対談
Interview
この記事では、Instagram完全攻略についてご紹介します。
【ハピラフ 代表取締役CEO 富田竜介氏】
InstagramなどSNSの最新情報を発信する。
累計250アカウント以上ディレクション、企業様向けSNS運用代行の実績を数多く残す。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はハピラフの富田さんにInstagram完全攻略第2弾ということでお話を伺いたいと思います。前回は「フォロワーを増やしたい」というお題でしたが、今回は「Instagramを活用して売上を伸ばしたい」ということで、売上を伸ばすためになにをすれば良いのかを解説いただきます。よろしくお願いいたします!
ハピラフ 代表取締役CEO 富田竜介氏(以下:トミー氏)
前回、フォロワーを増やすにはどうすれば良いのかというお話をしましたが、売上・収益が伸びない、集客したい・売上を増やしたいという企業さんに向けて解説できればと思います。
僕はラストクリック文化が非常に根強いことに違和感があるんです。ラストクリックで媒体を評価されてしまうと、Instagramのアカウント運用ってすごく不利になってしまいます。
前回、おすすめや発見タブについてお話しましたが、「発見」タブと名がついている通り、Instagramは基本的に発見のプラットフォームなんです。まずは知ってもらう、その上でGoogleなどで検索をし、比較検討をして、口コミを見てコンバージョンする、という流れの起点になっています。
結果的にGoogleのリスティング広告や指名検索からコンバージョンすることになるため、ラストクリックという評価軸で見ると、Instagramの場合は発生しても5%ぐらいになり、一見効果がないように思えます。でも、コンバージョンしたお客様に、何を見て弊社の商品を買ったか・何がきっかけで申し込みをしたか、とヒアリングすると、Instagramを挙げる方が多いです。実際には、最終的にGoogleの指名検索などからコンバージョンしているんですが、お客様自身は最初にInstagramで発見したため、そこからコンバージョンしたと思い込んでいます。Instagramがなければコンバージョンは発生しなかったんです。そういったところを全体最適で見てあげる必要があります。
トミー氏
それを踏まえて僕がとても好きなのが、ZMOTという購入意思決定のモデルです。これはGoogleさんが10年ぐらい前に提唱していて、「8割の顧客は、実店舗やECサイトに行く前に既にインターネットで購入する商品を決めている」というものです。これは10年前の話で、今現在、皆さんが何に一番時間を使っているかというと、SNSに移行してきていますよね。何かを調べるにあたって、Instagramは発見のプラットフォームであり、情報収集のプラットフォームでもあります。その現状を踏まえてZMOTを理解していただきたいと思います。
トミー氏
ZMOTはZero Moment Of Truthの略で、ゼロ機会での接触という意味です。
Qoo10という美容系のECのプラットフォームを例にご説明します。Qoo10ではメガ割という20%オフで購入できるセールを3か月に一度開催しています。メガ割が始まる前になると、皆さん情報収集をするんです。
トミー氏
Qoo10さんが「来週から始まります」などの広告を大量に投下するので、「メガ割やるんだ、何か買おうかな」ということで、「Qoo10 メガ割」などのワードで検索して、買う前にどんどん情報収集をします。その後、実際にメガ割が始まると、もうすでに買うものが決まっているので、それをただ買うだけです。そして買ったものを実際に試し、「これは良かった」「リピートしたい」といった口コミを投稿します。これがTMOT(Third Moment of Truth)です。
トミー氏
このTMOTが、次に買うときのZMOTになり、そこから次のTMOTにつながります。
トミー氏
FMOT(First Moment Of Truth)は1回目の接触なのでトライアル購入といったところ、SMOT(Second Moment Of Truth)は実際にトライアルしてみて良かったから購入することです。
トミー氏
そしてTMOTは継続的に利用して商品を気に入ることで、ここまでくると誰かに推奨したいと思うようになるのですが、現在、SNSに投稿することが、誰かに紹介する手法となっています。
トミー氏
そのため、Instagramは購入前のユーザーに対してアプローチをすることができ、認知起点となっているんです。まずここで商品を知ってもらえなければ売上も出ません。
トミー氏
InstagramはZMOTに非常に寄与しているのではないかと思っています。
トミー氏
上記の画像は、ホットリンクさんが出しているアンケートです。「Instagramをきっかけに購入したことがありますか」という質問に対し、半数ぐらいの方が「ある」と答えています。そのうち、購入経路で一番多かったのは、Instagramで見た後に外部サイトで検索をしてECサイトで購入している方でした。インスタを見てすぐに買っているわけではなく、比較検討などをしてから検索し購入しているんです。そのため、インスタはラストクリックにはならず、間接的寄与になってしまうのですが、売上には非常に貢献しているんです。ラストクリックだけで売り上げ貢献度を判断してInstagramを止めてしまうと、全体の売上が落ちてしまうことも多いです。
徳田
確かにインスタの投稿を見かけて衝動買いしてしまったり、あとで検索して買ったりすることはありますね。
トミー氏
そうなんですよ。Instagramは発見のプラットフォームの中でも「好き」と「欲しい」を作る場所で、基本的に好きなもの・欲しいもの・興味あるものしか出てきません。見た瞬間に買いたいと思わせることを目指している面があるため衝動買いを誘うのですが、しかし衝動買いが起こるものはどうしても単価が低いものになってしまうので、一定以上の金額のものに関しては、必ず比較検討というフェーズを挟むことになるかと思います。
