対談
Interview
この記事を読むことで女性に商品を販売する時の考え方が分かります。
【株式会社グローアップマーケティング 代表取締役 谷本理恵子氏 略歴】
通販運営4社6年の現場たたき上げで女性に響く文章やデザインで多くの成果を達成。
マーケティングに関する書籍を3冊出版する。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田(以下 徳田)
こんにちは!
世界へボカンの徳田です。
本日はネットで女性に売るプリンセスマーケティングの著者の谷本さんにインターネットを活用して女性に販売する方法を伺いたいと思います。
よろしくお願い致します。
簡単に自己紹介お願いします。
株式会社グローアップマーケティング 谷本氏(以下 谷本氏)
株式会社グローアップマーケティング代表の谷本理恵子と申します。
大阪南部のふるさと納税で有名になり、関空の近くでもある泉佐野市にいます。
泉州タオルという日本のタオルのシェアのかなりの部分を握っているタオルの生産地だったり、玉ねぎや水ナスとか農産物の産地でもあります。
お魚も獲れるという田舎にある会社です。
東京を中心に各地の会社さんとお仕事をさせて頂いております。
本が3冊ほど出てまして、おそらく一番売れているのが「ネットで女性に売る」という本で、次が「プリンセスマーケティング」という本だと思います。
お陰様で女性に売る専門家や女性マーケティングの人と言って頂いておりますが、もともとは現場のたたき上げの人間です。
もともと小さな化粧品と健康食品の通販会社で現場の担当者をやっておりまして、通販の立ち上げから泥臭いことをやっておりました。
何社か転職させていただいた後に独立し、ダイレクト出版の認定セールスライターとしてセールスライティング・売れる文章を書くお仕事で最初は独立しました。
ランディングページも書いていたんですが、主には定期購入をしたお客様の離脱を防ぐ、もっと買ってもらえるための同梱物:通販の箱の中に入れるチラシとかステップメールなどを専門に行っておりました。
よろしくお願いいたします。
徳田
よろしくお願いします。
多岐にわたって色んなことをされている印象ですが、僕はプリンセスマーケティングの人という認識でいます。
今日お話を聞くのがすごく楽しみです。
徳田
早速なんですが、プリンセスマーケティングについて教えていただいてもよろしいでしょうか?
谷本氏
今日は女性に販売する方法をお話させていただきます。
さすがにジェンダーレスということが叫ばれている中で、男性が女性がというのがどうなのかなっていう話もあると思うんですが、実際誰もが男性女性両方の要素を持ってたりします。
ただやはりコミュニケーションという意味で考えていただくと、特に恋愛や婚活などコミュニケーションに男性と女性の違いがあることが一般的に認知されていると思います。
普段のコミュニケーションでも、女子会と男性ばかりが集まっているコミュニティとでは雰囲気が違うとか、コミュニケーションの取り方違うということであれば、マーケティングというのはお客様とのコミュニケーションなので顧客コミュニケーションという意味で考えると、やはりどうしても男性に売る場合と女性に売る場合というので少し違いがあるんですね。
その明確な違いについて、今日はお伝えしたいなと思っております。
谷本氏
ただ先ほど申し上げた通り皆さん両方お持ちなんですね。
誰もが両方持ってるので男性的な傾向が強い方はこういうことがあります、などで聞いていただければと思います。
もちろん違うといってもこれまでのマーケティングの大枠は同じです。
とはいえ違うところは行動のモチベーションが違う。
どうすれば欲しいと思うかが違うなどですね。
意思決定のプロセスが違います。
どのように悩んで、どのように最終決定するのかが違うんです。
あと決定するために必要な情報の収集の仕方が違う、何の情報が証拠になるのかが違うことがありますので、傾向と対策、本が出版され色んな業種で色んな方に使っていただいておりますので、そのフィードバックを含めて、結果が出てる方法だけをお伝えします。
