対談
Interview
この記事を読むことで東南アジアBtoBビジネスで成功する秘訣がわかります。
【KANTAN株式会社 代表取締役 横川敏幸氏 略歴】
20年以上にわたり年間120日以上海外で過ごす。
企業活動では能動的に動く組織作りを展開する。
2020年にKANTAN株式会社を設立。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希(以下 徳田)
こんにちは! 世界へボカンの徳田です。
本日はKANTAN株式会社の横川社長にお話を伺いたいと思います、よろしくお願いいたします。
簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?
KANTAN株式会社 代表取締役 横川敏幸氏(以下 横川氏)
横川敏幸と申します、よろしくお願いいたします。
25年間、商社で海外事業をずっとやっていました。
もともとは中国の鉱物資源を輸入開発して日本に持ってくるという仕事からスタートし、その間に6年間アメリカに駐在しました。
そして後半15年ぐらいは東南アジア向けの事業開発をずっとやってまいりました。
日本と海外合わせて100名ぐらいのチームで日本や中国の製品・原料をアフリカとオーストラリア以外の世界に向けて販売していく仕事でした。
そこでずっとやってきたのが現地現地で扱いたい商材を専門的に取り扱ってくれる現地の輸入商社や卸業者や代理店を開拓し、そこを使って現地のサプライチェーンを作っていくことでした。
25年間やった時に日本の輸出に対してもう少し何かサポートできたら、特に地方から海外に出るという仕掛けをお手伝いしたいなと思いまして、2年半前に独立し今に至っているということです。
徳田
原材料メーカーは僕らもやっているんですが、なかなか代理店を開拓するのは難しいですからね。
どんな想いでやられているんですか?
横川氏
当然大手のメーカーさんのサポートもさせて貰っているのですが、同時に中小企業の社長さんとお付き合いすることもたくさんありました。
そこでいろいろ聞いているのが、中小企業あるいは地方の会社は情報不足で良い会社があるのになかなか海外に出ていない。
日本の人口がどんどん減っていき、縮小していくパイの中で価格競争しかないと世界を憂いている企業の社長さんがたくさんいました。
一方で私が見てきた東南アジア中国というのはこの10年間だけですごい経済的伸びが発展していて、皆さんそこに壁を感じているようでした。
行きたいんだけどどこから始めて良いかわからないという世界が見えてきて、ここをうまくブレイクスルーできないかな思っています。
私のやっていることはすごくアナログなんですが、だからこそ属人的なのかも知れません。
私がちょっと方向性をつけてあげる、海外に向けて発信する道筋を作ることができれば地域の活性化につながる、そしたら日本も元気になるんじゃないかといった想いで今に至っています。
徳田
これまで経験されてきた知見を元に地方創生もそうですし日本をもっと元気にできればと思ってやられているということですね。
徳田
日本内需の減少というのがある中で東南アジアに対して目を向ける方って多いと思いますが結構、難しいと思うんですよね。
実際に弊社も東南アジア向けに支援させて頂いて代理店さんを開拓したりすることがあるんですけど、海外に挑戦するメリットってどういったものがあるんですか?
横川氏
特にコロナになって世界のことが見えていないのかも知れないです。
上のグラフには2021年までのデータが載っているんですが、実は日本の貿易総取扱額は伸びているんですよね。
僕は知らなかったんですが去年の農産物の輸出って過去最高なんです。
何が言いたいかというと、コロナになっても輸出事業が伸びてるということなんです。
もうひとつと言うと11月11日は中国で独身の日と呼ばれ越境ECで1番の稼ぎ時の日で9兆円でした。
中国にとっての最大輸入相手国は日本なんですね。
そこから見てもマーケットがあるし、やっている方はすでに輸出されています。
ここはすごくチャンスじゃないかなと思うんですよね。
ただやっている方が限られているんじゃないかなという気がして、そこを広げたいと思っています。
徳田
市場はどんどん拡大しているが一部のブレイクスルーした方達だけが儲かっている状態ということですね。
横川氏
そうですね、残念ながらそういうことだと思います。
徳田
アジア圏でビジネスの機会が増えるというのはわかったんですが海外市場に展開されている多くのお客様で代理店の開拓が難しい、開拓したものの全然動いてくれないと課題を感じている方が多いと思うんです。
そのあたりってどう対応されているんですか?
