対談
Interview
この記事を読むことで、越境ECの成功と失敗についてがわかります。
【株式会社503 代表取締役 陰山秀信 略歴】
2004年起業しサイト制作、SEO、ECの構築など数多くの実績を残し依頼者の成功をサポートする。
集客、販売、ブランディングまで全て行える。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
株式会社503 代表取締役 陰山秀信(以下、陰山氏)
株式会社503の陰山です!
今日は世界へボカンの徳田さんをお招きして、越境ECについてお話をお伺いしたいなと思っております
よろしくお願いいたします。
世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希(以下、徳田)
こんにちは。世界へボカンの徳田です!
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元海外WEBマーケティングや越境ECを15年やっております!
陰山氏
すごい、長い……!
徳田
東京から陰山さんに会いに来ました!
陰山氏
わざわざお越しくださりありがとうございます!
徳田さんは15年もやられているので、越境ECに関してはプロフェッショナル中のプロフェッショナルかと思います。
本日は、実際にその越境ECを行うことにより、「うまくいく人のパターン」「うまくいかない人のパターン」の2つを知りたいなと思っています。
陰山氏
越境ECがうまくいく人ってどんな人ですか?
徳田
越境ECがうまくいく人は2つあり、売れる物を売る人と売りたいものを売る人です。
中古車や医療機器やロレックスの時計といった日本から世界に対して売れるものを、適切なプラットフォームに載せるところがうまくいくところですね。
徳田
売りたいものを売るところだと「パンプシェード」というライトがあります。
世の中に知られてないけどInstagramやTwitterでとてもバズり、自分たちの思いや商品の情報を発信したことによって皆さんが共感してくださって買ってくださっています。
そういうのがうまくいってる事例かなと思います。
売れるものを売る場合は、「他社とどう違うのか?」「なぜ自分たちから買うののか」を伝えなければならないです。
売りたいものを売る場合は、「なぜ自分たちがこのプロダクトを作ったのか?」「どういうストーリーや背景があるのか?」をしっかり伝えなきゃいけないですね。
そこをしっかり伝えられている会社さんが勝ってます!
陰山氏
では、売れるものと売りたいものの違いってなんですか?
徳田
売れるものとはすでに世の中に検索ニーズが存在するもので、定量的にそれが売れるものだとわかってる感じです。
売りたいものとは、検索ニーズはないですが手に入れることによって情緒的、実用的な価値というのが満たされるものですね。
陰山氏
なるほど。
新しくニーズを生み出していくことになりますよね。
そのニーズを生み出すってハードルが高いと思うのですが、どういう感じでプロモーションするんですか?
徳田
大変なんですよね……
そもそもこれを誰に届けたいの?類似する製品ってどういうのがあるの?という話だったり、顧客がどこにいて、どういったメディアで、どういった情報を発信したら共感してもらえるかを調べなければいけないんです。
調査して戦略立案して、その調査に基づいてサイトを作ったり、メディアの買い付けや、インフルエンサーさんにお願いするなど、新しくニーズを喚起するための情報発信というのはかなり多くなるんですよ。
陰山氏
では、すごい細かいところまで全部網羅してやってるってことですよね。
徳田
はい。
競合サイトは一語一句見逃さないですし、どのチャネルから流入が取れているか、「シミラーウェブ」というイスラエルの競合調査ツールを使って調べます。
更にどの参照元から流入取れてるか見て、そこがどういうメディアで情報発信してるか見たら、うちもここやっていきましょう!みたいな話をします。
陰山氏
逆に越境ECでそこまでされてる会社さんってあるんですか?
徳田
ないですね……
世界へボカンですから。
陰山氏
そうですよね(笑)
そこまでされているところ、僕も聞いたことないです。
陰山氏
逆に、越境ECやる上でこんな会社さんうまくいかないですよといったものはありますか?
