対談
Interview
この記事では海外Amazonの秘訣についてお話いただいています。
【株式会社コンパスポイント 代表 岡田昇氏 略歴】
EC・IT活用支援として企業をサポートする。
国内Amazon以外にも多くの国で成果を出す。
中小企業から大手企業まで数多くの実績を持つ。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田(以下 徳田)
こんにちは!世界へボカンの徳田です。
今コロナになったことでEC化率がどんどん高まっていると思います。
弊社が行っているShopifyのような独自ドメインのECサイトとAmazonという選択肢があると思っており、そのAmazonについて今日岡田さんにお伺いできればと思ってます。
よろしくお願い致します。
では簡単に自己紹介お願いできますでしょうか?
株式会社コンパスポイント 岡田氏(以下 岡田氏)
改めましてコンパスポイントの岡田といいます。
弊社は企業様向けの全世界のAmazonの進出を総合的にサポートさせていただいている会社です。
Amazonのコンサルティング会社は何社かあると思うんですが、その違いとしては全世界対応しているところがまず1つです。
またコンサルや広告運用だけなど部分的なサポートではなく、現地のリサーチや許認可のチェック・申請、送金、税務や物流などもサポートしております。
アカウントのセットアップも行いますし、運用の代行、Amazon内外の販促もトータルでやっている会社となります。
私自身はもともと経営コンサルの会社にいたんですが、商社に入り、そこでは石油プラントの輸出を世界中にやっていました。
その後独立して日本の商品を海外にAmazonで売るというのでやっていたんですが、途中から企業様のご支援にまわりました。
今自分たちではものは売っておらず、企業様のご支援ばかりやらせていただいてます。
あとはAmazonジャパンさんや銀行さんなどとセミナーを開いたりしています。
銀行さんがやられているコミュニティーの運営もやらせていただいたりもしています。
徳田
お話聞けるの楽しみにしてます。
よろしくお願いします。
徳田
海外Amazonって今どんな状況なんですか?
岡田氏
データをお見せしながらご説明をさせていただきますね。
海外ECマーケットにおけるAmazonと直近の日本企業の動向、進出の手順やボトルネックなどを説明できればと思ってます。
下のグラフは全世界のeコマースの売り上げです。
どんどん右肩上がりで上がっている状態ですが、実は世界中の高齢者の数もどんどん増えているという状態です。
岡田氏
チャネル別のオンライン購入の分布でいくと、通販サイトを上回ってマーケットプレイスが47%となり1番多いですね。
このマーケットプレイスの中にAmazonや楽天も入っています。
岡田氏
下はeコマース売り上げによるトップ10のアメリカ企業です。
Apple、eBay、Walmartなどを抑えてAmazonが1位になっております。
岡田氏
月間トラフィックでもやはりAmazonが1位です。
主要国で見たときのシェアもほとんどの国でAmazonが1位になっており、グローバルで見ても36%がAmazonで取っている状況です。
岡田氏
結構Amazonってサラリーマンの人が仕事の合間に買うようなイメージもあるかもしれません。
しかしアメリカの10代の若者が好むオンラインショッピングサイトでも2位のNikeに大きく差をつけてAmazonが1位になっている状態です。
岡田氏
そして商品検索する時も、検索エンジンを上回りAmazonが1位です。
そのため露出の面でもAmazonが大事です。
岡田氏
これは世界中のオンライン消費者に好まれるインスピレーション源です。
どこで商品を見てそれを買いたいと思うか、というところです。
こちらも検索エンジンを上回ってAmazonが1位になってるんですよね。
岡田氏
越境ECに限定してもAmazonがeBayやAlibabaを抑えてやはり1位になっています。
岡田氏
その他の数字でいくと、2020年の売り上げでAmazonは49兆円、時価総額170兆円です。
オンライン消費者の63%が検索エンジンなどではなく、Amazonでいきなり検索行動とっていますよ。
18,000の出品者様がアメリカのAmazonだけで年収1億円以上の売上をあげている。
しかも結構個人がやっています。
プライム会員は2億人いるので、とにかく一ECサイトというよりも、インフラみたいになってきていています。
Amazonをどうやって使うのかが結構大事になってきていますね。
徳田
なるほど。
確かにAmazonで買う以外の選択肢って日本で言うと楽天かAmazonで、独自ドメインでなかなか買わないですよね。
岡田氏
そうですね。
