対談
Interview
この記事では、売れるランディングページのポイントについてご紹介します。
【株式会社テマヒマ 代表取締役 平岡大輔氏】
自立自走できる組織作りを支援/マーケ歴18年。
実績100社以上。1500以上のコンテンツを作成。
36万人以上に学びの機会を提供する。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日は株式会社テマヒマの平岡さんに、売れるLPの作り方についてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
株式会社テマヒマ 代表取締役 平岡大輔氏(以下:平岡氏)
よろしくお願いします!
徳田
前回、売れるランディングページを作るための考え方について、忘れがちなポイントについて解説していただき、お客さんを説得するために必要な要素について伺いました。今回は、どういったポイントを押さえたら良いのか、また、すでにランディングページを持っているのであればどのように改修すれば良いのかというお話を伺えればと思います。
平岡氏
売れるランディングページとは、見込み客の知りたいことをコンテンツとして提供し、興味を引いて納得を引き出して、検討して購入してもらうという役割を持ったページであるというのが前提になります。見込み客が知りたいこととは、
・自分に関係のあるページなのか
・自分の課題を理解してくれているのか
・課題の解決のためのベストな方法なのか
・他とは違う解決策なのか
・信用できそうか
・いくらで買えるのか(お得なのか)
などです。
まず、そもそも見込み客というのは商品が欲しいわけではなく、自分の課題を解決する方法を探していて、その手段として商品があり、それを探している状況にあります。ですので、自分の悩みや課題を解決するための情報・商品がある場所なのか、つまり自分に関係ある場所なのかというのがまず重要です。
見込み客の悩みを売り手が理解しているのかというのもポイントになります。皆さんわりと自分は特別だと思いがちなんですね。「他の人はうまくいってても自分はちょっと違う」「いろいろやったけどダメだった」「ちょっと特殊な環境にいる」などど、特別視しがちなんです。その思いに売り手がちゃんと寄り添えているかが重要です。
課題を理解しているのであればその解決策も知ってるだろうという印象を与えることができます。こちらからきちんと課題を提示した上で、その解決策としてどのような方法があるのかを提示します。
それも相手が知ってる情報では意味がないんですよ。「もう知ってるし、それやってダメだった」と思ってる人は同じような話は聞きませんよね。英会話教室に行って英語を学ぼうとしたけどうまくいかなかった人が別の英会話教室に行こうと思うことはあまりなくて、マンツーマンのコーチをつけるとか、忙しくて行けなかったんだったらオンライン英会話にしようとか、別の解決策を探して見に来ているはずです。他との違いをちゃんと説明できるかが大事です。
平岡氏
例えば単純なスキンケアの商品だったとしても他のスキンケアとどう違うのかをちゃんと示せないと、なかなか興味は持ってもらえません。そのあたりをランディングページで訴求する必要があります。
ここまではできている企業様も多いのですが、僕が見てて足りないと思うのが、信用できそうかどうかという点ですね。こうなれるよ、こうできるよといったベネフィット、つまりポジティブな結果を伝えても、なんでそうなれるのか、本当にそうなのかという疑いを払拭しきれておらず、なんでそうなれるのかという根拠を示すことができていません。ただ「痩せられますよ」とだけ言われて「じゃあお願いします」となる人がいないように、なかなか信用が積み上がらないんですね。商品や売り手に対する信用が不十分だと買おうとは思いません。そこが足りないランディングページが多いかなと思います。
徳田
確かにそうですよね。
平岡氏
最後に重要なポイントとなるオファーについてですね。いくらで買えるのか、お得なのかという部分です。これもちょっと勘違いされていることがあります。ただ安くすれば良いというわけではなくて……
平岡氏
