対談
Interview
この記事では、少人数運営のブランドが売上を上げるコツについてご紹介します。
【ECコンサル&ライター オオスミ浩子氏】
小さな会社がECで毎月100万円売上達成する為に、卸から自社ECへシフトするコツなどのノウハウ。
女性オーナーが自分らしく働くための情報を発信。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、13年以上にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、14.7倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日はオンラインショップ再生コンサルタントのオオスミさんに少人数運営のブランドが売上を上げるコツについてお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします!
まずは簡単に自己紹介をお願いします。
ECコンサル&ライター オオスミ浩子氏(以下:オオスミ氏)
私、オンラインショップ再生コンサルタントのオオスミ浩子と申します。
ファーストキャリアはファッション業界でして、販売員やバイヤー、商品企画を経て、25歳のときに自分でバスローブのブランドを立ち上げました。そこからブランドオーナーとオンラインショップの運営を9年間ほどやっておりました。
そのブランドは他社さんに事業譲渡をし、2023年からはオンラインショップのコンサルとして活動を開始しています。よろしくお願いします!
オオスミ氏
バスローブのブランドをやってるとき、たくさんのメディアにも取り上げていただきまして……芸能人の方が着てくださったり、取材も多くいただいた実績があります。
徳田
すごい!郷ひろみさんもいますね……!
メディアに出ると欲しい人と思ってくださる方も増えそうですね。
オオスミ氏
そうですね。
バスローブ自体が今よりも珍しかったのですが、実はこれはPR会社など一切使わなかったにもかかわらず、いろいろ活用していただきました。
徳田
なるほど。
そんなオオスミさんですが、少人数運営の比較的小規模のブランドは売上を伸ばすことが大変ですよね?そういった方たち専門のコンサルティングをされてるとのことですが、彼らならではの課題にはどのようなものがあるのでしょうか?
オオスミ氏
上記のスライドにまとめました。
少人数運営というだけではないかもしれませんが、ブランド運営やオンラインショップを運営されている皆さんは、商品開発から普段のお客様の対応、出荷など、やることが膨大にありますよね。そのため、とにかく日々の1つ1つのタスクを実行していくだけで精一杯になってしまっていて、現場がぐちゃぐちゃになってしまっているというご相談をよくいただきます。
また、ブランドさんはポップアップやイベント出店をオンラインと同時にやられているケースがすごく多いんですが、それが重なってくると今なにをやってる状態なのかわからないという感じになっているケースがとても多いです。
ポップアップ出店となると、それだけで少なくとも3~4日、長いときは1週間ぐらい拘束をされてしまうので、図の上のような、ぐちゃぐちゃした状態になってしまいます。本当だったら下のイラストのように戦略的に全体設計を立てると良いのですが、なかなかそうできないという現状があります。
徳田
確かに、ポップアップを出しているとマンパワーが足りず、しかしそんな時だからこそ売り上げが上がるので受注処理などもしなくてはならないし、発送もしなくてはならないし、結構大変だったりしますもんね……
オオスミ氏
そうなんですよね。
いっぱいいっぱいになってしまっていて戦略どころではないし、データを取ったりしなくてはならないのはわかっているものの方法がわからないし、人手も足りないという状態によくなっています。
徳田
越境ECでも、戦術的な施策の積み重ねで本当に売上が上がるのか、不安に思われてる方からよく相談いただきます。
やるべきこと・やらないことを整理してあげないと、手が回らなくて、ぐちゃぐちゃになってしまいますよね。
オオスミ氏
そうなんですよね。それで自信がなくなってしまうこともあります。
また、正しいステップで業務の断捨離をして一つずつ実行していけば絶対売れるはずなのに、それができていないから「うちの商品はオンラインでは売れない」って思ってしまっているオーナーさんがとても多いんですね。これはすごくもったいないと思います。
オオスミ氏
そこで、こういったぐちゃぐちゃになっている現状をどれだけすっきりさせてあげるか、日々お手伝いをさせてもらっているのですが、この状態では、
「力を入れるところがわからない」
「優先順位もわからない」
「進もうとする方向自体を間違ってしまっている」
といった落とし穴に陥ってしまいます。こういったケースが重なってしまうと、感覚的には平気で2年ぐらいは遠回りをしてしまう印象を受けています。
徳田
確かに。
こういった課題感をお持ちのお客様がたくさんいらっしゃると思いますが、どういったサポートが必要になってくるのでしょうか?
