対談
Interview
この記事では、海外Amazon進出時に重要な、商材・マーケット選択における4つのポイントのうち、3つ目・4つ目についてご紹介します。
【 株式会社Picaro.AI Tommy Kim氏】
Nike Japanでのインターンを経て、米国大学へ。
米国でアスレティックマネジメントとして活躍。
帰国後、日本企業の海外進出をサポートしている。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→1000億、約30倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
前回に引き続きPicaroのTommyさんに海外Amazonでアメリカに進出するときの秘訣についてお話を伺いたいと思います。
前回は競合セラーの数だったり、メインキーワードの検索ボリュームのような形で、市場性の話、検索ニーズみたいなところで、「どういうキーワードから狙っていくと参入しやすいのか」という点を伺ったと思うんですけど、3つ目・4つ目のポイントもお話伺えますでしょうか?
株式会社Picaro.AI Tommy Kim氏(以下:Tommy氏)
はい、3つ目のポイントは、「市場平均売価」です。
前回のお話でペットシーツをたとえとして使っていたので、このままペットシーツを例にお話ししますね。
Tommy氏
この市場は、だいたい左から9ドル29ドルとバラつきはあります。
けれども、平均にならしたときに24ドルで販売されています。
Tommy氏
24ドル以上で価格を設定したら、売れないのかというとそうでもないんです。
何故かというと、レベニューにて、売り上げでソートをかけてるんですね。
トップ6なんですけど、4番目に38ドルで売っている商品が出てきています。
Tommy氏
この商品はしっかり差別化しているし、「38ドルでも売れるんだな」というのがこれでわかります。
なので日本のセラーさんは、輸出、配送料、いろんなコストがかかってきて、商品の価格を上げないといけないと思うんですよね。
仮に35ドルは絶対に守らなきゃいけないとなったとき、38ドルで売ってるところがあり、これぐらいの売上を出しているから、絶対成功しないとは言えないよねと。
ちゃんとランディングページを作り上げて訴求ポイントを伝えられれば、いけるかもしれないということが、ここで読み取れます。
徳田
なるほど。
基本的にはAmazonというのは市場平均売価というのがあって、その周辺の価格の商品、安ければ安いほど売れやすいかなと思うんですけど。
高くても売れることがあるということも、こういった特殊なツールを使って、調べることができるんですね。
一般的には見えないですもんね。
Tommy氏
そうですね。
なので本当に下調べというのがとても大事になってきます。
キーワードもそうですけど。
徳田
Amazonに進出したけど、海外Amazonをやってみたけど、うまくいっていないという人は、こういったデータを今まで見ていたのか
……みたいなところがちょっと気になってきますね。
Tommy氏
常にデータをもって会話したいですね。
その流れで、ポイント4つ目「訴求ポイントの差別化」に移らさせていただきます。
価格もそうなんですけども、「機能性のどこが違うのか」「なぜ高いの?」っていう理由付け・動機付けというのをカスタマイズしなくちゃいけないんです。
Tommy氏
今回ピーナッツバターをたとえで使わせていただきます。
ピーナッツバターって検索をアメリカAmazonですると、検索ページ1ページ目、トップに出てくるんですね。
SKIPPYっていうのは、日本でも買えますし、めちゃくちゃ有名なブランドです。
それが8ドル9ドルで販売されている中で、左側のネイキッドPBって21ドルで売られてるんですね。
オーガニックランキングでも上位に入ってきてる。
なんで平均売価が約3倍もするのに売れてるんだろうというと、
商品ページの作り込みが違うんですよね。
Tommy氏
このネイキッドPBは、ブランディングをがっつりやっていて、筋トレしている人や健康思考の方に刺さるような商品ページを作り上げてきています。
左からアメリカだけで、「アメリカで栽培されているピーナッツバターを使ってるよ」とか「ファーマから取っているよ」とか「化学調味料は入れてないよ」とか。
2枚目の画像がプロテインのグラム数。
「これぐらい入ってるんだよ」という説明していますし、右側の画像は、このピーナッツバターをただパンに塗って食べるだけじゃなくて、プロテインシェイクにもできるようレシピというかステップも書いてある。
インストラクションも書いてあるし、カスタマーがこれを見たときに、ただのピーナッツバターではないとイメージさせてくれます。
Tommy氏
b>実際に生活でどうやって取り入れようかというのをイメージしやすくしてくれているので、とても良いなと思います。
SKIPPYに関しては、本当にジェネリックな、特に何も謳っていないです。
なのでこういうところがとても重要になってきます。
訴求ポイントの差別化に関して、次にチューイングガムをたとえに使うと……
Tommy氏
左のTridentってどこにでも売っているすごく安いガムなんですね。
一方で右側のNeuro Gumというガムが、検索トップページ、同じところに並んでるんですよね。
オーガニックで、でも平均売価を見ると約3倍違うんです。
なんで23ドルもするのに、こんなに売れてるんだろうというところですが、こちらは訴求の仕方が違います。
Tommy氏
ランディングページを見ると、More than just gumなんですよね。
ただのガムじゃない、と。
このガムを噛んだら、あなたにどんなベネフィットがあるのというのがちゃんと説明されています。
Tommy氏
カフェインが入っていて、要するにエナジードリンクみたいな働きをしてくれて。
あとはL-theanineですかね。
どんな成分かわからないですけど、エネルギーを与えてくれる成分が入っていると。
