対談
Dears 北原さんに聞く、事業をスケールさせるたった一つの方法 Dears 北原孝彦氏 × 世界へボカン 徳田
- 2022.02.10
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対談動画
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この記事を読むことで事業をスケールさせる方法がわかります。
【Dears 代表 北原孝彦氏 略歴】
ゼロから5年で140店舗を展開。
ネット集客、マーケティング、経営ノウハウを発信。
自身のコミュニティも人気を得ている。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
Dears代表 北原氏の自己紹介
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世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希(以下 徳田)
こんにちは!世界へボカンの徳田です。
本日は低離職率・フレックス・リピート率90%を実現して圧倒的な成長力で全国展開制覇、今140店舗以上で髪質改善の美容室を経営されているDearsの北原さんに話を伺いたいと思います。
よろしくお願いします。
簡単に自己紹介お願いできますでしょうか?
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Dears 代表 北原孝彦氏(以下 北原氏)
北原孝彦と申します。
普通に高校卒業した後、専門学校を経て地元長野県のサロンに就職、技術やマーケティングを勉強させて頂きました。
アフィリエイトやブログ運営、広告運用技術を学びながら修行させて頂き、2015年の5月にDearsという美容室を1店舗目スタートさせました。
現在141店舗になってる美容室のグループの代表をさせてもらっています、よろしくお願いします。
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徳田
Dearsさんって特徴的な美容室さんですよね。
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北原氏
はい、特徴があります。
コンセプト、やること・やらないことをしっかり明確にし、きめ細やかに作り込んで設計して作ったサロンなため、他のサロンよりも取り扱ってるメニューが少ないです。
髪の毛綺麗にするという方向性で打ち出して、例えばヘアアレンジや着付け、キッズカットもやらないって決めてやっていますね。
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徳田
やること、やらないことを決めることで5年間で140店舗ってめちゃくちゃすごいペースですよね。
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北原氏
実際に100店舗を超えるまでには4年間で、これから拡大してくぞと2年間は作り込みをしてたんですよ。
この2年間は徹底的に2、3店舗で作り込みをしてたので、テスト運用をずっとやってたんですよね。
なので実質2年と何ヶ月か経ってから、全国展開やると掲げてフランチャイズ募集し、2年半ぐらいで100店舗を超えたって感じですね。
他の美容室とDearsの違いとは
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徳田
店舗数ってガンガン増やせるもんじゃないと思うんですが、なんでこんなに増やせるんですか?
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北原氏
多くの美容室他社との圧倒的な違いの観点からお話します。
まず最初お話しさせていただいた、やること・やらないことをしっかり決めて、力を入れるメニューをちゃんと作りこみ、選ばれるサロンにするという部分。
あとマーケティングを自社でやってるというのが結構大きいかなと思っていますね。
まれに経営者さんが経営を数字を見てやってなかったりするんですよ。
・雰囲気になってしまっている
・いくらの売上を作っているのか実際に分かっていない
・社員一人一人の立ち位置を明確にしていない
・なんとなく幹部と店長で頑張ってやるぞ!と血を垂れ流しながら進んでいる
などですね。なので3歩進んだら必ず2歩戻る現象で一歩しか進んでない。
うちは3歩進んだらちゃんと3歩の上に3歩積み重ねることができてます。
なぜこの社員が残ってるのか、なぜこの社員は採用しても辞めるのかを入り口の段階で言語化、どうしたら伸びるのかが全部説明できる状態で積み上げていますね。
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徳田
徹底した言語化と作り込みが大事なんですね。
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北原氏
はい。
勢いでやってないというのが大きな違いかと思ってますね。
従業員に喜んでもらえる仕組みづくり
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徳田
低離職率、フレックス、前職よりも待遇が良くなってるなどの点で転職してきた方の満足度も高いんですよね。
