対談
Interview
この記事を読むことで、ひとりD2Cを成功に導くオネストマーケティングについてがわかります。
【株式会社麹王子 代表取締役 阪田真臣氏 略歴】
某広告代理店から楽天(株)にて営業部署配属、営業部門Professional“楽天賞”受賞。2017年楽天(株)を退社、2017年起業、2020年7月株式会社麹王子を設立。3事業運営、体質改善ワークショップ、セミナー講師/TV3度出演/無店舗型で業界初の認証済み公式LINEアカウント獲得/LINE@登録者1300名
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
▼【前編】の記事はこちら!!
「ひとりD2C」で成功するマーケティングとは?【前編】麹王子 オミ氏 × 世界へボカン 徳田
▼【前編】の動画はこちら!!
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日は麹王子こと阪田真臣さん(オミさん)に、ひとりD2Cのマーケティングについてお話の続きを伺いたいと思います。
株式会社麹王子 阪田 真臣氏(以下:オミ氏)
よろしくお願いします!
徳田
それでは前回の続きから……
早速、オネストマーケティングについてよろしくお願いします!
前回の内容を整理しますと、オミさんはそもそも虚弱体質という悩みがあって、その原体験を活かして商品を開発されたと。
そして似たような悩みを持つ人たちにclubhouseやTwitterなどを通してリーチしていって、相談をしてくれた方には一人ひとり丁寧に対応していた。
すると「この人から商品買いたいな」「この人信用できるな」という風にお客様と信頼関係が結ばれて、商品を買っていただけるようになって。
そうやって取り組んできたことが結果的にマーケティングになっていて、そのマーケティング手法の名前がオネストマーケティングである、というお話でしたよね。
オミ氏
そうなんです。このマーケティング手法を命名する際、この概念はこれからの時代でも絶対大切だし、広まってほしいと思いまして。
そうなると、かっこいい名前じゃないとダメだよなと思って、「正直に伝える」ことからオネストマーケティングという名前を思いつきました。
これは検索すると一応言っている方は出てくるんですけど、まだあまり聞かない言葉ですし、少なくとも率先して発信している方はいないですよね。
徳田
なるほど。
そのオネストマーケティングの取り組みについて、今はどんなことをされているんでしょうか?
仲間と共有するようなコミュニティもやられているんですよね?
オミ氏
はい、オンラインサロンをちょうど1年前に始めまして……今月6月で1年を迎えました。
徳田
それでは、オネストマーケティングについての概要を教えていただけますか?
オミ氏
こちらですね。(上記画像)
オネストマーケティングという名称でオンラインサロンを運営しています。
「オネストマーケティング型サステナブルコミュニティ」とここのスライドには書いています。
オンラインサロン自体世の中に結構ありますし、基本的にコミュニティというものは色々な形があると思うんですけども、マーケティングを学ぶ・体験するようなコミュニティとしてやってきました。
「正直」という言葉が中央にあるように、事業者と消費者という2つの属性をコミュニケーションするようなコミュニティになっています。
メンバーにはD2Cをやっている事業者さんや、会社員の方、専業主婦の方がいらっしゃいます。
オンラインサロンって、代表の方が圧倒的なカリスマを持っていたり、著名な方だったりすることが多いですよね。
そしてその下にメンバーさんがいる、いわゆる“トップとN”、“1対N”という構造が主流です。
僕のサロンでは、オーナーである僕もいちメンバーとして参加しているような立ち位置になっていまして、明確なトップのリーダーがいるというようなコミュニティではないんです。
最近聞くようになってきているDAOというものに近いかもしれないですね。
オミ氏
オーナーがいなくても、自動的にメンバー同士で回るようなコミュニティ……という点が独特かなと思っています。
ここでは、テストマーケティングをしていただけるような環境作りもしています。
事業者の方から他のコミュニティメンバーに対して、「これから起業する商品を皆さんちょっと試してほしいです」と呼び掛けたりとか。
そしてメンバーから受け取ったフィードバックを元にブラッシュアップしていき、実際に起業する前の段階をコミュニティの中で精査していく感じですね。
徳田
なるほど、そんなことが出来るんですね!
