対談
Interview
この記事を読むことで、越境ECにおける決済・税務・物流のソリューション「Global-e」についてがわかります。
【Global-e社 VP Customer Success 神吉 真由氏 略歴】
オーストラリアRMIT大学修士課程修了後、米国IT企業LivePerson社の日本法人立ち上げに参画。カスタマーサクセス部門の責任者として日本市場での事業拡大を牽引する。2021年Global-e社の日本法人設立に合わせて入社し、越境ECソリューションの普及に日々取り組んでいる。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田 祐希(以下:徳田)
こんにちは!世界へボカンの徳田です。
本日はGlobal‐eの神吉(かんき)さんに越境ECでよくある課題、関税や決済の悩みについてお話を伺いたいと思います。
神吉さん、よろしくお願いします!
Global-e社 神吉 真由氏(以下:神吉氏)
こんにちは!Global‐eの神吉です。
Global-eは2013年にイスラエルで設立された、越境ECにまつわる課題のソリューションを提供する会社です。
現在は世界中で、欧米を中心に700社以上のお客様にご利用いただいています。
日本には2021年6月に参入しました。
私は日本オフィスの立ち上げから関わっているんですけれども、ありがたいことに今年に入ってから越境EC関連のお問い合わせや相談をいただく機会がすごい増えていて、市場の盛り上がりを感じています。
徳田
越境ECの盛り上がりは本当にありますよね。
アディダスやマークジェイコブス、YZY、ディズニーなど本当に様々な企業で導入されていて凄いですね!
神吉氏
ありがとうございます。
徳田
Global-eさんは様々な企業から、越境ECに関するお悩みのご相談をいただくかなと思うんですけど、具体的にどんなお悩みが多いですか?
神吉氏
越境ECでよくある悩みというのは、大きく分けて3つあります。
まず1つ目は、「そもそも越境の規制にどう対応して良いのかわからない」ということです。
例えばIOSS(輸入ワンストップショップ )などの規制が多く、その規制自体にどう対応すればよいか分からないですとか。
あとは「販売先の国での現地法人の登録や納税」について、どんな作業が必要で何から始めたら良いのか分からない。
そして「多通貨や現地の決済方法への対応」ですね。多通貨対応をするべきなのは分かるけど、とても大変だというお声が多いです。
徳田
Shopifyが日本に台頭してきたことにより越境ECの裾野が広がった一方で、実際越境ECやるとなると物流、決済、法務、税務など、知らないといけない・対応しないといけないことが多すぎるんですよね。
神吉氏
おっしゃる通りです。
国の数だけ言語も慣習も越境の規制も異なりますし、税金や関税の取り決めなども全く違います。
本当に越境ECをやろうとすると、国の数だけやることがあるというのが現状なんですね。
そこで私たちGlobal-eというのは、そんな企業様にとって「越境ECでの販売を、国内ECと同じぐらい簡単にできるようにする」というサービスを提供しています。
Global-eがマーチャントオブレコードとして立つので、我々が企業様に代わって越境EC関連の規制に対応したり、販売先の国々での対応をすることができます。
神吉氏
例えば商品の価格に関しては、現地の通貨での価格表示、そして決済にも対応しています。
150以上もの決済方法に対応しているので、進出したい国で流通している決済にはほぼほぼ対応できると考えていただいて良いかと思います。
徳田
なるほど!