独自ドメインの方が売り方・見せ方がいろいろ複雑にできるので、ものによってはそっちの方が全然合っている場合もあります。
そうじゃない場合は独自ドメインやLPに持ってきた後に決済をAmazonに飛ばしている会社もあるくらいです。
自社サイトにAmazonのアフィリエイトリンクを貼っておき、Amazonで購入させてリンク手数料が自分に入ってくるようにしている会社さんもあるくらいなので、うまく皆さん使われてますね。
徳田
なるほど。
買いやすさという点では圧倒的ですよね。
岡田氏
圧倒的ですね。
結構皆さんアカウントを持っているので、ポチってすればいいだけです。
独自ドメインだとそこに個人情報やクレジットカード情報とかを入力するのはちょっとめんどくさいので離脱してしまうというのは結構あるみたいです。
Amazonは世界中にマーケットプレイス出品できる場所があります。
普段我々がお買い物している日本もあれば、
・オーストラリア
・シンガポール
・インド
・中東
・トルコ
・EU
・北南米
などがあります。
さらに今も増え続けているんですよね。
直近だと韓国とベトナムももうすぐできるんじゃないという噂がありますが、まだ確実には分からない状態です。
ポイントは基本的に国ごとにAmazonは独立してしまっていることです。
例えば日本のAmazonに出品したからといって、ヨーロッパやアメリカのAmazonに自動的に販売されるわけではないということです。
それぞれ対応が必要なのがすこし面倒なところです。
岡田氏
売り上げ規模でいくと、アメリカのAmazonが一番大きく、ドイツ、イギリスと次いで日本が続きます。
日本のAmazonは4番手で世界的に見ても結構大きいんです。
ですがアメリカと比較すると10分の1以下で、EUとして比較しても日本より全然EUの方が大きいです。
徳田
なるほど。
人口の比率で言うとアメリカは日本の2倍以上だと思うんですが売り上げは全然違うんですね。
そうするとアメリカに進出するときAmazonを抑えない手は無いですよね。
岡田氏
そうですね。
特にアメリカの場合、Amazonのシェア率が50%を超えてたと思うので、Amazonを避ける理由はないかと思います。
岡田氏
国ごとの推移で見ても、どの国も売り上げが右肩上がりで上がっています。
アメリカが凄いのは、現時点で売り上げが最も大きい上に伸び率も非常に高いという点です。
今後もどんどんマーケットは大きくなっていくだろうと思いますね。
岡田氏
Amazonって、
・Amazonに卸してAmazonが自分で売ってしまうパターン
・出品者の方がマーケットプレイスで販売するサードパーティーセラーパターン
の2つに分かれるんですね
サードパーティーセラーの比率が数年前からAmazon支援が売ってる比率より上回っています。
このサードパーティーの方がAmazonで売りまくっている現状もあります。
徳田
サードパーティーセラーとはAmazonに出品する方達ですか?
岡田氏
そうですね。
個人でも企業でもいいんですがAmazonのプラットフォームを通してエンドユーザーさんに直で自分たちが販売するという形です。
基本的にファーストパーティーとはAmazonに商品を卸してAmazonがエンドユーザーに売るパターンです。
なのでAmazonができたばかりの時はファーストパーティーばかりだったんですけれども、どんどんサードパーティーの比率が上がってきています。
2015年位から半分以上がサードパーティーが売ってる状態で、Amazonがそこから販売手数料を取っているモデルですね。
プライムデー直近でもありましたが、毎年売り上げも伸びてます。
岡田氏
ウェブサイトのオーディエンスロイヤリティーについてです。
以下は日本なんですが、オーディエンスロイヤリティーとは何かというと、そのサイトだけを見て買い物する人がどのくらいいるかというパーセントを表したものです。
一番左が対象サイトだけを見て買う人なので、楽天やYahoo!などと比べるとAmazonが42.8%と比率が高いです。
Amazonだけを見て買う人が結構多いというデータです。
岡田氏
このAmazonでものを買う人たちが何を見て買っているかについてです。
下はアメリカのデータなんですが、価格が1位で、次いで利便性、プライムかどうかの配送部分ですね。
3位がレビューの数がちゃんとあるかなので、この辺を抑えていないとAmazonで戦うのは結構難しいというベースラインです。
岡田氏
売り上げ規模別の出品者の数ですが、年商1千万円以上で168,000人が売っていて、5千万以上で4万人ぐらいです。
1億円以上で18,000人が売っています。
アメリカだけでもこれくらいはマーケットがあります。
徳田
赤い円グラフで言うと、Amazonに出品しているとプロダクトに紐付いていろんなセラーが存在するじゃないですか?