たまに自分が外れ値だ、私はこうは思わないという方がいらっしゃるんです。
自分自身の中の男性的な要素、女性的な要素のバランスが人によって違いますのでこのようなことがあるとは思うんですが、一般的に当たりやすいポイントを掴んでいただいて、試しにご自身でテストしていただければいいかと思ってお話をしております。
大体テストしていただくとこれまでとは違う数字が出ますので、それでまたテストしていただければいいですし、もし狙ったのと全然違う数字が出るということであればご一報いただければと思います。
Twitterなどで聞いていただければだいたいお答えできるんじゃないかなと思います。
今のところこの理論で説明できなかったことがないのですが、勘違いして使っておられる場合はたまにあるのでその点だけご注意いただければとは思います。
さて、この話の根幹にあるのがモチベーションの違いなんですね。
感情が動くスイッチが一番違います。一番分かりやすいのがシンデレラの物語を使った説明なので今日もこれで説明させて頂きます。
谷本氏
シンデレラの話をあまりご存知じゃない方もいらっしゃるかもしれないんですが、お嬢様だったシンデレラですがお父様がお亡くなりになり継母と二人のお姉さんが残りました。
お城の王子様から国中の女性に招待状が届き、舞踏会に全員が招待されているので自分も行けると思ったんですが、意地悪されているものですから継母と二人のお姉さんだけでお城に行ってしまいました。
自分だけ残って掃除しときなさい、みたいなことを言われたときのシーンです。
この手前で一人掃除しているのか「今の辛い現実」だとします。
お城の方が「完璧に満ち足りた世界」と考えていただくと、この状況をどう認識するかが男性と女性で違う場合が多いんですね。
ここの認識が真逆になっていることが多いということです。
どういうことかというと、男性のリアルというのは一般的に「一人で掃除をしている」ところにあります。
要するに今掃除しているので、掃除しているところが現実だととらえるのが普通といえば普通ですよね。
惨めで今の弱い自分を噛み締めてレベルアップして、いつか自分もあの城に行ってやるんだ!といった感じですね。
谷本氏
ポジティブにいけば「旧来の支配層があのお城にいるのであの古い支配層を倒して自分が新しい世界の秩序を取り戻そう」という感じです。
そうすると自分がヒーローになる!といったストーリーになります。
ネガティブにいきますと「馬鹿にしたあいつを見返してやりたい」といった下剋上のストーリーになったりしますね。
一般的な男性が主人公の物語は、今の弱い自分がだんだん強くなってお城を取るといった感じになっています。
桃太郎でもスターウォーズでもワンピースでも、途中で仲間を集めて進んでいくというストーリーになっていることが多いので、ではこのストーリーにのせてマーケティングをしましょうというのが従来の考え方でした。
女性達もワンピース楽しんで読んでますので、この物語が女性に響かないわけではないんですが、女性たちの物語はこうはなっていないというのが面白いところです。
このシンデレラの主人公がもし男性だったら多分このお城に向かって桃太郎のように攻め込んでいくようなストーリーになりそうなんですが、主人公が女性なので女性のリアルが逆にある、ということなんです。
このシンデレラがお掃除をしながら何を考えてるかと言うと「何かおかしいな」ということを考えているんですよね。
「私本当はお城にいて当然なのに何かがおかしい」
「間違っている」
と、目の前の現実にあまりリアリティを感じていないのです。
お城にいて当然だということは、お城の方にリアリティを感じているんですね。
なので男性にとっては夢とか理想だと思われることが多いこのお城の方に、私はいて当然だと思っているわけです。
この辺が変わっているところですね。
何かがおかしい、毎日欠乏している、なんか変だなという違和感を感じながら過ごしているシンデレラの気持ちが、女性たちが普段感じている気持ちに非常に似ているんですね。