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北原氏
そうですね、社員から崇められます。
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徳田
転職してきた方や、フランチャイズのオーナーさんを募り、潰れそうな所のオーナーさんを御社の仕組みを導入して復活させたりもされてるんですよね。
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北原氏
そうです、人にとってちゃんと人生が好転する・転機になるような人にしか導入しないんです。
社員もそうですしFCオーナーもそうなんですが、やることによって1年後人生これだけ変わりましたという背景を持ってる人。
僕は「設計と設定」と呼んでるんですけど、こういう設計を喜んでもらえる設定の持ち主ですね。
だから設計に対してどんな設定の人を通すのかでしか見てないんです。
やる気とかは実際見ておらず、人生がいかに変わるのかしか見てないです。
美容室の自社マーケティングについて
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徳田
先ほどのマーケティングの話に戻るんですが、多くの美容院が集客を自社でやってないんですね。
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北原氏
やってないですね、どうしてもポータルサイトに頼ってしまっています。
ポータルサイトの特徴を理解して、いくらで入れてどれぐらいの対費用効果が出てくるから使うといった考えを持てていれば使うこと自体は全然悪くないんですよ。
ただそれに依存してしまうと、戦えるエリアと戦えないエリアの数値測定ができなかったり見えてこなかったりするので、ドミナント形式で出せなかったりするんですよね。
ポータルサイトの特徴で一番僕が欲しいなと思える数字がポータルサイトだと出てこないんですよね。
その数値は新規問い合わせ数です。
ポータルサイトって新規の入客数:実予約数しか出てこないんです。
ポータルサイトの便利な所は全部自動化されている点で、席に対して空き枠が出てきてて、その空き枠に対して予約が入ってそれが1カウントとなる仕組みです。
なので忙しくなり予約が埋まれば埋まるほど、新規の入客数が実数ベースで減ってくるんですよね。
でもその裏には席が空いてれば行きたいという、入り口で断ってる人がいて、その問い合わせ数が取れてないんですよ。
何人断ってるかが分かると店舗展開は超絶楽になるんです。
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徳田
なるほど、別の記事とか動画とかでも待ってる方がいるとおっしゃってましたがそういうことなんですね。
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北原氏
それの数字が各エリアでちゃんと出てれば、ここには何店舗作っても撤退はないという数字が実数ベースで出てきます。
それを取るには集客は自社運営じゃなきゃダメなんですよね。
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徳田
腹落ちしました。
ファネルがあって予約の所しか数値が見えてないと、母数がどれぐらいあるのか見えず怖くて出店できないってことですね。
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北原氏
そうなんですよ、だからアクセルを踏めないしブレーキのタイミングを見失うんですよね。
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徳田
なるほど、その中で自社で集客をしっかりやっているから、上の方のアクセスや問い合わせ数、予約数の数値を追えるから多店舗展開できるんですね。
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北原氏
そうです。
求人に対してもそうなんですが、誰が入ったら月間何人新規をつけてあげられて、リピート率90%のマニュアルを落とし込むことにより何ヶ月後には売り上げが〇〇円なので、うちの規定でこれぐらいの給料出せますと、実際の社員のお給料の明細書を面接の段階で見せるんです。
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徳田
仕組み化がめちゃくちゃすごいですね。
集客施策はほとんど全部やってるんですか?
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北原氏
はい、全エリアうちでやっています。
各エリアで出資するオーナーにも、今の店舗がうまくいってないなどのオーナーを出来る限り厳選し選ぶことにより、Dearsの運営は完成されている→Dearsで出店していきたいに繋がるんですよね。
仕組みの中で活躍できる人材とは
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徳田
お話を伺っているとサービスの標準化の部分が徹底されてると思うんですけど、Dearsさんで活躍できる方ってどんな人材なんですか?