Global-eを導入したら、ドイツに進出する場合はドイツで流行っている決済方法を使えるんですね。
神吉氏
そうなんです。
私たちがマーチャントオブレコードになるので、企業様側でそれぞれの決済方法と契約する必要がなくて、もうすでに私たちGlobal-eが持っている決済方法をすべてご利用いただけるようになります。
神吉氏
2つ目のお悩みとしては、関税と税金にどう対応していくのかということが挙げられます。
例えば欧米だとスタンダードになっている関税や税金の前払いに対応したい場合、それって対応するのがものすごく大変でして。
すると結局関税や税金を、商品配達時にエンドユーザーさんから回収するようになるんですね。
でもそうしてしまうと、商品配達時に結構な額を請求されてしまい、その額に驚いたユーザーさんが商品の受け取りを拒否をしてしまうケースも少なくありません。
徳田
なるほど。
我々が越境ECの支援をさせていただく際にも、ユーザーからのクレームとして「こんなに関税がかかると思わなかった」というものはよくありますね。
ちゃんとHPに書いてあるんですけど、支払い拒否や受け取り拒否、返品をされてしまったりとか。
商品が良くても関税を払うことに対して不満を持って、不満を書き込まれたり機会損失をしてしまうことも多いです。
でもGlobal-eさんだと事前に関税を受け取れるので、ユーザーさんとしても購入時の支払い以降はスムーズに取引ができるようになっているんですね。
神吉氏
はい、まさにその通りです。
Global-eでは決済時に関税と税金の金額を自動的に計算して、エンドユーザーさんが事前に支払えるようにしています。
関税と税金の支払いが決済時にできるので、エンドユーザーさんがお財布を出すのが1回で済むんですね。
こういった点が、海外サイトでのショッピングの安心感を高め、コンバージョン率を上げるひとつの要因になっています。
徳田
ユーザーさんにとっては関税込みの値段で支払えるため、配達時の支払いが発生しなくて良い。
マーチャントさんにとっても事前に関税の受け取りをしてるから、それ以降のフェーズでクレームが発生しにくいというメリットがあるんですね。
ちなみにVAT(EC加盟国へ義務付けられている付加価値税)が発生する場合、各国のタイミングに合わせてマーチャントさんが支払わなければいけないケースもあると思うんですけど、Global-eさんはそこも対応してくださるんですか?
神吉氏
そこも我々が対応します。
VATもそうですし、国ごとに一定額以上の売上が立つと法人税の支払いが発生するんですね。それらの支払いも当社で代行することが可能です。
徳田
なるほど!
そこまでカバーしてくれるのはすごく良いですね。
神吉氏
そうなんです。
マーチャント様と我々Global-eとの間は国内取引になるので、マーチャント様から見たらすごく大きなVIP顧客が日本にできたような形になります。
なので本当に企業様側にとっては、国内の人に売ってるような感覚で取引ができるようになっていますね。
徳田
そうなると、通常は顧客データって自社に残らないじゃないですか。
Global-eさんとの取引の場合、お客様のデータ自体は自社サイトに残るんですよね?
神吉氏
もちろんです。
私達も配送に必要な情報というのは取得させていただきますが、その情報をマーチャント様のサイトに戻すことができます。
なので例えばゲスト購入をしてから会員登録をするとか、逆にログインして買われるお客様であれば、私たちの決済画面に行ったときに住所などをあらかじめ表示するとか、両方可能ですね。
徳田
そうなんですね。めちゃめちゃ良いじゃないですか!
徳田
実際にGlobal-eさんを導入されて売上が伸びた事例はありますか?
神吉氏
例えば皆さんもご存知のマークジェイコブスさんも、我々Global-eを導入して大幅に売上を伸ばしてらっしゃってます。
徳田
めちゃめちゃ伸びてますね!
コンバージョンレートが69%アップ、売上130%アップってすごいですね。
神吉氏
はい、なかなか他では見ない数字だと思います。
越境ECで商品を購入されるお客様が、どれだけ決済とか関税の影響で購入を躊躇されていたのかが本当に一目瞭然で分かりますよね。
徳田
ちなみにAmazonペイメントでは、日本のアカウントだと海外のユーザーが決済できなかったりするんですが、Global-eを使ったら米国のユーザーさんがアマペイを使って決済できるということですよね。
本当に買いやすくなりますね。
神吉氏
はい、可能です!
ユーザーさんが普段使っている決済方法を使えることは非常に大きいですよね。
海外のサイトで商品を買おうとすると、持っているクレジットカードが使えないことも結構あるじゃないですか。
そうやって決済が通らないから購入を諦めてしまう人というのが、当社サービスをご利用いただくことで非常に減るということになります。
徳田
なるほど。
だからこそ、これだけの成果につながっているんですね。
これから越境ECに対応される方はもちろん、すでに始めているものの伸び悩んでいる方にもご検討いただけると良さそうですね。
神吉氏
3つ目のよくあるお悩みは、やはり配送まわりです。
そもそも国際配送ってどうやるんだっけ?というところから、世界中のユーザーから問い合わせが来たらどうすれば良いのか、あとは返品についてお悩みの方も多いですね。
結構日本の国内向けオンラインショップだと「返品受付はしません」としているサイトもあるんですけれども、世界に売っていくとなると返品対応というのは避けて通れないんですよね。
徳田
確かに、返品対応やカスタマーサポートの仕組みがきちんと整っていないと、ユーザーさんが不満に思われて、ネットにネガティブな書き込みをされてしまうことがありますよね。
神吉氏
本当におっしゃる通りです。
Global-eではカスタマーサービスの一次受けも提供しているので、世界中のエンドユーザーさんから問い合わせに対応することも可能です。
徳田
ちなみに物流でいうと、集荷はどうされるんですか?