オミ氏
精査していきながら、双方にメリットがあるように工夫しています。
冒頭でお話した通り、僕は今のamakoujiビジネスを始める際、甘酒のプロトタイプを身内・知人に配っていました。
そのテストマーケティングで体の変化を感じてもらい、「これはいけるな」という確信を得られたんです。
ただ同時に思ったのが、自分の家族や本当に仲の良い距離感の人だと、本音のフィードバックを貰いづらいということです。
徳田
身内は応援してくれてますもんね。
オミ氏
そうです。
応援してくれてますし、僕という人間を昔から知っていて思い入れもありますよね。
そういう人間関係ゆえのフィルターがあると、消費者のインサイトに気づきにくいと思ったんです。
逆に言えば、そのフィルターなくした状態にする、自分のことを知らない人にいきなり製品化していないものを試してもらう場所って中々ないじゃないですか。
SNSのフォロワーさんなど、協力を依頼できる人達がいれば別ですが、最初はそういった人脈もないところからスタートする方がほとんどですよね。
そんな時に、安心してテストマーケティングを依頼できる環境の整ったコミュニティがあると良いなと思いまして。
あと資金面でいうと、最初銀行から借りづらい場合が多いじゃないですか。
徳田
売上げが立ってないですからね。
オミ氏
ですね。
なので金融機関の代わりとしてクラウドファンディングを使う方が多いですが、クラファンを始める前にテストマーケティングが完了していて、かつ自分を応援してくれるメンバーもいる状態を作れるというのは大きいと思います。
応援者がいる状態だと、クラファンのスタートもとても速いんですよね。
徳田
なるほど。
事業者さん目線だと世に出す前にちょっとテストしてもらえる環境があることがありがたいし、消費者側としては色んなものを試したりしてものづくりの勉強になったり、アーリーアダプターのような形で先に体験できるというメリットがあるんですね。
面白い!
オミ氏
あと従来型オンラインサロンの課題として……的外れな広告などによって、結果的に事業者が消費者に対して意図して搾取しているような伝わり方がしてしまうことが多いですよね。
大手やマーケティングのメソッドをいくつか介して、ビジュアルで煽ってくるような伝えかたが結構多かったじゃないですか。
そのやり方だと出費がかさむし、消費者にとっては「1回買ったけどなんか全然違う」ということにもなりかねません。
そういった色んなストレスを解消するためにも、広告というところにすべて頼らず本当に正直に、誠実にちゃんとテストマーケティングをして、メンバーも分かったうえで返して……という。
この循環をすれば商品も良くなるし、お客様もちゃんとしたお客様を掴んでいけるしと持続性のあるコミュニティになるのではないかと思います。
徳田
オミさんの手掛ける新商品のお話が聞けるのも嬉しいですよね。
オミさんはほぼ毎日いろんな情報をコミュニティ内で更新されてるんですよね?
オミ氏
そうですね。
コミュニティの中で毎朝記事を1000か1500文字ぐらい書いていて。
自分のマーケティングの概念だったり、あとは「これからこういうのをやっていく」という裏側などを発信しています。
徳田
なるほどな、おもしろいですね。
D2Cブランドとして商品を展開していったとき、「世に出したけど全然売れない」という人はとても多いです。
そういう人に「世に出る前に試してもらったのか」「具体的な悩みや課題のような原体験を元にものづくりをしたのか」と聞くと、ほとんどの場合プロダクトアウト的な作り方をされているんですよね。
時間やコストをかける前の段階で「顧客に聞いてみようよ」ということが出来るのはすごく良いなと思います!
オミ氏
まさにその通りだと思います。
私はずっと一人でブランド運営をしていますが、スタートアップをする場合は投資家が入って潤沢に資金がありますよね。
すると広告に使える体力というのがあるので、ある程度結果も出るじゃないですか。
ただ、今って本当にマーケティングの精度が高くなっている……という言い方をすると分かりづらいかもしれないですが、テンプレート型でやってある程度のところまでいっても、短命で終わってしまうんですよね。
結果、「細く長く」というのが一番強いですしそういうところを考えても、例えば月売上300か400万ぐらいであればある程度一人でやっていける範囲ですし、新規開拓よりリピートに注力してやっていった方が安定だし堅いと思います。
徳田
確かに、なるほどな。
急拡大したり、大きくすることだけが必ずしもゴールではなく、もともと自分が実現したい世界観だったり、共感してほしい人たちがいて。
その人たちにちゃんと届けるということを大切にしないと、やはり搾取だったりお互いの認識の違いだったりとかして、ブランドの毀損になって本当に短命になってしまう……というのはあるなと思いました。ここはすごい重要ですね。
オミ氏
まさにそうですよね。
お客様からしても、最近はSNSがもう飽和状態になっていて、当たり前に常にスマホを触り続けて1日8時間、10時間という方もいますよね。
ひたすら触り続けて色んなものを見ている中で、広告に対してもう飽きてきているし、そそれらが本当かウソかもありありと分かってきている中で。
「まだそういう広告の打ち方するんですか?」と言いたくなるケースは結構多いですね。
それだったら、自分でもくしは社員全員で動画なりDMなりハガキなりで直にアプローチしていくほうがお互いにとって良いと思います。
色んなことが、消費者にもうバレてしまっているというのは本当に感じます。
徳田
本当に良いものを作るということと、良いものであれば友人であったりとか周辺に届けてもそれは恥ずかしくないものだと思うので、コミュニティだったり外部で情報を発信してそういった方たちに届ける……というオネストマーケティングをしっかりやっていこう!というところは、D2Cブランドとしては結構耳が痛い話なのかなというふうに思いました。
でもだからこそ、やるべきことなのかなと。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
オミ氏
こちらこそありがとうございました!
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