この気持ちを抱きながら街をフラフラ歩くとどうなるかと言うと、この欠乏感を埋めてくれそうな魔法のような商品に出会ってしまったときに思わず衝動買いをしてしまうんです。
男性は女性の衝動買いの意味がわからないと言われる方が多いんですが、いつも「何かがおかしい」と思っているからこそ衝動買いでパッと買ってしまう時が多いのです。
男性にとっての夢が女性にとってのリアルになっている。
男性にとっての現実こそが女性にとってのフィクションで、パラレルワールドを生きているといったところが根本的に違うところです。
谷本氏
この話をすると混乱してくる方がいらっしゃるんじゃないかなと思いますので、女性達の気持ちを具体的にイメージしやすい例をもう一つお話しします。
今すぐここで呪いでカエルに変身してしまったと思っていただくと、少し分かりやすいかなと思っています。
人間じゃなくなってしまったので鏡を見るとカエルしか映っていない。
歩こうと思ってもぴょんぴょんしか飛べない。
ゲロゲロしか鳴けなくなっている、そうなったとしたらどう思うかですね。
「自己認識はどうですか?」と聞くと「俺は人間だと思っていてカエルだとは思っていない」と言うと思うんですよね。
この瞬間だけに呪いでカエルに変えれたとすると、鏡を見ていくらカエルが映っていたとしても「これは仮の姿に過ぎない」「俺は人間なんだ」と多くの方は思われるんじゃないかなと思います。
そうすると鏡をぐいぐい突きつけられて
「お前はカエルなんだ」
「そろそろ現実を直視したほうがいい」
「このままカエルのままでいたらもっとひどいことになる」とか言われると、わかってるけどあまり見たくないのにと嫌になってくるんですよね。
なんならカエルになったのは呪いで一瞬だったんだからまたもう一瞬で人間に戻れる気がするとしか思えない感じですね。
すごい悩んでるかと言うと悩んでなかったりします。
ぴょんぴょんしか飛べなかったとしても、またそのうち人間に戻ったら歩けるようになるし問題ないといった感じです。
カエルしか映らなくても「これは自分じゃないから」といった感覚になるんじゃないかなと思います。
これが女性たちが普段感じているところに似ているということですね。
谷本氏
女性たちが鏡を見ている時の様子を観察されたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、結構自分が一番きれいに見える角度や一部分しか見てなかったり、首という首としか見てなかったり。
あまり周りが思っている程悩んでいないということがよくあります。
気になってはいても直面したくない、という感情ですね。
これがこれまでのマーケティングをひっくり返す一大事だったりします。
従来のマーケティングって悩みを掘り下げていくやり方が多くて、
「このままだったら大変なんです」
「もっとひどいことになりますよ」
「だからこれを買った方がいいんじゃないですか」
みたいな訴求が多かったんですが、基本的に女性に売る場合はNGです。
もちろん悩みが深ければたまには売れる、反応があるので勘違いしやすいんですが、その時はどうしようもないから仕方なく買ってる。
気分を害しながら買っているというだけなので、違う訴求にすると反応の率が変わることがあります。
今取りこぼしてる率が多いということですね。
例えばダイエットでも女性に売る場合は「あなたはすごく太ってます」
「醜くいですよ」といったことは上手な会社さんはほとんど訴求していないです。
色んな例があるので話すと長くなるんですが、ライザップさんでもビフォーは照明わざと暗くしていますよね。
アフター:綺麗になってからの方が絶世の美女だったりしますよね。
一般人が痩せてもあんなに綺麗にはならないんですが、「とっても美しい人になれそうな気がする」「自分が痩せてもあんな風にはならないんだけど、ああなれるならやりたい」といった感じになっているので、その見せ方に全然違いがあるということですね。
シミやシワ、たるみなどある一定以上の年齢になると女性たちにすごく広告が出ます。
気にはしてるけど直面したくないという気持ちなので、あんまり見たくないですよね。
