対談
D2Cブランドが実践する体験機会を増やす打ち手とは? MANUALgraph鈴木さま × shopifyマーケティングエキスパート徳田
- 2022.05.26
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対談動画
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この記事を読むことで、WEBと実店舗を連動させた施策についてがわかります。
【MANUALgraph代表 鈴木大悟 略歴】
https://manualgraph.com/
静岡のソファ専門D2Cブランドの代表を務める中小企業経営やブランディング、地方創生などインテリアとアウトドアでの静岡の暮らしを発信。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
鈴木大悟の自己紹介と前置き
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世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希(以下、徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日は静岡県裾野市のソファーD2Cブランド「MANUALgraph」の鈴木さんに、WEBと実店舗を連動させた施策についてお話を伺いたいと思います。
よろしくお願いします!まずはMANUALgraphを簡単にご説明いただいてもよろしいですか?
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MANUALgraph代表 鈴木大悟(以下、鈴木氏)
よろしくお願いします!
MANUALgraphの鈴木です。
MANUALgraphの紹介
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鈴木氏
僕は、株式会社フジライトという店舗の隣にソファを作っている工場を運営している会社の三代目なのですが、ここは元々業務用やBtoB卸でソファを作ってきた会社なんです。
そこでD2Cで直販自分たちで作ったものを、自分たちの手でお客様にお届けしたいということでMANUALgraphというブランドを立ち上げて今運営をしております。
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徳田
なるほど。
ShopifyでMANUALgraphというD2Cブランドのサイトも展開されてるんですよね。
ポップアップでの体験
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徳田
ポップアップについて色々やられていると伺ったのですが、ポップアップで失敗体験をされたことがあるんですよね?
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鈴木氏
そうですね。
やはりD2C、直販のブランドことなので業界のインテリアの展示会に出ていくなど、外に出ていくことがなかなかできなくてですね。インターネット以外でお客様に体験していただく機会はこの実店舗はあるのですが、「静岡までには来れないよ」という方に対して「どういった体験機会を与えられるか?」として、ブランドを立ち上げた当時からポップアップを何回かやってきています。
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徳田
過去はどうだったんですか?
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鈴木氏
知らない人、通りがかりの方の認知を取るためのポップアップは確かにたくさんの人に知ってもらうことはできます。
しかし、それがきっかけで購買に繋がるということはなかなかないですね。ポップアップを何度かやってきたのですが、費用対効果が合わないなというのが現実でした。
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徳田
なるほど。
そこから起死回生の取り組みがあったと思うのですが、どんなことをされたのですか?
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鈴木氏
ずっと実店舗を中心にお客様との接点を持ってきたのに加えてポップアップという形でした。
しかしコロナが流行り始め、静岡にもなかなかお客様が来れない状況の中で、他の皆さんと同じようにオンライン、インターネットを使って「もっとコミュニケーションを増やしていこう!」と始めたのが2年前ぐらいですね。
そこからShopifyでサイトを作って自分たちでECサイトも運営し始めました。
ただし20~30万するソファなので、クリック1つでなかなか購入していただけるとことはありませんでした。
インターネットで知っていただいてコミュニケーションを重ねたお客様に、最後どう体験をして購入を決めていただけるか?と考えた挙句、今まで失敗してきたポップアップをこれまでコミュニケーションを重ねてきたお客様に向けてもう1回やってみよう!という結論に至り、先日開催をしました。
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徳田
WEBを通して知っていただき、会員登録やお問い合わせしてくださった方に、「また都内でこういったイベントやるよ」ってご案内をして、すでに知っていただいている人に対して体験出来る機会を作るという意味でのポップアップをやられたってことですね。
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鈴木氏
そうですね!
ある程度顧客リストが溜まったので、その特定の人たちに向けて開催をしたポップアップを今回やってみました。
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徳田
D2Cブランドをやっている方がポップアップをやるという点、皆さん打ち手としてはあるかもなと思います。
WEBとしっかり連動させ、事前に知っていただいたりリストとして登録していただきポップアップに呼び込むことで、購入や再検討の機会をお渡しするという形はすごい重要なポイントですよね!
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鈴木氏
おかげさまでこの2年間、オンラインでの施策やSNSの運用、LPを作り広告を回してみるなど様々なことをやってきたのですが、本当に多くの皆さんに知っていただくことが出来ました。
おかげさまでお問い合わせやサンプル依頼というコミュニケーションがすごく増えました。
でも最後は、「20~30万するものは現物を確かめてから購入されたい」という声もやはり多いです。
その人たちに向けて「静岡に来てください」というのも1つなのですが、自分たちからお客様に寄り添っていく施策としてのポップアップが今確立されつつありますね。
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徳田
なるほど。
「お店に来店してください」ではなく、お店が寄り添ったってことですね。越境ECでも顧客接点をどう持つかが重要なポイントになっていまして、お客様がその商品の体験したことがある、見たことある場合って購買に繋がるんですよね。
しかし、空中戦のみだとなかなか購買に繋がらないので、そういった意味でも購入ができないけど商品を体験できる場所に置く、BtoBの取引をして小売店で取り扱っていただく。
そういった工夫は必要だと思うのですが、まさにそういったことを実現されてるってことですよね。
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鈴木氏
そうですね。
流通に乗せて全国の小売店さんに卸をして、そこで体験機会を設けていただくのが本来のビジネスだと思うんですけれども、僕たちがやっているのはD2Cなので卸をしません。
そうすると当然誰も売ってくれないですし、誰も体験機会は与えてくれないので、自分たちで提供するしかない、ある意味苦肉の策なんですよね。
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徳田
なるほど。
体験機会といえば、もう1つ面白い取り組みをされているのですよね?
エクスペリエンススポット
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鈴木氏
はい!
エクスペリエンススポットというものです。
例えば都内や神奈川県の飲食店さんやカフェ、あとはコワーキングスペースさんに僕たちのソファをお貸し出しして置いていただくんです。
そこでソファを体験していただくというスポットも何か所か今展開しています。
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徳田
その話聞いたとき、僕「ウォー!」って電気が走りました(笑)
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鈴木氏
それも苦肉の策ですけどね(笑)
やはりお問い合わせいただいた際に「どこか座れるところはありませんか?」って言われるケースがすごく多いんです。
それがあるまでは、「なんとか静岡までキャンプするついでだったり、温泉来るついでに寄ってください」って言っていました。
しかしそのスポットができることにより「ここのお店にこのソファが置いてありますのでぜひ行ってみてください!」とご案内ができるようになりました。
そうすると、うちのお客様を置かさせていただいている飲食店さんやコワーキングスペースさんに誘客もできるので、お互いWIN-WINな関係を組めるという仕組みになってますね。
ちなみにお金のやりとりはないですね。
本当にただ置かせていただいてる形なので、お客様にもそれは事前にご説明させていただいてます。
例えば飲食店さんだと、行ったらソファ席が空いてなかったということもあるのですが、そこはご了承いただいたうえでご案内をさせていただいてます。
なるべくスポットもお客様も我々も、金銭的な部分も含めて負担がない形での関係性を築いた上で置かせていただいてますね。
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徳田
なるほど。
さっきのポップアップの話もそうですし、エクスペリエンススポットもそうですが、苦肉の策で大変な経験が新しいアイデアを生むというとても学びの多い回だったと思いました!
ぜひ静岡県裾野市やエクスペリエンススポットでMANUALgraphさんのソファを体験してみてください。
本日は貴重な話ありがとうございました!
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鈴木氏
ありがとうございました!
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