そうなったときに価格の優位性がなかったり、配送の利便性や評価レビューを持ってない場合は選ばれないということですよね?
岡田氏
そうですね。
厳密にはこれちょっと複雑です。
Amazonは複数のパラメーターを組み合わせて、解剖されてないアルゴリズムによってAmazonのカートを取得できるかどうかで決まります。
このカートを取得できるかどうかに価格要素が1番大きく影響を与えますね。
あと配送にAmazonの倉庫を使ってるかどうかがすごく大きいです。
ややこしいのが評価の部分で、評価とは商品自体の評価と出品者としての評価と両方があるんですよ。
徳田
ストアレビューとプロダクトレビューのようなものがあるんですね。
岡田氏
そうです。
プロダクトレビューがそもそもきっちりしていないと、皆さん物を買いません。
ストアとしてのレビューが悪かった場合もやっぱり買い引きされちゃう場合もあるので、結局どっちも大事です。
徳田
ストアレビューって入れたことないんですが、そういう評価があるんですね。
「この辺で戦略的に価格を抑え、購入の件数やレビューの件数を増やしていくこと」や、「これは絶対Amazonの倉庫使ったほうがいいです」のようなアドバイスも御社だとやっていただけるんですか?
岡田氏
そうですね。
その売りやすい環境作るためにやらなければいけないことを提案と実行も結構代行して売り上げ伸ばすようにしてます。
徳田
ただ出品するだけだと売れるわけじゃないということですね。
岡田氏
そうですね。特に海外だと出品するだけだと簡単には売れないですね。
岡田氏
直近の日本企業の動向を話しますね。
コロナ以降で企業のAmazonへの向き合い方が変わってきました。
コロナでオフラインが厳しいのでオンラインやろうかなとなり、国内でも海外でもAmazonが凄く強いのでまずAmazonやろうとなります。
Amazonを見たところ他の人が売っていることにメーカーさんが気づかれます。
では誰が売っているかというとメーカーさんが普段お付き合いしている卸先さんなんです。
メーカーさんたちはオフラインでしか売ってないと思ってたが、何故か卸先がAmazonでも売っていることがわかる、というのが結構あります。
もしくはAmazonに卸してAmazonに売っているというパターンです。
これも間に卸さんが入っていて、卸さんがAmazonに卸しちゃっているという場合も結構あります。
しかもメーカー元が知らなかったというのが意外と多いですよね。
プラス個人の転売さんがいて、この3つが入り乱れていることが結構あります。
徳田
メーカーが把握してないうちに3つのパターンで自社の製品を売られてしまっている状態があるという事ですね。
岡田氏
そうなんです。
これがかなり起きてます。
メーカーさんが本当に気づいてない場合もあれば、なんとなく知ってるけど見て見ぬふりしてる場合もあったりします。
もう少し詳しく言うと、Amazonの購入ページで出品者が何人もいて金額と条件が違う状態って見られたことあると思います。
これ何が起きてるかというとまさにさっきの話で、メーカーさんたちがAmazonのマーケットプレイスで売っている場合もあれば、卸先がAmazonに卸してAmazonが売っている場合もありますし、転売が売ってる場合もあります。
メーカーさんからすると販路のコントロールが何もできていない状態です。
切り替えようとしてメーカーさんが直でAmazonで売ろうとしたり、Amazonに卸すとしても卸先を通さないで直でAmazonに卸す形に切り替えるなどが起きています。
このようなスイッチング案件などをかなりの件数対応してます。
徳田
確かにメーカーさんじゃない人たちの卸や転売の人たちが対応して粗悪な品を送ってしまったり、状態が悪い品を送ってしまってメーカーの評判が悪くなることもありますもんね。
岡田氏
おっしゃる通りです。
まさにそれについてお話ししようと思っていました。
メーカーが直接Amazonで販売しない問題点は結構あります。
1つ目は、リアル(オフライン)用の卸さんがAmazonやECのプロでは無いことです。
売り方がすごく適当だったりいろんな商品扱っており、一個一個のテコ入れしようという意思が働かないので売り方が雑なんです。
メーカーさんから見たときに販路のコントロールができないので価格が乱高下してしまったり、販売して欲しくない商品が販売されている、もしくは販売したい商品を売ってもらえないなどもあります。
あとはブランドイメージの毀損ですね。