見込み客が買うときというのは期待する価値より支払うコストが低いと感じたときなんですね。期待する価値よりも支払うコストの方が高かったり、期待する価値が見えないときは買いません。よく割引がオファーの代名詞のように使われていますが、あれはあくまで期待する価値よりも支払うコストを下げることによって買える状態・買いたい状態を作るための方法であって、お得と感じるかどうかが重要です。
以上を踏まえて、ランディングページで訴求するべきことをまとめると、
1.共感・原因・解決によって興味を惹きつける
2.特徴・実績評価で信用を積み上げる
3.取引の条件で購入を促す
という3段階になります。
徳田
なるほど。「こんな悩みありませんか?」といった部分ですね。
平岡氏
そうですね。それが相手の具体的なシーンに刺さっているほど「よくわかってくれている」という印象を与え、興味を持ってもらえるわけですね。
徳田
セールストークといいますか、お客さんと話をすると共感していただけることが多いのですが、それを自社サイトでもちゃんと言えてるかというのが心配になりました。直接話をしているときは、「これだけ海外WEBマーケティングの実績があるんだな」とわかってもらえるのですが、サイト上にはこれまでの成果をちゃんと掲載できていないかもしれません。訴求のポイントを見ていて、「これだけの実績がある」と言い切れてないかもしれないことに気づきました。自社のサイトも改修の余地あるかもしれません。
平岡氏
そうですね。WEBサイトはページで構造化されてますが、ランディングページはそれが1枚に収まっているというだけなので、コンテンツの組み方については、WEBサイトでもやることは一緒ですね。
徳田
このポイントを踏まえて改修していくにあたって、方法について伺っても良いですか?
平岡氏
LPが原因で売れないという状況には、
1.ファーストビュー(最初に開いたところ)からすぐ離脱されているのでそもそも見てもらえていない
2.見てもらえてるけど買ってもらえない
という2パターンがあります。それぞれの場合の改善方法についてご紹介いたします。
平岡氏
まず、1.の、すぐに離脱されるときの改善方法です。これはもう、ファーストビューで見込み客の興味をぐっと惹きつけるしかありません。すぐに離脱されてる理由としては、
・ページを開いた瞬間に自分に関係あるページだと感じられていない
・自分のことをよくわかっていないと感じられる
・自分の課題を解決する方法がここにはないと感じられる
・パッと見で情報を読み取れない
・雰囲気が怪しい
などで、1、2秒で判断されてしまいます。じっくり話を聞きに来ましたという人であれば入り口で怪しいと思っても中に入りますが、そもそも様子見の人ですので、その人が取り入れた一瞬の情報ですよね、第一印象で入るか入らないかというのを決めてしまいます。
改善のためには、まずは「あなたに関係あるページですよ」と伝えるために、相手の属性や現状を訴求します。属性というのはデモグラフィック情報とも言われますが、年齢・性別・職業・居住区など、その人のプロフィール的なものですね。たとえば僕だったら「アゴ髭の長い人」と書かれてたら自分に関係ありそうというふうに思うわけですから、見た目の話でも良いです。おしゃれになりたいと思ってる人でも良いかもしれません。どこかにお勤めとか、収入を上げたい人とか、副業を始めたい、英会話を身につけたい、痩せたいなど、その人の抱える現状・理想・悩みをラベルとしてファーストビューに出しておけば、「自分に関係ある話だ」と思って留まりますよね。
徳田
そもそもサイトを作る側である事業会社側で顧客の解像度が低いと、どういったラベルやビジュアルを使ったら良いのかがわかりませんよね。そこを理解してアプローチすることが、改善になりますね。
平岡氏
最初にお話したように、そもそも絞れていないといいますか、誰に売るのかが明確ではないので、「あなたに関係あるページ」という訴求ができていないんですよね。他の人を切り捨てることにはなるので、LPというスタートからゴールを設計して様子見の人をゴールまで連れてくるように軸を作ります。すると、ファーストビューで「こうなりたい人」という具体的なものが出せるようになります。
徳田
確かに。絞ることが大事ですね。
平岡氏
大事です。他を捨てる勇気が必要です。そうすると具体的なベネフィットを訴求することもできるし、情報の優劣をつけることもできるんですね。