オンラインサロンをやってるんですが、そこでは「そんな失礼なことわかってるわよ」「言わないでよ」みたいに言っている方が多くて、みんなで残酷広告と呼んだりします。
上手な会社さんってこの辺のワードをあまり使わず、目元や口元でぼかしていかれることが多いので、直接的な表現ではないです。
悩みじゃなければ何を見せてるのかというと、基本的には「本来の時代を自分を取り戻せますよ」「そのための魔法ですよ」といった見せ方になります。
努力して新しく獲得しなければいけない、レベルアップが必要という見せ方ではないということですね。
「今カエルでも薬を飲んだら一瞬で戻れますよ」「元の人間に戻れますよ」という見せ方をすることになります。
もともと持っている美しさが目覚めるとか蘇るなどの表現になることが多いです。
徳田
なるほど、男性と女性だとだいぶ違うんですね。
谷本氏
そうなんですよね。
私自身が元々やってたのは30代~90代の女性向けばかりやっていたので、まさかこんなに違うとは当初思っていなかったんですよね。
もともとがセールスライター出身なこともあり、単に男性と女性で共通体験が少ないからリサーチした時に分かりにくいだけでリサーチすればわかるだろうと思っていたんです。
情報収集がしにくいだけと当初は思っていたんですが、知れば知るほど案外傾向としてはっきり差が出るところに自分でも驚きました。
探してみると、やはり本来の自分を取り戻す系の変形バージョンになっているパターンが多いです。
この言葉「本来の自分」も「取り戻す」も両方キーワードなので案外使えます。
それぞれいろんなバリエーションがあるので、女性向けの広告でいいなと思うものがあればこういった訴求になってないかを確認していただくと面白いかなと思います。
谷本氏
ただ本来の自分というのが結構曲者で、シンデレラの説明は都合上出しただけで別にすべての女性がシンデレラに、お姫様になりたいと思ってるわけじゃないんですよ。
自社のお客様は他の企業のお客様と違うので、うちのお客様が本来の自分だと思っているもの、私はこう本来こうなはずなのにと思っているものが案外違ったりします。
そこを調べずにわかった気で作るのはすごく危険です。
谷本氏
特に勘違いしがちなのが、男性と女性でもともと求めている結果が違うという観点を外して考えてしまうという点です。
本来の自分に戻るって男性でも使えそうじゃないですか?
しかしその出し方がちょっと違うという感じですね。
男性の場合は外向きの感情に訴求し、女性の場合は内向きの感情に訴求するということが重要です。
男性の場合、客観的な評価の最上級が女性からの評価である場合が多いので、そうすると「モテたい」というところに訴求すると大体どの商品でも売れます。
「英語ができるようになったらモテますよ」、「脱毛すればモテるようになりますよ」などの訴求です。
もしくはモテたいではなく「だし抜きたい」「あいつを負かしたい」とか「馬鹿にしたあいつを見返したい」という形ですね。
いつでも客観的な評価なので、お金やポジション、地位、昇給などが直接的に響きやすくなるのが男性の傾向です。
一方の女性は他者の評価というのが1ミリもないというのがポイントです。
一見ありそうに見えるのが厄介な所なんですが、表面的には他の人に勝ちたいといったことを言ってる場合があります。
特に男性社会で生きている方は男性内示されてきているので、そういう言葉遣いに慣れてしまっています。
その場合、男性向けの表現でも響くことがあるんですが、実際にセールスライターって上得意のお客様に1時間ぐらいインタビューするんですよ。
そこでよくよく深く聞いてみると結局のところ女性に売るならば自己満足なんだなと分かることが多いです。
他の人の評価を求めていないことを前提に持っていただいた上で、自分の所のお客様をインタビューする、リサーチしていただくと間違いがないかなと思います。
谷本氏
やはり他の人の評価を求めているんじゃないかという前提で見ているとそう見えてしまうんですが、この人たち自己満足を求めているんじゃないかという前提で見るとまたちょっと違って見えてきます。