徳田
3つあります。
まず当然なのですが、売れるものを売る場合と売りたいものを売る場合だと、売りたいものを売る方が難しいんです。
しっかり情報発信しなきゃダメですよとお伝えしてるんですが、商品だけ掲載してサイトの改善やコンテンツの制作はそこまで予算を投下しないところ。ですね。
そうすると世の中に知って貰えないので買う理由がないじゃないですか。
それが売れない理由のひとつかなと思います。
陰山氏
何故そういう人たちって越境ECをやる上で、広告の予算を準備してないんですか?
徳田
越境ECという言葉が一人歩きしてしまって、Shopifyのサイトを作れば売れる!広告出せば売れる!と思ってしまってる方がたくさんいらっしゃるからだと思います。
補助金を使ってサイトを作って広告予算投下したらいけるだろう!って思いがちですが、やはり越境ECは3年ぐらい続けないとうまくいくものもいきません。
そこに対して中長期的に予算や人的リソースを割けるかどうかは結構大事だなと思いますね。
陰山氏
結構そういう会社さんって多いと思うのですが、そういったクライアントが徳田さんに相談してきた場合ってどうされるんですか?
徳田
おっしゃる通り「他社さんで作ったけどうまくいってません」とご相談いただくことが、よくあるんです。
実際になぜうまくいってないのかを見て、どの商品に分類されるのか、売れるものを売りたいのかなどを見るんですよ。
徳田
分類したときに、サイトを直せば売れるものなのか。そもそもプロダクトから見直さなきゃいけないのかを見ます。
サイトを直せば売れるものだったらサイトを見直したりコンテンツを作ったりして、まず成約率を上げて集客を増やして売上伸ばさせて頂きますし、「そもそもこのプロダクトだと売れなくない?」というものであればそこはお伝えします。
陰山氏
なるほど。
もうプロダクトがダメですとお伝えするんですか?
徳田
ダメとは言わないですが、「これだとちょっと難しいと思います」って話をすると思います。
「なぜこのプロダクトなんですか?」と聞くことで「実はこういう技術があって」ということもあるんです。
その場合「だったらその市場ではこういうニーズがあるので、このプロダクトの御社の技術を活かしてこの市場のニーズにマッチしたものを作りませんか?」と、AというクライアントとBというクライアントをマッチさせてCという商品を作ったりしてるんですよ。
陰山氏
では商品開発まで担っているということですね。
徳田
そうですね。
マーケットのニーズがあるものなので売れやすくなる。
そこに対してまたちゃんと予算を投下して売っていくという形ですね。
陰山氏
では、失敗の事例ってないんですか?
徳田
失敗の事例は2つ目のうまくいってないところに関連するのですが、広告にしか予算を投下しないお客さんがおり、それは結構厳しいんです。
100万円とか50万円という予算を投下していく中で、ユーザが一度訪れてもトップ・一覧・詳細以外にコンテンツがまったくなかったら、リマーケティングで来ても新規で来ても、そのトップ・一覧・詳細で意思決定しなきゃいけないじゃないですか?
でもユーザーとしては、「これをどういう風に使ってるのかな?」「他の人はどんなレビューを書いてるんだろう?」「実際にどこか商品触ることが出来ないのかな?」といろいろ気になりますよね。
色んな角度から商品の価値を伝えて、何度も何度もアプローチすることによって海外から物を買うんです。
精神的なハードルは高いけど、広告を出して何度もそのサイトに来てもらえれば買ってもらえると思ってる方っていらっしゃるんです。
でもずっと同じ切り口だとやはりコンバージョンしないので、ただただフリークエンシーが上がってしまうということになってしまいます。
なので、コンテンツやサイト改善にちゃんと着目して、50万円の広告予算があったら30万円はコンテンツに使って、20万円はサイト改善につなげましょう!という形で、しっかり内訳を考えて一緒に予算を投下出来るところがうまくいくかなと思います。
逆に広告一本槍だと獲得効率がどんどん悪くなってしまうのでちょっと厳しいのかなと思いますね。
陰山氏
国内と国外のECの差ってなにかあるんですか?
