対談
【米国amazon攻略】費用対効果を合わせるロジック| Picaro Tommy氏 × 世界へボカン徳田
- 2024.06.28
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対談動画
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この記事では、海外Amazonの進出の秘訣についてご紹介します。
【 株式会社Picaro.AI Tommy Kim氏】
Nike Japanでのインターンを経て、米国大学へ。
米国でアスレティックマネジメントとして活躍。
帰国後、日本企業の海外進出をサポートしている。【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→1000億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
Tommy Kim氏の自己紹介
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世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です!
本日もPicaroのTommyさんに、海外Amazonの進出の秘訣についてお話を伺いたいと思います。前回、商品選定だったり市場選定や、どういった競合性であればまだ参入する余地があるのか、どのぐらい検索ニーズがあれば参入した方が良いのか?
といったお話を伺いました。今回もAmazonのSEOの秘訣や、どういった費用対効果を合わせていくのか、
といったお話を伺いたいと思います!
まず、簡単に自己紹介をお願いできますか?
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株式会社Picaro.AI Tommy Kim氏(以下:Tommy氏)
よろしくお願いします。
Picaroで新アカウントマネージャーとして、またグローバルセリングの統括部長として、リードしているTommyと言います。
よろしくお願いします!今日は前回の続きの部分もあるんですけど、アメリカAmazon出品前に知っておきたい4つのポイントを話させていただきたいと思います。
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Tommy氏
まず1つ目にCPCの構造設計。
2つ目に外部流入の重要性。
3つ目に在庫とSEOの関係。
最後にアメリカAmazonの販売開始プロセス。このようなお話をできればと思います。
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Tommy氏
まず1つ目にCPC%。
CPC%って初めて聞く方が多いと思うんですけど、まず販売する前にスタート地点で勝負が決まってきます!「CPC%ってなんなんだ?」というところでsuga
、前回のお話で、カテゴリーの中でも、例えばスキンケアという大きなカテゴリーの中でもっとニッチな商材、カテゴリーを選んだ方が競合数も少ないし比較的参入しやすいよね……という話をしたと思います。今回もフェイスローションとアンダーアイパッチを使って説明していきますね。
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Tommy氏
「なんでそもそもニッチな商材を選ぶ方が良いのか?」というところですね。
ニッチであればあるほどコンバージョンレートが高い傾向があるということと、コンバージョンレートが高いとAUP、平均売価も高めに設定しやすいことがあります。そして、ACoS。
Amazonでよく使うメトリックスなんですけど、広告費売上高比率、広告費÷売上の数字がメトリックスがコントロールしやすいというか、パフォーマンスよく運用できる。
あとROASへの作用もポジティブなところがあるというところです。
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Tommy氏
まずフェイスローションのカテゴリーを使って説明すると、AUP、平均売価は20ドルです。
CPCとコンバージョンレートは仮に一定として設定しています。
となると単純にCPC4ドル÷20ドル。
平均売価すると20%というCPCが出てくるんですね。この計算方法だったり、詳しい細かいところはちょっと割愛して、上記の画像を見ていただければと思うんですけど、ここが20%だとスタート地点が結構しんどいです。
CPC%って結果ACoSだったりROASに直接的に関係するところなので、このCPC%が高ければ高いほど、スタート地点でACoSだったりROASというのが結構しんどいです。
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Tommy氏
ここでどうすべきかなんですけど。
アンダーアイパッチみたいな、すごいニッチな商材だと、まずAUP75ドルでも売れるカテゴリーになっています。
CPCとコンバージョンレートは一緒で設定します。
そうするとAUPだけ違うので、単純にCPC%って下がるんですね。この商材だと5%、5.3%という構造でスタートすることができます。
スタート地点に立つことができるPicaroでは、このCPC%5%以下、5%前後になるようコード設計することを推奨します。……というのは、運用してからACoSがとかROASが出てくると思うんですね。
CPC%がしっかりと5%前後で設定できていれば、スタート地点でのACoSもROASも良いパフォーマンスとか状態でスタートできることになります。
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Tommy氏
さっきコンバージョンレートの話をしたと思うんですけど、仮にランディングページをブラッシュアップして、配分とかもしてABテストを繰り返して、フェイスローション、「スタート時点からCPC%20%で結構しんどいよね」というところでも、コンバージョンレートを10%改善できただけで一気にCPC%がすごい改善できてるんです!