神吉氏
当社はDHLさんとパートナーシップがあるので、例えば日本から海外配送を行う場合、DHLさんがマーチャント様の倉庫へ集荷に行き、エンドユーザーさんのもとまで配送してくれます。
国際配送の疑問や課題に対しても、我々やDHLさんで解決できることが沢山あるんじゃないかと思っています。
徳田
なるほど。
僕らはShopifyマーケティングエキスパートとして活動しているので、Shopifyを使用して越境ECサイトを作らせていただくことが多いんですけど、ShopifyとGlobal-Eの組み込みというのも簡単にできたりするのでしょうか?
神吉氏
実はGlobal-eは、Shopifyさんが認証されている唯一の越境ECサービスなんです。
すでにプラグインで連携ができているため、Global-eが、ようはShopifyさんのアプリの1つのような立ち位置にあります。
Global-eのアプリは一般には公開されてないんですけれども、ご契約いただいたお客様にはそのアプリをご提供するので、インストールして設定をすれば実装が完了するという形ですね。
ですので、比較的簡単に利用開始していただけると思います!
これがShopifyさん上でGlobal-eを導入していただいている事例なのですが、Netflixさんなどもそのパターンです。
徳田
KITH、Netflixなどで利用されているんですね。
YZYさんでも国別に配送料を変えたり、商品の価格を変えて関税込みにしたりと色々やられていますが、ああいったこともできるということでしょうか?
神吉氏
はい、もちろんです!
例えば日本円で設定しているベース価格を、Global-eが100通貨以上上書きするんですね。
それもその日の為替レートを使って上書きするので、為替リスクを負うことなく、マーチャント様もユーザー様もハッピーな形で運用することができます。
徳田
いいですね。
例えば日本だと1万円で売っている商品をアメリカでは200ドルで売るなど、価格設定自体を国ごとに変えることも可能なのでしょうか?
神吉氏
はい、例えばアメリカだと10%増し、ヨーロッパだと45%増しなどという価格調整も国ごとに行うことができます。
神吉氏
Global-eは、本当に今まで日本にはなかった越境ECサービスだと思っています。
エンドユーザさんはマーチャント様のECサイトでシームレスに購入を完了できるため、消費者が国内ECと同じぐらいシンプルに買い物をできるというのが一番大きなポイントだと思っています。
世界700社以上に導入されているワールドクラスの越境ECサービスをぜひ日本の皆様にも使っていただいて、「越境ECがこんなにシンプルにできて、こんなに売上が出るんだ」ということを感じていただきたいと思っています。
徳田
我々のクライアントで、月10万円ぐらいの売上からスタートして、今では1000万超えたとか、年商数億超えたというお客様がいらっしゃるので、そういったお客様にもさらなる飛躍のために提案しても良いと思います。
もともとブランドの認知があって海外で売れてる会社さんもありますが、そういった企業にもGlobal-eをご提案したらさらに売り上げを伸ばせる余地があるかもしれないですね。
神吉氏
そうですね。
特に海外からのアクセスや問い合わせがあるのに、まだ商品を海外向けに販売できていない企業様ですとか、越境ECの展開で関税や税金、現地通貨や決済方法の対応に課題を抱えている企業様のお役に立てるサービスだと思います。
コロナ禍で国内ECは順調に成長しているのに、越境ECは伸び悩んでいる。
あるいはまだ越境ECに手をつけられていないという声を聞くことが最近本当に多いです。
そういった企業がGlobal-eを通すことで、ひとつのWebサイトから世界中200以上の市場に販売できるようになります。
越境ECにまだ踏み込めていない企業様も、ぜひ一度私たちのソリューションを見ていただければと思っています。
徳田
法規制や税務といった課題を解決してもらうことで、マーチャント側がマーケティングやものづくりに集中できる、純粋に販売することに集中できるというのはとても大きいと思います。
Global-eさんのサービスが気になった方は、ぜひ詳細をチェックしてみてください。
日本語でのサポートも対応可能だそうです!
本日は貴重なお話いただき、ありがとうございました!
神吉氏
ありがとうございました!
Global-eについてさらに詳しく知りたい方はこちら:
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