女性に売る場合は
「この商品を使ってる私が素敵」
「これ使ってると自分らしく思える」
「もっと自信が持てる」
などと訴求する。
「わたしっていいじゃん」「まだまだいける」といった所に持っていくことが大半です。
この自分らしいと思えるかが重要なので、広告やホームページなどでこれを使えば自己満足できるということを見せていく必要があります。
ちなみに何が自分らしいと思えるかに若干のズレがあります。
カエルが直視したくないというのと同じですね。
例えば写真でも自分と全く同じ年齢の人を見せたら「こんなに私歳いってない」って思われたりします。
例えば女性もののシャンプーの広告などで海外・欧米人の女性をモデルにしてることがあります。
男性の場合だとあれに憧れているのかなと思われるパターンが多いんですが違うんですよね。
あれは自分らしいと思ってるんです。
白人の女性を見ても「私あんな感じ」と思える、鏡が少し歪んでいる感じになっています。
その自分らしさを自社のお客様たちはどこに持ってるのかを明確にし、そのイメージを見せていかないといけない部分がが女性物の難しさであったりします。
谷本氏
情報の見せ方色々違いまして、女性は検索しなかったり詳細の検討をしない傾向があります。
これは男性の方の方が価格ドットコムなどが好きなのと同じ、実際女性にお聞きすると「検索せずにストレートに決めました」ということがあります。
ではそういう時にどんな見せ方をすると一発で決めるのか、他社に逃げないのかなども考える必要があります。
それと大体女性の方は成分をよく知らないですね。
プラセンタとかコラーゲンとかの名前もなんとなく知ってるけど、どれが何に良いのかあまり把握していないです。
全部肌にいい系という認識で、あまり成分名を書かないほうがむしろ売れるって言う場合もあったりします。
先ほど価格ドットコムと言いましたがスペックの差とかもあまり気にしてないです。
例えば私もテレビを買ったとき何インチだったのかはもはや次の日には覚えてないです。
裏に何の端子があったかもあまり比較せずになんとなくで決めたりします。
あと専門家の権威というのも一般的によく使われるんですけど、「へえ、そう」って程度で女性にあんまり響かなかったりって事もあります。
グラフとか表とかは客観情報なので男性の方はすごく重要な情報なんですね。
しかし女性の場合は「めんどくさいな」と不人気だったりします。
もちろん客層によるんですが、いろいろと違いがありますので一般的な傾向というのは本に書かせて頂いています。
もし興味があれば見ていただければ嬉しいです。
谷本氏
結局のところ何が重要かと言うと、お客様の着ぐるみを着てみたらどう見えるかを考えていただくところが一番重要なんです。
男性が、女性がということよりも、自社のお客様はどう見えているんだろうというところを考えて頂くと、「これはうちのお客様は好きな見せ方だな」とか「嫌いな見せ方だな」というのがより鮮明に分かるようになると思います。
しっかり自社のお客様はどういう生体なのかをよく知るのも大事ですが、外から観察してるだけではあくまで自分の目で見てるだけです。
そのためどっぷりお客様の中に入るイメージで、着ぐるみを着てみたらどう景色が見えるんだろう、どういう気持ちなんだろうというところをしっかり捉えていただくということが何より重要です。
その大きな傾向として男性・女性があるというような感じです。
なのでお伝えしたいのは、他の人というのは案外自分とは違う点を重視して意思決定をすることがあるので、自分の直感をあまり信じずに他の人に聞いてみるということが大事ですということです。
男性が、女性がというのもあるんですが、その中でも色々と違いますので是非自社のお客様について詳しくなっていただければと思っております。
徳田
ありがとうございます。
徳田
上得意様にユーザーインタビューのお話の中で、「コピーライティングをする上で3人に話を聞け」と谷本さんの YouTube チャンネルでお話しされていたと思います。
なぜ3人なのか、上得意様に聞くと見えてくるものについて教えていただけますか?