オオスミ氏
まずは全体的な設計や、オンラインで売上を意図的に作っていくためにはどこに力を入れたら良いのかというお話をさせてもらうことが多いです。それが下の図になります。
SNS運用やYouTubeでの動画配信、広告をご自身で回されていたりと、いろんな施策をすでにやられているオーナーさんが多いですが、それがこの図の【きっかけ】ですね。ここの1つ1つを強めていけば、オンラインショップにお客様が流入し、購入してくれる、という、図のグレーの線で描かれた流れになると皆さん思っていらっしゃいます。
もちろんそういった流れというのはあるのですが、ここではなくて……私がよく強めていきましょうとお話するのが、ピンクの矢印の方になります。LINE登録やメルマガリスト、お客様リストというのを1件でも多く増やしていきましょう、ということです。
オオスミ氏
こちらが意図的に発信をしていったり情報をお伝えできる状態を多く作っておかないと、プロモーションを打ったり、意図的に売上を作っていくことがとても難しくなってしまうんです。
SNSは投稿が流れていってしまいます。こちらからなにか意図的に情報を伝えたいタイミングで伝えていくには、LINEやメルマガのほうが確実です。
もちろんSNSのフォロワーを増やしたり、作った動画を1人でも多くの方に見てもらう努力というのは必要なのですが、そこはゴールではなく、しっかりと自社でお客様リストを少しでも多く溜めていき、違うところでつながりを持っていくことが本当のゴールです。
徳田
僕もYouTubeをやっていて、チャンネル登録数も1万人近くになってきていますが、やはりアルゴリズムによって実際にリーチする人の幅って変わってくるかなと思っています。
「借りてきた土地」と言われるSNSよりも、LINEとかメルマガといったCRMの領域にちゃんとリストを獲得していくことが大事なのではないかと思います。
オオスミ氏
実は、オンラインショップさんやブランドさんは、すでに結構な数のメルマガ登録やLINE登録のリストを持っているのに放置してしまっている方が多いです。
とてももったいないですし、そもそもそれに気づいていないオーナーさんも多いので、その点をしっかりと発信をすることをまず大切にしています。
徳田
ご本人は気づいていなくても、経営資源を整理していくと、意外とメルマガ登録やLINE登録のリストがたくさんあることってありますよね。
オオスミ氏
そうなんですよね。宝の山を寝かせてしまっているケースもとても多いので、まずそこを一緒に整理して掘り起こしてあげるということをやっていってます。
オオスミ氏
次にブランドさんのポップアップの例を共有させていただきます。イベントに出店することになったときにどういう流れでどういう整備をしていくのかをまとめました。
一般的にたぶん皆さんよく想像されているのがこの図の黒い矢印の流れの方ではないかと思います。
日程と場所が決まったら、その少し前に顧客様にメルマガやハガキで告知をして。当日はショップカードやLINE登録のご案内をして。そのあとLINE登録してくれた方にLINEを送ったり、そこからSNSとかオンラインショップに見に来てくれるようになったら良いよね、という流れです。
この流れで終わってしまう方が多いのですが、それもすごくもったいないなと思っていまして。私のクライアントさんにはよくこの黄色い矢印の方の導線を設計しています。
まず、専用LPを作った方が絶対に効果的です。
特に商品数が多いブランドさんには有効なんです。ポップアップで実際に商品を見ていただいたお客様が「やっぱりあっちの商品も欲しかったな」と後から思うことって多いんですよね。
オオスミ氏
そこで「もう1回あの商品見てみたいな」ということでオンラインショップに行ったとき、商品数が多いと、ポップアップで見た商品がどれだったのかを探すだけで大変だったり、どれかわからなくなって、買うのをそこで諦めてしまうというケースもあるんですね。
ですので、簡単でいいので出店中の商品を集めたページを作り、ポップアップのお知らせからリンクを貼ってあげると、実際に来店したお客様が振り返りやすくなるし、後から気になった商品が見つけやすくなります。
このひと手間をかけてあげるだけで、かなり購入確度の高いお客様というのをもれなくキャッチをしていくことができます。
徳田
