対談
Interview
この記事では、海外Amazonの進出の秘訣についてご紹介します。
【 株式会社Picaro.AI Tommy Kim氏】
Nike Japanでのインターンを経て、米国大学へ。
米国でアスレティックマネジメントとして活躍。
帰国後、日本企業の海外進出をサポートしている。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です。
本日もPicaroのTommyさんにAmazon USAの秘訣についてお話を伺いたいと思います!
前回はCPC%でや外部流入を増やすことによって、Amazonの検索結果でよりキーワードで上位表示されやすくなるお話を伺いました。
今回は在庫とSEOの関係や、米国Amazonで販売するためにどういったステップを踏まなきゃいけないのか?というところをお話を伺えればと思います。
よろしくお願いします!
株式会社Picaro.AI Tommy Kim氏(以下:Tommy氏)
よろしくお願いします!
早速、在庫とSEOの関係のところお話させていただきます。
まずAmazonで販売するときに、在庫切れというのは絶対にしないでください。
理由は3つありまして……
Tommy氏
1つ目がランキングです。
在庫切れしちゃうと1ページ目に表示されたものが、2ページ目3ページ目4ページ目というふうに下がっていってしまいます。
2つ目はindexが外れちゃうんですね。
indexってなにかというと、検索して検索結果に表示されるかされないか。
なのでだいたい6ページぐらいまで検索結果があるんですけど、1ページ目にだいたい50個ぐらいの商品が表示されるんです。×6なので300商品出てきます。
そこに引っかからない、検索に引っかからない、と。
なので、お客さんが商品を買えなくなるということが起きます。
そして3つ目にSales Velocityというんですけど、商品の売れ行きですね。
勢いが一気に下がってしまうので、Amazonって売れ始めると良い作用が起きてどんどん売れていくんですね。
Amazonのアルゴリズムが「この商品売れるんだな」と認識して、「このキーワードでも売れるんじゃないか?」と商品を検索結果に出していったり、indexを増やしていって、キーワードを増やしていってどんどん広げていきます。
そういう良いサイクルが起きて売上も上がっていって〜となるんです。
Tommy氏
そこで在庫切れを起こしてしまうと、一気に勢いを落として、そこまでに持っていくために投資した広告費というのが無駄になってしまいます。
そのため、在庫切れというのは絶対に起こさないように運用する必要があります。
Amazonのseller centralの中に入るとIPIという指標が見えるんですね。
Tommy氏
在庫パフォーマンス指標をAmazonがAIを使って、FBA在庫をいかに効率的にかつ生産的に管理しているかというのを数値化しています。
これ0から1000とバロメータがあるんですけど、300以下は絶対に下回らないように管理する必要があります。
4月1日から低在庫レベル手数料、低在庫手数料というのがFBAでかかってきます。
Tommy氏
低在庫レベル手数料というのは、長期直近90日間と短期直近30日間の販売個数をAmazonが見にきます。
この2つを両方カバーできる。
4週間分カバーできる在庫がFBAにない場合、この手数料というのがかかってきます。
逆に言うと、このどちらか、長期もしくは短期の販売個数が4週間分AmazonFBAにあればこの手数料というのはかかってきません。
どんどんFBAの管理手数料というのが2024年からこれ以外にも色々あるんですけども。
追加されているので、Amazon出品するというのは結構お金がかかってきます。
Tommy氏
あと日本から商品をアメリカに輸出しましたと。
向こうのFBAに到着したあとも、実は横持ちがされてるんです。
アメリカってとても広いので、例えば仮にカリフォルニアに商品をドーンと納品しました。
そこからAmazonがフロリダニューヨークというようなFC Transferというフルフィルメントセンター(FC)に横持ちします。
ここでもリードタイムが発生するので、ここもちょっと考慮に入れるべきポイントになってきます。
Tommy氏
なんでこのFC Transferを話しているかというと、Geographic SEOというのに関係してきます。
これは結構話されていないトピックなので結構おもしろいところだと思います。
カリフォルニアで検索した同じキーワードですね。
プロテインと検索したときに表示される商品と、ニューヨークでプロテインと検索したときに表示される商品は違うんですね。
なんで違うかというと、基本Amazonはお客さんにベストよりスピーディーな配送ができる商品を検索結果に持ってきます。
もちろんレビュー数、評価また価格というのがいろいろ加味されるんですけども。
Geographicというのは非常に大事になってきます。
Geographic SEOも加味されています。
なので、たとえばこの赤く囲ったオーガニックプロテインという商品ですね。
左のカリフォルニアでは商品、検索トップページに出てこないんですね。
理由はおそらくこの西海岸で、この商品の在庫が薄い、もしくは切れているかです。
なのでAmazonは検査結果に表示していないという考え方になります。
なのでさっき横持ちしているということはしっかり覚えておいて、在庫をアメリカ全土のフルフィルメントセンター(FC)に十分に持っている必要があるというところになります。
ここがすごく大事になってきます!