変なページが出来上がったり、カスタマーサポートが悪くて悪評価がついたり、いろいろなことが起きてしまいます。
あと美容室とかでありがちなんですが、サロン限定商品ですとメーカーから言われてサロンの人が売っていたのに、誰かが裏切ってAmazonで売っている。
他のサロンが商品を見たとき誰が売ってるかなんて気にしていないので、メーカー元に「売らないって言ったのに売ってるじゃないか」のようなクレームが入り、結構トラブルが起きています。
この辺も含めて販路のコントロールができないことにデメリットがあります。
あとAmazonで売ってる時に卸先さんもしくはAmazon自身があまり売れない、儲からないと思ったら売るのをやめてしまうんですよ。
そうするとメーカーさんとしては中長期で売ろうと思っていた商品の販路がいきなりなくなり困ってしまう。
そして自分たちが直でアカウントをコントロールしていないので、販売のノウハウやデータが蓄積されないのも問題です。
海外でよく起こるのは現地の許認可対応などをしておらず、薬事違反をしている状態で売られてしまい、問題が起きるというものです。
PAリスクはメーカー元がとっているのに勝手に売られている状態も結構あり、この辺が問題になってます。
徳田
FDAなどを取得せず勝手に販売されていて、何か問題があったときにメーカーにクレームが来てしまうんですね。
岡田氏
そうなんです。
メーカーさんとしては売られていることを知らなかったというのが結構あるという恐ろしい状態になっています。
徳田
なるほど。
ではメーカーとしてはある程度海外・国内で認知度がある商材に関しては自分たちでしっかりと管理しないとリスクを抱えることになってしまうんですね。
岡田氏
そうです。
なのでAmazonはガンガン売ってくための攻めの場所なだけではなく、守りとしても結構大事です。
そのためメーカーさんはちゃんとやったほうがいいと思います、といういう話をしてます。
岡田氏
以下は弊社の営業で使ってる資料で、集客から購入、リピートしてもらうところまでをどのプラットフォームでやればいいかを分布させたものなんです。
ここで見ていただく通り、購入のところだけでAmazon以外でもいろんなものがありますよね。
楽天やYahoo!、自社サイト、リアル店舗やテレビショッピングなどたくさんありますが、これらをどう組み合わせるか、どれをやらないかを戦略的にやっていかないとうまく売れていかないです。
「今はインフルエンサーがいいらしい」とインフルエンサーだけでアプローチしてもトータルで利益が出ない事は全然あります。
これらを全体像とし、ちゃんと戦略を立てる事はすごく大事ですね。
徳田
確かに。
Shopifyに購入番号のようなものがあるじゃないですか?
競合調査としてある商品を1日に買って、同じ商品を30日にまた購入し、購入番号を見て何個売れているかをチェックしたことがあったんですよ。
その時に「あれ、売れ方ってこんなもんなんだ」と思ったんですね。
独自ドメインやYouTubeから認知広げ、Amazonで販売しているんだというのがわかったんです。
Amazonで売れ方の推移がわかるツール:Keepaを使い、Amazonでこれだけ売れてるんだな、このカテゴリーでこれだけ順位にとれてるからこれぐらい売れてんだろうなというのがわかったんですよ。
なので独自ドメインだけだと市場の中でのリーチできる割合が限られていることがわかりました。
ただ、独自ドメインで認知を広げないとAmazonで売れないので、両輪なんだということもわかったんですよね。
岡田氏
おっしゃる通りでどっちも大事です。
徳田
なるほど。この両方を御社ではできるんですか?
岡田氏
両方一応カバーしてます。
しかし弊社はAmazonの専門の会社であるので、Amazonをやってる中で独自ドメインのところのサポートがもし必要であれば多少行っています。
徳田
そうなんですよね。
やっぱり商品の認知が上がれば上がるほど、独自ドメインだけだとリーチしきれない層があるというのがわかります。
岡田さんとお話させていただく中で、御社とタッグを組んでやっていくとお客様の売り上げの最大化につながるとすごい感じました。
岡田氏
すごいそれはあると思います。
逆に独自ドメインだけやっていてAmazonをやっていないと、独自ドメインの方の人気が出てきたときにAmazonに転売されちゃうんですね。
徳田
なるほど。
弊社のお客様でも結構あるんですが、独自ドメインでずっとファンを持っており、売り続けてるサプリメントがありました。
初回無料や初回半額などのキャンペーンたまにあるじゃないですか?
