対談
Interview
この記事では、海外向けコンテンツマーケティングの秘訣についてご紹介します。
【世界へボカン株式会社 SEOコンサルタント 駒村 侃直(Kanchi)】
カナダのWebマーケティング会社で、SEO、コンテンツ制作の業務を担当。
日本の商品を海外に届けるため、複数のプロジェクトにて活躍中。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日もSEOスペシャリストのKanchi君とブログコンテンツのリライト、海外向けコンテンツマーケティングについてお話をしていれけばと思います。
前回、海外向けコンテンツにおいてリライトする記事の優先順位についてお話いただきましたが、今回はどのような施策によって順位を上げていくか、アクセスを上げていくかをお話いただけたらと思います。
よろしくお願いします!
世界へボカン株式会社 SEOコンサルタント 駒村侃直(以下:Kanchi)
よろしくお願いします!
Kanchi
海外向けのコンテンツの作成においては、翻訳の質、つまり言語の壁があります。
左側の文をご覧ください。「Looks brand new. Feels like home.」とあります。こちらはApple米国サイトの原文なのですが、こちらを手動で直訳すると「真新しいルックス。家にいるような快適さ。」といった文言になってしまいます。これをローカライズし「いくつもの新しさを、いつもの使いやすさで」という文にすると、我々にとってスッと入ってくるような表現になります。
ブログのコンテンツも、手動の翻訳のみではなく、実際に現地の人に刺さりやすい表現や言葉を使っていく必要があります。
徳田
そもそも言葉選びのところでキーワードの選定をミスっているサイトもありますし、表現に違和感があって読み進めてもらえないサイトもあります。
今回はトラフィックを伸ばすための方法についてお話いただきますが、トラフィックを伸ばしたあとにユーザーが理解を深めたりコンバージョンにつなげるためにも、違和感のない表現にすることが大事ですよね。
Kanchi
おっしゃる通りです。
では、具体的なブログリライトのテクニックについてご案内させていただきます。
Kanchi
1.クローラーが回りやすいコンテンツに改善
クローラーに「どういったブログコンテンツなのか」を理解してもらうためには、内部リンクの設置が不可欠です。これは関連ブログへの遷移を促す目的もあります。
徳田
関連するトピックに関するブログの記事や商品詳細ページ、商品一覧ページなどに飛ばしたり、外部メディアに飛ばしたり、というように、ユーザーにとって有益なリンク先を置いておくと、読みやすく、理解も深まり、元のページに戻ってきてくれるんですよね。
関連する記事や関連する商品一覧ページにリンクしておくと、クローラーという検索エンジンのロボットが回遊してくれて、結果的にサイト全体の評価が上がります。クローラーがサイト全体を回ってもらいやすくなるというようなイメージですかね。
Kanchi
2.自社にない競合のコンテンツを調査する
自社よりも上位を獲得している競合の記事を徹底的に分析し、Hタグ、記事構成、インタビューがあるかどうか、画像の使い方、テキストの量など、ひとつずつ見ていきます。
Kanchi
3.コンテンツの順番、イントロを短く端的にする
コンテンツの順番も非常に重要で、イントロ部分で短く端的にユーザーに読むメリットを伝えるようにします。また、全体の構成のバランスも大事です。残念ながら、ひとつのパートが肥大してしまったり、ユーザーに求めてられていない情報が長々と配置されているようなブログが見受けられます。ブログ全体を通してテキストの量を適切に配置することによって、ユーザーの理解度も深まり、またGoogleからの評価も高まります。
徳田
まず、ユーザーが興味を持っているかどうか、また、どこで興味が途切れているか、ヒートマップデータなどを見ながら傾向値を見ていかないといけませんよね。
そのあたりを見ながら、ユーザーが興味を持っているところはちゃんと厚くし、興味がないところは短くといった調整が必要になってきますね。
Kanchi
そうですね。ユーザーはすべての部分を読んでくれるというわけではなく、ページの半分ぐらいで離脱してしまうという傾向があります。そのため、内部リンクや重要な情報をページ上部に持ってくるといった施策も必要になります。
徳田
末尾にCTAボタンを置いているサイトが多いと思いますが、真ん中あたりにアクションできるボタンを置いておいたり内部リンクを配置することで、こちらが意図した行動をユーザーが取ってくれる可能性が高まるというイメージですね。
Kanchi
4.モバイルフレンドリー
