対談
Interview
この記事を読むことで、アメリカ向けBtoB輸出に伴う物流の課題とその解決方法についてがわかります。
【株式会社Maddler Co-founder& COO 恩蔵 優氏】
LVMH・LINE等の署名企業にて事業部長・PMを経験しながらスタートアップ・ベンチャー企業の役員を兼任。その後、株式会社Maddlerを共同創業。
豊富な海外経験を持つグローバル展開のプロフェッショナル。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田 祐希(以下:徳田)
こんにちは!世界へボカンの徳田です。
今回はMaddlerの恩蔵さんに、アメリカ向けに商品を輸出する企業の方が悩まれるポイントとその解決方法についてお話を伺いたいと思います。
恩蔵さん、よろしくお願いします!
株式会社Maddler 恩蔵 優氏(以下:恩蔵氏)
Maddlerの恩蔵です。よろしくお願いします!
徳田
まずは簡単に自己紹介をお願いできますでしょうか?
恩蔵氏
はい、株式会社Maddlerという会社を設立しております、恩蔵です。
高校生の頃からずっとファッションの世界に関わってきています。
90年代後半からインターネットの台頭が始まり、その中で「ファッション × インターネット」というツールを使って世界中のものを日本にお届けする/日本のものを世界にお届けするというサービスを……もう20年ぐらいやってきてますね。
徳田
今回は、日本企業がアメリカにBtoB取引で輸出される際の話をしていただきます。
これってAmazonFBAでFBA倉庫に送るときとか、海外の倉庫に物を送るときに必要なサービスや課題などについて伺えるということでしょうか?
恩蔵氏
そうですね。
そもそも日本企業が海外にものを送るとことは、一見簡単そうで実は難しくて。
輸入者という権利を持った会社が海外の現地に必要で、それを持っていないことで物が送れないという課題がよく発生しています。
徳田
なるほど。
具体的には、どんな課題があるんでしょうか?
恩蔵氏
一番大きな課題は、やはり日本企業が海外に子会社を持っていないということです。
その次に、海外から日本への輸入よりも日本から海外への輸出のほうが、まだまだ情報量が少ないということです。
「輸出したいけど、そもそも海外へ物を送る方法が分からない」という課題もよく耳にしますね。
徳田
その課題に対して、サポートをする会社も世の中にはあるのでしょうか。
恩蔵氏
はい、まだまだ数は多くないですが、輸入代行業というサービスが世の中に存在しています。
「海外へ商品を送りたいけど送れない」という方に向けて、現地(米国だったら米国)でサポートするという輸入代行サービスが徐々に増えてきていますね。
徳田
BtoC、例えばShopifyサイトによる越境ECのようなケースだと、購入者(個人)の住所がわかればそこへ送るだけで良いと思うんですけど、BtoBだとそんなに簡単じゃないんですね。
恩蔵氏
そうですね。
BtoCは住所さえ分かっていれば、あとは配送に関する知識が少しあれば簡単に商品を送ることができると思います。
しかしBtoBになると「輸入者」という権利が絶対に必要になり、かつその輸入者は現地法人でないといけません。
そこを自分たちで作るのか、誰かにお願いするのかという二択があります。
自分たちでできない場合、その輸入者になってくれる企業を現地で探さなければならないということも発生しますね。
徳田
では「アメリカに商品を売っていくために輸入代行業者を探す」という方針になった場合、どのような課題や問題に直面する可能性があるのでしょう?