各フェーズにおける発信の効果を見ていきます。上記の図は去年の12月末にInstagramさんがHouse of Instagramの中で話していた1コマです。新しい商品やサービスを見つけるという認知に関しては、ブランド自身の発信がやはり一番影響力が強いです。一方、比較検討や購買の意思決定に関しては、利用者やコミュニティのほうが強いんです。つまり、一般の人の口コミ投稿が売上につながりやすいということです。
多くの企業さんは、ブランドのアカウント運用や広告運用だけを行い、利用者やコミュニティの、いわゆる口コミ・UGCが増えるような施策はやっていないのではないでしょうか。どれだけ広告を出して認知を取っても、その後の比較検討の段階では第三者の口コミが求められています。先ほどZMOT・TMOTの話がありましたが、口コミがあれば「こういう声があるんだ、じゃあ買いたいな」となり購入につながります。それがないと、意思決定の材料が足りず、他の商品に目移りしてしまうかもしれません。ブランド自身の認知と利用者・コミュニティの口コミの両輪をちゃんと回す必要があります。
トミー氏
それを踏まえて、Instagramアカウントが売上にどのように貢献しているのかを、ECサイトを事例にまとめました。
Instagramのアカウントというのは、接着剤的な役割を持っています。どのチャネルにも寄与しているんです。
トミー氏
たとえば広告については、Instagramで広告を出すと、そのブランド・サービスが気になった方の約半数がInstagramアカウントのプロフィールを確認しています。広告を見た後、LPではなく、どんなアカウントなのかを見ているんです。ここでアカウントがなければそのユーザーは離脱してしまいます。
また、外部広告、たとえばGoogle広告やYahoo!広告を出したときにも、Instagramのアカウントはどのようなものなのかを確認する人が多くいます。今、Instagramのアカウントは企業サービスの名刺代わりのような役割を持っています。名刺がないとその会社について判断できないため、ちゃんと作っておくべきです。
外部メディアについては、商品を気に入った方がタグ付けをしたくても、アカウントがなかったらただ投稿するだけになってしまい、「アカウントがないなら、ちょっと怖いから買うのを止めよう」と思われてしまいます。雑誌やWEBで見て気になってInstagramのアカウントに来る方もおり、Instagramはすべての流入チャネルの受け皿になっています。そこがTik TokやTwitterとの一番大きな違いではないかと思います。
続いて直接的な売上についてです。先ほどお話しましたが、Instagramアカウントを経由してモールや直販サイトで買う方が多くいらっしゃいます。サイトを訪問したユーザーのうち、そこで直接購入するのは全体の1割以下しかいません。それ以外の方は、比較検討のために指名検索や口コミ検索をしています。また、モールも確認したけど直販サイトのほうが安いからそこで買ったり、逆に、モールも直販サイトも同じ価格だったがモールでセールをやっているのでそこで買ったりと、非常に多様な形で売り上げにつながっています。
Instagramのアカウントを運用していると、そこで興味を持ってもらえて、GoogleやYahooでの指名検索が増えますし、モール上で商品をお気に入りに登録していただけたり、直販サイトのブックマークが増えていきますので、確認しておくと良いと思います。また、Instagramの投稿の保存はいずれ買いたいもののリスト、いわゆるウィッシュリストとしてとらえることもできるので、これもまた重要です。
以上のように、Instagramのアカウントというのは、中間接着剤的な形で、すべてのチャネルに寄与しています。直接的な評価だけですと売上につながっていないように見えてしまいますが、実は、ちゃんと運用することで様々なチャネルの売上を、会社全体としての売上を上げていくことができるんです。このあたりを理解していただけたら嬉しく思います。
徳田
海外のブランド時計を取り扱っているサイトで、Instagramを、購入したユーザーさんがタグ付けする場所として活用している事例があります。信頼を獲得し、安心していただくための役割を担っているんです。広告・外部メディア・直接的な売上・認知・検討など、いろんなフェーズでInstagramを活用できるということを理解して運用しなければならないということが理解できました。単にラストクリックで売上につながっているかどうかではなく、多様な役割を果たしていることを念頭に置いて、昨対などでどれだけ売上が伸びているのかといった指標を見なくてはならないんですね。
インスタ、とても重要ですね!
トミー氏
Tik Tokが伸びてきたりと、インスタはオワコンだという話も聞きますが、個人的にはTik Tokは長続きしないと勝手に思ってます。アメリカだと制御されていたり、日本でも未成年者は1日60分しか使えないようになっていたりしますが、Instagramは今後もうまくやっていくのではないかと思っています。
徳田
そうすると、富田さんのところに「インスタのアカウントを持ってるのですが、今うちのブランドではどのような役割を重視すると良いですか?」とご相談すれば、運用に関してアドバイスいただけるのでしょうか?
トミー氏
そうですね!そのうえで自社でやりたいとなればノウハウを提供してサポートもしますし、リソースがないから運用は難しいという会社さんには運用代行という形で支援もできるかと思います。
ノウハウ提供してしまうと自分たちの仕事がなくなるということで、運用代行の会社さんではそこまでノウハウを提供せずブラックボックスにやってる会社さんが多いのですが、うちは結構オープンにやっていますね!
徳田
ハピラフさんはTwitterやYouTubeで「こんなに出して大丈夫かな!?」と思うくらいたくさんの情報を出してるのでチェックしてもらえたらと思います!
今回は「Instagramをどうやって売上につなげるか」というお題でお話いただきました。次、第3回では「Instagramでどうやって集客につなげるか」というお題でお話いただければと思います。
ありがとうございました!
トミー氏
ありがとうございました!
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