横川氏
これもデータが出ています。
企業が抱えている課題って現地のパートナーや適した商社が見つからない、現地の商習慣や法規制、人材育成、現地のニーズなどが挙げられます。
この辺をどうやって掴んだら良いかはみなさん共通の課題のようですね。
徳田
このあたりの課題はみなさん共通しているのかなと思いますが有効な打ち手はあったりするんですか?
横川氏
特にこれから輸出を始めたい、輸出をやっているけどなかなかうまく定まらない方に対しても打ち手ですが、やっぱり現地のニーズ、法規制、現地の売り方、商習慣は現地の会社が1番よく知っているんですよね。
なので現地で売りたい商品の同じ業界で活動されている会社をパートナーとして見つけることが1番の早道だと思っているんです。
特にこれからやろうとする方に対してブランディングができていないとか、現地のニーズとマッチできていないかどうかを確認するためにも、現地で自分たちに適したパートナーを見つけるということが1番のソリューションだと思っています。
徳田
各国でここは信用できる、実績がある、日本の企業との取引があるという代理店さんを知っていて、お繋ぎ頂けたり紹介頂けたりすることがあるってことですか?
横川氏
そうですね。
すべてを知っている訳ではないんですが、どうやって見つけていくか、どうやって見抜いていくかは20年間ずっとやっていましたのでお手伝いできると思っています。
徳田
チェックポイントがある訳ですね。
例えばどんなところか教えて頂けますか?
横川氏
月並みかも知れませんが、日本の会社と付き合った経験があるかどうか、それからオーナーの考え方や資質です。
これは何度かお話しをしないといけないんですが、これからお付き合いしていく会社っておそらくオーナー企業が多いと思うんですよ。
特に東南アジアはいわゆる株式上場していて日本の組織的な企業とお取引することの方が少ない可能性が多いんです。
その場合オーナーが喋って違和感があるかをしっかりクリアしていかないと後々何か問題起こった時にそこが露呈する可能性があるのでオーナーの質は大切です。
その時に大事なことは日本の企業とお付き合いしたことがあるかどうか、1番そこが大事だと思います。
それからもう1つは情報開示をちゃんとしてくれるかどうか。
取引する前でも、この商品に対してどんなマーケットがあるかを確認するときに具体的なエンドユーザーの名前とかを出してくる会社は自分たちに自信があって実績があります。
そこを隠すようだと何か隠さないといけない理由がありますので、そういったところからを見えていくかなと思います。
徳田
なるほど。
どちらかというとモノを持ってる人たちの方が有利なはずなので、どこと付き合うかは選べるようにならなきゃいけないということですね。
焦って代理店を獲得するんじゃなく、横川さんのようなパートナーと一緒にそういった視点をもって選定していくことが重要ですね。
横川氏
まさにそうです。
焦って売って失敗されたケースを何度も見ていますし、それは決裁条件なんかにも影響してきます。
買いたいと思わせる仕組みを事前に作ることが大事ですよね。
徳田
具体的にはどんなソリューションを提供されているんですか?
横川氏
どう代理店にアプローチしていくの?という中で2年間いろいろ試行錯誤して出てきた答えが「映像」なんですね。
会社のあり姿、社長の想い、商品の特性、どうやってその商品を作っているのかをまとめてBtoB向けの映像を作り、それを代理店に見せてマッチングしていくことが1番早いことに気づいたんです。
しかもある程度の確度で代理店を見つけることができるってことがわかりました。
それを使って海外にアプローチをしていくことを今おすすめしています。
徳田
弊社だと良質なお問い合わせやリードを獲得するためにちゃんと会社の資料を作る。
自分たちがどういうお客さんとお付き合いしたいのかを考え、どういうところがその市場で強みがあるのかを考えたうえでWEBサイトを構築しましょうとお伝えしています。
動画も商品のことを理解して頂く、自社のことを理解して頂くのに重要ポイントだなと思いました。
横川氏
そうですね。
会社の話をまた聞きで正確に伝えられるかを考えると伝えられないと思うんです。
人が介せば介すほど新鮮な情報って薄まっていくので、そこをしっかり映像におさえる、代理店として取引したいなと思う要素をまとめるのが非常に大事かなと思っています。
徳田
なるほど、代理店の中でも選定基準あると思うので、そういったところを横川さんはご存知でそこをおさえた動画が作れるということですね。
横川氏
おっしゃる通りです。
この会社と取引したらどうなるのか、信用性、ストーリ、日本で売れているかなどいっぱいポイントがあると思いますが、そこをしっかり動画の中に落とし込んで見てもらうことが大事だなと思います。
徳田
動画を製作するうえでどんな見せ方・伝え方が重要かも横川さんがアドバイスしてくださると思うんですけど、ポイントはあったりするんですか?
