対談
Interview
この記事を読むことで、インバウンドのお客様の客単価を上げるための施策についてがわかります。
【株式会社高速オフセット ハコブネット営業リーダー 渡辺 康雄氏 略歴】
観光サイト「MAIDO。」を起ち上げる。
大手鉄道会社のメディアも担当。
観光分野の実績が豊富で自らも観光商材の開発〜営業を行う。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田祐希 略歴】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日は、インバウンドのお客様の客単価を上げるための施策について、高速オフセットの渡辺さんにお話を伺いたいと思います。
よろしくお願いいたします。
株式会社高速オフセット 渡辺 康雄氏(以下:渡辺氏)
高速オフセットの渡辺と申します。
よろしくお願いします!
高速オフセットは、1986年の設立の印刷会社です。
これまでは印刷事業を通して顧客の販促活動やさまざまな情報発信のお手伝いをさせていただいておりました。
2022年の3月期では、年商114億を達成しています。
昨今では紙とデジタルの融合が取り沙汰されていますので、弊社でもコンテンツ制作を行う編集事業やデジタルツールを開発するデジタル事業、あと社内外問わずメディア運営を行うメディア事業を拡大させています。
これらを通して、お客様にとっての「紙・デジタル両方の活用の最適化」をご提案しております。
特に訪日インバウンドにおいては観光分野の自社メディアを運用したり、関連の企業様とのお取引もありますので、今後も積極的にそちらの取り組みを進めていきたいと考えています。
徳田
これから団体旅行者も個人旅行の方も戻ってきますしね。
インバウンドの方を集客している小売店さんらは、2020年以前は「旅行者がたくさん来てくれてるので、どんどん買ってもらえば良いや」というスタンスで良かったと思います。
ただコロナ禍になってから、「顧客との接点や顧客のリストを取得しておけば良かった」、「もっと客単価を上げるためにできることがあったのでは」と後悔されている方、反省されている方がたくさんいらっしゃると思っています。
そんな方向けのソリューションがあると聞いたのですが、詳しく教えていただけますか?
渡辺氏
今回ご紹介させていただく、弊社の「HAKO-BU.net(ハコブネット)」は訪日外国人向けのサービスです。
ハコブネットは大きく2つのサービスからできています。
1つ目は、お土産などの購入品を、購入したお店から直接海外の自宅に届けるという「ハコボウヤ」のサービス。
2つ目は、手軽に始められる越境ECサービスになっています。
一見この二つは相反するサービスのように見えるかもしれませんが、「日本のお店で商品を購入したお客様が、帰国後に再度商品を購入したくなった際、連動した越境ECサービスがあったら良いな」という発想のもと、2つ目の越境ECサービスがある考えていてただければと思います。
今回は、1つ目の店頭配送サービス「ハコボウヤ」についてご紹介させてください。
徳田
インバウンドのお客様に商品を手に取ってもらったり、触ってもらったうえで、実際その商品自体を買っていただくというところでオフラインで接点を持つというのは、とても重要なんです。
意外とここのオフラインで買ってもらった方に、越境ECでリピートしていただくという取り組みって重要ですよね。
渡辺氏
そうですね。
そういった仕組みを作ることで、お客様から「リピートしたい」と思っていただけるお店は非常に多いと思います。
徳田
ハコボウヤは、どんなシチュエーションの方に役立つサービスなんでしょうか?
渡辺氏
ハコボウヤ自体は、重いものが買いたいけども荷物が重かったり、購入品が大きくて運べない場合などに便利なサービスです。
あと旅行者の方は観光の合間に買い物をされるため、「今買ってしまうとこのあとの行動時にかさばるな…」と思いとどまってしまう方も多いですよね。
たくさん購入することや、重いもの・大きいものの購入がしづらくなってしまう要素が観光地にはいっぱいあります。
ですが買いたいときに買って、それをそのお店から自宅へ配送してもらうということが成立すれば、いつでも・どこでも買いたい商品を購入できると思います。
今まで諦めてしまっていたシーンを、積極的な購入の機会に変えていく。
そんなことが実現できるんじゃないかと考えております。
徳田
なるほど。
「商品がかさばると移動が大変になるから」という理由で購入を諦めていた人たちがその場で商品を発送できるようになるから、もっと買ってもらえる……というところだったり、旅行者の方も手軽に買い物を楽しめる機会が作れるというメリットがあるんですね。
どんな方にこのサービスを使っていただきたいと思われていますか?
渡辺氏
こちらのサービスは、インバウンドで来店するお客様が主な利用者となります。
また実店舗はもちろん、小売店様にもメリットがあるサービスになっています。
訪日客と店舗の接点をより強く繋いでいくことで、コミュニケーションの円滑化に貢献したいと考えています。
徳田
お客様、店舗、小売業者、それぞれに対するメリットを改めて教えてください。
渡辺氏
まずお客様のメリットに関して言えば、先ほど説明したようにお土産が荷物にならないということが大きなメリットになるかなと思います。
以前から言われている、「手ぶら観光」というものの実現ですね。
またこれまでは商品を郵送する際、手書きの伝票を書く必要がありましたが、そちらの時間・手間を短縮できるのも大きいと思います。
私も実際に、旅行者の方が海外発送を依頼されているシーンを見かけたことがありますが、手書きの伝票を渡されて項目名などの日本語が読めなかったり、書き方がわからないということでストレスを感じられる方が多いんですね。
実際に書き終えて荷物を渡すまでに、少なくとも15分程度はかかっていたかと思います。
ハコボウヤを利用していただくと、その半分以下の時間で発送処理を行うことができるので、そちらは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
徳田
手書きの伝票って時間かかりますよね!