モバイル端末でページがどのように形で見えているかを確認する必要があります。画像のサイズは大きすぎないか、文字のサイズが小さすぎないかといったところや、どういった配置になっているか、ナビゲーションが適切であるかといったところを見ていきます。
また、近年Googleはスマートフォンのサイトを主にクロールして順位を決めています。ターゲットのお客様がパソコンを使っているからパソコンだけ対処していれば良いというわけではなく、スマートフォンでどういった形で見えているかも確認する必要があります。
Kanchi
5.ユーザーニーズを想像する
たとえばBMW3シリーズのメリットデメリットに関した記事があるとします。利点と欠点について詳しく知りたい方が読むと思いますが、こういった記事を読む方が抱くであろう潜在ニーズについても考える必要があります。他のメーカーに関してだったり、世間のこのシリーズに関しての口コミを確認したい、過去のシリーズが知りたい、車検やサポートサービスがあるか知りたいなど、この記事を読むユーザーが抱くであろうニーズに関しても、コンテンツの中に入れたり関連記事への内部リンクを設置するといったことがSEOでは重要です。
徳田
なるほど。BMW3シリーズを買おうとしている人は、ベンツやアウディ、レクサスなどと比較検討してる可能性もありますね。顧客のペルソナから想像してどんなことを知りたがっているかを書き出して、不足しているコンテンツがあればリライトや加筆するんですね。
Kanchi
そうですね。
また、コンテンツを作成する際に自分自身が「買いたい」という気持ちでブログを読み進めることが、ユーザーのニーズを想像する際に大切になってきます。
Kanchi
6.視覚情報でシンプルに
できるだけシンプルにまとめることも重要です。集中力の低下でテキストベースの記事は近年読まれない傾向があり、できる限りビジュアルの情報で伝えることが重要になります。
徳田
記事で長々とテキストで書かれているよりも、グラフとかイメージで書いてあった方がわかりやすいですよね。
Kanchi
そうですね。
加えて、近年、動画の需要がかなり高まっているので、我々はブログの中にも積極的に動画を活用しています。
徳田
そうですよね。
滞在時間というのは、ユーザーがコンテンツに満足してるかどうかのシグナルの一つとして考えられています。動画を視聴してる間というのはそこに滞在してる時間にあたるので、動画を置くことによって滞在時間が延びますよね。
Kanchi
近年Googleのトレンドとして、オリジナリティのある記事を高く評価する傾向があります。
AIツールの進化によってコンテンツの量では差が出にくい時代になってきました。また、誰でも平均点以上の記事が書ける状況になっています。こういった中でGoogleは、インタビュー記事やレビューの評価、ネット以外の情報など、オリジナリティを高く評価しています。競合他社と差別化できるコンテンツを持っていることも、SEOにおいては重要になってまいります。
徳田
こたつ記事と言われているような、ネットを見ていろいろキュレーションしたら書ける記事というのは、AIに置き換わられてしまいます。僕らは海外マーケティングを実践でやってるから、その実践で学んだことを記事や動画にしたり、お客様の声やレビューを掲載させていただくことができますし、他社には真似できないトピックを載せることもできます。こうしたオリジナリティが求められるようになっていますよね。
Kanchi
今回はコンテンツのリライト・加筆についてご説明させていただきました。
イントロで全体像をわかりやすく解説する、競合調査をするなど、具体的にご説明いたしました。また、内部の対策について、今回は内部リンクの最適化などお話いたしましたが、他にも、サイトスピードなども重要になってまいります。SEOのブログリライトにはさまざまな施策があり、全体的に網羅的に行っていく必要がございます。
Kanchi
最後のまとめとして、リライトのメリットを3つ挙げさせていただきます。
・新規コンテンツより工数が少ない
・過去のデータを参照できる
・サーチコンソールのような過去のデータを参考にし分析することができる
また、既存のSEOの評価から引き継げるという点もメリットといえるのではないでしょうか。新規コンテンツを作成すると0からの評価になりますが、過去の評価があれば、そこからの引き継ぎが可能になります。
徳田
そうですね。データを元に分析して改善する方が、ゼロベースで記事を書くよりも工数も少ないですし、成果につながる可能性も高いと思います。リライトは盲点となっているかと思いますが、ぜひチャレンジしていただきたいです。
ありがとうございました!
Kanchi
ありがとうございました!
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