ACoSも改善できるしROASも大きく改善できる。
アンダーアイパッチ右側もそうですね。
コンバージョンレートが10%改善すると、CPC%をもっと半分に2%まで下げることができる。……なので、ここでお伝えしたいポイントとしては、カタログって1回作ったら終わりじゃないので、常にABテストを繰り返してどんどんブラッシュアップして、コンバージョンレート0.01%でもAmazonだと1pipsとかいうんですけど0.01%でも改善していく。
そうするとCPC%に良い影響を与えることができて、左側のフェイスローションみたいに、スタート地点から20%というしんどいスタートを切ったとしても、運用の仕方ってCPC%をどんどん下げていくということは可能です。
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徳田
なるほど。
1回整理させていただくと、まず商品群によってキーワードによってアベレージのユニットプライスの価格が変わってくると。20ドルのフェイスローションもあるし、アンダーアイパッチだと75ドルの場合もあるし、どの市場を選ぶかでクリック単価、CPC自体はあまり変わらないから、CPC%ですね。
商品の単価に対してのCPCの割合というところが変わってきてしまうと、これが5%以上だと、そもそも勝負が厳しい状態なのでスタートしなきゃいけないというのがあると。
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Tommy氏
おっしゃる通りです!
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徳田
なのでできるだけニッチなキーワードで検索ニーズがあって、かつ単価が高いところを選んだ方が良いですよね。
もしAという商品とBという商品、どっちを販売しようと悩んでいたら、単価が高くてCPCが低いものを選んだ方が良い。
かつ運用していく中で、コンバージョンレートを改善することができたら、CPC%とかの改善ができるから、費用対効果を合わせに行くこともできるし。なので、最初からCPC%が合っている市場を選んで戦っていくことで、ROASとかACoSを合わせにいくのか?
または運用の方で頑張って合わせに行くというところをやっていって、米国の市場でシェアを取っていくのか?みたいなところの考え方で、Picaroさんと両方できる。こういう考え方マトリックスがないと、そもそも勝ちようがないよねという話なので、こういうことを理解しておいてくださいね……というイメージですかね?
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Tommy氏
おっしゃる通りです!
補足になるんですけど、じゃあAUP、平均売価を高く設定すれば計算上CPC%って低い状態5%前後でスタートすることは可能です。
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Tommy氏
でもAmazonって基本高い商品って好まれないですし、Amazonも高い商品を売りたくないんですよね。
するとやはり価格競争になってきて下げていかなきゃいけない。
特にAmazon USは中国のセラーがうじゃうじゃいます。
ものすごい安い価格で販売してきます。そこのセラーたちと戦っていくときに、やっぱりAUPと選択するカテゴリーってすごい密接に関係してるんですね。
だからグローバルニッチであればあるほど高くても買われる傾向があるんですね。すると価格設定もしやすい。
高く敷居持ってまわりは高いけどうちの商材はここが違うんだよってしっかりと訴求、差別化できていれば、価格設定も高めにできる。
高めにできると必然的にCPC%も今お伝えした5%前後でスタートできる。そこがどうしても難しくて、カテゴリーとの兼ね合いで価格が50ドル以上の設定はできないんだと。
じゃないと売れないんだとなると、さっき言ったコンバージョンレート、どんどんストアページだったりACoSサブ画像というのをブラッシュアップしていって改善していく。
……そうするとCPC%も運用しながら少しずつ改善することは可能です!
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徳田
わかりました!
自社の商品がUSの市場で選ばれるためには、わざわざアメリカの人たちが日本の商品を買う理由とか、そういうところがクリアじゃないとそもそも買ってくれない、と。
これはShopifyの越境ECも、Amazonの越境ECも一緒かなと思うんですね。
それが難しければ運用で頑張るという話ですよね。
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Tommy氏
そうですね。
CPC%の計算方法、計算式だったり、ACoSの計算式それぞれ入れていますので。
のちほどダウンロードしていただければ見ることができます。
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Tommy氏
CPC%の計算方法。
計算式だったり、ACoSの計算式それぞれ入れていますので。
のちほどダウンロードしていただければ見ることができます。次の外部流入の重要性に移らさせていただきます。
とはいってもAmazon内でできることって限界があります。
Amazon広告ですね。
なので長期的なビジネスで成功するためには、外部流入が必須になってきます。メタ広告だったりPinterest、Googleとかあると思うんですけど、Amazonは外部流入を非常に喜ぶので、外部でどういう施策ができるのかというのが重要になってきます。
主な外部流入のメリット効果ですね。
たとえばInstagramとかTik Tokでインフルエンサーが商品を投稿しますよね?