情報の優劣についてご説明しますと、よくごちゃごちゃと情報が並んでるファーストビューがありますが、それは言いたいことを全部言ってしまっている状態なんですね。商品の特徴や自分たちの実績・思いとか、いろんなものが入ってるんですよ。それを入れること自体は悪くないのですが、全部同列で扱っているため、見る側はどこを見て良いのかわからず、結果的に見たくない・見てもらえないページになってしまっています。
1から10まで情報があったときに一つしか伝えられないとしたら何を伝えるか、という考え方で絞っていき、一番伝えたいことを大きく見せれば、それがベネフィットを伝えるキャッチコピーになりますし、二番手で良いものは小さく表示するなどして、気になった人がちゃんと情報をキャッチアップできればそれで良いです。相手にとって必要な情報を、興味を持つ順番に大きく表示したり目立つようにデザインするなど、強弱をつけます。
徳田
なるほど。伝えたい情報の大きさや場所で強弱をつけたりと、一番伝えたいメッセージをちゃんと伝えられるようにしていないLPが多かったりするんですね。
平岡氏
そうですね。よくあるのが商品名が一番大きく表示されてるページです。
商品に興味がある人にとってはそれがわかりやすいのですが、広告で集客してLPに来る人はほとんどが様子見なんですよね。商品について知らない、ちょっと疑った状態で来てる人たちです。その人にまず最初に何を伝えるべきかというと、それは商品名ではないんですよね、絶対に。
徳田
確かにそうですね!
平岡氏
ベネフィットなんですよ。どう変われるか・どうなれるか・どんな結果が手に入るかというのがわからないと興味を持ちません。
人は自分にしか興味がないので、見込み客は「こうなれますよ」という話がないと離れてしまいます。「私だったらこういうふうになれるのかな?」と考えさせている時点でもうダメなんですね。キャッチコピーも、「この成分を配合しました」といったものが多いですが、「だからどうなるの?」というところが言語化されていないので、伝わりづらいコピーやLPになってしまっています。
徳田
どんな方がターゲットなのかを明確にして、その方たちがそれを使うことによってどのように変わるのかをベネフィットまでしっかり伝えて「自分事」にしないと、商品にたどり着かないんですね。
平岡氏
そうです。今の表現はかなり的確で、商品にたどり着くような設計にする必要があるんです。いきなり売り込むのではなく、わかってるよ、寄り添ってるよ、あなたの求めているものがあるよという話があるから商品にたどり着いてくれるわけで、そこの優先順位を見直すことはとても大事ですね。
徳田
その中でも一番大事なところとしてファーストビューのキャッチコピーやビジュアルがあり、見込み客の興味をグッと惹きつけるうえでは重要ということですね。
平岡氏
そうですね。ここを見直していただくとかなり変わると思います。
「怪しい」というのも個々人の感情なので、こうすれば怪しくなくなるという明確な方法ははないのですが、他の商品のページと比べて劣っているように感じさせなければ大丈夫です。同じような画像を使っていたら少々怪しく見えたりしますし、できるだけオリジナルの画像を使うなど、よくある形にしない方が怪しく見られず、目立たせることができます。
徳田
続きまして、2.見てもらえてるけど買ってもらえないというケース、つまり滞在してるけどコンバージョンしないときの改善方法についてお願いします。
平岡氏
滞在してるけどコンバージョンしないときは、オファーとシナリオを再検討します。オファーというのは取引の条件で、なにがいくらで買えるか、どういった取引の条件で買えるか、特典があるのか、保証・サポートがあるのかといったことです。シナリオというのは情報の流れで、コンテンツの流れです。
興味を持っていただいてもコンバージョンしない原因は、ベネフィットを信用できない、つまり証拠が不足している状態だからです。また、実績評価が不足していると、商品や売り手を信用できません。すると、感じる価値よりも感じる負担の方が大きいという状況となり、買ってもらえません。
LPを見てくれているということは、興味がある状態にはなっているんです。ベネフィットには興味を持ったけど、なんでそれができるのかという証拠が足りてない、なぜなら情報が不足しているわけです。たとえば「2か月で10キロ痩せられます」という商品に興味を持ったとすると、なんでそれができるのか、たとえばこういうカリキュラムがあるからとか、こういう食事の管理をするからとか、こういうマシーンでこういうトレーニングをするから、こういう専属のトレーナーがつくから、ダイエットに失敗してる人でも2か月で10キロ痩せるんですよ、といった証拠が十分に揃っていれば納得するわけですね。「そこまですれば確かに痩せそう」と納得してもらえれば、検討してもらえます。
