対談
Interview
この記事では、大規模サイトポケパラのグロースの事例や最近のSEOのお話についてご紹介します。
【NYマーケティング 代表取締役 中川裕貴氏】
WEBマーケティング歴14年。MAX月間1億PV。
徹底したロジカルシンキングで課題解決を遂行。
2021年6月にNYマーケティング株式会社を創業。
【世界へボカン株式会社 代表取締役 徳田 祐希】
日本の魅力を世界へ伝えるというミッションの元、
17年にわたり、多国籍メンバーと共に越境EC、海外BtoBマーケティングに取り組む。
越境EC企業の年商を35億→500億、約29倍の成長を導くなど数多くの実績を残す。
Shopifyマーケティングエキスパート。
世界へボカン株式会社 徳田祐希(以下:徳田)
こんにちは、世界へボカンの徳田です。
本日はNYマーケティングの中川さんに、大規模サイトポケパラのグロースの事例や最近のSEOのお話について伺いたいと思います!
まずは、簡単に自己紹介をお願いします。
NYマーケティング 代表取締役 中川裕貴氏(以下:中川氏)
こんにちは、NYマーケティングの中川です!
私は今はNYマーケティングという会社をやってるんですけども、前職でポケパラというナイトレジャーのサイトを12年13年ほどやってました。
今日は、そこのお話と現在やっている会社で、ポータルサイトとかECサイトのお客さんが8割方いますので、それの事例から内部SEOのマニアックな話をしようと思っています。
よろしくお願いします!
徳田
よろしくお願いします。
早速、ポケパラってどんなサイトなんですか?
中川氏
まず「マックス月1億PVあったんですよね」という巨大サイトで、キャバクラガールズバーとかスナック、飲み屋さんを探すサイトでして。
圧倒的に日本ナンバー1
もともと私が15年ぐらい前に、エンジニアとしてポケパラを作って、そこから作ったあとにマーケティングでSEOとか広告とかっていうのを担当して伸ばしたというサイトですね。
主に流入チャネルがSEOなので、SEOにはこだわってやっていきました。
徳田
どんなグロース戦略で取り組んだんですか?
中川氏
17年という長い歴史はあったのですが、最初は掲載店舗を増やすための営業活動とか、ある程度店舗が増えてきたら次にSEOをスタートしました。
主に内部対策ですね。
重複とか転出ページ、あとURLの正規化に取り組みました。
その次にまた大事なのが、ユーザーのことを考えて機能とかコンテンツの設計開発です。
そこを結構力を入れたことによって、よりユーザー数が増えて、結果的にSEOも良くなってという循環が作れましたね。
今日はその具体的な話をしようかなと思います。
徳田
ありがとうございます。
僕、スーパーいいねについて詳しく聞きたいなと、僕スーパーいいねについて事前に調べました!
そんな形で大規模サイトのSEOですね。
どんなポイントを押さえれば良いか、教えていただきましょうか?
中川氏
見るところはたくさんあるのですが、まずSEOというのは僕の考えではマイナスを0にするという施策と、0をプラスにするという施策がありまして。
そのまずマイナスを0にするのですが、そういう流れでやっていくと大規模サイトでも効果的だと思いますし、大規模サイトってページ数とかクエリ数が多いので部分的に見ていても仕方がないんですよね。
全体的に改善するような施策を主に取り組んでいきます。
徳田
なるほど!
では具体的なお話をお願いします。
中川氏
まずは内部対策での重複と転出ページに関してですね。
これは明らかにマイナスポイントです。
直近のコアアップデートでもかなり見られていまして……
転出ページとかが多いとサイト全体で評価が下げられて、アクセスがガクッと下がる事例も多いです。
なので、今日は具体的にどこを見るかという話していきますと、サーチコンソールのメニューにページってあるんですけど。
その中からページをクリックすると、右側の1つ下に除外というメニューが出てきますので、その中にあるクロール済みインデックス未登録というところと重複してます。
あと検出インデックス未登録という3つを見ていただくと、それでは内容は違うんですけど、そこにあるページが低品質重複になるのでそれをいかになくすかというのが大事になりますね。
具体的な話をすると長くなってしまうので、それは僕のチャンネルを見てもらえたら嬉しいのですが、直近の事例でも私のクライアントさんで去年のアップデートで転移数が多くてガクッと落ちました。
半年ぐらいかけてそれを直していって、今回のアップデートでグッと戻ったサイトが2サイトあったので、やっぱりこれの効果というかマイナスポイントの影響度は大きいかなと思いましたね。
徳田
最近海外向けで越境ECをやっていても、ページをクリックしてグレーと緑の割合があるじゃないですか。
あれのグレーの割合がどんどん増えてるかなという印象で、ページの評価みたいなところがとても厳しくなってるなって感じがしますね。
中川氏
僕のそれで考えが1つあるんですけど、結局最近そういう低品質、インデックスを解除するという例も増えていまして。
今回のアップデートって全世界の4割40%のインデックスを消すというふうにGoogleが公式に発表したじゃないですか。
これはなんでかと言いますと、もちろん悪意を持ったページももちろんあるんですけど、そもそもGoogleの仕組みってクロールしてインデックスしてじゃないですか。
クロールってクローラーが回るんですけど、クローラーというのはコンピューターの集合体なので、相当なコンピューターの負荷とか電力もかかるので、世界的にSDGsで脱酸素です。
脱酸素となるとパソコンも減らすとかになってくるので、そこにGoogleももちろん迎合しているので、そういうのもあってもちろん厳しくしてるかなと思いますね。
徳田
あと生成AIもあって、結構似たようなコンテンツが大量に生成されるという中で、ちゃんとインデックスするページを絞ってるというのが流れとしてありますよね。
では、具体的にはどんな取り組みをされたのでしょうか?