そういったものを買った方たちから、さらにそれを買い取り集めてAmazonで転売する業者が存在するんですね。
自社サイトでの売り上げが下がっていくのでなんだろうと原因を探していくと、転売業者たちがAmazonで独自ドメインの約8割の商品を売っていて、そっちで売上がかなり立っているからだというのがわかったんです。
岡田氏
初回無料などは試してもらい引き上げに使う戦略的な商材のはずなのに、そういう意図で使われてしまったら大変ですよね。
徳田
それが例えば初回2割引ぐらいだったらAmazonで転売しても利益が出ないのでだれもやらないんですが、半額や無料で渡しちゃってると転売されてしまうんですよ。
そういうところも含めて全体設計が必要です。
岡田氏
なるほど。
そうすると単品通販のようなビジネスをやってる方たちもAmazonの枠を押さえておくのは必要なんですね。
徳田
今すごい大事だと思いますね。
あといいのが、これらを全部しっかりと概念としてわかっていれば、自分たちのコンペで来た競合会社さんが
・どこで認知をとっているか
・どこで売っているか
・どこで利益をとっているか
・どこでリピートをつかんでいるのか
がちゃんとわかるんです。
そこにぶつけていくのか、そこを下げて別のところで戦っていくのかという戦略がまた立てれるので、競合分析としてもこれはわかっておくべき概念だと思います。
岡田氏
まずECをやる上での全体像を把握しておいて、競合の打ち手を見て自分たちがどういう優先順位で施策を打つか、というところですね。
徳田
僕らも結構シミラーウェブなどで競合調査をして、チャネル別のデータや参照元など全部確認し、何のメディアに出してるかもストーカーのようにくまなく見るんですよ。
やはり見てからやらないとどういう打ち手を取らなきゃいけないのか、どこに予算をかけなきゃいけないかがわからないじゃないですか?
そこのリサーチから相談できるというのはめちゃめちゃ大きいと思います。
岡田氏
そうですね。
この辺を考えないで突っ込むと大手に潰されてしまうので大事ですね。
岡田氏
あとはAmazonの進出の手順や、よくボトルネックになって止まってしまうところもシェアさせていただきます。
まずそもそもAmazonは繰り返しになりますが、Amazonに卸してAmazonが売るベンダー。
こっちがファーストパーティーと言われてるものです。
セラーというのが自分たちが出品するサードパーティーなんですね。
セラーの中でもAmazonの倉庫を使うFBA:Fulfillment by Amaszonというやり方があり、これはいわゆるプライムマークがついているものです。
でもう一つがFBM:Fulfillment by Marchantと言い、売れたら自分たちが出荷するというのに分かれます。
1番売れやすいのはセラーかつFBAです。
しかし例えばAmazonって冷蔵・冷凍倉庫がなかったりするので、生鮮系などだとFBMで送らざるを得ないという選択肢が出てきますね。
岡田氏
もう少し詳しく見ると、FBAの場合は売り始める前に海外なら海外のAmazonの倉庫に入れ、売れたら国内配送で出荷をします。
FBMならEMSを使って送るのがFBMです。
岡田氏
出品販売までの大まかな流れについてです。
まずイニシャルのステージとして、
・現地のリサーチ
・商品設定
・予算確保
・法律や許認可のチェック
などがあります。
これを見た後でいけるとなったら、Amazonのアカウントを作り商品登録、納品や税版を切ったりいろいろ行います。
販売開始になってアカウントの運用が始まり、Amazon内外でちゃんと販促をすると販促のフィードバックが返ってくるので、データ分析と改善をしましょう。
あとは右側のPDCAをひたすら回すというふうになってくるんですが、日本企業さんだと左上のどこかでつまずいてしまい、販売開始に行かずに辞めてしまうというのがとても多いです。
徳田
スタートラインに立つ前に辞めてしまう感じですね。
岡田氏
いろいろあるんですが、以下はボトルネックを書き出したものになります。
ポイントだけで言うと
・リソース
・調節
・根回し
・思い込みの部分
・目的の明確化ができていない
・情報がない
この辺が引っ掛かってしまう。
特に販売開始前で言うと情報がなくて辞めてしまうというのが多いですね。
売り始めてからトラブルになるのは目的の明確化がちゃんとできていないため、というのがあります。
ある人は「これはテストマーケ」と思っていたが、ある人は「3ヶ月以内に黒字化しなきゃいけない」と思っていた、という話とかわかりやすいですね。
徳田
社内でのコンセンサスが取れてないというところですね。
岡田氏
そうです。
先程の例は、【Amazonは何でやるのか】が何も決まっていなかったというものですね。
ボトルネックはたくさんありますが、どれか1個でもクリアにならず残っているとスタートできない、もしくはスタートしても途中でギブアップしてしまうというのはあります。
もちろん100%事前にクリアするのは結構しんどいですが、皆さんがつまずく点としてこういうのがありますよ、ということを頭の片隅に持っておいていただくだけでも違うのかなと思います。
徳田
FBAについて質問したいんですが、FBAの場合はAmazonにお渡しして梱包・配送していただくじゃないですか?