Tommy氏
我々Picaroがセラーさんにおすすめしているのが、現地の倉庫を持つことです。
住友さんだったりヤマトさんがあるんですけども、現地にドカンと商品を送って、必要に応じて現地からアメリカ国内のFBAに納品していく。
こっちの方がリードタイムが短いので、日本から船便というよりも短いので、非常に自社倉庫を現地で持っていくということが非常に大事になってきます。
結構現地に倉庫を持つとお金がかかってきて安くないです。
最近去年の10月ぐらいからAmazonが本腰を入れて、このフルフィルメントセンター、ディストリビューションですね。
ロジスティックスにすごくお金を投資しています。
Tommy氏
Supply Chain by Amazonというのが最近できたんですけども。
実は日本国内でも実装されていて、これはなにかというと、日本からコンテナで一気にドカンとAWDというAmazonのウェアハウスですね。
一旦倉庫に入れて、そこでFBAラベルを貼り付けたり、そこからFBA倉庫に納品したり横持ちしたり、全部Amazonが代行してくれるんです。
なのでこのサービスは、とてもセラーにとってはメリットがあるのかなと思ってます。
トータルで見たときもこっちの方が安いと思います。
一気に商品をアメリカに送って、そのあとはAmazonがハンドリングしてくれるので。
輸送費だったりコスト面ですごく削減できるのではないかなと思います。
徳田
そもそも在庫がないとAmazonのSEOでインデックスが消えちゃったり、せっかく上位表示されていたのに消えてしまったりとかするというところがあって。
特にアメリカに関しては広いから、在庫が豊富にないと全米にその在庫を行き渡せられないということですよね。
売れているところの州に横持ちで配布されるけど、さっきのオーガニックプロテインみたいな形で、売れていないエリアだったり、在庫が少なかったりすると手薄なエリアができてしまって、そのエリアで売れなくなってしまうということが発生してしまいます。
なのでそのあたりも注意が必要で、まず在庫を持つ!
ちゃんと潤沢に持つということも大事ですし、日本からAmazonにFBA倉庫に送るとなったとしたら、船で送らなきゃいけないから、結構時間というところを考えてやっておかないといけないです。
足りなくなってからといって日本から発送したら遅いよねという話ですね。
そのあたりも含めて、2か月とかかかることもあると思うので、逆算して在庫を持たないとせっかく売れてきたのにAmazonで在庫がなくて売れなくなってしまった。
良いスパイラルがネガティブなスパイラルに変わってしまった。
……ということになりかねないので、気をつけた方良いんですね。理解しました!
Tommy氏
おっしゃる通りです!