渡辺氏
英語の伝票がを用意したとしても、書き方がわからないなどの理由でお店の方に質問されるケースも多いですね。
ただお店の方も、伝票の書き方までは教えることができなかったり。
なので実際にすべての作業が終わるまで、お互い時間がかかってしまっているというのが現状としてあるんだなというふうに思っています。
渡辺氏
一方お店側のメリットとしては、なによりも顧客データを残すことができる点ですね。
ほとんどのインバウンドに対応されているお店さんのほとんどが、顧客の利用状況をデータ化できていないという課題があったかと思います。
利用されたお客様に関しては、何をいつどの程度買ったのかということをデータとして残すことができますので、それを後々にCSVなどでアウトプットして何か次の展開に活かしていくということももちろんできます。
もうひとつは、そもそも手書きだと字が汚くて読めないという問題もあったのですが、そういったものは解消されるかなと
手書きの配送伝票自体を今後受け付けない国もある、配送会社でもあるというのもありますので、そのあたりはこういったものを使っていただくことで解消・対応ができるかなと思います。
徳田
確かに海外配送って物流コストも結構かかるので、発送したけど伝票の不備などで届きませんでした……となってしまうとお客様にとってはもちろん、お店側にとっても大きなデメリットになりますよね。
印刷していただけるというのはすごい良いと思います。
あとは店頭の顧客データを残せるということによって、そのあとにアップセル・クロスセルしていく機会も作れるというのはお店側としても嬉しいのではないでしょうか。
渡辺氏
お店側のメリットとして、一番強調したい部分はそこになりますね。
実際、店舗の皆様にお話を伺ってみると、「旅行客がたくさん来ているという肌感覚はある」、「ただしどこの国の方がどの程度来ているのかは全くわからない」という声が非常に多いです。
来店されたお客様というのは、今後の重要な顧客・潜在顧客になりうる存在です。
実際に商品を見て、体感していただいたお客様をいかにしっかりとファン化していくのか……ということのひとつのやり方として、こういったものもありなんじゃないかなと思っています。
徳田
顧客の解像度が上がるということと、インバウンドの顧客を一見客にしないということ。
リピートにつなげるというのは、とてもメリットがありますね!
これってどんな業種の小売店さんに向いているんですかね?
渡辺氏
私たちが主にお話させていただいているところは、酒蔵さんなどお酒・瓶ものを扱うお店です。
配送そのものがかなりハードルの高い商品を取り扱う企業様ですね。
あとは逆に配送のハードルが低くて、大量に購入するようなもの……例えばお菓子や食材、衣服などの配送にも向いていると思います。
ほかには伝統工芸品や一点ものの作品、各地域の特産物なども、このサービスをご利用いただくことで以前より気軽に送れるようになるのではないかと思います。
徳田
確かに。
僕らだと包丁とかさまざまな伝統工芸品の支援をさせていただくことが多いので、こういった事業者さんで実店舗を持たれているところに関しては、ハコボウヤを使って顧客データを取得しながら越境ECに役立てるというのも提案できるなと思いましたね。
これってどんなふうに始めたら良いんですか?
渡辺氏
実際に導入する際は、お店側・お客様側それぞれに行っていただくことがございます。
まずお客様にやっていただかないといけないことは、実際にお店に来られて購入される際、ご自身のスマートフォンで店頭にあるQRコード……入力画面を読み込むためのQRコードがありますので、それを読み込んでいただいてそこに表示された入力画面に沿って必要項目を入力していただく、と。
入力していただいたあとは自動的にQRコードがまた生成されるようになってますので、それを店頭の方に提示していただいて、読み込んでいただくことで伝票が発行される形になります。
徳田
パッてQRを読み込んで住所を入力して、そこのデータを送ったらもう送り状が印刷できるんですね。
それは簡単ですね!
お店側が必要なものってなんなんですか?
渡辺氏
お店側では、まず事前の登録作業が色々と発生します。
あとは入力画面を開くためのQRコードを表示したポップ、QRコードを読み込むためのandroidのスマートフォン、もしくは端末をご用意いただくことになります。
あとこれは利用者に向けてのひとつのポップになるんですけども、関税や送料というのが海外に送る際にかかってくるんですけども、これは国ごと・商品の価格ごとによってだいぶ変動がありますので、ある程度の目安となるものを提示していただいた方がより丁寧なオペレーションになるんじゃないかなと思います。
「実際にどれぐらいの送料と関税がかかってくるのか?」というのを、購入・利用する前の段階で利用者の方が知れるようなオペレーションにすることが望ましいと考えております。
もうひとつ。
最後には管理画面からの商品の登録というのが事前に必要になるんですけども、こちらの方はCSVをインポートする、自動的にインポートする形の自動処理も行うことができますので、そこまでが店頭の方でご準備いただかないといけない内容になりますね。
徳田
なるほど。
商品登録をして重さとかの登録をしたうえで読み込むと、タリフの情報と配送料の情報と商品の情報が紐づいて、「これいくらの配送料になりますよ」って設定がされるわけですね。
その出た送料に対して商品代金を払って、ユーザーさんは海外に送れるという感じですね。
オペレーション的にはそんなに難しくなさそうですね!
渡辺氏
そうですね。
できる限り簡単にできるように設計させていただいています。
徳田
インバウンドの旅行者さんって、現地でトランクをもう1個買って持って帰るだったり、結構無理くり入れてる方とかすごい詰めてる方とかをよく見たりとかするんですけど……
こうやって送料がかかったとしても、実際に買える機会というのを都度送れるというところ、簡単に送れるというところで、顧客単価アップにつながるなと思いました。
渡辺氏
そうですね!
今まで買うことにハードルがあった商品を買いやすくするためのサービスですので、客単価のアップや購買の促進につなげたいと思っています。
徳田
本日は貴重なお話いただきありとうございました!
渡辺氏
ありとうございました!
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