谷本氏
お得意様3人聞くとだいたい共通してくるんですよね。
過去の体験、何に悩んでたのか、どれぐらいの期間悩んでたのかというのがほぼほぼ共通してきます。
これは私だけでなくユーザーインタビューを本気でやられている方も、途中で飽きてくるため20人なんか全然いらないと皆さん言われています。
そのため人数はそんなにいらないんです。
ではなんで3かと言うと、1人だとこの人だけじゃないかな、この人だけの傾向なんじゃないかなと自分が怖いですよね。
2人だと偶然の一致かもしれないと思えてしまう。
しかし、3人共通してくると「これはうちのお客様共通なんだ」と自分が諦めるんですね。
もちろん3人で不安だったら4人でも5人でも行っていただければいいんですが、20人やっても3人でかぶったものは共通するので、最低限で3で十分という感覚があります。
共通する言葉とかびっくりするぐらい同じですので、これさえわかれば自分で考える必要はないという感覚は私自身にはあります。
社員としてサラリーマンでやっていた頃は自分が一番商品のことに詳しかったと思うんですが、今だと私の知らないお客様に私の知らない商品を売らなきゃいけない。
そうなると商品とお客様両方詳しくなってもあまり意味がなく、このお客様達がどういうことを評価しているのか、このお客様達が何でこの商品を買ってるのかっていうのを聞いて順番を再編集するだけなんです。
なのでいかにお客様達がどういう気持ちだったかという情報を取って来られるか、その共通点をいかに再編集できるのかが腕の見せ所でセールスライティングの最大のコツなんじゃないかなと思ってます。
徳田
なるほど。
お客様の声をそのままコピーに使う、お客様に1時間のインタビューをしっかりして声を聞くというところに時間をかけた方がいいということですね。
谷本氏
そうですね。
アンケートもお客様の言葉を取ってくるっていう意味では使えます。
アンケートは使えない回答もあったりするので紙の場合は20件ぐらいあれば共通点が見えてくるんじゃないかなと思います。
ただ、例えば20件レビューがあったとしてもどこが共通してるか見る時に、たまに自分の色眼鏡がかかっていると自分が見たい情報だけをピックアップしてくる方がいらっしゃるんですね。
そこを防ぐためにリアルなお客様に話を聞いてみると、こういう人たちなんだというイメージがついているので、自分の先入観が入りにくいというメリットがあるかなと思います。
両方やっていただくのがおすすめです。
徳田
私達が海外進出するときも必ず調査しましょう、インタビューしましょうって言っていて、どの国でもサンプルとなる人を集めてインタビューさせていただくようにしています。
徳田
谷本さんがインタビューされる際に必ず聞く質問はありますか?
谷本氏
この商品に出会う前にどんな商品を使ってて、何が嫌だったかなどの過去の経緯です。
徳田
競合製品の嫌なポイントなんですね。
何かしらリプレイスを考えてるから今自分の商品辿り着いているということですか?
谷本氏
そうです。
自社の商品のいいところなんですか?とストレートに聞かれて答える人ってまずいないんですよね。
でも一番答えが出やすい質問は何かと言うと、自社の製品じゃない他社の製品についてです。
例えば自社商品がダイエットの商材と仮定してサプリメントを販売したいとします。
ターゲットはおそらくサプリメントの前に運動の器具を買ったり、本を読んだり、DVDを買ったりしていると思います。
例えばジムに行って嫌だった思い出などを聞くと、その真逆が自分の商品に期待されていることだったりするので、この聞き方が一番簡単です。
自分の商品のこだわりじゃないところでも同じなんですよ。
「自分の商品のこだわりを言ってください」と言ってもなかなか出ないんですが、「他社商品を見てイラッとするところを言ってください」と言うとたくさん出てきます。
徳田
直接競合じゃなくてもいいんですね。
谷本氏
恋愛と同じだと思っています。
「好きな女性のタイプを教えてください」と言うとみんな適当なことを言うんですが、それと実際に付き合ってる女性のタイプが違うことがあるじゃないですか?
自分でも気づいてないことがあるので、口から言った適当なことを信じるよりは実際の行動を見たほうが早いです。
そのため、過去に付き合ってた女性たちのタイプ、不満や良かったところを聞いたら大体その人の好みって分かりますよね。
その方が正確性があるしインタビューした時にすごく話が盛り上がると私自身は思っています。
徳田
なるほど、競合他社や間接競合の製品の嫌な所は今まで質問してなかったので、海外のお客様にそういう質問もしてみたいなと思いました。
今日色々とまとめてお話ししていただいたんですが、谷本さんは鬼のように YouTube を更新されていますよね。
今日の内容もすごく濃密でしたが、濃密な内容がほぼ毎日更新されているのでよかったら皆さんご覧いただければなと思います。
谷本氏
「谷本理恵子の女性に売れる!プリンセスマーケティング」というチャンネル名でやっております。
だいたい2日に1回ぐらいでアップしており、著者が解説するネットで女性に売るシリーズや、この章について説明しますだったり、ランダムな質問にお答えしますとかやってます。
LINEなどでも質問をいただければ嬉しいです。
徳田
本日は貴重なお話頂きありがとうございました。
当社がこれまで培った知識やノウハウ、海外の先進事例などを、無料メールマガジンとして配信しております。ぜひご登録ください。
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