なのでデスクワークをしている人とか、単純に目を覚ましたい、ガムを噛もうというときに僕だったらこれを買いたいなと思うんですよね。
約3倍するけど、そういう刺さる商品が、Neuro Gumです。
僕はアメリカに行ったときにとても見かけて、実際に買って噛んでましたけども。
ブランディングマーケティング上手だなって思いますね。
徳田
なるほど。
ガムとかピーナッツバタークリームとかもそうだけど、同じものでもポジション、ヘルシーだったり、プロテインの含有量だったり、ガムでいうとモアフォーカスって書いてましたよね。
そういう形でただのガムなのか、エナジーガムなのかによってポジションが違うから、買いたい人も違うというところで、1つのサーチリゾルトのページに共存できている。
ガムといってもこっちのエナジーの方を選ぶ人と、安くてガムという機能だけを求めてる人といたときに、それぞれが高くても買われるもの、安いから買われるものというふうに分かれるという感じなんですね。
僕らは伝統工芸品とか、機能価値の高いものが結構あったり、日本でしか手に入らないものを売ったりとかするので。
そういうのなんかはAmazonでも勝てそうだなと思いましたし、実際に差別化しないとただグローバルのAmazonに出品したら痛い目にあっちゃうし。
逆にポジションとかをしっかり伝えていけば、勝機はあるんだなと思いました。
Tommy氏
この訴求ポイントのところで、なんだかんだ言って自社で開発して製造して販売するときの思いとか、お客さんにこういう商品を届けたい等あります。
それはすごく良いと思います。
Tommy氏
プロダクトアウトで全然良いです。
ただAmazonに関しては答えをお客さんが持っているので、キーワードもお客さんが持っていますし、我々はわからないんですよね。
バイアスが入ってきちゃって、この商品絶対売れると思っても、Amazonにいるお客さんがこれいらないと言ったらそれでおしまいなんです。
なので進出もしくはローンチする前に、アンケート調査というのは1つの手段かなと思ってます。
アメリカでよく有名なのが、PickFuというサイトがあって。
ここではいろんなテストができるんです。
Tommy氏
ABテスト、スプリットテスト。
メイン画像を左と右、どっちが良いの?というふうにアンケートすることができます。
これ以外にも単純に商品、こういう商品をローンチしようと思ってるんだけど「どう思う?」という、本当にジェネリックな質問。
単純に「フィードバックちょうだい」というような調査もできるので、こういうこともやる価値はあるかなと思ってます。
徳田
こういったテストをしたうえで、「実際に市場に参入すべきなのかどうなのか」だったり「参入するならどういうパッケージが良いのか」みたいなところの意見も聞けるんですね。
徳田
こんな形で4つポイントで、まずは競合セラーの数というところをしっかり見ていかなきゃいけません。
日本とアメリカだと全然競合の数が違うというところと、あとは検索ボリュームというところも多ければ良いわけじゃないんです。
競合の数と検索ニーズのボリュームというところのバランスを見て、あとはバイヤーインテッド。
ユーザーの検索意図みたいなところが、より商材とマッチしているものの方が良いよというところは理解しました。
3つ目の市場平均売価でいうと、そもそもその市場でこれぐらいの価格の商品が売れてるよというのはデータとして出して、そこの商品が高かったら4つ目のポイント。
訴求ポイントをしっかり伝えて、差別化していかないと売れないですし、きちんと逆に価値を伝えられていれば高くても売れるということは理解したので。
単純にAmazonに出品したら売れるというよりは、「どこの市場を選ぶのか」「訴求してどういったポジションを目指すのか」みたいなところというのをしっかり考えないといけないというのを理解して、
このあたりをしっかりPicaroさんとデータを元に考えてやるかやらないかもそうですし。
やるんだったら「どういうふうにやってくのか」みたいなところを練っていく必要があるんだなと理解しました。
日本企業でグローバルに進出したい、Amazonを使ってグローバルに進出したい企業を支援されているという感じなんですかね。
簡単にご紹介いただいても良いですか?
Tommy氏
もちろんです!
AmazonJapanで販売もしてますが、USに進出したいなと考えておられる企業さん・セラーさん、僕たちにAmazonUSを丸投げしていただいて大丈夫です。
僕たちネイティブのコンテンツマネージャーもいますし、現地のアメリカでしかわからないアメリカの英語のニュアンスや、SEOを加味したカタログの作成からABテストを繰り返して、より良いランディングページにしていく。
またタイトル、商品説明文、すべてA+。
すべてにおいて売上に直結するようなアクションというのを行うことができます。
もちろんAmazonの運用広告もですね。
Amazonの運用広告ってすごい精度が上がってきていて、やれることもどんどん増えてきていて、ディープダイブしようと思えばするほど難しい領域なので。
Amazonに関してはプロなので、ぜひお任せいただければなと思います。
国内ももちろんなんですけども、僕は主に国外のマーケットプレイスを統括している者なので、AmazonのUSA、またはEUなどのマーケットプレイスの運用サポートをすることができます。
徳田
海外Amazonに出品したけうまくいかないという人、結構相談に来てたりとかするんですよ。
プロダクトがそもそも戦えない商材なのか、そもそもやり方が間違っているのかによってやるべきことが変わってくるかなというふうに思っているので。
ぜひお悩みの方はPicaroさんに、ご相談いただけたらなと思いますし、今日の資料に関してはダウンロードできるのでリンク飛んでいただけたらなと思います。
本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
Tommy氏
こちらこそありがとうございました!
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