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北原氏
圧倒的にみんな優秀なとても優れている姿勢を持ってる美容師さんが多いです。
ただ僕が特に見るのはすごく努力ができる子。
努力というのは、
・出勤をちゃんとする
・遅刻をしない
・決めた時間にちゃんと出勤ができる
といった与えられたことをちゃんとやることを指します。上記に加えて
・体が今までの美容室業界だと追いつけなかった
・お客様に店販を売らなきゃいけないときにお客様の感度がすごく高く、このお客さんはどういうこと思ってるって繊細に受け止めてしまう
・お客さんをつけてあげればすごくいい子にやってもらったと言ってもらえるが営業能力がない
・売り込みができないそういう子達だったら営業しなくてもいいって言ってるので基本的にうちで全部伸ばしてあげられるんです。
逆にガンガン自分で開拓できますといった人はうちでは怖いなと思っています。
売り込み過ぎたり、「自分の得意な技術はこれなんで」とか言い出したりですね。
コンセプトを決めてるからこそ自分の得意な技術とかをあんまり売って欲しくないと僕は思ってます。
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徳田
明確に合う人・合わない人と別れていて、繊細でお客様の気持ちに寄り添える人でDearsさんのコンセプトにちゃんと共感してくれて実行できる人が合うってことですね。
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北原氏
そうですね、なのでサッカーで言ったらキャプテン翼のようなドライブシュートって全部決めようとする人は合わない感じです。
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徳田
チームで仕組みが出来てるから翼くんレベルのパフォーマンスが出せるってことですね。
利益が取れて社員も喜んでくれてフランチャイズオーナーもDearsさんも喜んでくれて、すごいいい形じゃないですか!
それは伸びますよね。
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北原氏
だから離職が起きないんですよね。
どうしても店長や幹部人がキャプテン翼を作ってしまうと世界を目指し始めるのでそこのチームに居たがらなくなってしまうんですよ。
僕もそうなんですが、自分の旗を振りたくなっちゃうじゃないですか?
確かにそういう人たちが活躍されてるサロンもあるんですが、スケールしてないんですよね。
結局自分のブランド掲げだしちゃうのでどっかで崩壊すると思っています。
なのでもし店舗展開で100店舗を目指すなら、そのチームにいることがいいって言ってくれる子を入口から明確に理解し、こういう人材が欲しいって決める。
そうじゃない人は申し訳ないけど採用しないって決めてやってます。
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徳田
徹底したコンセプト決めと採用基準というところで言うと、ビジネスどこでも言えることですよね。
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北原氏
そうなんですよ、美容室だけじゃないんです、全事業に言えることなんですよ。
なので常に設計と設定だよって話してますね。
この仕組みをやろうと思ったきっかけ
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徳田
なんでこんなに徹底してやろうと思ったんですか?
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北原氏
前の職場で当時の社長がやる気がある子をどんどん採用していこうな!みたいな感じでした。
例えば面接に来たら一番やる気があって一番業績あげられそうな子を採用するんです。
うまくまとめてくれよなって言われるんですけど、キャプテン翼でいうと日向君みたいな子をガンガン入れても絶対分解するんですよね。
なのでみさき君って体が弱くて従来の戦い方ができない子がいたと思うんですが、そういった人たちを集めてったほうがチーム崩壊しないんですよね。
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徳田
確かに強引なドリブルされるよりもちゃんとパスで回してもらった方がいいですね。
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北原氏
そうなんですよ、ちゃんと理解した上でチームを作らなきゃいけないんです。
多分突破力はうちの社員にないんですよ。
でも突破力って代表取締役が持ってればいいと考えています。
だからチーム監督がちゃんと指揮した時に、監督の言う通りに動いてくれる、設計通りに動いてくれれば勝てるという図面さえあれば全国にフランチャイズ展開できると思っているんですよね。
だからそこをめちゃくちゃ大事にしています。
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徳田
なるほど、ご自身が苦労された原体験があるからこそ、直営やFCオーナーさんもそういう風になって欲しくないという想いもあるって事ですね。
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北原氏