中川氏
主にやったのが今回1つずつ紹介するんですけど、URLの正規化ですね。
これは重複とか低品質でいっぱい無駄なページがあるものを正規化して絞って、Googleに正しいものを伝えることですね。
正規化の具体的にやることとしてはPLPの設計とカニバリ対策になるんですけど、PLPってなにかって話はあると思うので。
徳田
どのページをどのキーワードで上げるか〜みたいなところを設定するみたいな。
中川氏
そうですね。
簡単に言いますと、カニバリは自社のサイト内で複数ページが同じキーワードで食い合ってるみたいなことですね。
徳田
評価が分散してしまってますね。
中川氏
そうですね。
これを改善しないと評価も統一できないし、無駄なページが多いという、ここで具体例ポケパラの話が出てくるんですけど。
ポケパラってキャバクラ、ガールズバー、スナックとか、業種があって。
たとえば池袋。池袋のキャバクラページってあるじゃないですか?業種を選ばず全業種が出てるページもあるんですよね。
池袋の全業種、全店舗みたいな、もともと池袋キャバクラを狙うページはPLPが今言った全業種とキャバクラページどっちもあったんですよね。
どっちもキャバクラってワードが入っていたので、どうするかみたいな話になりまして。
こういったケースの場合は、たとえばタイトルをどっちかからキャバクラをなくすとか、canonicalでどっちに抜けるかとやると、正規化できます。
徳田
canonicalで正規URLを選んだり、そもそも評価するキーワードをどのページで評価するかというのを決めて、タイトルだったりとかその他の項目を最適化したりというところですね。
そうすると評価が分散せずに特定のページが上がってくる。
大規模サイトといえば、クロールバジェットみたいな話をよく聞くんですけど、要はクローラーが回り切れないよという話だと思うんですけど、これってどのくらいのページの本数から考えなきゃいけないですかね?
中川氏
これは万単位以上あるページだけ、サイトだけ考えればOKですね。
徳田
じゃあ数千ページのサイトなら、クロールバジェットは意識しなくてよくて、数万ページだったらそこを意識してクロールさせるページは制御しなきゃない……って感じになってくるってことですね?
中川氏
そうですね。
数千であればGoogleがうまい具合にクロールしてくれるので良いのですが、万単位万以上、10万とか何百万とかのサイトがあるじゃないですか。
その場合はGoogleクローラーのデータを見たうえで、改善を講じていかないといけないですね。
これも話せば長くなってしまうので、私のチャンネルをぜひ見ていただければと思います!
徳田
内部リンクだったりとか、XMLサイトマップの調整だったりとか。
そのへんのrobots.txtのクロールの調整だったりとかっていうところをやるというのを、とてもマニアックな内容をNYさんで話しているという(笑)
「マイナスをゼロに戻す」という話と、今度は「ゼロをプラスに変える」という話だったと思うんですけど、そのあたりってどんな感じですか?