ポップアップに行く前に「こういう商品あるよ」というページが出ていたら、「これ良いな」と思うものを見つけてポップアップに足を運ぶというケースもありますよね。
オオスミ氏
そうですよね!「この商品ちょっと気になるから実物を見てみたい」ということも、誰もが経験したことがあると思うんですよね。
そこをしっかりとキャッチしてあげたり、ポップアップの当日にただショップカードなどを配って終わりではなく、そのあとさらに来店してもらえるような仕掛けだったり発信、情報をお伝えしていくということが大切になります。
徳田
専用LPをポップアップの前後で機能させることと、その後のフォローが大切ということですね。
オオスミ氏
そうなんです。
その具体的な告知からフォローまで、どういうことをやっていけば良いのかを分解したものが下の図になります。
オオスミ氏
ポップアップってプロモーションだと思うんですね。ただ出店をして商品を見てもらって、その場で買ってもらって終わりではなくて、WEBプロモーションの流れとまったく同じだと考えていただきたいです。
まず、告知は1か月以上前から始めていただきたいです。
1週間ぐらい前にハガキを送ったり、1、2回のメルマガだけで終わってしまうブランドさんも多いですが、それだけではお客様になかなか覚えてもらえません。また、1か月前は長いのでは?という質問もされますが、ご自身のスケジュールを考えたときに、1か月先ぐらいまで埋まってたりしますよね?
徳田
もう埋まってます、めちゃめちゃ……!
オオスミ氏
そうですよね?1週間前に「来週末イベントあるから来てくださいね」と言われても、「もう少し早く知りたかった」ということが多いと思います。
まずは1か月、もし可能であればもう少し前からお知らせをし、何回も告知をしていくことが大事です。
当日はどれだけお客様にLINEを登録してもらえるか、リストを集めることができるかということで、しっかりショップカードなどをお配りします。
ちょっと手間はかかってしまいますが、有効だったのが……
オオスミ氏
LINE登録していただいた方に、どのポップアップに来ていただいたのか、たとえば「〇〇百貨店に行きました」というふうにLINEのメッセージを送っていただいたら、来場者限定クーポンをお渡しする、というキャンペーンです。
このように、ポップアップ後もオンラインショップに来ていただけるような仕組みや流れを作っていくことが大切です。
徳田
「LINEでメッセージ送ってください」とか「気になる」してくださいといったものにはそういう意味があるんですね。登録者の中から、来場した方を分類してコンタクトをとれるようにしているんですね!
オオスミ氏
そうです。
しかもポップアップはオンラインだけのつながりではなく、一度リアルで接点を持っていますよね。そのため、距離感を近く感じてくださっているお客様も多くて、その場ですぐ送ってくださったり……というケースもかなりあります。
ぜひなんとなくショップカードを配っただけで終わっちゃってたなというブランドさんがもしいたら、これを試してもらいたいなと思います。
徳田
ポップアップをやるときにポイントポイントでどういった工夫ができるかというというノウハウがあるだけで、全然成果が変わってくるじゃないですか。
オオスミさんに相談するとこういったティップスなどをたくさん教えていただけるんですね。
オオスミ氏
今のお話以外でも、ポップアップ中にインスタライブをしてまだいらっしゃってない方との距離を縮めたり、プレスリリースを出したりと、少人数運営のブランド様でも時間やお金をあまりかけずにすぐできる小さなコツをお伝えするようにしてます!
徳田
こういったティップスがたくさんまとまっているチェックリストをプレゼントされているんですよね?
オオスミ氏
そうなんです!
小さな会社やブランドさんでも極力お金をかけずに、まずはWEBで毎月100万円の売上を目指しましょうということで、100個小さなコツが書かれているチェックリストというのを配布しています。
徳田
すごく良いですね。これを見て、自社がちゃんとできてるかをチェックしたいなと思いました。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
オオスミ氏
どうもありがとうございました!
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