恩蔵氏
まず探し方としては、インターネットで輸入代行を行っている企業を探すか、日本で荷物を送ってくれている配送業者さんに紹介してもらう、といった方法が挙げられます。
ですが会社を見つけられたとしても、そこからどのように交渉していけばいいか分からない方がほとんどですし、そもそも情報がないという大きな壁があります。
僕もこのサービスを始めてみて、予想以上に皆さんが情報を知らないというか、「もっと簡単に輸出できると思っていた」という声が非常に多いことに気づきました。
現地法人が必要であること、気にしなければならない法律が色々あるということ、関税を誰が持つのか決めなければいけないということ……など、一つひとつ相談しながら解決していく感じですね。
徳田
AmazonFBAをこれからやられる方や、海外へBtoB取引で輸出していきたい方に関しては、そのあたりの情報を知らないとマズいということですね。
恩蔵氏
はい。
ですが実際には、先にAmazonやeBay、個人商店などで先行して物を売ってしまう会社が意外と多いんですよ。
そしていざ商品を送るとなった時に、「あれ?どうやって送るんだっけ?」となってしまう。
例えばアメリカの企業からコンテナで配送してほしいと発注が入ったとして、その送り方が分からないというケースも結構あると思います。
徳田
ちなみに食品や化粧品をアメリカへ販売する場合、FDA(Food and Drug Administration)認証が必要だったりするじゃないですか。
扱う商品によっては、そういった対応もしていかないといけないんですよね。
恩蔵氏
はい。
輸出する商品は、大きく分けてFDAのものとそうでないものじゃないものとがあります。
FDAというのは簡単に言うと食べ物や体に触れるものの法律なので、カテゴリーがかなり難しくなっています。
恩蔵氏
ファッションアイテムなどであればFDA認可がいらないため、輸入者の確保さえできれば比較的容易に取引開始ができますが、FDA認可が必要なものはさらにアメリカの当局からの承認が必要となります。
ドキュメントの対応もかなり増えてきますね。
輸入代行業者にも、FDA認可を取れる事業者とFDAの対応は行わない事業者とがありますので、自分たちがどんな商品を送りたいのかでも選ぶ事業者というのは変わってきますね。
徳田
輸入代行業者さんを選ぶポイントとしては、価格はもちろんのこと、関税の対応を行ってくれるのか、FDA認可の商材も扱ってくれるのかといった細かいサービス面も重要なんですね。
恩蔵氏
そうですね。
ただFDA認証を取れる輸入代行業者はかなり少ないのが現状です。
輸入者(輸入代行業者)には「アメリカにその商品を入れた責任」が発生するので、例えば輸入した化粧品によってお客様の肌が荒れるトラブルが発生した場合、製造・販売している会社とニアリーイコールで責任がかかってくる可能性があるんです。
なのでFDAをやるやらないというのは企業にとっての舵取りの問題なので、結構大きい話だと思いますね。
徳田
Maddlerさんでは、そういったソリューションも提供されているのでしょうか?
恩蔵氏
はい、当社はFDA承認の対応もやっていますので、現地の法律に触れてしまうもの以外はどんな商材でも扱うことができます。
またMaddlerは100%子会社でアメリカに会社を持っているので、日本企業からアメリカに輸入されるまで、また輸入されてからアメリカの物流会社までを一気にご紹介し、僕たちの自社内で完結することができます。
部分的に外注を使ったりすることがないため、物と情報の流れを一貫してサポートできるという強みがありますね。
徳田
輸入代行だけでなく、物流まわりのサポートもされてるんですね!
恩蔵氏
はい、輸入代行と物流はやはり紐づいているものなので、一貫してサポートさせていただています。
輸入代行業者の中には、簡単に言うとアメリカの子会社の名前貸しだけするような企業もありますが、僕らは長年の物流・越境ECの知見を活かしてやっているので、必要に応じて物流周りも見させていただいております。
徳田
内需が減少していく中で、やはり越境ECやBtoBでの輸出を行う企業は増えていると思います。
ただBtoBでの輸出業を行っている企業は、結構な大企業が多いというのが現状です。
今後は中小企業の方も輸出にチャレンジしていくことが増えてくると思いますが、「米国だと輸入者がいないとそもそも物が入らない」ということや「商材によってはFDA認可を代行できる会社を選ばないといけない」ということは、結構見落としがちだと思うんですよね。
そういう観点で、御社のソリューションはかなりニーズがあるんじゃないかなと感じました。
恩蔵氏
ありがとうございます。
当社は「困ったことを解決する」「“あったら良いな”を作り続けていく」ことを重要視しています。
このグローバリゼーションの中で、日本への輸入・日本からの輸出というものは切っても切れない世界だと思います。
「その中で僕らが提供できることって何だろう?」と考えた時に、やはり今までのコマースのスキルとか、そこに紐づいた物流のノウハウを活かすという考えに着地しました。
僕らも大きい会社じゃないので、Face To Faceで親身になってやりとりができると自負しています。
安心感をもって接していただければと思っています。
徳田
「米国に子会社はないけど、日本から米国に輸出したい」という方は、ぜひMaddlerの恩蔵さんにコンタクトを取ってみていただければと思います!
本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。
恩蔵氏
ありがとうございました!
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