僕たちがおすすめしているのが、FBAには常に4週間以上の在庫を持っておこうね。そのバックアップとして、現地の自社倉庫に4週間分持っておく。
トータルで8週間。2か月分の在庫を1回で送る。
すると輸送費も安くできるので、これはおすすめしてもらいたいです。
ここまでが在庫とSEOの関係性をお話しました。
最後にここまで見てくださった皆様に、アメリカAmazonに出品するまでのプロセス、タスクというのがいくつかあると思いますが、その中の一部を紹介いたします。
Tommy氏
このようにバーっと並べただけでもやらなきゃいけことって結構あるんですね。
そのうちの一部をご紹介します。
まず一番最初に海外口座の作成ですね。
PayoneerさんとかWorld First。
World Firstさんは最近、今年1月現在新規の登録を停止しているみたいなんですけども。
Tommy氏
Payoneerさんがほとんどですね。
うちのセラーさんも、Payoneerさんを通して銀行口座を作成する。
作成できたらAmazonのアカウント開設、seller centralにします。
Tommy氏
Amazonアカウントを開設できたら、いろいろと初期設定があるんですけども。
その中でも4つピックアップしてます。
まず1つ目にAmazon出品サービスの小口出品なのか大口出品を選ぶ必要があって、基本大口出品をおすすめします。
ブランド登録して商標を取って商標をブランド登録していないと、Amazon内でできることというのはとても限られてきちゃうので、ブランド分析が見れなかったり、スポンサーがブランド広告が打てなかったりとかするので。
基本ブランド商標登録を現地でするのは必須となってきます。
大口出品ですね。
その次に納税情報。
アメリカの現地での納税というのをしなきゃいけないので、ADAという書類を提出するということが必要になってきます。
次にビジネス保険。
必須ではないんですけども推奨ですね。
かけておいた方が良いよというところで、特に月の月商が1万ドル以上やられているセラーさんは海外PL保険は入っておいた方が良いです。
必須なってきます!ちなみに現在はMarsh Japanという株式会社、この会社さんから各種保険の紹介というのをしているので、Amazon用の海外PL保険の見積もりもできます。
最後にフルフィルメントbyAmazonですね。
さっき触れたFBAかFBMがAmazonが代行して商品を配送してくれるよというサービスで、FBMというのが自社出荷でお客さんがAmazonでポチっと購入したら、セラー側が責任を持ってその商品をお客さんに届けなきゃいけない、と。
FBAの良いところは、カスタマーサービス返金返品、すべてAmazonが代行してくれるので、基本Amazonで販売するとなったらFBA1本になると思います。
Tommy氏
最後にこのUPC(Universal Product Code)の取得。
JANコードが日本では主流ですけども、このコードをしっかりと商品に貼り付けて、このコードとAmazonセラーセントラルで登録する。
ACINコードとしっかりとマッチするように、ここで初期設定でミスと後々在庫管理がすごい大変になるので。
このコード取得からカタログの登録までミスのないようにしっかりとやる必要があります。
徳田
なるほど。
前回のCPC%のコード設計の話から外部流入の話。在庫のSEOの話。米国のAmazonを開始するまでの概論も含めて聞いて理解したんですが、
自分ではできないと思いますね……
なので絶対にPicaroさんにお願いしようと思いました。
今米国にAmazonで進出していてうまくいってない会社だったり、これからやろうと思ってるけど自社でやろうだったり、どこの会社にお願いしたら良いかわからない……と思っている方は、ぜひPicaroさんに相談していただけたらなと思います。
今回の資料も含めてダウンロードできるようになっているので、一緒に動画を見て自分たちがチャレンジしてみてできるかどうかというところを含めて確認していただけたらと思います。
本日は貴重なお話をいただきありがとうございました!
Tommy氏
ありがとうございました!
当社がこれまで培った知識やノウハウ、海外の先進事例などを、無料メールマガジンとして配信しております。ぜひご登録ください。
世界へボカンのプライバシーポリシーについてはこちらをご確認ください。
弊社では、皆様のサービスや商品を最適な形で海外に進出するためのサービスをご用意しています。
具体的なプランは個々のご事情に合わせて策定いたしますので、まずはご相談ください。
はじめて越境EC、海外Webマーケティングに取り組む方向けに書籍を出版しました!
私たちが、
御社の海外進出を
サポートいたします!
私たちが提供するサービスや数々の支援実績、
実際に行ったマーケティング施策から導き出した
海外Webマーケティングのノウハウをまとめました。
ぜひご利用ください。