解をしてくれるユーザーもいると思うんですけど、だからといってそれだけで購入の決め手にするわけではありません。
彼らからしてみれば日本ブランドはアメリカブランドとか他の国のブランドなどたくさんあるブランドの1つです。
それが絶対的な強みになるわけではありません。
日本好きとか日本の技術が好きな人っていうユーザーの理解で止めないで、なんで好きなのか、何が響いているのかの理解を深めながらアプローチしていく必要があると思っています。
Yasuko氏
今のところにつながりますけど、ファンになってくれる人の解像度低くしてブランド作りなしと書きました。
逆の立場からしてみると、日本に来る海外ブランドの担当者や売ってる人、日本のことを知らないでしょと思うような機械的なコピーライティングを目にしたことがあると思います。
そういう人たちから気持ちよくものを買いたいか、そこのブランドのファンになるかっていうのを問えば答えは明らかだと思います。
なので理解、理解、理解!っていう感じです。
理解するにおいて、やっぱり現地に行って担当者の方が生情報をゲットしたりリサーチは事前にしていくと思います。
それの答え合わせや、新たなインサイトを得たりすることも大事ですし、それが結局深く自分の腹落ちする要素になってくることもあります。
そのため、現地に赴いて実際に人と話したりとか見たり触れたりすることは大事かと思います。
これはもちろんブランド当事者がプロジェクトを進めていき続けるためにも重要ですし、カスタマーにとってもハッピーなアクションであるというふうに思ってます。
これがさっき言った想い入れや、ブランドを続けていこうっていうガソリンの主な部分になると思ってます。
Yasuko氏
今現地に行くことと言ったんですが、とは言え日本からできることもゼロでは無いです。
今ってパンデミックもあってオンラインでいろいろ会話することもありますし、ユーザーインタビューは専用のサービスがあるのでそこで現地の人を探して聞き込みしたり、リサーチしたりすることもできます。
世界はボカンさんのサービスでちょっと広告テスト的にやってみて反応を得ることもできると思うので、やれることはあるっていう感じですね。
とは言えここで説明してきたこと、特にミクロな理解だったりとか定性的な部分っていうのは正解はないと思いますし、全部知る全知全能になるっていう事は無理だと思います。
常にトレンドも変わっていくように人の考え方も変わっていくと思うので、イメージとしてはユーザーの理解を重ねていく、最適化していく。
これを繰り返していくようなイメージが近いかなと思います。
日本からアメリカに進出する負荷はもちろん高いです。
異言語とかこれだけ違うカルチャー、人がいる+複雑性も日本より高いため大変なのでリソースもそれだけかかることになります。
結局主担当の人たちがユーザーを理解できてても、日本の本体の方に説得するようなプラスの作業が必要だったりするのでもちろん大変です。
しかし、さっき言ったメリットもあるのでぜひユーザー理解からアメリカ進出っていう部分を前向きに検討してください。
やっていて私も楽しいと思う部分があるので、そういうところがある方だとやっていけるのかなと思います。
ユーザー理解を大事にアメリカ進出を私も頑張っていきますし、これからやられる方もぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。
徳田
ありがとうございます。
結構アメリカに進出するっていうところを軽く考えてる企業がやっぱり多い印象です。
予算の話だったりリソースの話だったり、時間の話だったり現地の顧客の理解の話というところがなく、日本でうまくいってるから英語にすればいける、DeepLとGoogle翻訳で行けるという考えをお持ちの企業さんが多いです。
しかし海外のブランド認知がなくてD2Cで展開していくのに、共感していくための言葉がGoogle翻訳でいけると思います?日本人のための情報をただ英語にしてるだけで、それって海外の人に響くと思います?っていう話だと思います。
なので覚悟とかリソースを割く思いがないと上手くいくものも行かないと感じます。
逆にブランドのイメージが毀損してしまうと思ったので、今日Yasukoさんにご説明いただいた、これだけダイバーシティーがあり違うんだよというところをまず理解する。
そして違う中でどうやって自分たちのポジション築いていくところを調査して考えていくや、時間やリソースを割いて理解していくところが必要なんだなと感じました。
Yasuko氏
D2Cブランドってデジタルを駆使できる時代に生まれているという強みもあるので、デジタルだったら機械的にブランドをトランスレートして出せると思いがちです。
しかしD2CはDirect to Consumerなので、デジタルでちゃんと繋がらなきゃいけないっていう部分もみそかなというふうに思います。
大事になってくるのが、どれだけ相手のことを理解してリーチアウトできているかなので、D2Cこそユーザー理解大事です。
徳田
おっしゃる通りです。
YasukoさんTwitterで海外のマーケティングに関する情報とかを発信されてるんですよね?
Yasuko氏
はい。
Twitterで主に現地の情報を発信しています。
新しいD2Cブランドどういう風に生まれたのかをちょっと解説つけてツイートしたり、一般的にリテールマーケットの大きな変化やニュースを発信したりしてます。
徳田
みなさんぜひご確認ください。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました。
Yasuko氏
こちらこそありがとうございました。
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弊社では、皆様のサービスや商品を最適な形で海外に進出するためのサービスをご用意しています。
具体的なプランは個々のご事情に合わせて策定いたしますので、まずはご相談ください。
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