横川氏
相手目線で考えてほしいんですね。
先方さんは取引する相手として日本の会社をどんな風に見ているか、を考えて作って頂きたいです。
どんなことを考えているかというのと以下になります。
■どんな会社なのか
■社長はどんな人物なのか:決裁権を持っている人はどんな人物なのか、誰が決めるの?ということがすごく大事です。
■企業として日本で成り立っているのか:当たり前ですがちゃんと商売できているのかということがわかる、日本で売れてるかどうかですよね
■商品の強み
■どうしてこの商品を始めたのか:ストーリーですね。
この辺がしっかりまとまっているとまずは興味を持ってもらって次のステップに行きやすいなと思います。
徳田
自分たちが伝えたいことばかり伝えるんじゃなく、海外の企業が知りたい情報から伝えていくことが重要ですよね。
横川氏
おっしゃる通りですね。
この会社と取引して大丈夫だって思えるところをまず表に出してほしいなと思っています。
徳田
YouTubeを1年半ぐらいやってるんですが、動画の効果を知って頂くきっかけを作る、僕らのことを深く知って頂くきっかけとして動画がすごい役立っているなと思っています。
やはり商社の方が取引する際、現地の代理店の方が取引する際、こういう会社ですと上長に説明する際にも動画が使えると思いますし、部下の方が把握するためにも重要ですよね。
横川氏
社内でのコンセンサスも取れますし、この動画自体が営業マンになってくれます。
きっちりと正確に情報を伝えるという意味ではものすごい有効だなと思いますね。
徳田
20年以上やられている方がそれだけ効果を感じているって大きいですね。
横川氏
これが無かった時代は属人的になっちゃうんですよ。
最後のところは属人的に色んなところでクロージングするノウハウがあるんですけど、最初の導入として何が大事なのかなどを正確に伝えるために動画というのはすごい良いツールだなと思います。
徳田
日本企業って製造業の3要素をQCD(クオリティ、コスト、デリバリー)で言うとQが強くてCが弱いじゃないですか?
コストが東南アジアと比べて高いと思うのでちゃんと価値を伝えないと売れないと思います。
クオリティのところに対してこれ良いじゃんと価値を感じて頂くってすごい重要ですよね。
横川氏
その通りです。
それがきっちりできているとあとの交渉条件に大きく影響してきますので、最初はすごく作り込みが大事かなと思います。
徳田
どんな成功事例があるんですか?
横川氏
タイで開拓をスタートした事例です。
現地のネットワークに動画の要素をしっかり伝えて話を投げかけたところ、現地ですぐに取引先候補を見つけることができました。
そこから最初に相手の知りたい情報をまとめて、オンラインで商談を行ったのでめちゃめちゃスムーズだったんですよね。
そのあとまた条件交渉に入っていき非常にスムーズにスタートしたというパターンが1つあります。
徳田
動画が一人歩きしてうまくいったということですね。
横川氏
それからもう1つお伝えしたいのは、動画でのコミュニケーションがものすごく大事ということですね。
正確に自分の会社や必要な情報を伝えているかどうかです。
さっき社長の人柄を見ていると言ったと思うんですけど、動画に出てもらうだけで信頼性になります。
この人とお付き合いして大丈夫かって結局最後は人と人の関係なんですよ。
しっかり話ができる人だと伝えるという要素が大事です。
ここでいくとそれをしっかりやったおかけでチームみたいな取引先ができて、何かあったらイベントするような仲間になっていきました。
こんなふうに仲間になれるような意識で代理店を見つけていく、あるいは動画も作っていくとなると非常にスムーズに見つかっていくんじゃないかなと思います。
あともう1つ動画とは少し外れますが即断即決ってすごく大事です。
商売を決めるスピードはものすごく大事で、動画とかを作っていく過程で自分の会社のポリシーやUSP(独自の強み)などを見直すことができます。
何を譲歩できて何を守りたいのかとかが見えてくるんですよね。
動画を作る副産物でいくと、自分たちのポリシーや大事なこと、守ることが見えてくるという意味でも動画を作ると良いのかなと思っています。
徳田
具体的に御社がソリューションを提供するとなるとどんなステップでやって頂けるのですか?