徳田
細かい差はたくさんあるのですが、一番大きいところは物流ですね。
日本から海外に送ると安くても2,000円ぐらいかかるので、配送コストがとても高いんです。
1,000円のものを買って配送料2,000円だったら買わないじゃないですか?
陰山氏
買わないですね……
徳田
なので、配送料2,000円でどういった商品を売っていくのか?を考えなきゃいけないですよね。
陰山氏
なるほど。
その辺も含めて細かいリサーチから、実際の分析まで全部やっていただけるのが世界へボカンさんってことですね!
徳田
そうなんですよ。
陰山氏
越境ECをされたい方はあくまで広告予算だけではなく、運営費も含めて全体を見通して予算を作っていかないといけないんですね。
徳田
そうですね。
海外に新しく市場を開拓するということなので、国内でサイト構築しマーケティングしました、というほど単純ではないんです。
そこに対してPDCAを回していかなきゃいけないですし、仮説検証していかなきゃいけないんです。
先ほどお伝えしたように、僕らは失敗も多くしてますし成功もしてるので、確からしさというところを高めて一緒に取り組めるというのがあるのかなと思いますね。
陰山氏
徳田さんは本当にその辺細かくて、色々数字を毎日見られてると思うので、越境ECをこれからやってみたいという方はぜひ徳田さんにご相談いただければなと思ってます!
徳田
ではここで最後の3つ目の紹介を。
担当者さんが評価されなくて辞めてしまうってパターンがあるんですよ。
陰山氏
評価されなくてとは?
徳田
越境ECの担当者さんって英語も出来るしマーケも分かっているし事業も分かっている、というのですごいスペック高いんです。
ですが成果を出すには3年必要ですとお伝えしたように、なかなか成果にたどり着かずに社長とか上長が「お前ダメだな」「なにやってんだ」と、やってることに対して売上だけがKPIになってしまうと病んでしまったり、評価されなくて腐ってしまうんです。
そういう人がたくさんいまして、今まで僕が担当してた案件だと10人ぐらい人が入れ替わってる案件とかあるんですよ。
陰山氏
それはしんどいですね。
徳田
それだと良くないなと思ってます。
これから初めて越境ECに取り組む方や、WEBマーケに取り組む方が道に迷わないように道しるべとなるような本を出したんです。
陰山氏
おお、なんと!
どんな本ですか?
徳田
タイトルがそのままなんですよ。
「初めての越境EC海外マーケティング」
陰山氏
そのまんまですね(笑)
徳田
そんなに細かい施策は書いていないのですが、
・考えなきゃいけないこと
・調査、制作、プロモーションの必要性
・税務や法務、物流、関税、色んなところの網羅的な理解
などの点しっかり押さえておきましょう!と書かせていただきました。
さっきの送料の話も、メーカーさんだったら送料込みで商品を価格設定したほうが良いですよ。
越境ECではカゴ落ちが多んですが、それを知るのに1ヶ月、2ヶ月かかってしまい、担当者さんや会社の社長さんが「越境ECうまくいかないな」って苦労していたり落ち込んでたりするのをずっと見てきたので……
そういう方の力になりたいなと思って書きました!
陰山氏
素晴らしい!
それはいつ発売ですか?
徳田
2022年4月18日発売です!
(※2022年5月10日現在はもう発売されています)
陰山氏
これビジネスカテゴリーでナンバーワンを取られてますよね?
徳田
ITとビジネスカテゴリーで、新着ナンバーワンですね。
陰山氏
新着ナンバーワンです!
もうすでに予約が殺到しているということなので、ぜひ皆さんもお手に取ってお読みいただければなと思います。
今日は徳田さんありがとうございました!
徳田
ありがとうございました!
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