「こういうキーワードで検索してね」とか「購入できるよ」とか拡散します。
そうすると必然的に指名外の流入が増えてきます。
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Tommy氏
するとコンバージョンレートも上がって、アルゴリズムからすると、「この商品お客さん調べてるんだな」「求めてるんだな」ということで、どんどんコンバージョンレートも上がってくるし、オーガニック検索順位も改善されていく、と。
なのでこの2つが主な効果になってきます。インフルエンサーマーケは、基本継続してやる必要があります。
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Tommy氏
単発だとあまり意味なくて、数多くのインフルエンサーをしっかりと手元に持っておく関係も築いておく、単発で終わらないようにしていく必要があります。
理想はアメリカの現地に行って現地のインフルエンサーと構築するのがベストなんですけど、なかなか難しいよね……というところで、日本にいてもオンラインのプラットフォームを使って、現地のインフルエンサーとの連携が可能になります。
ここで1つスタックインフルエンスというプラットフォームをご紹介してるんですけども。
こういうところを使って、インフルエンサーマーケをやることができます。
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Tommy氏
Amazonは先ほどお伝えしたように、外部流入を非常に喜ぶので。
Googleだったりメタから経由で入ってきたお客さんが、その商品を買ったとするじゃないですか。
その売上に対して、Amazonはセラーに10%ほどのリベートを還元します。
一応今のところアメリカだけのプログラムなんですけど、10%還元って結構でかいですよね。
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Tommy氏
Amazonにブランド指名買いを増やせると、一般検索用語でどんどんお金を使って広告投資というのを続けなくて良くなるので。
理想は商品の名前、ブランドを知ってもらって、その商品を買いに来てもらうのが一番お金もかからずに良いじゃないですか。なので「その割合をどうやって増やせるか?」というのが重要になってきます。
Amazonジャパン国内だとトータルACoS。
これが広告費に対しての全体の割合ですね。
が、10%以下に収めたいよねという会話がよくあるんですね。
でもアメリカってCPCもすごい高いですし、競争もすごい激しいので、このトータルACoSというのを僕たちクライアントさんとよくするのが「長期的に見て20%から30%に抑えたら良いよね」という会話があります。なのでこれを実現させるためには、「やはりブランド指名買いというのを増やさないといけないよね」ということが起きてきますね。
指名買いが大事になってきます。
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Tommy氏
あともうひとつAmazon’s Choiceですね。
Amazonおすすめバッチってあると思うんですけど、これもやはり取れた方が良いです。
やっぱりバッチがついていると、お客さんに「カスタマーにとってこの商品は売れてるんだ」というような認識になるので。この取り方もAmazon’s Choiceは、基本Aというキーワードで検索をいっぱいされて。
そしていっぱい買われる。
そうするとこのAmazon’s Choiceがつくような仕組みになってます。徳田さんもそうだと思うんですけど、Amazonで商品を探していて、Amazon’s Choiceがついているとクリックすると思うんですよね。
そのときに、どのキーワードでこのAmazon’s Choiceがおすすめが取られているか?というのを気にしない……というかそこまで見てないと思うんですね。なのでカスタマーからすると、どのキーワードで取れているかが重要じゃじゃなくて、このバッチがついているということがすごく大事なので。
このブランド指名、外部からの流入が増えれば増えるほどこのAmazon’s Choiceも取りやすいです。
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徳田
なるほど!
そもそもAmazonは外部からの流入からのコンバージョンというのをとても推奨しているというか状態だと。
インフルエンサーさんとかを活用してスパイクを作るだけじゃなくて、継続的にやって流入を取っていくことで、安定して特定のキーワードで売れやすくなったりとかするというイメージですね。前回の動画で一般名詞から見つけてくれる人が多いという話があったかなと思うんですけど、一般名詞だと行ってもコンバージョンレート10%とか、行っても20%とかだと思うので。
指名だったらもっともっと高いと思うんですよね。そういうところで買う場所としてAmazonを使うことによってAmazon自身、Amazonの中の検索のパフォーマンスも上がってくるし、ユーザーも買いやすくなるしというところで、僕らもShopifyfで越境ECのサイトを立ち上げたときに、Shopifyで買うボタンとAmazonで買うというボタンを両方置いてユーザーがチョイスできるようにしていて。
USのお客様に関しては、そこでAmazon USAに飛ばして、そこで買っていただくということもやっていたんですけど、結果あれはとても良かったということだったんですね。
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Tommy氏
そうですね!
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徳田
Shopifyで商品の魅力を伝えて、Amazonに送客して買っていただくということで、両方で自社サイトとモールとうまく連携してコラボレーションをしながら、売上を伸ばしていくだったり。
インフルエンサーさん活用しながら、送客してくみたいなところがAmazonにも効果的だということを理解しました!
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Tommy氏
補足でお伝えすると、Amazon一本頼みというのもリスクなので、売上が立ってきたらやっぱり自社ECもShopifyで構築して構える必要もあります。
あとはウォルマートはAmazonの次にすごい成長しているマーケットプレイスですけど、アメリカで出品を開始するというのも重要になってきます。
なので総合的なECプラットフォームをお店を構えて、どこでもお客さんが買えるようにするというのは重要になってきますね!
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徳田
今日お話を聞いていただいて、すごいわかったかなと思うんですけど。
PicaroさんめちゃめちゃAmazonのUSAの運用のノウハウを持っているんで、次回はもっと細かな情報をお聞かせていただけたらなと思っているんですけど……本当にこんなに出して良いのかというぐらい、いっぱい出してくれていて。
すごい信頼できるパートナーなので、ぜひ前回の動画も含めて見てみてもらえたらなと思います。
貴重なお話いただきありがとうございました!
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Tommy氏
ありがとうございました!
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