そうすると越境のネックとなってしまう配送料の部分が結構軽減されるんですか?
岡田氏
そうですね。
もちろん1回にどれくらい送るかもあると思いますが、商品が流れてきてある程度バルクで送るようになってくればもちろん安くなってきます。
徳田
なるほど。
そうすると最初は自国からAmazonの海外倉庫に送るまでの配送料はかかる。
ただ海外倉庫からの国内配送になってしまえばスピードや送料削減などが割とスムーズに進むんですね。
岡田氏
そうです。
Amazonは一律で倉庫に持っていくだけの手数料となるので計算もしやすいですし、顧客満足度も高い、トラブルも起きないのでいいことだらけです。
Amazon内のSEOも上がるようになってますね。
徳田
ある程度独自ドメインで認知が取れて売れてきて、まずはFBMでAmazonを開始したあと、ある程度売り上げが立ち物流がみえてきた。
そうしたらFBAに切り替えれば顧客も買いやすくできるし送料も抑えられるという流れがあるべき姿なんでしょうか?
岡田氏
そうですね。
もしくはミニマムロットがないので小ロットでも最初からFBAを使っていいと思います。
例えば10商品を各5個ずつぐらいの小ロットにし、段ボール1~2個位でスタートする会社さんもいらっしゃいます。
最初からハードルがあるものではないです。
徳田
ではもうすでに海外で人気があるとわかっていれば最初からFBAを使ったほうがいいかもしれないですね。
岡田氏
はい。
切り替えるべきは、最初はクーリエで送っているが次は船便のLCLにし、さらに売れてきたらコンテナで送る。
1回に送るボリュームを徐々に増やしていく形でいいと思います。
徳田
なるほど。
とても大事ですね。
岡田氏
そこは無理しないほうがいいですね。
あと弊社のクライアントさんで昔いらっしゃったんですが、サポートが始まる前にコンテナ船で一気にアパレル製品を入れてしまったんですよ。
結果売れずに残ってしまい、セールで結局売り切ったんですがAmazonの倉庫保管料もかかるので結構な金額を請求され、大変な目に遭われている会社さんもいらっしゃいました。
そのため最初は少しずつの納品のほうがいいですね。
徳田
岡田さんに相談することでこういったディフェンスもわかるという事ですね。
岡田氏
もちろんです。
弊社はかなり損害を立てないようにやってますね。
徳田
分りました。
ありがとうございます。
岡田氏
最後に弊社のサービスについてです。
弊社は商品を買い取り代わりに販売する会社ではなく、各企業様が企業様名義で各国Amazonを作り販売できる環境を作り運用していく中の人をやりますというものです。
各メーカーさんの中にEC事業部があるとすると、その中の人を弊社がやってます。
そのため、どこかの時点で弊社とお取引を終了されてもその企業様名義のアカウントは残りますので販路は消えないです。
今まで560社ほどサポートさせていただいてまして、数名の会社さんもいれば東証1部上場のメーカーさんも何社かいらっしゃいます。
商品はAmazonで扱っている商品であれば何でも対応してます。
弊社の特徴として、必ずしも自社完結ばかりではなくパートナーの企業さんと一緒に組みながらチームでご支援をするという形をとっています。
サポート範囲で言うと、国内に200社位いるパートナー企業さんと連携しなから
・調査分析
・許認可
・送金
・物流
・Amazon内の作業全般
・Amazon内外のプロモーション
この辺をどの国であってもフルフルでカバーさせていただいてます。
例えばアメリカFDAはこの会社さん、ヨーロッパはこの会社さん、インド向けの船便だったらこの会社さん、冷蔵冷凍はこの会社さんなどですね。
いろんな会社さんがいらっしゃるので、そこと組みながらやっているイメージですね。
徳田
ありがとうございます。
ShopifyでD2Cブランドのご相談いただくこと多いんですが、必ず独自ドメインだと売り上げのアッパーが訪れるんですよね。
クライアントの利便性とエンドユーザーの利便性を考えるとAmazonを使わない手はないので、独自ドメインのクライアントで売り上げが伸びてきたら岡田さんに相談できればと思いました。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました。
岡田氏
ありがとうございました。
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