10年間やった結果まとまらない人たちは入り口で最初からまとまってないとわかったんですよ。
2、3年後にお客さん連れてやめますってなっちゃうと、大体リソースの流出になってしまいます。
これから回収するぞってときに抜けてくみたいな感じなのでまさに3歩進んで2歩戻る。
なので最初からちゃんと理解してくれる人だけで構成していくのを丁寧にやってます 。
やりたいこととビジネスは別の軸
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徳田
別の記事でやりたいことをやる軸と、生活を豊かにすることをやる軸の両方を一緒に進めようとすると良くないって話があったと思います。
今まさに求められることをやる軸をしっかり徹底してるとことですね。
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北原氏
そうですね、本当にそこを徹底してます。
この前も相談を受けてたんですが、トータルビューティがやりたいと言われることが美容業界だとすごく多いです。
トータルビューティーとは美容室だけじゃなく、一棟マンションを借りて1階は美容室、2階はネイル、3階まつ毛といった感じで作ります。
でもトータルビューティーで全国展開を抑えてるところってないんですよね。
やりたいことと勝てる事は別で、勝てることで生活を豊かにしてからやりたいことを押さえましょうとすごく言いますね。
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徳田
優先順位があるという話ですね。
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北原氏
そうです。
僕もやりたいことで言ったらお笑い芸人になる、ピアノを習う、スケートボードずっと滑るなど色々あるんですよね。でもそもそもそれで金稼ごうと思ってないんですよ。
しかし多くの方がやりたいことで食べられるようになっていきたいと思っている。
もちろんそれでできればいいんですけど、もっと時間かかるよ、そもそもスケールしないよということをちゃんと諦められるかどうなかという部分なんですね。
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徳田
両方を追い求めちゃうとすごい中途半端な結果になっちゃうから、まずはしっかり求められてることで結果を出して、資本を持ってやりたいことやったらいいんじゃないのって話ですね。
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北原氏
はい、求められてることだと明確にやり方と手順が出せます。
やりたいことだとまずそれで必要とされなきゃいけない、認知を取りに行かなきゃいけないです。
しかし求められてることだったら、今やってることを常に SNS で発信しながら、最初の客さん何人か無料でやり、有料顧客に繋げればいいと全部導線が組めます。
新しいルートを開拓してその先に商品を作るんじゃなく、商品があってそこをちょっと宣伝したらルートが出来るところを置きに行くといった感じなので、実際に勝つ事は大変じゃないんです。
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徳田
ECでも売れるものを売るのと売りたいものを売るのと違いますよ、売りたい物を売ると険しい道ですよと伝えていますが、売りたい物を売ってめちゃめちゃ儲けたいって思っちゃうから難しくなるって事ですね 。
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北原氏
必要としてもらえるものを必要とされている価格で、ちゃんと丁寧に露出していくっていう考え方ですね 。
北原氏の個人活動について
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徳田
北原さんの話はFacebookなどで聞けたりするんですよね ?
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北原氏
そうですね、2つやっていて1つは無料の勉強コミュニティです。
たまにしかコンテンツは入れてないんですが、僕の事業報告や考えの共有を無料でやってます。
これは5000人が登録してくれているFacebookグループです。
もう1つが有料のコミュニティなんですが、これはほぼ毎日仕込んでる内容や毎日事業報告してます。
参加者さんの質問がガンガンくるので、それに対して僕だったらこの順番でこの導線で仕込みます、そのままいくとこういう失敗するかもしれませんねなどを回答しています。
そういうのを実例をもとに美容室だけじゃなくECもやってますし、教育コンテンツも全部やっています。
大体の事業って全部スケールさせられると思っていて、それをもとに壁打ちをどんどんやっているコミュニティがあります。
1年間参加してもらえると5年分の視座が高められるというコンセプトで有料の方は行ってますね。
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徳田
今日お話聞いただけでも気づきが多かったです。
本日は貴重なお話しいただきありがとうございました。
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北原氏
ありがとうございました。
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