横川氏
お客さんの条件に応じて相談させてもらうんですが、大きく分けると4つのステップがあります。
①市場調査
これからまさにスタートするという企業さんに対しては市場調査をさせてもらいます。
私たちは東南アジア各国に現地のビジネスパートナーがいます。
現地で現地のやり方で基本的にはインターネットを使っていくんですが、判断材料に使えるような代理店候補や店頭調査、競合調査など、簡易調査をまずさせてもらいます。
そこから具体的どこにどんなふうに攻めていくのかを判断をしていくことになります。
②戦略立案
私たちが1番進めているのは動画の制作です。
調査を踏まえてどのマーケット・どんな客層が良いかと決めた上で、扱える代理店に向けた動画を作っていく。
これが私たちの戦略の1番の骨子になります。
③代理店調査・獲得
そしてその動画を使って①の市場調査で出てきたその国のリスティング、商社、卸業者に具体的にアプローチしていってアポ取っていくということです。
アポを取って面談するのが結構大事なので、面談をファシリテイトしながらクロージングしてサポートしていきます。
④輸出・プロモーション
現地でしっかりそれが輸入できるかどうかの規制の確認やどんな形態で輸出していくのかを同時並行で考えていかないといけません。
このあたりの輸出事業、物流の設計もサポートさせてもらいます。
徳田
1度お取引したら調査から実際の輸出プロモーションをするまで1年ぐらいかかりますか?
横川氏
そうですね、やろうと思うと1年、スムーズにいって半年ですね。
でもサンプルワークまでなら半年ぐらいでできるかなと思います。
徳田
網羅的に把握しておかないと何がお客さんの判断ポイントなのか、どういうステップで進めれば良いかわからない中で模索しながら進めることになりますね。
時間・経験を買うという意味でも一緒にやってもらった方が良いなって思いました。
横川氏
そう言ってもらえると本当にありがたいです。
僕たちも20年間色んな失敗をしてきましたのでできるだけ失敗を避ける。
チャレンジはどんどんしていくんですが無駄なことは省かないといけないのは本当におっしゃる通りなので、そういうところは使ってもらえたら良いなと思いますね。
徳田
弊社は海外向けのサイトの構築やプロモーションなので、横川さんの動画やそのあとの交渉、商談部分でコラボができたらすごく良いなと思いました。
横川氏
僕も最近痛感しているのは
商社の時代はアナログの世界しかやっていなかったんですが、世界へボカンでされている活動というのは色んなところに無限にアプローチできるじゃないですか?
それって本当にすごいし活用しないといけないと思うんですがそのノウハウは僕たちにないんです。
目の前のお客さんをパートナーにすることは、たぶん僕たちがやってきたことと変わらないと思います。
僕たちは特化した形でサポートさせてもらうので、そういう意味では徳田さんのところと非常に親和性があるんじゃないかなと思っています。
徳田
そうですね、最終的にはお取り引きしたいと思うお客さんって同じ方だと思うのでぜひコラボレーションできればなと思いました。
本日は貴重なお話頂きありがとうございました。
横川氏
どうもありがとうございました。
当社がこれまで培った知識やノウハウ、海外の先進事例などを、無料メールマガジンとして配信しております。ぜひご登録ください。
世界へボカンのプライバシーポリシーについてはこちらをご確認ください。
弊社では、皆様のサービスや商品を最適な形で海外に進出するためのサービスをご用意しています。
具体的なプランは個々のご事情に合わせて策定いたしますので、まずはご相談ください。
私たちは、越境EC、海外BtoBマーケティングに特化したShopifyマーケティングエキスパートとして日本企業の海外進出の支援をしています!製造業メーカー様で販路拡大をご検討されている方はこちらからお問い合わせください。
https://www.s-bokan.com/solution/site/
海外マーケティング情報のメールマガジン登録はこちらから
https://www.s-bokan.com/mailmagazine/
はじめて越境EC、海外Webマーケティングに取り組む方向けに書籍を出版しました!
私たちが、
御社の海外進出を
サポートいたします!
私たちが提供するサービスや数々の支援実績、
実際に行ったマーケティング施策から導き出した
海外Webマーケティングのノウハウをまとめました。
ぜひご利用ください。