中川氏
マイナスをゼロにできたら、ようやくここから勝負というか戦いが始まるんですけど。
プラスというのはコンテンツですよね。
いかにコンテンツを作っていくかです。
ユーザーが求めるコンテンツを作っていくかになるんですけど、手順としては、ポケパラでやったことが主に2つなります。
中川氏
一般的にやるのが1つ目。
競合調査をして競合が持っているコンテンツを作るとか、基礎のコンテンツをブラッシュアップするみたいな話。これは当たり前の話です。
中川氏
これも一例が1つあって、ポケパラってポケパラ体入といって求人サイトも実はあって、女性が仕事を探すサイト。その例としてこだわり検索。
たとえば池袋キャバクラ日払いOKとか、第3ワードが競合サイトを見てポケパラにないものを作るみたいなそういったことが今の例に当てはまりますね。
中川氏
次に2つ目。
もう1つというのが、ユーザー視点での機能開発というもの。ここでスーパーいいねが出てきます。
僕の人生の最高傑作スーパーいいね!
「スーパーいいね」って言葉はなかなか世の中にないですよね。
徳田
スーパーいいねないですよね。
昨日調べてゴールドがもらえるんだなみたいな。
10%還元みたいな。
中川氏
まず何かというと、女の子のブログにいいねってあるじゃないですか。
それのスーパーないいねなんです。
いいねは名前だけ出るんですけど、スーパーは写真付きで、メッセージ付きでいいねできるので目立つという。
徳田
僕がスーパーいいねしたら、その池袋のキャバ嬢に「徳田さんがスーパーいいねしてる」と見えるんですよね?
とても良いじゃないですか!
中川氏
いいねはいっぱいついちゃうので埋もれちゃうんですけど、目立てるので知ってもらえると、承認欲求じゃないけど…
徳田
あんまり行ってないですけど(笑)
次回行ったときにスーパーいいねしてくれましたよねってなるんですね?
認知が取れるってことですね。
中川氏
逆に男性客の口コミもあって、そっちでも女の子がスーパーいいねできるので、スーパーいいねをもらったらうれしいじゃないですか。
徳田
女の子からスーパーいいねがもらえるんですか?
それは良いですね。
中川氏
嬉しいじゃないですか。
嬉しくなってまた書くじゃないですか。
となるとポケパラの中でコンテンツが増えていって、より強固になっていくんですよね。
徳田
記事を書くとポイントみたいなのがもらえるんですよね。
中川氏
ここがミソなんです。
スーパーいいねだけだったら弱いんですけど、スーパーいいねをするためにはポケパラポイントが必要で、ポケパラポイントはポケパラゴールドって買えるんですよね。
換金できて、ポケパラゴールドは口コミとかブログとかなにかしら更新をすればもらえるので、客も女性も頑張るんですよ。
勝手にコンテンツを増やしてくれるので、UGCを。
なのですごい良い循環ができあがったというのが、このスーパーいいねの裏側ですね。
徳田
それでUGCが相互に起こる仕組みを作ったということですね。
実際にキャバ嬢の方とか、お客様が書かれている記事というのは、SEO的にどうなんですか?
中川氏
そのページに直での流入はたぶんほぼないと思いますね。
ほぼないんですけど、サイトのコンテンツとして評価されているかなと思います。
徳田
他社の店舗と比べて、他社のポータルと比べて、オリジナルのコンテンツが多いサイトってみなされますもんね。
中川氏
ただ注意が必要なのは、結構ポータルサイトが増えてきているので結構ブログとかって同じ内容を投稿しがちなんです。
複数ポータルで、その場合って重複になっちゃうじゃないですか。それが増えてきたタイミングだと。
それは僕がいたときはなかったんですけど、もしそうなった場合はnoindexにするとか。
とはいえスーパーいいねとかコメントとかポケパラはいろんなコンテンツが溢れていて独自性が取れるので、それはポケパラが首位になると思うんですけど、そういったカスタマイズは今後いるかなと僕ははたから見てます。
徳田
UGCを生成する仕組みを作る、要は皆さんキャバクラのポータルを運営しているわけじゃないと思うので。
見ている方が役立てようとしたら、ECとかでもどうやったら口コミとか、UGCが広がるようなコンテンツを自動的に増やせるかだったりとか、結構今ポータルとかだとカテゴリーページだと差別化できないじゃないですか。
詳細カテゴリーでどう差別化するか、みたいな視点が大事ってことですね。
それの最たる例がスーパーいいね、と!
そういったマイナスをゼロ。ゼロをプラスにする施策みたいなのを行って、ポケパラを……何億PVでしたけ?
中川氏
1億PV月ですね。マックス月。
徳田
すごいです!
……まで伸ばせたと。
そんな感じでめちゃめちゃマニアックな内容を中川さんがお話されているので、ぜひNYマーケティングさんのチャンネルも見ていただけたらなと思います。
次は内部対策の具体的な手法だったり、もっとマニアックな話をしていただけるということなので。
本日は貴重なお話いただきありがとうございました!
中川氏
ありがとうございました!
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