平岡氏
買わない場合というのは、商品や売り手に対して「本当に?」という思いがまだ残っているんです。「そのトレーナーって誰なの?」「本当に他の人も2か月で10キロ痩せたの?」と思われてしまっています。だから実績評価を出して納得してもらう必要があるわけです。このようにして信用を積み上げていきます。「信用がないのであれば、作る」というのが課題解決のアクションになるんですね。モニターとしてデータを細かく公表して良いようなお客様を作るとか、実績があるトレーナーに入ってもらうとか、監修してもらうとか、やり方はいろいろありますが、不足を補っていくことが大事です。
また、感じる価値<感じる負担という状態を変えるためには、オファーを強化する必要があります。これには割引、特典、保証という3つのアプローチがあります。割引は単純に安くするだけですが、特典は価値を高めるというアプローチになります。特典で価値を高められれば、迷ってる人に「お得だな、買っても良いかな」と感じてもらうことができ、感じる価値>支払うコストという構図を作ることができます。保証は返金保証や返品保証のことです。そういったものがあれば最終的に負担が0になるので、とりあえず買ってみよう・試してみようという人は増えやすいです。
徳田
僕らも越境ECで、初回購入時10%オフのクーポンを配るなどして初回購入のハードルを下げていますが、それは感じる価値と感じる負担のバランスを整えていることになるわけですね。
自社でいうと、メールアドレスを入力してメール会員になってくださったものの問い合わせにつながってない方というのは、もしかしたら、実績などをメールマガジンでお送りしたら、ちょっと気持ちが変容してくれるかもしれませんね。
平岡氏
まさにそういうことだと思います。メールアドレス登録したということは興味を持ってるのは間違いなく、LPでいうとファーストビューは通過してくれた人です。申し込みの先に行かないのは、証拠や実績の不足、つまり納得させるための信用情報が不足しているということだと思うので、そこを補ってあげれば問い合わせは増やせるのではないかと思います。
徳田
確かに。このあたりの考え方はLPだけではなくサイト全体や他のチャネルからの施策でも共通していて、「今なにが不足してるのか」という視点はあっても良いかもしれませんね。
平岡氏
おっしゃる通りです
僕はマーケティングの業務改善をメインでやっていますが、LPというのはマーケティングに必要な要素がここに凝縮してるパーツなんですね。見込み客を興味づけし、説得し、検討してもらい、購入してもらうという、マーケティングのプロセスを1枚のページで体現しているようなパーツなので。おっしゃる通り、それをメールでやっても良いし、なんなら広告やSNSのコンテンツに展開しても良いわけですね。1ページでやろうとしてることを横にばらけさせて、1本のフローで見込み客の顧客化を実現するというのが、そもそもマーケティングの仕組みですから。そこに気がついたのは本当にさすがだなという感じがします。
徳田
気づいて良かったです!
そんなマーケティングの全体の仕組みを理解できるような本があると聞いたのですが……
平岡氏
さすがですね(笑)あるんです!
先日出版させていただきました、「売れるランディングページ改善の法則」という本です。LPの本というとデザイナーさん向けと感じられるかもしれませんが、経営者やマーケターの方向けに書いた本になります。マーケティングの話をするとどうしても概念的な、空中戦になりがちなので、ランディングページという非常に具体的なものをテーマにマーケティングを学べるといいますか、マーケティングの課題を見つけられるような内容になっています!
徳田
これ良いですね!うちの新人のメンバーなんかにも読ませたいと思いました。
今回はとても勉強になりました。貴重なお話いただきありがとうございました!
平岡氏
ありがとうございました!
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